2015年8月にリニューアルオープンした「厚木産婦人科」。小田急小田原線本厚木駅から徒歩5分、厚木公園近くの真新しい医院に一歩足を踏み入れると、美術館を思わせる広い待合室と、手入れの行き届いた庭が出迎えてくれる。初代院長がこの地に開院し、50年以上愛され続けてきた同院を佐藤茂院長が継承するに当たり、これまで休止していた分娩を再開。先代が大切にしていた親しみやすい家庭的な雰囲気を残しながらも、新しい施設、設備を整えた産婦人科として生まれ変わった。患者が求める安心、安全なお産と母子ともに居心地の良い入院環境、そして不安になりがちな産後のサポートまで、こまかい配慮が行き届いており、あらゆる面で「癒し」を感じさせてくれる医院だ。「思春期から出産、更年期と女性の健康を生涯にわたってサポートし、地域に貢献していきたい」と語る佐藤院長にお話を伺った。
(取材日2015年9月30日)
―厚木市で最初の「産婦人科診療所」として約50年以上続く医院だそうですね。
1963年に父が厚木に開業しました。自宅が診療所に隣接していましたので、父がどういう仕事をしているのかなという興味は子どもの頃からありました。昼夜関係なく働いている父の姿をずっと見ていて「大変なんだ」と感じていましたが、同時に患者さんから感謝されている姿も見てきました。父から病院を継げと言われたことはありませんでしたが、そういう環境の中で、やりがいのある仕事だなと感じていたことで、自然と自分自身も医師をめざすようになったのだと思います。実は大学進学時は理工系に興味があったので、慶應義塾大学理工学部に入学し大学院まで進んだものの、自分の将来を考えたときに、大変ではあるけれどもやはり医師の道をめざしたいと思い、東海大学医学部に学士編入の制度を利用して入学しました。
―産婦人科の中でも産科を専門に選ばれた理由は何ですか?
産婦人科は大きく産科と婦人科に分かれていますが、やはり父の影響からか、自然と産科の方に興味が向いていました。お産といっても一つとして同じお産はありません。お産が順調に進行しているように見えても次の瞬間に急変することもあります。お母さんと赤ちゃんの2人の生命がかかっていて大変な緊張感ですし、時間も昼夜を問いません。しかし、だからこそ一生を捧げるにふさわしい科だと思いましたので、産科医の道を選びました。医学部卒業後は母校にて研修を開始し、院長就任の前は東海大学医学部付属病院の総合周産期母子医療センターに4年間勤務していました。周産期センターは、妊娠、出産の緊急時に頼れる、最後の砦のような存在です。妊娠中や出産時には予期せぬことが起きたり、時には母児の命に関わることもあります。周産期センターではそのような患者さんを拝見する機会が数多くありましたが、これからは周産期センターへお願いする側の立場になりました。今までの周産期センターでの経験を生かして、迅速で適切な対応ができるようにしたいと思っています。
―周産期(母体・胎児)専門医でいらっしゃいますが、全国的にもまだ数は少ないですよね。
妊娠22週目から出産7日未満までの期間を周産期といいます。合併症妊娠や異常分娩など周産期に起こり得る、さまざまな問題に対応するのが周産期専門医です。現在、神奈川県内で周産期(母体・胎児)専門医の資格を持っている医師は34名です。出産というと、「普通に産まれて当たり前」とどうしても思ってしまいますが、その一方で妊娠、出産にはリスクも少なからず存在します。周産期専門医の経験を生かし、安心、安全なお産を目指したいと思います。
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