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生活保護のリアル~私たちの明日は? みわよしこ

児童扶養手当の「まとめ支給」に隠された恐るべき貧困への罠

みわよしこ [フリーランス・ライター]
【第35回】 2016年1月8日
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3本目の記事では「公的手当を毎月支給とする」という解決策が専門家の知見とともに紹介され、「貧困は様々な要因が絡み合う。支給回数の増加ですべては解決できないが、収入の波を低くし、消費のムラも抑えられる。受給者全体の破綻リスクも減るはず」と結ばれている。

 個別事例とともに示される「母親の財布・口座の中のお金の変動」というグラフは、母親の心理状態の揺れとともに問題の背景を説得的に語る。さらに、ほとんどコストのかからない具体的解決策の提案。

 「見事だ」と唸るしかない一連の記事を執筆した錦光山雅子記者は、なぜ、どのように、この記事を生み出したのだろうか?

子どもの貧困に
データからのアプローチでできることは?

錦光山雅子氏
(きんこうざん・まさこ) 
1998年、朝日新聞入社、山形、石川、秋田の総局を経て、東京本社地域報道部、科学医療部、特別報道部。2012年~13年、フルブライトジャーナリストプログラムで、ハーバード公衆衛生大学院に研究留学。
Photo by Yoshiko Miwa

 「貧困の問題は数年前から関心あったのですが、本格的に取材したことはありませんでした。ですが、2015年2月、川崎市でシングルマザー家庭の中学1年の男の子が殺された事件で、公表されたお母さんのコメントを受けた反響を取材していた際に、強い問題意識を持つようになりました。お母さんの外見やふるまいが、批判の的になっていました。ですが、こうしたイメージを、自分の理解できる範囲の「ものさし」、つまり規範で批評し、『親が悪い』と終わらせるではなく、行動や思考パターンを客観的に分析する必要があるのでは? と思いました」(錦光山さん)

 貧困状態にある人々、特にシングルマザーに対して、「清く正しく、貧しく」を要求する人々は多い。「貧すれば鈍す」ということわざがある通り、貧しさの中で清く正しくあることは難しいのが自然なのだが。

 「その直後の3月、母子家庭の貧困に関する日弁連のシンポジウムで、藤原千沙さん(法政大学大原社会問題研究所准教授)が、『現在、年に3回となっている児童扶養手当の支給頻度をもっと増やすことなら、すぐできる対策。年金でさえ年に6回です』と語っておられるのを聞いて、衝撃を受けました。ちょうど翌4月から、『特別報道部』に異動することになっていました。いわゆる調査報道に取り組む部署です。『これなら、腰を据えて調査ができる』と思いました」(錦光山さん)

 だからといって、最初から明確に「手当」の問題に取りかかると決めていたわけではなかった。錦光山さんも、試行錯誤することになった。

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みわよしこ [フリーランス・ライター]

1963年、福岡市長浜生まれ。1990年、東京理科大学大学院修士課程(物理学専攻)修了後、電機メーカで半導体デバイスの研究・開発に10年間従事。在職中より執筆活動を開始、2000年より著述業に専念。主な守備範囲はコンピュータ全般。2004年、運動障害が発生(2007年に障害認定)したことから、社会保障・社会福祉に問題意識を向けはじめた。現在は電動車椅子を使用。東京23区西端近く、農園や竹やぶに囲まれた地域で、1匹の高齢猫と暮らす。日常雑記ブログはこちら


生活保護のリアル~私たちの明日は? みわよしこ

生活保護当事者の増加、不正受給の社会問題化などをきっかけに生活保護制度自体の見直しが本格化している。本連載では、生活保護という制度・その周辺の人々の素顔を紹介しながら、制度そのものの解説。生活保護と貧困と常に隣り合わせにある人々の「ありのまま」の姿を紹介してゆく。

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