北朝鮮の核実験を受けて、中国東北部の北朝鮮系レストランで中国人客が激減したり、北朝鮮への観光ツアーが一部中止になったりしている。予告なしの核実験への反感が中国国民にも広がっているようだ。
「核実験の後、客が全然来なくなった」。中国・遼寧省内の北朝鮮系レストランの店主はそうこぼした。
同省では北朝鮮側が出資し、北朝鮮から派遣された女性たちが歌や踊りを披露するレストランが多い。店のテレビは核実験の成功を祝う北朝鮮のニュースを流し、女性店員も「我が祖国が強くなる」と誇らしげだったが、中国人客は激減した。店主は「中国人も核実験を喜んでくれると思ったが……」と落胆していた。
核実験場に近い中国東北部では「これまで援助をしてあげたのに」と反感を持つ住民もいる。今後、同様の動きが広がる可能性もある。
一方、中朝貿易関係者によると、金正恩(キムジョンウン)第1書記の誕生日の8日、同省の一部の北朝鮮系レストランでは北朝鮮人らが集まり祝賀の食事会が開かれたという。(丹東=平賀拓哉)
朝日新聞社