性別や年代を問わず、 最近よく耳にするのが「老後の生活に対する不安」。2015年の流行語大賞にノミネートされるほど社会問題となった「下流老人」は記憶に新しいでしょう。
現代の日本は、世界でも類を見ないほどのスピードで少子高齢化が進んでいます。2012年は2.4人の現役世帯で1人の高齢者を支えていましたが、これが2025年には1.8人、2050年には1.3人になると予想されています。44年後には、現役世帯がほぼ「マンツーマン」で高齢者を支えていかなければいけない状態に。
そのため、昔のようにどっぷりと公的年金に頼ることができず、かつ社会保険料、医療費などの負担が増える傾向にあります。つまり、昔のように国や会社に余力があった時代とは違い、今の時代は自助努力をしないと、「普通に」老後生活を送ることさえ難しい時代になっているのです。老後に必要な費用は、衣食住を合わせて夫婦で2,300万円とも言われています。
昨年11月26日に発売となった『金融機関が教えたがらない年利20%の最強マネー術』では、お得な制度である確定拠出年金を有効に活用できるよう金融知識のない人でも理解できるようにポイントを押さえて、できる限りやさしく解説しています。
なぜ「確定拠出年金」は知られていないのか
金融知識がある人は知っている方も多いと思いますが、巷ではまだまだ知られていないお得な制度が「確定拠出年金」です。
個人が老後資金を準備するのに有効な確定拠出年金が、なぜ知られていないのか。それは金融機関が宣伝していないからです。
つい先日も、ある大手の金融機関の窓口で確定拠出年金について質問したら、窓口の担当者は理解しておらず、一式揃っている資料が用意されていませんでした。結果、Webサイトから申し込んでくれた方が確実とのこと。それくらい積極的に宣伝していないという現実なのでしょう。
宣伝していない理由は、ズバリ「金融機関が儲からない」からです。手数料収入がメインの金融機関では、確定拠出年金は勧めるメリットが低いのです。金融機関側もビジネスなので利益を得ないといけません。儲かる商品を売りたがるのは仕方がないのです。しかし、私たちからしたら大きな問題です。
確定拠出年金のメリットその1:金融商品のコストが低い
確定拠出年金はほかに比べて、金融商品のコストが安いというメリットがあります。このうち投資信託を例にすると、投資信託は通常三つのコストがかかります。
一つめは購入手数料。確定拠出年金ではほとんどの商品がこのコストがかかりません。二つめは信託報酬。投資信託を保有している間、継続的にずっとかかってくるコストになりますが、確定拠出年金では信託報酬が安く設定されています。三つめは信託財産留保額。これは投資信託を解約する時にかかる手数料ですが、このコストもかからない商品が多いのです。
確定拠出年金のメリットその2:圧倒的な節税効果
確定拠出年金の最大のメリットは節税効果ですが、三つの節税ポイントがあります。
一つめは、毎月の掛け金が全額所得控除になります。例えば、課税所得400万円の人が、毎月の掛け金が2万3千円とした場合、掛け金の合計は年間27万円になります。この27万円が所得控除となり、支払う所得税は5万5千円減額され、住民税の減税も合わせると合計8万円の減税効果となります。
二つめは、運用中の利益が非課税である点です。通常株や投資信託など、利益が出た場合、利益に対して20.315%の税金かかるのですが、確定拠出年金は、積み立て中は非課税となります。
三つめは、年金を受取るときに「退職所得控除」または「公的年金等控除」が適用される点です。
このように確定拠出年金は、コストが安く、税制メリットが使えるため、老後資金の準備に抜群の制度です。
確定拠出年金は、どのような商品で運用したら良いか分からない人は「バランスファンド」を
効率的に資産形成していくためには、「長期」「分散」「積立」の三つのキーワードが重要になってきます。確定拠出年金では、このうち「長期」「積立」は強制的に備わっています。そのうえコストも安く、税制メリットもあります。
「分散」については、国内・海外、株・債券・不動産(REIT)をバランス良く選びポートフォリオを組んでいただければと思います。ただ、どのような商品を選んだら良いのかわからないという人は、手数料は他の商品より若干高くなってしまいますが、「バランスファンド」を選んでみてはいかがでしょうか。
資産運用をする上で重要な「出口」
資産運用を行う時に何を気にしますか?ほぼ全ての人が「どれくらいもうかるのか」という、リターンを気にすると思います。
でも利益ばかりに目が行き、「もうかったときの税金はいくらかかるのか」という「出口」の大切さには後から気づく人が多いことでしょう。税金は、あなたの利益を確実に減らす、いわば「損失」です。リターンを気にすることは大切ですが、どのように利益を受け取るか、『金融機関が教えたがらない年利20%の最強マネー術』を通じてぜひ考え、実践して欲しいです。
頼藤 太希
- 株式会社Money&You代表取締役社長
- 日本証券アナリスト協会検定会員(CMA)、ファイナンシャル・プランナー(AFP)、日本アクチュアリー会研究会員、宅地建物取引士
- 慶應義塾大学経済学部卒
- 新卒より、アメリカンファミリー生命保険会社の資産運用リスク管理部にて、10兆円を超える金融資産を相手に、金融工学を駆使したリスク管理業務に従事
- 2015年に株式会社Money&Youを創業し、代表取締役社長に就任。「お金と向き合う」をサポートする事業を展開している。女性向けサービスである、一生涯の「お金の相談パートナー」が見つかる場FP Cafeを運営
- オリコンなどのメディアにて投資に関するコラムを連載、「FX 完全ガイド」(晋遊舎)を執筆協力、 「史上最強のFP2級AFPテキスト」「史上最強のFP3級テキスト」(ナツメ社)を監修協力
高山 一恵
- 株式会社Money&You取締役
- ファイナンシャル・プランナー(CFP®)、1級FP技能士、DC(確定拠出年金)プランナー
- 慶應義塾大学文学部卒
- 2005年に女性向けFPオフィス、株式会社エフピーウーマンを設立、10年間取締役を務め退任
- 2015年に株式会社Money&Youの取締役へ就任。全国で講演活動、執筆活動、相談業務を行い、女性の人生に不可欠なお金の知識を伝えている
- 「パートナーに左右されない自分軸足マネープラン」(日本法令)、「35歳までにはぜったい知っておきたいお金のきほん」(アスペクト)、「史上最強のFP2級AFPテキスト」「史上最強のFP3級テキスト」(ナツメ社)、「お金が貯まる!スピード家計簿」(宝島社)などお金の分野での著書多数
(*マネーフォワードアンケートより)
PC Web版:全自動家計簿マネーフォワード
iPhone用アプリダウンロード:App Store
Android用アプリダウンロード:Google Play