50メートルを5.8秒で走る俊足を武器に、昨秋の7人制ラグビー・リオ五輪アジア予選で最多トライを果たして出場権を獲得した同志社大学の松井千士(まつい・ちひと、21)。長身に甘いマスク、モデルとしてもデビューを果たし、“ポスト五郎丸”として注目される。
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去年、何と言っても嬉しかったのは、リオ五輪から正式種目になった7人制ラグビーの出場権を香港の予選で掴んだこと。女子日本代表(サクラセブンズ)もリオの出場権を得たのでダブルで嬉しい。ラグビーはどちらかといえばマイナースポーツでしたが、ワールドカップで注目されて、そして7人制が予選を突破し、勢いがつきました。ラグビーが野球、サッカーとともに日本の3大スポーツになるように努力したいですね。
7人制ラグビーは、15人制と同じグラウンドで行います。ルールもほとんど同じですが、試合時間は7分ハーフ。スペースがある分、思い切り走れるのです。五輪予選でも、9トライを決めました。
──ラグビー界で一、二を争うスピードスター。元来足は速かったのですか?
まあまあ走れるという程度でした。子供のころも背が高いほうでなくて。でも高校3年の間に背が20センチも伸びて、体力もついた。何か特技があったほうがよいと思い、走り込んでスピードを身につけたんです。“坂道ダッシュ”を繰り返して。
そもそもラグビーを始めたのは6歳のころで、三つ上の兄(豊田自動織機シャトルズの松井謙斗選手)の影響なんです。兄が子供のころに母から「サッカーとラグビーどっちがしたい?」とチラシを見せられて、ラグビーを選んだ。兄がプレーする姿が格好良くて追いかけました。もし兄がサッカーをしていたら僕も今ごろサッカー選手かも(笑)。兄とは互いに忙しくてあまり会えないけど、LINEで「勝った」とか「次がんばる」とか報告する。兄は今も憧れであり、支えですね。
あと、僕には大事なルーティンがあって、それは試合前に洋楽を聴くこと。ノリのよい曲で気分を高めるんです。
──今年の夢は何ですか?
海外では7人制と15人制のラグビーを両立する選手は少ないのですが、僕は両方の代表としてがんばりたいんです。そのためには体力を向上してウェートも最低あと5キロ増やさないと。
2月にはリオのための代表(選抜)合宿が始まります。大学時代にオリンピックで活躍するのが最大の目標で、その先に2019年の日本開催のワールドカップに出場するという夢があります。日々全力投球でその夢を掴みたいですね。それとNMB48のさや姉(山本彩)とお近づきになりたい(笑)。3年前に高校ラグビーで優勝したときの応援サポーターがNMBだった縁で、ツイッターもずっとフォローしている。いつか会いたいなぁ。
(取材=本誌・牧野めぐみ、藤村かおり、松岡かすみ)
※週刊朝日 2016年1月15日号
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