銚子電鉄は大正12年の開業以来、市民の足として、また銚子観光のシンボルとし て愛されてきました。

しかし、平成26年1月の脱線事故以来、これまでの4編成から3編成となり、運行本数も33往復から19往復に減便せざるをえない状況となっています。 運行本数が減ったことで、それまで通勤通学で銚子電鉄をご利用いただいていたお客様の中にはバス便に乗り換える方もいらっしゃいます。

また、別のお客様からは
「犬吠のホテルのチェックアウトの後、銚子行の電車に乗るのに待ち時間が長すぎる」
「22時にJRで銚子についても、そこから銚電が走っていないのが不便」
「とにかく1時間に1本では、使い勝手が悪すぎる」
などの不満の声をいただいております。

減便⇒不便⇒利用者離れの悪循環を解決するためには、車両を増やし、増便⇒便利⇒利用者の増加という循環を作らなければなりませんが、資金不足のため車両を増やすことができず、大変苦慮しています。

銚子電鉄は、幾度となく廃線の危機を迎えましたが、その度、多くの皆さまに支えられ、生かされてきました。本当にありがとうございます。

今、銚子電鉄は皆さまに向けて感謝の気持ちをもって毎日運行しています。 でも、いつまでも「生かされている」会社のままでいる訳にはいきません。

銚子電鉄が目指しているのは、皆さまに「この町に銚電があってよかった♪銚電ありがとう!」と言ってもらえる会社になることです。
そのため、安全安心な運行はもちろんのこと、様々な地域貢献活動を行い、日々チャレンジをしていきます。

これからも関東最東端6.4kmのローカル鉄道を運行していくため、みなさまのご支援をよろしくお願いします。

銚子電鉄は過疎化による人口減少や、観光客の減少により年々乗客数が減り、行政からの補助金でなんとか運行を維持している状態でした。
昭和30年代に年間250万人いた乗客は、平成に入ると100万人を切り、いつ廃線になるかと不安を抱えながら仕事をしていました。

平成18年、恐れていたことが現実に変わりました。当時の社長に横領が発覚。その額は1億円を超え、すでに行政からの補助金は打ち切りになっており、倒産の危機が目の前に迫ってきました。
しかも、時を同じくして国土交通省の監査が入り、老朽化した線路や踏切の改善・修理の命令も出されました。3ヶ月以内に線路・踏切などの改修をしなければ運行停止。それには約5000万円もの費用が必要で、会社にとってこれは”死刑宣告”とでも言うべきものでした。

そのうえ車両の法定検査(自動車の車検のようなもの)が1ヶ月後に迫り、費用は1000万円。これからの多額の費用は月間運賃収入が900万円の赤字会社がとても確保できる額ではありません。社員の給料さえも全額払えない状況で、この時の通帳残高は僅かに200万円。銀行からの追加融資も元社長の横領問題で望めず、会社存続は絶望的な状況でした。

それでも何とかしなければならない・・・
出来る事といえば、数年前より製造・販売を開始した副業の「ぬれ煎餅」を売ることだけでした。電車を走らせる為、「買って下さい、買って下さい。」来る日も来る日も必死になって売り歩きましたが、そう簡単に売れるものではありません。現実の厳しさを思い知らされました。
「本当にこんなことに意味があるのか?」「私達が思うほどに銚子電鉄は必要とされてないのか?」そんな思いが頭をよぎり、やる気を失いかけていました。

もうダメかと諦めかけていたある日の朝、パソコンを開くと、膨大な数のメールが2000…3000件....!「ぬれ煎餅」のご注文が今までに見たことがないようなペースで入り続けていました。一瞬、わが目を疑いました。一体これはどういうことなのだろう...?

