北朝鮮・朝鮮労働党の金正恩(キム・ジョンウン)第1書記が、20日からスイスのダボスで開催される世界経済フォーラム(WEF)に側近のリ・スヨン外相(76)を派遣する意向であることが伝えられると、外交関係者の間では「スイスに対する金正恩氏の格別な思いや郷愁と関係がありそうだ」といった見方が語られている。北朝鮮の政府関係者がダボス・フォーラムに出席するのは18年ぶりだ。
1984年生まれと伝えられる金正恩氏は、1990年代の初めから2000年ごろまでスイスに留学し、少年時代のほとんどをスイスで過ごし育ってきた。当時、金正恩氏と同じ学校に通った生徒や教師らによると、金正恩氏はよくスキーに出掛け、また映画やバスケットボールが非常に好きだったという。いわゆる資本主義の文化を存分に楽しんでいたのだ。
その影響で金正恩氏が進める政策の中には、スイスに関係することが非常に多い。例えば政権を握った2012年には3億ドル(現在のレートで約357億円、以下同じ)を掛け、江原道元山郊外にスイスのスキー場をまねた馬息嶺スキーリゾートを建設した。また人工降雪機やリフトなども全てスイスから持ち込もうとしたが、国際社会からの制裁でこれは実現しなかった。同じ12年には江原道洗浦郡に「北朝鮮版アルプス」を造り上げるため、芝で覆われた大規模牧場を造成した。当時、金正恩氏は「スイスのように」国全体を芝生で覆い、湖畔を造成することなどを指示していたという。
金正恩氏はスイス製の高級ブランド品を愛用することでも有名だ。妻の李雪主(イ・ソルジュ)氏と共にスイスの高級ブランド時計モバードを着用し、また2012年には同じスイスのメデラ社製搾乳器など、15万ユーロ(約1900万円)分の育児用品を購入した。金正恩氏はまた留学していたころに好きだったスイスのエメンタール・チーズを北朝鮮で製造しようとしたが失敗し、今は輸入しているという。