ふるカフェ系 ハルさんの休日 第一話「千葉・金谷」 2016.01.02


僕の名前は真田ハル。
僕の趣味は休日のカフェ巡り。
カフェ好きといってもスイーツ系とかパン屋系とかいろいろあるけど僕は自称「ふるカフェ系」
「ふるカフェ」とは古い民家や建物を再生したカフェの事。
そのレポートをブログにアップしている。
これがマニアの間では評判を得ているわけで
今日訪ねたのは千葉の内房に位置する金谷。
山と海に囲まれた小さな港町だ
ここに築230年のカフェがある…らしい
もしもし。
はい。
え?えっあ…。
すいません申し訳ないです。
あの…。
(通話を切られた音)
取引先からまたお叱りの電話。
せっかくの休みなのに
はぁ…俺向いてないんだな。
何だ?これ。
石はいいよなぁ。
誰にも怒られなくて
確かこの辺なんだけど

ん?これか?
思ってたよりすごいでかい。
屋根はトタンかな?
ん?待てよ。
この屋根の形どこかで見た事があるような…
え?感じる…
か…感じるぞ…

うん。
これはいいぞ
窓も縁側もいい感じに年季入ってる
このふるカフェは当たりかも
んん?「合掌館」
これはもしかして…。
まさか。
いや落ち着け。
落ち着けハル。
焦って真実を見誤るな
ん?これは…。
何でこんな所にコーヒー豆が落ちてるんだ?いや落ちてるんじゃない。
これはあえてまいているのかもしれない。
ほら。
ほらほらほら。
店主が厳しい目でコーヒー豆を選別したぞというアピールなのか?
あるいはお客を一杯のコーヒーへといざなう道しるべという事か!?謎だ…。
この店出だしから謎だらけだ!
よし。
いざ参る!
はぁ…。
ん〜…。
囲炉裏があって白いタルがいっぱいだ〜
梁もいい感じに古いな〜。
白壁とのコントラストがたまらない
あぁ…感じる。
数百年の時代を経てきた古民家のにおい
ん?これ最高級豆のブルーマウンテン!
おぉ…。
いい豆使ってる!まさかあの囲炉裏で?豆を煎って?自家焙煎して?どうりで香ばしかったわけだけど…。
もしこの囲炉裏で飲めたら…
いやこっちにもあるぞ
おぉ…すてきなコーヒーの道具でいっぱい
風格ある和だんすの上にイタリア製のエスプレッソマシン!和と洋が混然と一体になっているレトロな雰囲気
これぞふるカフェの醍醐味だ!まぶしい!君たちからほとばしるか…格式高いセンスのきらめきが!あぁ〜…まぶしい。
まぶしいよ〜!
(青山)こんにちは。
あっこんにちは。
どちらからいらしたんですか?東京です。
わざわざ東京から?はい。
あっどうぞ。
気さくそうなマスター。
好感度更にアップ
それにしてもすてきなカウンターだなぁ。
ん?よく見ればここは廊下?狭い場所にあえてカウンターをつくり出したという事か?
2席しかないのもいい
カウンターと座敷どちらにします?座敷?
あぁ…地元の人たちがくつろいでるんだな
座敷も捨て難いな…
座敷も落ち着きますけどカウンターもカウンター限定メニューっていうのがあるんですよ。
あっじゃあカウンターで。
はいどうぞ。

あぁ…選べない
ん?もしやあれは…
フレンチプレス!これだけの器具をそろえながらマスターがメインで使ってるのはフレンチプレスか?豆の味を損なわないまさに通のチョイス。
あぁ…何を注文しようか
こだわりのフレンチプレスか…。
いややはりエスプレッソマシンを使ったカプチーノでいこう
カ…カプチーノ。
カプチーノですか?はい。
あのブログに載せたいので写真撮ってもいいですか?どうぞ。
ありがとうございます。
好みありますか?あぁ…。
えっと濃いのが好きです。
濃いのお好きですか。
かしこまりました。
ん?何だ?これ
これは「タンピング」っていってね実はね…持ってみる?持ってみて。
おっ。
違うでしょ。
こっちとっても重いです。
ねっ。
ちょっと深く圧力かけると苦みが増すんですよ。
はぇ〜。
まぁそれだけじゃないんだけどですから今日好み聞いて。
苦みの強いの作ります。
ありがとうございます。
タンピング…。

