同人活動をやめた。
理由はとても情けないけれど、感想をもらえないことへの無力感だった。
割合で言えば、100冊売っても1件感想があるかないか。書店にも委託していたけれど、感想を一件ももらえなかった本もある。
もちろん当初は感想が欲しくて本を作っているわけではなかった。こんなの萌えると思うんです!という主張をしたい。それが一番の目的であって、誰かに褒めてもらいたいわけじゃなかった。
イベントに出る。本が売れる。嬉しい。最初はただそれだけだった。
けれど、数年続けていればそれなりに反応が気になってくる。
イベントの都度本を出す。幸い手にとってもらえる数も、誕生日席になる回数も増えた。けれど無反応。わたしの話は面白いと思ってもらえたのかな、それともつまらなかったのかな。反応がないからわからない。
ジャンル仲間と話をする。差し入れにお手紙をもらえたという。原稿中は勇気が出るという。
いいなあ。感想もらってみたいなあ。でもそれを表に出すと感想クレクレ厨のような気がして、素直に言えない。
感想が欲しくてやってるわけじゃないんだから、と当初の目的がだんだん言い訳じみていく。
今回もこれだけ売れた、前回の本より初動が少し増えた。つまり前回の本は「もう買うのを止めよう」と思うほど悪い出来ではなかったのだろう。
今回の売り上げ金が前回の感想。ありがたいことのはずなのに、それでも言葉が欲しくなる。
面白かったら一言ください!くらい軽く言えたらいいのにそれもできず、壁打ち上等とも割り切れず、ひとりで勝手に凹んでいる自分は本当にバカだ。こんなテンションで本を作っても面白いものは作れない。そう思って同人活動自体をやめた。