北朝鮮が4回目の核実験を強行した後、韓国と中国は首脳間はもちろん、外相や国防相レベルでも電話などによる協議が円滑に行われていなかったことがわかった。朴槿恵(パク・クンヘ)政権はこれまで中国との信頼関係構築に大きな努力を傾けてきたが、今のこの状況については「本当に重要な時には両国間に大きな壁があることが露呈した」との指摘が相次いでいる。
朴大統領と中国の習近平・国家主席は北朝鮮が核実験を行ってから3日目となる8日になっても、電話でのやり取りは1回も行っていなかった。韓国大統領府はこの日「習主席との電話会談など、中国とは多方面において様々な協力策を検討している」とコメントはしたものの、首脳間の電話会談の内容については、実務担当者の間で方針の整理がついていないことをうかがわせた。朴大統領は今月7日に米国のオバマ大統領、日本の安倍首相と相次いで電話会談を行い、北朝鮮に対して厳しい制裁を加えることで一致した。しかし制裁に実効性を持たせるにあたって最も大きな役割を果たす習主席との電話会談については、今もなお実現していないのだ。
韓国国防部(省に相当、以下同じ)も7日「韓民求(ハン・ミング)国防長官と中国の常萬全・国防相との電話会談はまだ日程が決まっていない」と明らかにした。両国国防相は北朝鮮と関連して突発的な事態が発生した際、双方の軍当局がただちに情報を共有し、対応策を協議するため昨年12月31日にホットラインを設置したばかりで、試験通話もすでに終えている。
しかしそのわずか6日後に行われた核実験をめぐっては、ホットラインは本来の役割を全く果たせていない。韓長官は米国の国防相とは6日、日本の国防相とは8日にすでに電話会談を行っている。
韓国外交部の尹炳世(ユン・ビョンセ)長官は核実験直後、米国や日本の外相はもちろん、英国、フランス、オーストラリア、EU(欧州連合)、ウルグアイ、スペイン、ラオスなどの外相に相次いで電話をかけ、北朝鮮への制裁に向けた協力を取り付けた。ところが中国の王毅・外相との電話会談は、核実験から57時間が過ぎた8日夜8時まで行われなかった。事前に予定されていた電話会談について、中国側が2回にわたり先送りを要請したためだという。6カ国協議で韓国の主席代表を務める黄浚局(ファン・ジュングク)外交部韓半島(朝鮮半島)平和交渉本部長と、中国の主席代表を務める武大偉・韓半島問題特別代表との電話会談も、同じく8日午後にやっと実現した。
韓国のある外交筋は「現政権発足後、韓中首脳会談が6回も行われたことや、また両首脳の個人的な関係などを考えると、核実験という重大な局面で連絡がつかないという現実には非常に失望している」と述べた。