きかんしゃトーマスのヒミツ旅 世代を超えたおくりもの 2016.01.02


(汽笛)皆さん!僕の名前はきかんしゃのトーマス。
世界で一番有名な蒸気機関車って言う人もいるんだ。
エヘヘヘッ。
うれしいな〜!実は今年僕たち機関車の物語は特別な誕生日を迎えたんだけどここでいきなりクイズです。
一体何回目の誕生日を迎えたのか分かるかな?次の3つから選んでね!小学4年生と同じくらい。
お父さんお母さんくらいの年かな。
おじいさんやおばあさんと同じくらい。
正解は3番!70年も前に僕たちの物語は生まれていたんだよ!来たよトーマス!僕の周りには昔も今もかわいいちびっこたちがいっぱい!今日もたくさんのお友達に会えて本当にうれしいよ!ところでみんなは僕が生まれたふるさとがどこか知っているかな?答えはこちら。
ヨーロッパにあるイギリスだよ!ここイギリスでも僕が走る度にホームはちびっこたちであふれかえるんだ!僕たち蒸気機関車の物語はもともと小さなノートに書き留められた短いお話から始まったんだよ。
やがて一冊の絵本になった途端大ヒット。
その後次々と新しいお話が生まれていったんだ。
メリークリスマス!実は後でちゃんとお話しするけどクリスマスは僕たちの物語にとってとても大切な一日なんだよ。
ちょっと大事な話があるんだ。
彼女のために特別なクリスマスパーティーをやってあげようと思うんだ。

(歌声)おっといけない。
おしゃべりしていたら遅れちゃいそう。
じゃあみんなまた後でね!おやおやトーマス相変わらずそそっかしいな。
くれぐれも安全運転でね!皆さんこんばんは。
ジョン・カビラです。
NHKEテレで放送されているアニメ「きかんしゃトーマス」のナレーターを務めています。
このテレビアニメは今からおよそ30年前イギリスで始まりました。
そしてたちまち世界中に広がっていきます。
今では40を超える言葉に翻訳されています。
(韓国語)
(アラビア語)言葉は違っても子どもの心をつかんで離さない秘密は一体どこにあるのでしょうか。
そしてこの物語を作った一人の人物が伝えたかったヒミツのメッセージとは一体何なのでしょうか。
(笛の音)さあトーマスの知られざる世界を巡るワクワクドキドキいっぱいの旅に出かける事にしましょう。
(汽笛)それでは出発進行〜!「きかんしゃトーマス」が日本で放送されるようになったのは今から25年前。
懐かしいなと感じる人も多いかもしれません。
その記念すべき1回目の放送がこちらです。
トーマスは小さなタンク機関車。
イギリスのソドー島の大きな駅で働いている。
6つの車輪にずんぐりした煙突。
ボイラーも屋根もみんなずんぐりむっくりだ
主人公のトーマスは小回りの利く小型の機関車。
ソドー島という島にある一番大きな駅でほかの機関車たちのために客車や貨車を準備するのが仕事です。
トーマスは自分が一番の働き者だと思っている。
いたずらっ子でよく仲間をからかう。
でっかいゴードンだってお構いなしだ
起きろよ怠け者!僕みたいにちゃんと働けよ!か〜っ!トーマスめ!覚えてろ!いつか仕返ししてやるからな!トーマスのお話には個性的な機関車がたくさん登場します。
こちらのゴードンはトーマスの倍近い大きさでとても力持ち。
彼らは子どものように無邪気でおかしいくらい感情むき出しです。
うるさいな!ふん…!このゴードン様をなめるなよ。
ゴードンの仕返しが始まります。
トーマスが準備した客車の先頭につくゴードン。
一番後ろにはまだトーマスが連結されたまま。
その連結が切り離される前にゴードンは出発したのです。
さあどうだトーマス!
