大学生活を充実させる手段として、あえて「休学」を選ぶ学生たちがいる。長期の留学やインターンシップに参加し、社会に出る前に自分の実力を知り、実践的なスキルを身につけるのが目的だ。近年は私立大で休学時の学費を軽減する動きもある。

■流される就活に抵抗感

 「来春卒業しますが、勤務先は4社目です」。休学経験者で作るサイト「休活BLOG」代表で、法政大学国際文化学部4年の笹本康貴(こうき)さん(23)は言う。

 昨春から1年間休学し、転職サイト「ビズリーチ」で有給インターンとしてネット広告の運用を担当した。ニュース配信サイト「グノシー」でも短期間のインターンを経験。今年は週2日は大学へ通い、3日はビジネス支援SNS「ウォンテッドリー」で働く。

 インターン中に就活もした。勤務先の社員にIT企業の知人を紹介してもらい、約30社の社員から話を聞いた。昨年12月、その中の広告会社に内定した。

 休学したのは、「流されて就活したくなかったから」。大学2年でカナダへ短期の語学留学をした際、アジアやアラブの社会人留学生が学ぶ姿を見てそう感じたという。

 父親の反対を押し切り、アルバイト代から休学費用10万円を納めた。「ビジネスマナーだけでなく、実務も学べた。即戦力として貢献したい」と語る。