岐阜祖父にささげる初防衛 ボクシング田中恒成選手を見守った家族笑顔
大みそかに行われた世界ボクシング機構(WBO)ミニマム級タイトルマッチでKO勝ちし、初防衛に成功した田中恒成選手(20)=畑中ジム。リングサイドでは多治見市在住の家族らが、この戦いを見ることなく十一月に急逝した祖父・健裕さん(享年七十三)の遺影とともに熱い声援を送った。 「しっかり勝ってきます」。試合当日の三十一日朝、自宅の仏壇の前で、田中選手は手を合わせた。健裕さんは生前、練習に打ち込む田中選手を毎日のように駅まで車で送り迎えし、その活躍を報じる新聞記事を熱心にスクラップしていた。 「ずっと応援してくれた祖父にささげる勝利にしたい」と、この一戦に臨んだ田中選手。試合後は「何とか勝てたと報告したい」と笑顔を見せた。 会場となった愛知県体育館(名古屋市)では、父の斉さん(48)がセコンドとしてリングサイドで、また客席では祖母のミツエさん(71)と母の由紀子さん(45)、兄の亮明さん(22)、妹の杏奈ちゃん(8つ)が応援した。 「KOSEI」と書かれた緑色の鉢巻きを付けたミツエさんは「途中は冷や冷やしたけど、勝って本当によかった。亡くなった主人は、きっと逆立ちするくらい喜ぶんじゃないでしょうか」とほほ笑んだ。 (篠塚辰徳) PR情報 |
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