手を伸ばして触ると、少女の足は冷たかった。「冷たいでしょ? この冬に靴もなくてどんなに寒いことか」。4日午後、ソウル市鍾路区にある駐韓日本大使館の向かい側。従軍慰安婦を象徴する「平和の少女像」=写真=の隣で「1人デモ」をしていた国会議員が声をかけた。彼女が掲げたプラカードには「従軍慰安婦合意は根本的に無効、少女像を守ります」と書かれていた。
日中の気温が氷点下でないとは言え、真冬に青銅で作られた像が冷たいのは当然のことだ。しかし、高さ1メートル30センチのこの少女像は、すでに単なる青銅の彫刻以上のものになっている気がした。人々は仏像を拝むように少女像に接していた。
少女像の隣にあるいすの下には花が供え物のように置かれていた。この誰も座っていないいすは、この世を去った元慰安婦のおばあさんたちを思い出させるためのものだ。日本政府に対する怒りを表現するため、ギュッと握った両手の間に誰かが紫色の花と手袋を置いていた。
切りっぱなしの少女の髪は、故郷から強制的に引き離されたことを意味する。その髪に被せられた毛糸の帽子の房が左肩に止まっている鳥に触れていた。鳥はこの世を去った元慰安婦のおばあさんたちとこの世を結ぶ仲介者だ。はだしの少女のかかとは地面に届いていない。元慰安婦のおばあさんたちは故郷に戻ってきても居場所がなくてさまよっているからだ。「最後まで守りますから!」「元気を出してください!」などと書かれた紙が足元に貼られていた。少女像はもはや作品ではなかった。元慰安婦のおばあさん自身と考えられていた。