子どもに小児慢性特定疾患がある場合の助成について

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小児慢性特定疾患の助成

子どもが慢性疾患を患っていると健康に発育することが難しくなるばかりでなく、医療機関での治療が長期にわたりがちになるため、医療費が大きくなり家計に負担がかかることにもつながります。こうした慢性疾患のうち、特に国が指定したものに関して、医療費をサポートする制度があります。万一のために詳しく見ていきましょう。

 

どんな疾患が対象になる?

子どもが18歳に達しておらず、国が指定した「小児慢性特定疾患」(詳細は以下)を発症している場合に助成を受けることができますが、いずれかの健康保険に入っていることが条件となります。

 

ただし、18歳に到達した後も引き続き治療が必要と認められる場合には、20歳未満であれば助成が延長できる場合があります。以前は514種類の疾患が対象でしたが、平成27年に704種類に拡大されています。

 

小児慢性特定疾患に含まれる疾患とは……

1)悪性新生物(白血病・骨髄異形成症候群・悪性リンパ腫・下垂体腺腫など)

2)慢性腎疾患(慢性腎不全・ネフローゼ症候群・腎静脈血栓症・慢性糸球体腎炎など)

3)慢性呼吸器疾患(気道狭窄・気管支喘息・間質性肺疾患・慢性肺疾患など)

4)慢性心疾患(洞不全症候群・心室細動・虚血性心疾患・慢性心筋炎など)

5)内分泌疾患(下垂体機能低下症・甲状腺機能亢進症・甲状腺機能低下症・尿崩症など)

6)膠原病(膠原病疾患・血管炎症候群・自己炎症性疾患・スティーヴンス・ジョンソン症候群など)

7)糖尿病(1型および2型糖尿病、その他の糖尿病)

8)先天性代謝異常(アミノ酸代謝異常症・有機酸代謝異常症・ミトコンドリア病など)

9)血液疾患(溶血性貧血・血小板機能異常症・先天性血液凝固因子異常など)

10)免疫疾患(複合免疫不全症・免疫調節障害・後天性免疫不全症など)

11)神経・筋疾患(脊髄髄膜瘤・脳形成障害・神経皮膚症候群・筋ジストロフィーなど)

12)慢性消化器疾患(先天性吸収不全症・肝硬変症など)

13)染色体または遺伝子に変化を伴う症候群

14)皮膚疾患群

 

なお、ここに上げた疾患名以外にも数多くの疾患が対象となっています。詳細については保健所もしくは自治体の窓口におたずねください。また、小児慢性特定疾病情報センターのHPでリストを見ることもできます(http://www.shouman.jp/disease/#list)。

 

助成してもらえる金額はどれぐらい?

こちらの助成制度は国によって作られましたが、運営母体は市町村などの自治体となっています。このため、助成によって受け取ることができる金額であったり、助成の内容なども自治体によって微妙に違ってきています。

 

医療費の全額をサポートしてくれる場合もあれば、所得に応じて一部自己負担を求められる場合もありますので、詳しくは居住する自治体に問い合わせてみるといいでしょう。

 

なお、助成が認められた疾患についてかかる保険調剤費であったり、訪問看護の料金については全額サポートしてもらえます。助成の対象とならない病気に関する部分は対象となりません。

 

制度を利用するにはどうしたらいい?

必要となる書類(以下参照)を準備した上で、現在住んでいる自治体の役所や役場、あるいは保健所に申請を行います。あらかじめ何が必要なのか確認しておくようにすると良いでしょう。

 

必要な書類

・住民票

・健康保険証の写し

・課税の状況を確認できる証明書類(家計を支える方のもの)

・世帯調査書(自分で記入)

・小児慢性特定疾患医療費助成申請書兼同意書(自分で記入)

・小児慢性特定疾患医療意見書(医療機関が記入)

 

なお、自治体によっては次の書類も提出する必要がある場合があります。

・源泉徴収票または前年ぶんの確定申告書(控えや写しを提出。所得を証明するため)

・住民税の課税証明書、または、非課税証明書

・生活保護受給証明書(生活保護受給中の場合)

 

申請が受理されると、その月の1日から1年間の間助成を受けることができるようになります。治療を継続せねばならず、その期間を超えて助成を申請したい場合には更新手続きが必要ですので注意が必要です。

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