カプチーノはまずスチームで圧力を加えクリーム状のミルクを作る
そして苦みの効いたエスプレッソを泡と液体の2層に分かれたミルクに注ぐ
あぁ〜…絶妙な白と褐色のコントラストがまぶしい〜
どうぞ。
いただきます。
あぁ…何だこのミルクの優しい口当たりは
うん。
そしてそのあとからやって来るコーヒーの深い味わい力強いコク。
あぁ〜深い海の中へといざなわれているかのような…ここは竜宮城か!
とても甘いです。
そうですか。
自然の甘みで。
深みがあってとてもおいしいです。
ありがとうございます。
そうだこの古民家の事を聞かねば
あのこの古民家ってだいぶ古いですよね。
はい。
もしかしてこの建物って…。
2階見てみる?どうぞ。
いいんですか?いいよ。
ありがとうございます。
階段気を付けてね。
はい。
おいおい…。
この小屋組やはり…
合掌造り…。
飛騨高山など豪雪地帯に見られる造りだ
この絶妙な角度の屋根。
雪国の厳しい冬を耐えるために造られたんだね。
あぁ〜。
この角度。
なんてそそるんだ。
この木組み。
230年ならではの深い色合い。
よくぞこの平成まで残ってくれた
ありがとう。
僕は知ってるよ。
君たちがくぎに頼らずお互いに支え合って長い年月人々の生活を大雪から守ってきた事を
ここ一生居れる。
待てよ。
なぜ雪国にある合掌造りの建物がこの海沿いの町金谷に?
やっぱり聞いてみねば
(女性たち)こんにちは〜。
こんにちは〜。
マスター元気?元気だよ。
暑いね〜。
アイスコーヒー飲みたい。
(女性たち)私も〜。
どうぞ。
あれ?お客さん?そう。
東京からわざわざ。
(女性たち)へぇ〜!おにいさんイケメンですね。
あっいえ…。
この石買いませんか?石ですか?ええ。
金谷の石持ってると願い事が叶うって有名なんですよ。
もう!いきなり商売っけ出さないでよ〜。
そうだよ〜。
ごめんね。
あっマスター奥いいですか?どうぞ。
じゃあアイスコーヒーお願いしま〜す。
お願いしま〜す。
(滝田)こんにちは。
おっこんにちは。
マスター今日まだありますか?裏メニュー。
あるよ。
じゃあそれ1つ下さい。
座敷で待ってて。
待ってます。
う…裏メニュー!?き…気になる…
あの〜よかったらそれ僕にも…。
食べます?はい。
じゃあ座敷で待ってて。
はい。
お待たせしました。
滝田君一緒に食べよう。
あっいいですか?どうぞ。
すいません。
アジバーガーです。
アジバーガー?ごゆっくりどうぞ。
(滝田)きた〜。
アジバーガー初めてですか?あっはい。
これすっごいおいしいですよ。
どうぞ。
はいいただきます。
ん?何だこのアジフライ!ふっくらしててジューシーだな〜!パンとの相性もいい!
おいしいでしょ。
はい。
金谷のアジは「黄金アジ」って呼ばれてるんです。
黄金アジ?ここら辺の海は餌が豊富で脂がたっぷり乗ってるんですよ。
体の表面が脂で黄金に輝いて見えるのでそう呼ばれてるんです。
へぇ〜黄金アジ。
か…感じる〜!