列車はどんどんスピードを上げていく。
速すぎてトーマスはついていけない
止めて!止めて〜!まだまだ!ついてきてもらうぞ!ハハハハハッ!あ〜もうだめだ…。
車輪が壊れるよ〜!全く…余計な事言うんじゃなかった。
「口は禍の本」って言うもんね。
「きかんしゃトーマス」には僕たち機関車のいろんな失敗が詰まっているんだ。
そのうちのいくつかを紹介しちゃおう。
いつもほかの機関車の手伝いばかりしていた僕だけどある日客車を引かせてもらえる事になって大喜び!でも舞い上がってしまってまだ客車がつながれてないのに汽笛を鳴らして出発進行〜!お客さんを置き去りにして走りだしちゃったんだ。
急げや急げ〜!みんな僕を見てる。
どうだい格好いいだろう。
みんな手を振ってくれてありがとう!信号所の人に呼び止められてびっくり仰天!やあトーマスここで何しているんだ?見りゃ分かるだろ。
列車を引いているんだよ。
列車?どこにあるんだ?え?ありゃりゃ!忘れてきちゃった!慌てて駅に戻ったけどあれは格好悪かったな〜。
ほかにもみんなが止めるのも聞かず雪の中へ飛び出したら…雪だまりに突っ込んで動けなくなったり…。
勝手に1人で走りだして駅長さんの家に飛び込んじゃったり…。
うわ〜!なんて情けない機関車でしょう。
朝ごはんをめちゃめちゃにして。
また作り直さなきゃならないわ。
ああそんな事よりみんなに迷惑をかけちゃってごめんなさい。
僕の仲間たちも失敗ばっかり。
お願いだ〜。
助けてくれ〜!こちらは僕と一番の仲よしいたずら好きで少しドジな…
パーシーはそ〜っと入って客車を驚かしてやろうとした
ところが線路を横断中の荷物に気付かなくて…。
うわ〜!うわっ!あ〜!すみません…。
もう二度と客車にいたずらなどしちゃいかん!は〜い…。
あらら怒られちゃった。
でもこうして僕たちは少しずつ役に立つ機関車になっていくんだ。
なるほど。
失敗は決して無駄ではない。
そんな温かい思いが込められているんですね。
さて「きかんしゃトーマス」の知られざる世界を巡るヒミツ旅。
イギリスの首都ロンドンから電車に乗って西へと向かいます。
およそ1時間後。
なだらかな丘に広がる小さな町ロッドバラに到着しました。
この町の真ん中一見普通の教会にトーマスと深い関係があるものが残されているんだとか。
早速お邪魔してみましょう。
ちょっと失礼します。
それにしても教会とトーマスにどんな関係があるのでしょうか?きれいな色とりどりのステンドグラス。
楽しげな子どもたちの下に描かれているのは…おや!どこからどう見てもトーマスです。
なぜここにトーマスが?トーマスのヒミツを教えてくれるというベロニカさんがいらっしゃいました。
お会いできてうれしいです。
トーマスの窓の事ご説明しましょうか?このステンドグラスとても特別なものなんです。
きれいな色合いでしょう?私の父はこの教会の牧師をしていたのですがとても深い思い入れがあったトーマスと共に教会を美しく飾りたいと考えこのステンドグラスを作る事にしたのです。
これはベロニカさんが子どもの頃に撮影された家族写真。
ベロニカさんの横に立つのが教会の牧師をしていたお父さんのウィルバートさんです。
そしてこのウィルバートさんこそトーマスの物語をこの世に生み出した人なのです。
ウィルバートさんが書き残した文章やイラストが今も残されていました。
そこに描かれているのは紛れもなく表情を持った機関車たちの姿。
なぜ牧師のウィルバートさんは機関車の物語を描こうと思ったのでしょうか。
父は説教じみた道徳を教えるために絵本を描いた訳ではありません。
子どもをなんとか笑顔にしたいというのが一番の目的でした。
子どもを笑顔にするために描かれたとはどういう事なのでしょう。
そのヒントが今から70年前に発売された最初の絵本の中に隠されているといいます。
この本の一番初めに収められているのが「エドワードのたのしい1日」というお話。
一体どんなお話なのでしょうか。
エドワードは小さな機関車です。
5台の仲間たちと一緒に機関庫で暮らしていました。
ところがエドワードは一番小さかったのでいつもみんなにからかわれていました。
君みたいに小さくては使い物にならないよ。
僕らのように大きくて力持ちでなくちゃ。
そういえばもう長い事エドワードは使ってもらっていませんでした。
