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 マラリアの治療薬がエボラ出血熱の患者の死亡率を低下させた、という研究成果を長崎大助教ら国境なき医師団(MSF)の研究チームがまとめた。6日発行の米医学誌ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン(電子版)に掲載された。

 研究したのは、2014年10~12月、MSFの一員として、西アフリカ・リベリアのエボラ治療センターで活動した鈴木基(もとい)助教らのチーム。

 エボラ患者はマラリアに同時感染している場合もあり、MSFの治療センターでは全員にマラリア治療薬を投与する。入院したエボラ患者382人のデータを解析したところ、治療薬の一つアーテスネート・アモジアキン(ASAQ)の場合、通常使われる治療薬よりも死亡率が31%低いことがわかった。

 ただ、作用のメカニズムは不明で、今後の研究が必要という。鈴木助教は「この研究を一つのステップとして、エボラの治療法の確立につなげていきたい」と話している。(岡田将平)