トップ > 岐阜 > 1月1日の記事一覧 > 記事

ここから本文

岐阜

祖父にささげる初防衛 ボクシング田中恒成選手を見守った家族笑顔

初防衛に成功し喜ぶ(左から)所属ジムの畑中清詞会長と田中選手、祖父健裕さんの遺影を持つ妹の杏奈ちゃん、父の斉さん=愛知県体育館で

写真

 大みそかに行われた世界ボクシング機構(WBO)ミニマム級タイトルマッチでKO勝ちし、初防衛に成功した田中恒成選手(20)=畑中ジム。リングサイドでは多治見市在住の家族らが、この戦いを見ることなく十一月に急逝した祖父・健裕さん(享年七十三)の遺影とともに熱い声援を送った。

 「しっかり勝ってきます」。試合当日の三十一日朝、自宅の仏壇の前で、田中選手は手を合わせた。健裕さんは生前、練習に打ち込む田中選手を毎日のように駅まで車で送り迎えし、その活躍を報じる新聞記事を熱心にスクラップしていた。

 「ずっと応援してくれた祖父にささげる勝利にしたい」と、この一戦に臨んだ田中選手。試合後は「何とか勝てたと報告したい」と笑顔を見せた。

 会場となった愛知県体育館(名古屋市)では、父の斉さん(48)がセコンドとしてリングサイドで、また客席では祖母のミツエさん(71)と母の由紀子さん(45)、兄の亮明さん(22)、妹の杏奈ちゃん(8つ)が応援した。

 「KOSEI」と書かれた緑色の鉢巻きを付けたミツエさんは「途中は冷や冷やしたけど、勝って本当によかった。亡くなった主人は、きっと逆立ちするくらい喜ぶんじゃないでしょうか」とほほ笑んだ。

(篠塚辰徳)

 

この記事を印刷する

中日新聞・北陸中日新聞・日刊県民福井 読者の方は中日新聞プラスで豊富な記事を読めます。

新聞購読のご案内

PR情報

地域のニュース
愛知
岐阜
三重
静岡
長野
福井
滋賀
石川
富山

Search | 検索