実は3日前の夜、「もはや残された時間はあと数日、このままでは完全に資金ショートを起こしてしまう。何かしなければ。」・・・そう思った時にふと思いついたのが、インターネットでぬれ煎餅の購入を呼びかけることでした。「ぬれ煎餅を買って下さい。電車修理代を稼がなくちゃいけないんです。」という言葉が自然と頭に浮かび、思わずホームページに書き込みをしたのです。

呼びかけ当時の銚子電鉄ホームページ

この書き込みを見た多くの人がインターネットの掲示板やブログ(日記)などで、「ぬれ煎餅の購入」を呼びかけてくれたためでした。
そのメッセージに10日間で10000人以上のお客様が共感してくれたのです。その後テレビなどにも取り上げられ、ぬれ煎餅は爆発的な売上げを記録しました。この売上げにより「車両の法定検査」や「老朽化施設の改修」などの費用を賄うことができました。
これはまさに思いもよらぬ「奇跡」でした。

そして、ご注文いただいた多くのお客様からメッセージが添えられていました。
「年金生活なので、これが精一杯の買い物でした。ごめんなさい・・・。」
「彼女との初デートに銚子電鉄を利用しました。その時、僕が緊張しているのを見た車掌さんが話かけてくれ、二人を和ませてくれました。その時の彼女は、今僕の妻です。子供も二人できました。僕達を結びつけた銚子電鉄、あの時の優しい車掌さん、今度は僕が助ける番です。」
「子供達がお金を出し合いお煎餅を注文しました。銚子電鉄がんばれ!」
「私が小さい頃、去年亡くなった母と銚子電鉄に乗った大変楽しい思い出があります。優しかった母との思い出の一部がなくなってしまうのは悲しいです。絶対に守ってください。ずっと応援します。」

メッセージを読んでいると涙が溢れてきました。「ありがとうございます。ありがとうございます。」ただ感謝の言葉しか思い浮かびませんでした。

私は「苦しいときに助けを求めることは、恥ずかしいことではない」ということを学びました。あの時、ホームページにぬれ煎餅の購入を呼びかけて本当に良かったと思っています。もし呼びかけていなければ、もう銚子電鉄は確実に廃線になっていたことでしょう。また、ここのような奇跡が起きることもありませんでしたし、お客様の温かい気持ちを知る機会もなかったと思います。

そして今は「多くの人からいただいた温かい想いを、自分たちがどれだけ返せるか!」「人のためになれるか!」「このご恩は返さなければいけない!」と強く思っています。
だから、私たちは電車を走らせ続け、「電車に乗って楽しかった」と思って頂けるように、そして「このぬれ煎餅を食べた人が美味しかった」と、一時でも幸せになれるように、これからも全力を尽くします。

また、この話を読んでいただいたお客様が「人の心の温かさ」や「諦めない気持ち」、「困った時は素直に助けを求める」など、現代社会の人達が忘れかけてたものを思い出し、「人と人との温かいつながり」が増えるきっかけになれたら嬉しいです。

今でもぬれ煎餅をご購入いただいたお客様から「電車大丈夫?」と心配されたり、「電車運行頑張って!」と激励を受けたりします。お客様に恵まれて本当に幸せです。これからも様々な問題がおこるかもしれませんが、従業員一丸となってがんばっていきます。

「YELL for 鉄道JAPAN」は、「鉄道が正常に走ることにより、人々の日常が支えられている」
という考えのもと、日本の鉄道を応援するプロジェクトです。

期間:2015年10月5日(月)~ 2016年3月31日(木)
       ※期間を延長させていただきます

1シェア=5円を、2011年の豪雨災害により現在も運休になっているJR 只見線へ寄付させていただきました。ご協力くださった皆様、誠にありがとうございました。 駅すぱあとは引き続き、運休鉄道への支援活動を行っていきます。

駅すぱあとは、全国300以上のバス路線、JR、私鉄(地下鉄)、新幹線、飛行機(JAL、ANA)などのルート検索、運行状況、時刻表、終電などのチェックが可能な「まるごと路線図」の路線図を搭載した乗り換え案内アプリです。

1988年に「駅すぱあと首都圏版(MS-DOS)」が誕生して以来、経路検索システムのパイオニアとして業界を牽引してきました。これからも皆様に愛されるサービスになるよう、日々進化を続けています。