【コラム】日本が「少女像」に神経質になる本当の理由とは

切りっぱなしの髪、地面に付いていないかかと、肩に止まった鳥…
「恨」を晴らしたいという願いが彫刻に命吹き込む

 美術は世界を再現しようとする欲望の産物だ。科学技術が発達する前の伝統社会において、立体である彫刻はその欲望の最大値を反映させていた。彫刻の力はそれを見る人からわいて来る。見る人の切なる願いが投影されれば、土・青銅・石といった材料の物性を超えて、生命力を得るようになる。象牙で作られた女性像を愛するあまり妻にしたいと祈ったところ、神の力で人に変わったピグマリオン伝説は、作品の属性をよく現している。

 少女像を彫刻したキム・ウンソン、キム・ソギョン夫妻は、特定の宗教ではなく作品の力を信じていた。夫妻は「元慰安婦のおばあさんたちに対する共感を引き出すよう祈りながら像を作った。2011年12月に現在の位置に像を置き、日本から心のこもった謝罪を受けるという願いを込めて拝んだ」と言った。

 日本の小説家・宮部みゆきの『荒神(こうじん)』を最近読んだ。土で作った人形が人間の恨みや怒りを原動力として生き物になって動くというこの小説は、この世の万物に神が宿っているという日本の伝統信仰を根幹としている。重さ120キログラムの青銅でできた少女像の移転問題をめぐり、日本が神経質になっているのは、彼らがこの彫刻の力を誰よりもよく知っているからかもしれない。元慰安婦のおばあさんたちの恨(ハン、晴らせない無念の思い)、そしてその恨を晴らしたいという私たち韓国人の願いのエネルギーを。

クァク・アラム記者
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