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【衝撃事件の核心】オレオレ詐欺、いまや拠点は中国・韓国に 警察が撲滅目指す「三種の神器」とは

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【衝撃事件の核心】
オレオレ詐欺、いまや拠点は中国・韓国に 警察が撲滅目指す「三種の神器」とは

特殊詐欺事件で警視庁が家宅捜索したアジトからは、大量の携帯電話に加え、証拠隠滅用とみられる水溶性の紙や金槌なども押収された=平成27年3月

 だが、特殊詐欺に詳しい暴力団関係者は「最近は、韓国、中国に架け子の拠点を移すグループが増えている」と打ち明ける。捜査幹部も「移動中の車を拠点に詐欺の電話を架けるなどの手口が今後出てくるかもしれない」と話す。

アジトの8割が管理人なし…慎重に物件選択か

 特殊詐欺を可能にする「三種の神器」とされるのは、電話、人員、アジトの3つ。警察当局の捜査の過程で、そのアジトの調達に不動産業者が深く関わっていることもみえてきた。

 警視庁組織犯罪対策3課が6月に摘発した特殊詐欺グループでは、現役の不動産会社社員や元不動産業者などで作るネットワークが、特殊詐欺のアジト提供に活用されていたことが判明。特殊詐欺だけでなく、暴力団関係者の自宅などの確保にも手を染めていたことが分かった。

 こうした不動産関係者は特殊詐欺グループから高額の仲介手数料などを得る代りに、詐欺に使いやすい物件の家探しから、嘘の賃借名義人の調達までをこなし、摘発を警戒して数カ月ごとに移転する詐欺グループのアジト確保に協力してきた。

 特殊詐欺に使われるアジトにはかなり偏りがある。警視庁が1~10月に摘発した29件のアジトの分析を進めたところ、8割が角部屋やワンフロア一室など、周囲に音が漏れにくい場所を選んでいることが判明した。86%は管理人室がなく、管理人が常駐していたアジトは1件のみ。76%は防犯カメラが設置されておらず、詐欺グループが警察の摘発を警戒してアジトを選んでいることが伺える。

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