(滝田)そうそうもう「のこぎり山」は食べましたか?「のこぎり山」?是非食べてみて下さい。
マスター!この人に「のこぎり山」1つ出してあげて下さい。
は〜い。
(滝田)おいしいですよ。
のこぎり山。
あっバウムクーヘンか
どうぞ召し上がってみて。
いただきます。
「のこぎり山」変わった形だな。
エスプレッソをかけるのがマスターのこだわりか
(鈴木)何で「のこぎり山」っていう名前か知ってますか?えっ?あっ鈴木さん。
鈴木さん?
この町に鋸山という山があるんですよ。
あぁ…。
代々この土地を守ってきた地主さんです。
あっこんにちは。
見て下さい。
あれです。
あっはい。
あの山鋸みたいにギザギザしてるでしょう。
何でか分かりますか?いえ…。
石を採ったんですよ。
石?
(鈴木)この金谷は江戸時代から採石で栄えてきた町なんですよ。
この山から切り出された石は横浜の開港や靖国神社なんかにも使われてきたんです。
ふ〜んそうなんですね。
鈴木さんの家も代々石材業を営んでいたらしい。
しかしコンクリートの登場で徐々に衰退
そして…
このバウムクーヘンには失われてしまった石の町の記憶が刻まれているんだな
ちょうど採石が下火になった頃にこの古民家がこの町にやって来たんです。
そうなんですね。
本当はダムの底に沈むはずだったこの合掌造りを飛騨の職人さんたちがどうしても残したいという事でこっちに移築されました。
昭和の半ばにこの町に移築され3年前に青山さんがカフェを開いてから全国からお客さんが集まるようになったんです。
なるほどそういう事だったのか
おっこんにちは。
おう。
マスター!庭借りま〜す。
・どうぞ〜。
庭?借りる?
この町は石とアートの町で知られるようになりましてね今じゃ美術館も出来全国から若いアーティストが集まるようになったんですよ。
石とアートの町…。
道中で見かけたあの石も…
何だ?これ。
おにいさんこの石買いませんか?石ですか?
勧められたあの石も金谷の石だったんだ
面白い事を教えてあげましょう。
滝田さん。
彼はもともと東京のIT企業のエリートだったんです。
そうなんですか。
(滝田)はい。
東京の飾区から金谷に移住してきたんです。
実は彼女たちも。
え?私もこの辺じゃないんです。
私もそうなんです。
え?私も。
私も。
私もなんです。
もしかして…えっまさか。
私ももともと東京の人間なんです。
皆さん地元の方じゃないんですね。
何ですかねぇ。
無性にこの町にやって来たくなるんですよ。
この家の不思議な力ですかね。
(伊藤)出来た。
きれいだなぁ。
きれいだよね。
すごい。
いいなぁ。
タイトルは?「礎と再生」です。
(一同)おぉ〜!礎と再生…。
すばらしい。
おにいさんおにいさん!金谷石。
えっ?いい事あるといいね。
じゃあね。

なんか元気出てきた。
やっぱりふるカフェっていいなぁ
金谷の豊かな自然に導かれるようにやって来た古民家と人々。
このふるカフェから金谷の新しいストーリーが生み出されていくんだなぁ
2016/01/02(土) 07:25〜07:55
NHKEテレ1大阪
ふるカフェ系 ハルさんの休日 第一話「千葉・金谷」[解][字][再]

カフェ好きにもいろいろあるが、古民家を再生した店を愛するのが、ふるカフェ系。渡部豪太さん扮する主人公が、全国の希少建築のカフェを巡る異色ドラマ。千葉・金谷編。

詳細情報
番組内容
一歩足を踏み入れば懐かしい空間が広がる、それがふるカフェ。俳優、渡部豪太さんふんする主人公ハルが、全国の古民家を再生したカフェを訪ね歩く異色ドラマ。第一回、金谷編。海沿いの町に築200年以上のカフェがあると聞きつけたハル。なんと飛騨高山の合掌造りを移築した店だった。名物として出されたメニューはアジフライ?この奇妙なカフェには、かつて石材産業でにぎわった金谷の知られざる物語が秘められていた…。
出演者
【出演】渡部豪太

ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 歴史・紀行
ドラマ – 国内ドラマ

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
サンプリングレート : 48kHz
2/0モード(ステレオ)
日本語(解説)
サンプリングレート : 48kHz

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