NHK短歌・選 短歌de胸キュン 題「ノート」 2016.01.02


さあ今日も楽しく短歌を学んでまいりましょう。
先生よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
この番組のメンバーは全部で8人いるのですが…今回出演を勝ち取ったのは僕とこちらのメンバーです。
(3人)イエ〜イ!どうでした?7月の放送僕と村上出られませんで…。
井戸田さんと小島さんの短歌もひどくて…。
という事はあの2人には当然勝ってると。
もちろんですね。
スタジオでの絡みは先生どっちがやりやすいですか?
(笑い)言うよね〜!先生今日のテーマは何ですか?皆さん使った事があると思いますけれども…難しいけれどもやってみたいなと思います。
ノートってタイムマシンみたいなとこありますもんね。
今一歩引いた…ごめんなさい。
いいんですよ。
むしろあっちじゃなく…今回は客観的な視点からノートを描写してみましょう。
まずはその例を紹介。
昔のノートをとってたんですね多分。
そしたら何となく開いてっていうような声がしたのが自分の少年時代の声なんでしょう。
そしたらかつて出会った夕焼けが広がって見えたと。
今見ている夕焼けよりもあの時の夕焼けの方が鮮やかでそしてみずみずしかったっていう思いがこの一首の裏にあるんです。
客観的にどんなふうに感じたかという事をさらっと表している。
俺たちなんかはネタ書くじゃん。
もう100冊ぐらいあるけど捨てられないもんね。
僕も絶対捨てられないんです。
日記代わりにつけてるノートもあるネタ帳もある…今度たまたまトイレで隣になったら…。
今日最初のレッスンです。
ノートにまつわる思い出を客観的に描いてみましょう。
誰かのためにつけたノートってきれいな文字で書くんですよ。
それがちょっと時間たって見ると恥ずかしさが入ってるというのを詠みたかったなっていう。
よくできた歌だと思います。
「白々しいほど」というのが過去の客観的な評価っていうのかしらそのあとに「美しい」ってつけたのが…。
真逆だからね。
これはなかなかだなと思いました。
カーボン紙って汚れちゃうんですよね。
手とかノートとか。
それを想像して書いてみました。
「筆圧」っていうところを捉えたところがよくカーボン紙の事を理解しているなと思いました。
「数ページ」というのを「ページだけ」にすると客観性がちょっと出るんです。
「カーボンの汚れが目立つページだけ筆圧の濃い彼女の字体」って。
(小沢村上)なるほど〜!「時々」が少し硬いので「ノートには時に筆圧強い字でくっきり残る彼への思い」ってここは字にしておいて焦点を当てた方が…。
筆圧を強調したいのなら文字に焦点を当てる事。
定型に収まりリズムもよくなりました。
テーマが客観的というので究極に客観的に見てみました。
「コピー機のない時代の話」の「話」がわりと効いていると思います。
やわらかく今から見たその時の時代を表していてこれはこれでいいと思いました。
投稿歌の中から佐伯さんの選んだ四首を紹介します。
「罫線」があるのでノートだろうというふうに思いますよね。
そこがうまいところでノートの書き方に寄せて自分を表してる。
今までの自分ちょっと真面目すぎるぞ。
これは「ぼくにさよなら」の「ぼく」が平仮名じゃないですか。
あれがまたやわらかくなるね。
若い時のぼくですよね。
今日から俺になるみたいな感じですよね。
自分のプライドを…。
何の予定もなく素直に会いたいって言えない。
言えないプライド屈折した思いがかわいらしい歌なんだけれどもその中に入っていて共感できる人が多いだろうという歌です。
俺もノートじゃないけどDVDとかレコードとかすごい貸すもん。
貸す理由のどこかにまた会うための約束のためっていうのもあるもん。
結果全部借りパクされてます。
会えてないんだ。
なるほどね。
チャイムが鳴ってノートをパタンってしまった時にはぁ〜って息ついたりするんでしょうね。
彼女がね。
その息吹さえ僕は欲しいんだって。
初恋の歌だこれは。
まだ告白してないんですよね多分。
村上とかはさこういう気持ちになった事ある?片思いの人がいたんですよ。
隣のクラスの。
でも僕当時眼鏡もすごい分厚いのかけてて全然イケてない女の子としゃべった事もないから学校から帰って…同じじゃん!同じだって言ってる事。
一緒じゃん!でも分かる。
男子はそういうとこあるよな。
ありますよね。
俺も中学校の時ほんと好きな子がいたけど…何でか分かんないんだよ!それが何にもならないんですけどね。
ワア〜ッて言った事ある。
「燃えるごみです」ってこうやって冷めてるけど決して燃やしてないと思う。
うわ〜いいな〜。
結句の展開のしかたが非常にクールなんですね。
だけど今小沢さんが言ったようにこう書いたからそのとおりだっていうふうにはそうじゃないと受け取られるように出来ているんです。
