現場では毎日のように深夜2時まで夜間の工事が行われている。ゴンドラを設置するため招かれたドッペルマイヤー社(オーストリア)の技術者たちは、週末や休日を返上して工事に当たっている。事業費はすでに当初計画の1095億ウォン(約110億円)から1723億ウォン(約173億円)に膨れ上がった。会場の最終チェックの日程も、当初の1月10日から20日に先送りするよう組織委がFISに要請し、FISもこれを受け入れた。その結果、10日間の時間ができて組織委も少し安心している。12月中旬時点の進捗(しんちょく)率は57.5%。これはFISが求める60%をほぼ満たした数値で、12月15日から人工降雪機の稼働を開始するに至った。組織委の関係者は「時間の余裕はないが、今のペースで工事が進めば、大会の開催に大きな支障はないだろう」と語る。しかし選手など関係者の間では「もし雨など想定外の気象条件に見舞われれば、大会の開催そのものを諦めるしかない」といった声も聞こえてくる。最後まで安心できるような状況にはないのだ。
この最初のテストイベントが終わってから10日後には、早くも次の試練が待ち受けている。スノーボードとフリースタイルスキーのワールドカップが普光フェニックスパークで2月18日から28日までの日程で開催されるからだ。平昌ではオリンピックまでに28回のテストイベントを開催しなければならない。ちなみに現在の会場施設全体の工事進捗率は平均で50%を上回っており、テストイベントの開催にさほど大きな支障はないという。平昌オリンピック組織委員会の趙亮鎬(チョ・ヤンホ)委員長は「アルペン・スキー・ワールドカップはわれわれの準備状況を立証する最初の大会になる」とした上で「大会を成功させることで世界との約束を守っていきたい」とコメントした。