エドワードがしょんぼりしていると…機関士と助手がやって来ました。
何でそんなにしょんぼりしているんだい?僕と一緒に出かけないか?はいお願いします!エドワードは急に元気になって答えました。
久しぶりに楽しいお出かけをする機関車のお話。
実はこれ1人の男の子を元気づけるために作られたものでした。
それはウィルバートさんの息子クリストファー君。
クリストファー君は2歳の時はしかという病気にかかり長い間家から出られませんでした。
もうちょっと我慢すれば楽しいお出かけができる。
そう励まそうとしたのです。
どうしてこの機関車は悲しそうな顔をしているの?なかなかお出かけできないからだよ。
ふ〜ん。
この機関車の名前は何?そうだな…彼の名前はエドワードだ。
エドワードはさっそうと走っていきます。
子どもたちはみんな追いかけてきて手を振っています。
本当に楽しい一日でした。
機関士は「明日も連れていってあげよう」と言ってくれました。
「僕明日も出かけるんだ。
すてきだろう?」。
エドワードはウキウキして機関庫の仲間に言いました。
そしてエドワードはぐっすり眠ってしまいました。
ウィルバートさんから物語を聞かせてもらった息子のクリストファーさん。
今年で75歳。
ウィルバートさんは一体どんなお父さんだったのでしょう。
父は子どもを楽しませる事が本当に大好きでした。
「聖書」にも子どもを笑わせる事は大切だと書かれていると冗談で言っていました。
生まれ持ってのものなのでしょう。
それとやはり同じく牧師だった私の祖父つまり父のお父さんから受け継いだものも大きかったと思います。
その後ウィルバートさんは新しいお話を少しずつ作っていきました。
でも初めの頃のお話には実はトーマスは出てきません。
トーマスが生まれるのはクリストファー君がはしかになった年のクリスマスの事でした。
ウィルバートさんは機関車に興味を持ち始めたクリストファー君のために手作りのプレゼントを贈る事にしました。
それはほうきの柄や小さな木切れで作った世界にたった一つの機関車。
その機関車にクリストファー君が付けた名前がそう。
この子はトーマスだ!このひと言からトーマスという主人公が生まれたのです。
(汽笛)みんな僕たち機関車の物語がどうやって生まれたのかちょっとは分かったかな?え?今どこを走っているのかって?ここは僕が生まれた国イギリスにある鉄道だよ。
一年に何回かこうして僕の列車を走らせてくれるんだ!ところでみんなは蒸気機関車が朝起きてからどんな一日を過ごしているか知ってる?それじゃ今日は特別に教えてあげるね!きかんしゃトーマスの一日始まり始まり〜!朝6時まだ辺りは真っ暗。
(いびき)駅の機関庫の中で眠っている僕の所に機関士さんたちがやって来るんだ。
僕はまだまだ夢の中。
そんな僕を起こそうと機関士さんが火室と呼ばれるかまの中に石炭を入れ火をおこしてくれるんだ。
まきが燃えるいい音がしてきたでしょう?これが僕の目覚まし代わり!目が覚めてきたら次は朝ごはんだよね!何が出てくるかというと…そう!お水。
この水が僕のエネルギーになっていくんだよ。
それじゃここで僕たち蒸気機関車が動く仕組みを説明するね!かまの中で石炭を燃やして生まれた熱は水が入ったボイラーの中を伝わっていくんだ。
そうするとボイラーの水が蒸発して水蒸気になる。
そうやって出来た水蒸気は蒸気溜めと呼ばれるドームで圧縮されて車輪へと送られる。
この蒸気の力で重い車輪を動かすんだ。
ねっ意外と簡単な仕組みでしょ?出発するまでにはいろんな準備が必要なんだけどそれはぜ〜んぶ機関士さんが手作業でやってくれるんだ。
一つ一つ丁寧にやっていく事が大切なんだって。
機関士のデールさん今は何の作業をしているんですか?車輪の軸つまり根元の部分に油を差しているんだ。
車輪の重みがかかる所だから油を差さないと摩擦で熱くなり過ぎて傷んでしまうのさ。
いつもありがとうございます!まあ毎度の事さ。
これから車輪を全部見て回るよ。
全て同じようにね。
反対側も下も全部だ。
さあ体の中にちょっとずつ蒸気がたまってきたぞ〜!そして火を入れてから2時間後ついにエネルギーが満タンに!ボイラーの中に入りきらなくなった蒸気が噴き出してきたんだ。
つまりもういつでも出発できるという訳なんだ。
最後はきれいに顔を洗ってもらって準備完了!さあ客車をつないだら出発だ。
じゃあみんなまた後でね〜!