うまい歌だなと思いました。
さあ続いては僕たちのエピソードをもとに短歌を作ってみようと思います。
…という思い出です。
いいじゃない!こちらがカンちゃんのエピソードをまとめたもの。
今度はこのエピソードをもとに短歌を作ります。
忘れていた恋心を客観的な視点で描いてみましょう。
聞いて下さい!
(村上)コンサートみたい。
何だろう…?
(カン)いいですね〜。
「若い日の」っていうところはもう「少女」が出てくるのでここは「数学のノート」とかここに何かを入れると「眠る」「起こす」でしょ「若い」「少女」というふうに割合シンメトリーに何かするのがどっかをちょっとアンバランスにしてあげるといいと思いました。
バランスとってるんだ。
(村上)違うと思います。
筆跡がよそ行きだったっていうところがやわらかくうまくいってると思います。
「あの日のわたし」のところは少し工夫できるところですね。
「よそ行きだったあの日秋の日」とかちょっと飛ばしてあげると上の句が生きるように思いました。
中学校の時のノートを見返したら私も挟まってて手紙が。
国語のノートでそれがちょうど「走れメロス」を勉強してた時の感想を書いたページに挟まってて…。
これはひょっとしてハンちゃんのエピソード短歌をもとに自分のエピソードを盛り込むパターン?よくできてると思います。
日本では「走れメロス」はどの学校でも大体出てきますよね。
どういうページかっていうのを入れているところがよくできています。
「七年前」っていうのも効いていると思います。
この場合はやっぱり「ノート」の方がもしかしたらよかったかな?関係ないノートに挟まれてるから意味があるんだもんね。
授業中だったのかなって読む方も思うので短歌に少し揺れを出すには「はさまれて」ってやります。
「はさまれた」じゃあまりにも…。
きちんとしすぎてたかな…。
(カン)泣くの?もうやだ〜。
こんなに言わなくていいじゃん。
「て」か「た」だけで。
「はさまれて」とする事でそれでも渡せなかったという思いが強く表現できます。
さあ続いては僕たち番組メンバーが視聴者のもとを訪ね一緒に短歌を作る「Shallwe短歌」です。
井戸田さんと僕の出身である茨城県牛久市に行ってきた後編でございます。
ご当地キャラのカッパがお出迎え。
村上さんは町の観光大使です。
一緒に短歌を作るのは岡田小学校の6年生。
短歌のお題はどうしましょうか?何ですか?違います。
(子供たちの笑い声)ほらウケちゃってるじゃん。
いいじゃん別に。
ボールがあります。
これ見たら分かる。
これクッションじゃない。
形もラグビーボールみたいだし。
不思議な触り心地。
あっ柔らかい!柔らかいでしょ。
あっほんと?そうやりゃ痛いです。
そうやりゃ痛いよ。
そうやりゃ痛いよ!これでやったら痛いよそりゃ。
この「ヘルシーボール」を体験して短歌を作ります。
ルールはバレーボールとほぼ同じ。
ただし相手コートに返すまで何回ボールに触ってもかまいません。
イエ〜イ!イエ〜イ!年齢のわりに軽やかな動きの井戸田さん。
見よ!この華麗な回転レシーブ。
このあともファインプレー続出。
誰よりも真剣に熱くヘルシーボールをプレーする井戸田さん。
ボールに全く触る事ができない村上さん。
うそでしょ?無駄に転倒。
邪魔してるだけ。
イエ〜イ!喜ぶポーズもぎこちない。
クラスの代表者4名と井戸田さん村上さんが短歌を発表。
最も良い短歌を佐伯さんに選んでもらいます。
書きましたね。
はい!よ〜しよしよし。
できた?できた〜!
(拍手)ボンヨヨ〜ンってなる。
ヘルシーボール。
ヘルシーボールの触った感じね。
(井戸田)ネット際での攻防を上からこう入れる。
(拍手)
(拍手)
(井戸田)おお〜いいね〜!何か好青年だね。
(拍手)名字が小澤っていうんだね。
あっほんとだ。
ハハハハ…。
サニーくんはアイルランドから夏の短期留学で来日中。
(拍手)なんと英語で短歌を作ってくれました。
単語が5個7個5個7個7個と並んでいます。
なるほど。
初めて!こんな英語での短歌。
これはまいったね〜。
(拍手)何かちょっと僕のと似てます。
最初音で始めてヘルシーボールで終わっちゃうっていうまさかのかぶり方しましたね。
それでは先生この中で誰が一番よかったかお願いしま〜す!井戸田さんです。
(拍手)ヘルシーボールの感じが非常に伸びやかにうたわれていらっしゃるところがよかったなぁと。
なんとここでお知らせです。
今回から新ルールとなりました。
今回から男女2名ずつというルールをやめ8人の短歌から上位4人が次回のスタジオに出演できる事になりました。
うわ〜。
これはちょっと。
他の女子敵じゃないみたいな言い方した。
お前のその言い方だと小島は全く…。
まず小島をいじってやれ。
今回出演できなかったメンバーも加わり「ノート」を詠んだ短歌で勝負します。
