「ゆがんだ温情主義」も暴力が根絶されない原因の一つだ。学閥や地域閥に加えて師弟という関係がクモの糸のようにつながると、自分と関係する選手に対する処分はどうしても甘くなる。また実績のある一流アスリートについては、国際大会で好成績を期待することなどを理由に、処分を甘くするダブルスタンダードが存在するとの指摘も相次いでいる。
2014年に設置されたスポーツ不正申告センターの実効性も疑問視される。KOCのヤン・ジェワン事務局長は「先輩後輩という縦の関係が非常に強いスポーツ界の特性上、被害者たちは暴行を受けた事実を最初から隠そうとする傾向がある」と話した。
専門家は「現在のような形だけの制度で満足するのではなく、各種目の協会などが暴力根絶を最優先の課題と認識し、もっと積極的に対策を取るべきだ」と指摘する。コーチや監督に就任する際の審査や条件を厳しくし、行き過ぎた暴力が行われた場合は、1回でその資格を剥奪するよう求める声もある。
元サッカー韓国代表で現在ソウルの彦南高校でサッカー部監督を務める鄭鐘先(チョン・ジョンソン)氏は「かつては中学や高校のサッカー部でも暴力は当然のものと認識されていたが、今はその考え方が大きく変わりつつある」「コーチ資格の取得からその後の管理に至るまで、これまで以上に厳しい手続きや管理監督の仕組みを導入すれば、暴力を減らすことができるはずだ」との見方を示した。
別のあるスポーツ関係者は「昨年は柔道協会のナム・ジョンヒョン元会長が地方協会の役員に暴行し、またショートトラックではシン・ダウン選手が後輩に暴行を加える事件が起こった。これらの問題が起こったときに、協会などは事件を一時的なものと軽く考えた」「選手やコーチ、そしてスポーツに関係する誰もがその考え方を根本から見直すことが、暴力問題を解決する鍵になるだろう」と指摘した。