(汽笛)さて「きかんしゃトーマスのヒミツ旅」まだまだ続きます。
機関車が人間のように話をする。
そんなすてきなアイデアは原作者のウィルバートさんの中でどのように生まれたのでしょうか。
やって来たのはイギリス西部にあるボックスという街。
3,500人が暮らす街道沿いの古い街です。
この街でウィルバートさんは9歳から17歳までの少年時代を過ごしました。
ウィルバートさんが両親や兄弟と住んでいた家は今では小さなホテルになっていました。
(ドアベル)こんにちは。
ようこそ。
こちらがホテルのオーナー。
この家がウィルバートさんにとってどれほど特別なものだったのか教えてくれました。
ここがこの家のメインベッドルーム。
ウィルバートさんの両親の寝室だったと考えられています。
そしてこちらが少年時代のウィルバートさんの寝室だった部屋です。
窓だけは当時のままです。
おや…ウィルバートさんの部屋はすっかり改装されちゃっていました。
昔はこの木がなかったのでもっと見晴らしが良好でした。
そして鉄道がすぐそばを通っていて機関車たちが行き交っていました。
ウィルバート少年はここに座り機関車の音を聞いていたのです。
そのころは今みたいに車がうるさくなかったので機関車の汽笛がはっきりと聞こえたはずです。
それがトーマスの物語を生み出す基となっていったのです。
ウィルバートさんが暮らしていた家から僅か100メートル。
イギリスで一番大きな鉄道会社グレート・ウエスタン鉄道が通っていました。
そしてそこにはこの鉄道最大の難所がありました。
全長3キロにも及ぶ上り坂が続くボックストンネルです。
「貨物列車はいつも夜中にやって来る。
重い貨車を引いてボックス駅で停車する。
3回汽笛が鳴るとタンク機関車のお出ましだ!貨車を引いてきた機関車とタンク機関車はこんな会話をしながら上っていった。
『無理だよ無理だよ!』『できるさできるさ!』」。
夜になるといつもウィルバート少年のもとに聞こえてくる機関車たちの息遣い。
それは困難に立ち向かう機関車たちの苦しそうな声であり仲間を励ます声援でもありました。
こうして羽ばたかせた空想がやがて息子を元気づけるための物語になっていったのです。
エドワードの機関庫には大きくて威張りん坊のゴードンという機関車がいました。
エドワード楽しみにしていろよ!俺様はこれから急行を引いて走るんだ。
格好いいんだぜ!
ところがトラブルが起こった。
ゴードンが動けなくなっているというのだ
よし!じゃあ僕が手伝ってあげるよ。
丘の中腹でゴードンが立往生している
ゴードンの列車は丘の下まで戻された
準備完了!ふん!無駄だっていうのに!
だけどエドワードは一生懸命押した
う〜ん…!駄目だ。
登れない。
もう限界だ〜!大丈夫!きっと登れる!必ずやってみせるよ!よいしょ!よいしょ!
エドワードは力の限り押し続けた。
そして気が付いたらいつの間にか丘の上に登っていた
やった〜!ついに登ったぞ!機関車が言葉を交わすというファンタジックな物語を作り出したウィルバートさん。
そのウィルバートさんには生涯持ち続けた一つのこだわりがありました。
ウィルバートさんが大切にしていた一冊のノートを息子のクリストファーさんが見せてくれました。
「レールウェイ・ガゼット」という鉄道雑誌の切り抜きです。
その時々の実際にあった出来事が書かれています。
愛読していた鉄道雑誌の記事を切り抜いたスクラップブック。
機関車の絵本を描き始めた直後から集め始めたものです。
今回改めて見返していたらあの話を見つけたんです。
どこだったかな…。
これです。
この記事から「赤鼻のジェームス」のお話が生まれたのです。
1956年8月。
乗客が5万匹のミツバチの入った木箱を駅に持ち込み中からハチが逃げ出してしまい大騒ぎになったという出来事。
この記事どんな物語になったのでしょうか。
主人公はいつも自信満々でちょっぴりうぬぼれ屋さんのジェームスです。
ミツバチなんて怖かないね。
何百匹襲ってきたって煙を吹きつけて追っ払っちまうよ!そううまくいくかな。
後ろに気を付けて下さい。
その時事故が起こった。
ミツバチの巣箱が倒れ蓋が開いてしまったのだ。
みんな慌てて逃げ出した。
ジェームスはブンブンという音を聞いた。
ミツバチたちはジェームスのボイラーに集まった
シッシッ。
あっち行け!