そんな惨めなこの空間も結局ものすごい俯瞰で見たら誰かの夜景のひとつでしかないっていう。
「悪口」ってお読みになったけどこれ「悪口」とも読むんですよね。
悪口の方がこれに合ってるような気がしました。
とても屈折した一人の青年がヒソヒソ良くない事を書いてるっていう感じがよく出ていて面白い歌だなと思いました。
学生の時に書いたノートを見返した時に何かすごいグルグルって描いてあるページがあってけど何でこれを描いたのかっていうのを覚えてなくて自分も。
きっとその時にはそういうの意味あるんだけどね。
大体ノートの罫線のところにこういうの描いてるっていうのが分かりますよね。
その時螺旋の中がいいか螺旋の芯がいいかなんですよね。
「螺旋の芯をのぞいてみるが」っていうとその芯の中に何かがあった感じがするんですよね。
思いとか失意とか。
だからこれは「螺旋の芯をのぞいてみるが」ってなかなかハッとする作り方だと思います。
日本に初めて来た時に「かんばる」って平仮名で自分のノートに書いてたんですね。
また今はちゃんと漢字書けるぐらいに頑張ってますと。
説明を受けるととてもよく分かるんですけど最後の「頑張って」っていうのの深い意味がちょっととりにくいかなっていうところはありますね。
すごいシンプルなんですけどノートの思い出を書いてみました。
「君の名になんとなく蛍光ペンをひいていた」という感じでずらした方がもしかしたらこの歌はいいかなとは思いましたけど内容はよかったなと思います。
蛍光ペンを引いてた。
ここで今回出演できなかった4人のメンバーの短歌を紹介。
「夏休み」ってあるのでお子さんのノートだなっていうのが分かってこれのいいところは「耳」っていう字なんですよね。
他の字を当てるとあとの平仮名の「みみ」ができないのでねなかなかこれは…。
これは井戸田さんいったかもしれないですね。
確かに!いやほんとっすね。
明日自分が名字が変わっちゃうのを知らないで名前をフルネームで書いたって。
だけれどもこの一首からは少し分かりにくいので「滲んでる」という辺りを取って「学校のノートに書かれた」とかやると小さい時の感じがしますよね。
そのあと「私の名前明日には変わると知らずに並ぶ」というふうにすると何となく分かる。
「私の名前」が必要じゃないかと思うんですね。
元の歌では意味がよく伝わりません。
推敲して言葉を整理するようにしましょう。
全体が抽象的なので読み取りにくいんですけれども「一本のペン」がもう少し工夫できたかなと思うんですね。
「ノートに書いて救われたんだ」とかストレートにやっちゃってよかったんじゃないかな。
さあ先生1人目から合格者発表して下さい。
1人目の合格者は…まあそうでしょう。
2人目の合格者は…。
ポンポンいくね。
まあそうでしょう。
ほんと?ほんと?3人目の合格者は…よかった〜!よかった〜!ヤバい!あと1人ですよね?あと1人。
さあ先生4人目の発表お願いします。
4人目の合格者は…やった!喜びたいけど喜びづらい。
そうなんですよ。
分かりますか?一度ハンちゃん耳やって。
いいよ喜び。
よかった〜!わ〜涙出るどうしよう…もっと考えればよかった。
泣かない泣かない。
はい。
カンさんのはね似たような感じが井戸田さんにあったんですよね。
そうすると井戸田さんの歌の方がうまくできてたから。
という事で次回の出演者は井戸田潤小沢一敬村上健志えりちょすの4人でお送り致します。
「短歌de胸キュン」お楽しみに!2016/01/02(土) 06:55〜07:20
NHKEテレ1大阪
NHK短歌・選 短歌de胸キュン 題「ノート」[字]

初心者向け短歌講座「短歌de胸キュン」。今回のテーマは「ノート」。昔のノートに記された過去の自分の姿や、友人のノートを目にした時の発見などを短歌に詠んでみる。

詳細情報
番組内容
初心者向け短歌講座「短歌de胸キュン」。今回のテーマは「ノート」。昔のノートに記された過去の自分の姿や、友人のノートを目にした時の発見などを短歌に詠んでみる。佐伯裕子、小澤一敬、村上健志、えりちょす、カン・ハンナ
出演者
【出演】小沢一敬,村上健志,えりちょす,カン・ハンナ,佐伯裕子,【声】中道美穂子

ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 文学・文芸
趣味/教育 – 生涯教育・資格

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

OriginalNetworkID:32721(0x7FD1)
TransportStreamID:32721(0x7FD1)
ServiceID:2056(0x0808)
EventID:4989(0x137D)

カテゴリー: 未分類 | 投稿日: | 投稿者: