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純県産 養殖サクラマス 射水市、生産体制にめど

純射水産サクラマスの養殖事業について説明する夏野元志市長=射水市役所で

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2年間で重さ2キロ成魚に

 射水市は六日、純県産の完全養殖サクラマス生産へ向け、堀岡養殖漁協(海竜町)と大門漁協(二口)による生産体制にめどが立ったと発表した。高水温の環境でふ化させる「射水型」の養殖により成育期間を一年短縮し、二年で成魚となるようになったため、二〇一八年にも約四万匹を出荷。市内産の養殖サクラマスとコメを使ったますずし生産も目指す。(山本拓海)

 県水産研究所の協力を得て、市が市場化事業として補助する。

 サクラマス養殖は、富山の食文化の伝承や来県者へのおもてなしの逸品の生産を目的に、一三年七月に研究を開始。ただ幼魚の運送費、採卵地と養殖環境の違いによるふ化率の低下、淡水と海水の養殖設備の整備などが課題となり、同漁協もこれまでは長野県の養魚場から幼魚を購入していた。

 しかし一五年十月に同漁協が採卵して生まれた稚魚が成長したことで、純県産の養殖に道が開けた。通常は水温一〇度以下の淡水でふ化させるが、射水では一四度の庄川の伏流水を活用。現在は約一万五千匹が体長五センチほどまで成長した。高水温でふ化した稚魚は成長が早く、二年間で重さ二キロの成魚になるという。

 事業では、県の旧大門サイクリングセンター(同市二口)を借り受け、採卵・幼魚育成施設として本年度内に整備。見学設備も整え、教育にも役立てる。今月中には産学官金でつくる「いみずサクラマス市場化ネットワーク推進協議会」を発足させる。

 また、射水市内でますずしの専用米をつくり、「完全射水市産ますずし」の生産を目指すほか、加工時に通常は廃棄する骨や内臓を利用し、発酵食品の「魚醤(ぎょしょう)」としての製品化も視野に入れる。

 純県産のサクラマスは、県内のレストランやすし店、日本料理店などで限定販売。市の特別給食で子どもたちに味わってもらったり、ますずしづくりの体験教室を開いたりすることも検討している。 

 

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