少し遅くなりましたが、中国人強制連行関連でいくつか簡単なご報告です。

今回、中国より、父親の王雲起さんが端島(軍艦島)に強制連行された遺族の王樹芳さんとその息子の王洪傑さん、また、やはり父親が崎戸に強制連行され、現在は平和公園になっている元長崎刑務所浦上支所で被爆死させられた喬書春さんの娘の喬愛民さんの3名が来日しました。

6日夕には、シンポジウム「検証・軍艦島の実像」が教育文化会館で開催され、上記遺族と、また、端島の研究者の後藤恵之輔さん(長大名誉教授)が、高實理事長と共に登壇。後藤教授は、端島での強制連行・労働の事実は、「負の遺産」ともいえるが、軍艦島を「平和の象徴」としても後世に伝えたいものだと著書に記した、との事。
「軍艦島を世界遺産にする会」のガイドの方々の参加もあり、研究者によっても事実が伝えられることで、端島の歴史の表と裏の両面にきっちりと光があてられました。

翌日は、午前10時半より、平和公園内の「中国人原爆犠牲者追悼碑」建立1周年を記念しての追悼式。
また、午後2時からは長崎県に対し、あらためて県内4炭鉱(高島・端島・崎戸・鹿町)のそれぞれの強制労働の地に案内板設置の申入・意向確認をし、3時からはチャーター船で端島の近くまでゆき、追悼式を行いました。あいにく悪天候のため上陸はかないませんでしたが、王さん親子は、亡き父・祖父のため、お酒を海に注ぎ、涙していました。

70近い高齢のご遺族にとってはかなりハードな日程でしたが、これもすべて、日本政府の姿勢を糺し、また、日中の市民の間で、本当の歴史認識が共有され、より固い信頼関係を築くためにとの思いでこなしておられたようでした。
すでに故人となった、李之昌さん、李慶雲さん(両名とも端島に強制連行された)の無念さを晴らすためにも、ぜひ裁判に勝ち、また、歴史の事実を曲げることなく、伝えていく作業をしてゆかなければならないと思います。
posted by toratanu21 at 00:55|
長崎の戦後補償裁判・運動など
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