1匹のミツバチが足にやけどを負った。
ミツバチはジェームスがわざとやけどを負わせたのだと思い怒った。
そこでミツバチはジェームスの鼻を目がけて思いっきり突き刺した
ひえ〜!あいた!いたたたたたたた!こりゃいかん早く逃げよう!
ジェームスはいちもくさんに逃げ出した
アハハハハッ。
この時のジェームスは傑作だったな。
そう僕たちのお話の多くが実際に起きた出来事を基に描かれているんだ。
例えばこちら。
嫌いな仕事をやれと言われへそを曲げたゴードンが機関車を回転させる台を止めようとしたら勢い余って溝に落ちちゃったというお話。
ああっ!た…助けてくれ助けてくれ〜!その基になったのがこの記事。
お話が書かれる前の年ロンドン近郊の鉄道で起きた事故です。
回転する台から滑り落ちた機関車が本当にいたんですね。
続いてはこちら。
トンネルの中に怪物が隠れているという知らせを聞いて送り込まれたのはちょっぴり臆病なヘンリー。
勇気を振り絞ってトンネルに入ったらなんと中から出てきたのはサーカスから逃げ出したゾウ!このお話はインドで野生のゾウがトンネルに入り列車を止めてしまったという実話が基になっているそうです。
そして最後は僕の番だ。
立ち入り禁止の看板を無視して進んじゃってとんでもない事になっちゃったというお話。
入っちゃいけないだって?
トーマスはこの先に何があるのかいつも行ってみたいと思っていた
今日こそ突破してやるぞ!
助手がポイントを切り替えに行った時だ
(汽笛)今だ!
トーマスは機関士を踏み板から振り落とし貨車の後ろから引き込み線に入っていった
おっ戻れトーマス!うわ〜落っこっちゃったよ〜!基になったのは今から100年以上前に炭鉱の鉄道で起きた陥没事故。
機関車は深さ60メートルの穴の底へ。
乗っていた機関士はギリギリ飛び出して無事だったんだそうです。
どうか助けて下さい。
もう二度とこんな事しません。
ウィルバートさんが実際に起きた出来事にこだわったのには子どもたちと向き合う上で大切にしていた事があったからでした。
父はとにかく子どもたちにうそをつくのが嫌だったのです。
子どもたちに物語を通して何かを伝えたいならリアルな世界を描いて真正面から取り組むべきだ。
その方が説得力が増すじゃないか。
そんなこだわりの持ち主でした。
子どもを簡単にだませると思っていても大抵そうはうまくいかないと父は考えていました。
なぜなら「ちょっと待てよお父さんは僕をだまそうとしているんじゃないかな」と思った子どもはお父さんを敬う気持ちをなくしていってしまうからです。
そうです。
とても大きな敬意です。
時に子どもは大人より賢いとさえ思っていたと思います。
ウィルバートさんは物語の舞台を作り出す時にもリアルさにこだわりました。
トーマスたちが走るソドー島はイギリスとアイルランドの間に浮かぶ島とされました。
そして絵本に出てくる8つの路線も全部実際の鉄道をモデルに作られたのです。
きっかけは読者の子どもたちから届く手紙でした。
「トーマスたちが走っているのは一体どんな所なの?」。
そんな好奇心に正面から応えようとウィルバートさんは大いに張り切ったのだそうです。
そうそう。
例えばゴードンがエドワードと力を合わせて登ったゴードンの丘にもモデルがあるんだ。
この傾き具合はまさにウィルバートさんが少年時代に空想を膨らませたあのボックストンネルとぴったり同じなんだ。
ウィルバートさんは鉄道だけでなくそれぞれの街がどんな所なのか細かく描いているよ。
例えば僕たちの機関庫があるティドマスという街。
ここの名物はイギリスの海で本当に取れるニシンという魚をくん製にしたもの。
このニシンをどっさり積んで運ぶ貨物列車は何度もお話に登場しているんだ。
