平昌五輪:テストイベントまで残り1カ月、人工降雪機は24時間フル稼働

2月6日からアルペン・スキー・ワールドカップ
ゴンドラ設置のため工事は深夜2時まで
スロープでは人工降雪機を24時間稼働
環境団体との裁判で1年を無駄に
開催に必要な施設は今も未完成
会場の最終チェックは10日後に先送りで一安心
「雨など想定外の悪天候さえなければ問題なし」

平昌五輪:テストイベントまで残り1カ月、人工降雪機は24時間フル稼働

平昌オリンピックの会場の一つとなる江原道旌善(チョンソン)郡の空は晴れ渡っていたが、工事が行われている山の中腹では人工降雪機が24時間フル稼働で雪を降らせ、雪のない砂利場は少しずつ白く変わっている。タイヤにチェーンを巻いたダンプカーは、スロープを造成するため切り出された木や掘り起こした土を休む間もなく運び出し、現場では作業用の白いヘルメットをかぶった150人以上の作業員が慌ただしく動き回っていた。

 記者が旌善郡の会場を取材したのは12月末。2018年2月9日に開幕する平昌オリンピックを前に、そのテストイベントとなる国際スキー連盟(FIS)アルペン・スキー・ワールドカップが2月6日から2日間の日程でこの地で開催される。平昌オリンピックのリハーサルとなる大会は幾つか予定されているが、中でも最初に行われるのがこの大会だ。本番と同じコースが使われることから、世界のスキー関係者からの注目も集まる。

 大会会場となる加里王山のスキー場建設現場は、大会に間に合わせるため文字通り「時間との闘い」だ。本来は12月末までにスキー場の工事を終わらせる計画だったが、開催に必要なスロープとゴンドラはまだ完成していない。スロープの全長は2648メートル。敷地の造成は11月の時点ですでに終わっていたが、問題は雪だ。FISの規定によると、国際大会を行うに当たっては選手の安全のため、最低でも120センチ以上の雪が積もっていなければならない。ところが現在の積雪はわずか20センチほど。現場では134台の人工降雪機を24時間フル稼働させ、毎日1万トンの水を使って雪を降らせている。

 選手や関係者を山の頂上まで運ぶゴンドラも、現時点で22の鉄塔しか完成していない。スタート地点の海抜は1480メートル。地盤に粘土成分が多く含まれていることが工事が始まってから分かり、地盤を固める作業に時間がかかった。ゴンドラのケーブルについてはまだ設置工事も始まっていない。韓国国内では「テストイベントの延期も考慮すべきでは」といった意見も出始めており、FISも「テストイベントが開催できない恐れもある」と懸念を隠さない。こうなった最も大きな原因は、工事の開始そのものが遅れてしまったことにある。絶滅危惧種に指定された植物の保存を求め、工事に反対する環境団体などと組織委員会が裁判で争い、1年近くの時間が無駄に過ぎてしまった。影響で工事の開始は2014年5月にずれ込んだ。

旌善郡・平昌郡=孫章薫(ソン・ジャンフン)記者
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