今回は初心者の方を対象に、クレジットカードはどうやって選べば良いのか…という比較方法を解説させてもらおうと思います。
なにせひとことにクレジットカードといっても、日本だけで1,000種類程度は発行されている現状…。この中から自分にとって最適な1枚を探しだすことは決して容易なことではないので、是非、この記事を読んでカードを比較する上での視点というものを、学んでもらえれば幸いです(クレジットカードの仕組みすらわからない…という方は、下記記事から先にどうぞ)。
クレジットカードの比較方法解説:
1.年会費で選ぶ:
クレジットカードを比較する上で一番カンタンなのが「年会費」。年会費というのはそのクレジットカードを1年間、保有するためにかかる会員費のことです。
- 年会費とは、クレジットカードを1年保有するためにかかる費用のこと
この年会費は0円、つまり無料に設定されているものから、富裕層向けの年会費30万円以上かかるクレジットカードまで存在。クレジットカードを持つために年会費なんて払いたくない…という方は、まず、年会費無料のクレジットカードの中から選ぶようにしてください(年会費無料カードのおすすめはこちら)。
尚、下記の図のように年会費がかかるクレジットカードになればなるほど、買い物をするという単純な決済機能以外のサービスが充実していくことになります。年会費が安ければ安いほど良い…という考え方もOKですが、場合によっては敢えて年会費を払うことで、より手厚いサービスを受けることも可能になりますよ。
年会費比較 | 解説: |
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年会費無料 | クレジットカードを1年持つために1円もかからないもののこと。こういったクレジットカードは何年もっても維持費0円なので、クレジットカード初心者の方におすすめ。 |
条件付き年会費無料 | 条件付きで年会費が無料になるクレジットカードです。年に1度でも利用すれば翌年度は無料とか、年間5万円以上の利用で無料とか、さまざまな条件があります。初心者の方にはあまり優しいとはいえないクレジットカードです。 |
年会費2,000円程度まで | 年会費が2,000円程度までのクレジットカードは、年会費無料とさほどサービス内容には違いがありません。こういったカードを選ぶならきちんと年会費無料カードと比較してから申込を! |
年会費5,000円程度まで | 年会費が2,000円以上になってくると、買い物以外のサービスが強化されてきます。海外旅行時に加入できる保険が無料だったり、空港の特別ラウンジが使えるようになったりといった点に興味があるなら、このあたりのカードを選択。 |
年会費10,000円前後 | 一般的にゴールドカードと呼ばれるカードがこのあたりの年会費です。クレジットカードの見た目がよくなることや、ホテルに割安で泊まれるサービスがあったりと、徐々にサービスが強化されてきます。 |
年会費30,000円程度まで | ゴールドカードの中でも最上位のアメックスゴールドや、プラチナカードの年会費が安いものがこのあたり。サービス内容にレストランの割引やゴルフ場の予約などが加わり、まさに富裕層向けのサービスが使えるようになります。 |
年会費30,000円以上まで | プラチナカードでも上位のカードや、最高峰のブラックカードと呼ばれるクレジットカードがこのあたり。コンシェルジュと呼ばれる「いろいろとお願いできる秘書サービス」が使えるようになるのが主な特徴です。 |
このようにクレジットカードには様々な独自サービスがありますが、クレジットカード初心者の方はまず、年会費無料のクレジットカードからはじめてみるのが無難でしょう。それでサービス内容に不満があったり、もっといろいろなサービスを使ってみたくなったら、年会費のかかるカードを選べばOKです(下記記事も参考に)。
2.カード発行会社で選ぶ:
次におすすめなのが、クレジットカードの発行会社でどのカードを選ぶかを決めること。だいたい日本だけで100社以上のカード会社がクレジットカードを発行しているので、どの会社を選ぶかだけでもクレジットカードの比較が出来ます。
大手カード会社がやはりいいのか?
