数年前、アイドルを追いかけるための資金が尽きて手を出したのはJKリフレと呼ばれるバイトだった。
家が厳しかったため、黙ってバイトに応募してそのバイト先から家に連絡が行くことを恐れた自分は
『なら逆に絶対家に連絡が行かないようなバイトをすればよいのでは?』と考えて、JKリフレのバイトに応募した。
こんなところで身バレもクソもないし、第一その店は今はもうないし、なんだかバイトしてた時のことを語りたくなったので語る。
『一瞬』と書いたが、本当に数ヶ月しかそこで働かなかった。人気もなかったので、自分目当てで来るお客さんもいなかったし、勤務時間中はクソ汚いビルにある待機室でTwitterしてるか、未成年なのに勝手に登録させられたアダルトチャットでアダルトではないチャットをするか、フリーで来たお客さんにつかせてもらうかのどれかだった。それに、リフレというものが本当にリフレしかしないところだと信じてバイトに応募したため、お客さんとは話したり手のマッサージしてあげたりしかしなかった。
リフレと書いたが、そういえばリフレじゃなくなったんだった。勤務初日は仕切られたクソ狭い空間にマットとティッシュがあり、そこでお客さんにマッサージしてあげるというシステムだったが、二日目からは指導が入ったかなんかでマットがあった場所には机と椅子二つ、それとティッシュというシステムに変わっていた。
ティッシュがあるということはそういうことである。当時JKリフレという風俗まがいなバイトに応募したくせに変なところがピュアだった自分は、なんでティッシュが置いてあるのか意味がわからなかった。だから、勤務二日目で自分を指名してくれたお客さんに『いくら?』と聞かれたときは真面目に店の料金システムについてお話した。
働いてた店は人気あるところだったので、人気ない自分でもフリーのお客さんにつかせてもらえたしまあまあお小遣いの足しくらいは稼げたと思う。
詳しい料金システムは忘れたが、お客さんが店に払った代金の半分が支給された。
店内でのコミュニケーションワークが人気ない自分には一番の仕事でやった回数も多いけど、たまにお散歩コースと呼ばれるお客さんと自分が外に出るというものもやった。お散歩コースだと店内とは違ってスタッフの目がないし、カラオケやホテルに誘う人ばかりだったのであまり好きじゃなかった。
自分は最低限稼げたら良いという人間だったので、周りのリフレ仲間がやっていてもアダルトチャットでアダルトなことは絶対しなかったし、そういういかがわしいことをして給料とは別にお客さんからチップを貰うなんてこともしなかった。まあリフレでバイトしてる時点でなかなかいかがわしいことをしているのだけど。
お店には色んな女の子がいた。入ったときから数年間ずっと年齢が15で止まってる人気ナンバー2の女の子、出勤日が決まったらすぐ予約で埋まるナンバーワンのめちゃくちゃ可愛い女の子、父親くらい離れた男性と同棲していてその人を養うために働いている高校生の女の子、『気持ち良いことをして稼げるなんて最高』と待機室で叫んでいた女の子、中学から夜の仕事をしていて足が洗えない女の子、本当に色んな女の子がいた。
どの子とも仲良くなれなかったが、なぜかその子たちの個性は覚えている。強烈すぎて。
そういえば辞めたきっかけを思い出した。
働いてた店は人気店だったし、女の子たちのいわゆる個人的な裏オプションも豊富だったため、某掲示板にその店オンリーのスレッドがあった。
待機中は暇だったのでそのスレを覗くのが日課ですらあった。まあ人気なさすぎて自分の名前は1回も出てきたことないけど。
そこに『4月から規制が厳しくなるから指導が入るかもしれない、それが入ったら店は終わり』的な書き込みを見つけたので、ぴったり3/31で辞めたのだった。
結論を言うと、本当に指導というかなんというか、裏オプションのことがバレて指導どころの騒ぎじゃなかったらしい。
店は潰れてオーナーは逮捕されてたし、店で働いていた女の子たちもみんな補導されたと聞いた。
辞めて良かったのだ、自分は。
なんで急に語りたくなったのかというと、またそのような店で働こうと考えているからだ。