ではどのクレジットカード発行会社が良いのかというと、これはみなさん次第。
基本的には大手クレジットカード会社であろうが中小クレジットカード会社であろうが買い物における使い勝手には違いはないのですが、やはりセキュリティ面での安全を重視するとか、万が一の時のサポート体制が気になるという方は大手を選ぶほうが無難です。
比較項目 | 大手カード会社 | 中小カード会社 |
---|---|---|
買い物における使い勝手 | どこでも使える | どこでも使える |
セキュリティ面 | 大手ならではの安心感あり | やや弱いところもあり |
万が一の時の対応 | 他にも利用者が多いので安心 | 雑な対応をされてしまう可能性あり |
反面、大手のクレジットカード会社にはクレジットカードそのものの魅力が乏しいケースが多くなっています。理由は単純で、大手には信用力と知名度があるので、そんなにもサービスを強化しなくても勝手に利用者が集まるためですね。
その点、中小のクレジットカード会社のほうがポイントが溜まりやすかったり、年会費無料のクレジットカードを積極的に発行していたりと様々な魅力があります。まぁそうでもしないとカード利用者を集められない…というのが実情でしょう。
比較項目 | 大手カード会社 | 中小カード会社 |
---|---|---|
ポイント制度 | 平凡な場合が多い | 魅力あるものが多い |
年会費 | 総じて高め | 年会費無料カードが多い |
大手クレジットカード会社例:
- JCBカード
- 三菱UFJニコス
- 三井住友カード
- クレディセゾン
- セディナ など
準大手クレジットカード会社例:
- 楽天カード
- イオンカード
- トヨタファイナンス
- オリコカード
- エポスカード など
このように大手クレジットカード会社と中小クレジットカードには違いがあります。安心さを取るか、それともクレジットカード自体の魅力を取るかは…みなさんに是非、お任せしますが、初めてクレジットカードを作る方なら、まずは大手か準大手カード会社で作るのが安心かもですね(詳しくは下記記事にて)。
3.ポイント還元率で比較:
3つ目はポイント還元率で選ぶ方法です。とにかくクレジットカードを買い物で使ってポイントを貯めたい…という方におすすめの比較方法ですね(ポイント還元率とは何?という方は下記記事参照)。
但し、ひとことにポイント還元率が高い、低いといっても年会費が別途かかるのではそれもしっかりと考慮しないといけません。
例えば私が現在利用しているダイナースクラブ プレミアムカードはポイント還元率2%(マイル1.5円換算で3%還元)というとんでもなく素晴らしいカードなんですが、このカードの年会費は10万円以上(苦笑)。ポイント獲得で年会費の元取るのはほぼほぼ不可能な状況です。
比較項目 | 解説: |
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年会費無料のカード | ポイント獲得分すべてが得をするクレジットカードです。年会費無料のクレジットカードでポイント還元率が高いものがあればそれがベストですね。楽天カード、ライフカードあたりが最近の主力です。 |
年会費有料のカード | 年間のポイント獲得金額から年会費を差し引いてポイント還元率を計算しなくてはいけません。例えば年間利用金額が100万円で2万円分のポイント獲得、年会費1万円なら差し引き1万円の得で、ポイント還元率は1.0%になります。 |
そのため、ポイント還元率でクレジットカードを比較するのであれば、しっかりと年会費分も考慮した計算をすることが大切。
『なんだか難しそうだし、計算は苦手だからおすすめを教えてよ』という方は、下記のポイント獲得重視のクレジットカード選びを解説した記事をお読みください。
4.国際ブランドで選ぶ:
4つ目は国際ブランドで選ぶという視点です。
「国際ブランドって?」という方のためにカンタンに説明すると、国際ブランドとはVISAやMasterCard、JCBといったクレジットカードのカテゴリのこと。これら3つに加えて、アメックス、ダイナースクラブなどを加えた5つが世界5大ブランドと言われています。
例えば海外旅行や海外出張に頻繁に行く…という方は、VISAの国際ブランドが付いたクレジットカードを作るのがおすすめ。有名なクレジットカードだと三井住友VISAカードがありますね(公式サイトはこちら)。
他にも日本国内での利用を重視したい…という方であればJCBブランド付きのクレジットカードを選んだり、とにかくステータス性重視でクレジットカードを選びたいならアメックスやダイナースクラブ…といったように、それぞれの国際ブランドには特徴があります。
VISAかMasterCardが無難:
ただ2016年現在でいえば、VISAかMasterCardブランド付きのクレジットカードを選ぶのが最適なので、どれを選んで良いのかわからない…という方はこの2つのうちのどちらかのマークが入ったクレジットカードを選べばOK。敢えてJCBやアメックスなどを選ぶ必要性はありません*1。
- VISA:強くおすすめ
- MasterCard:強くおすすめ
- JCB:おすすめ
- アメックス:初心者にはおすすめしない
- ダイナースクラブ:初心者にはおすすめしない
また、楽天カードやセゾンカードといったようなクレジットカードでは、カード申込時にVISA、MasterCard、JCBの3つのブランドから好きな国際ブランドを選べるようになっているので、国際ブランドは好きなクレジットカードを選んだ後、どれにすべきかを考えれば大丈夫ですよ(迷ったらVISAでOK)*2。
5.付加価値で選ぶ:
5つ目はこれ、付加価値で選ぶこと。ここまでいくつかの付加価値を書いてきましたが、代表的なクレジットカードのサービス内容をいくつか紹介しておきます。
年会費比較 | 解説: |
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海外旅行傷害保険 | クレジットカードを持っているだけで、海外旅行傷害保険に加入していることになるサービス(自動付帯の場合)。海外での事故や急な病気などでの治療費が出たり、トラブル発生時の損害賠償に対応してくれます。海外旅行によく行く方に人気です(無料で海外旅行保険に加入する方法はこちら)。 |
国内旅行傷害保険 | クレジットカードを持っているだけで、国内旅行傷害保険に加入していることになるサービス(自動付帯の場合)。ただ海外旅行傷害保険とは異なり、適用になるのは事例はかなり少ないので、万が一、事故死してしまった場合など、自分の家族への補償くらいに考えておいたほうが無難かもしれません。 |
空港ラウンジ無料 | 日本国内を飛行機で旅をする方に人気な空港ラウンジ無料サービスも人気です。飛行機の搭乗時間までの隙間時間を有効活用できるので、ビジネスマンの方におすすめですね。 |
プライオリティパス無料 | 日本国内だけではなく海外にも飛行機で行くことが多いという方に人気の空港ラウンジサービスです。国際空港ならほとんどの場所で使えるので、海外旅行や海外出張時に重宝します(プライオリティパス付きカードの一覧はこちら)。 |
高級レストラン半額 | フレンチやイタリアン、お寿司屋さんなどの高級レストランが最大半額になるサービスです。グルメ好きの方に特に人気ですが、主に東京や大阪などの都市部にしか割引対象レストランがないのがデメリットです。 |
ゴルフ場割引 | 憧れのゴルフコースに予約できるサービスや、特定ゴルフコースの割引があるクレジットカードは多いです。ゴルフを安くしたい、有名ゴルフ場でプレイしてみたい…というゴルファーの方向けですね。 |
コンシェルジュサービス | 飛行機チケットを取ってほしい、あのレストランの予約をしておいてほしいなど、自分の秘書がわりに使うことが出来るコンシェルジュサービスも人気。基本、カード決済ができるものならなんでもわがままを聞いてくれるのでラクです。 |
これらの付加価値概要を読んでピンと来た方は付加価値でカードを選ぶのがおすすめ。逆にどれを読んでも「私には関係ないな…」と思われた方は、年会費の安さ(無料かどうか)でクレジットカードを選ぶほうが良いかもしれません。
- 魅力あるサービスがあった:年会費を払ってでも加入を
- 魅力あるサービスがなかった:年会費無料で充分
6.直感で選ぶ:
最後はこれ、直感です(苦笑)。
基本的にこういってしまってはアレですが、クレジットカードなんていうのは最初から自分にベストな1枚が見つかるケースなんて稀。いろいろなクレジットカード申し込んでは解約して知識を増やしていき、最終的に自分にとってベストな1枚が見つかるほうが普通だと言えます。
- 最初から最適なカードが見つかるのは稀
『そんなこといっても変なカードを申し込んじゃったら危ないんじゃ?』と思われるかもしれませんが、日本国内で発行されているクレジットカードの中で危ないのはリボ払い専用クレジットカードと呼ばれるものくらい。
他のカードはどれも、申し込んだとしても変な請求が来たりするようなことはありませんので、安心して申込をしてもらえればなと思います(初心者が作ってはいけないリボ払い専用カードリストは下記より)*3。
以上、クレジットカードをどう比較して良いかわからない方に!初心者にもわかりやすく、最適なクレジットカードの選び方を解説します…という話題でした。
参考リンク:
クレジットカードの最新情報や知識をもっと知りたい…という方は是非、定期的に当サイト「クレジットカードの読みもの」を読みに来てくださいね。