魚っていうのは貨車に乗せるもんだよジェームス!空想の世界に見えるこの島にもリアルが隅々にまで詰まっているんですね。
ところでこの島を走る路線の中でもとんでもなく変わった機関車が走っているのがここ。
ソドー島で一番高い山カルディー・フェル。
頂上からの眺めが最高でいつもたくさんの登山客で大にぎわいなんだ。
このカルディー・フェルを舞台にしたお話がウィルバートさんが描いた19冊目の絵本「山にのぼる機関車」。
ものすごく急な坂をぐんぐん進んでいくこの機関車。
もちろんこれも実際の機関車がモデルになっているんだよ。
何だか不思議な形だね。
この形には一体どんなヒミツが詰まっているんだろう?そしてそこにはウィルバートさんのどんな思いが込められているんだろう…。
「山にのぼる機関車」のお話のモデルとなった鉄道を訪ねて私たちは西へ西へと向かいます。
やって来たのはウェールズ地方にあるスノードニア国立公園です。
標高1,085メートル。
ウェールズ地方で最も高い山スノードン山です。
山の斜面をよく見てみると…線路が見えます。
麓の街から山頂まで高低差は900メートル。
歩くと4時間はかかる山道を1時間足らずで登ります。
スノードン登山鉄道の始発駅スランベリスです。
この日も多くのお客さんでにぎわっていました。
ありました。
物語に出てきたのとそっくりな機関車。
この鉄道が出来た120年前から使われている古い機関車です。
さて急な山道をすいすい登っていくための仕掛けとは一体どんなものなのでしょうか?実は車体の下に歯車が取り付けられているんだ。
見えるかい?これこそがこの機関車を動かすヒミツなのさ。
ボディの下をよ〜く見てみると…ありました頑丈そうな歯車。
この歯車がどんなふうに働くのか機関士さんが見せてくれました。
お〜!2本のレールの間にあるギザギザを歯車でがっちりつかんでいくから急な山道も登れるという訳なんですね。
なるほど!それにしてもこの機関車のエンジン何か斜めになっているような気がしますが…。
ボイラーがこんなふうに斜めなのは山の傾斜に合わせるためだ。
ボイラーの水をいつも水平に保つんだ。
斜面を登る時でも水がボイラーの中に行き渡るよう斜めに取り付けられているんだそうです。
いろんなアイデアが詰まっているんですね。
さあいよいよ出発です。
エニド号がホームへと入ってきました。
おや?お客さんが乗る客車の後ろについています。
なぜだか分かりますか?実はこれ万が一連結が外れても客車が山の斜面を落ちていかないよう支えながら登るためなんだそうです。
それではトーマスのお話の舞台となった登山鉄道。
まずは車窓からの風景をお楽しみ下さい。
「きかんしゃトーマス」の作者ウィルバートさんがこの鉄道に乗ったのは「山にのぼる機関車」のお話を描く前の年の事。
その時の事をこう記しています。
「この小さな機関車は荒々しく息を吐きながら斜面をよじ登っていった。
後ろの窓から見てみると機関士が必死になってかまに石炭をくべている」。
「線路は私たちの前方空のかなたへと続いている。
そして機関車はますます大きな雄たけびを上げながらこの難所に挑んでいくのであった」。
強い横風を受けながら機関車は断崖絶壁の上を進んでいきます。
そのため風が強い日には山頂まで行く事ができず引き返してくる事もしばしばです。
そんなスノードン山をモデルに極限状態での人間と機関車の姿を描いたのが「魔の尾根」と呼ばれるお話でした。
ソドー島の登山鉄道で働く6号機関車は乱暴な運転を繰り返したために仕事を取り上げられてしまった自業自得だけどちょっとかわいそうな機関車。
ある日その6号のもとに山頂で大けがをした人がいるので救助に向かってほしいという知らせが入ります。
折からの風が更に強くなり嵐になろうとしていました。
やっと仕事らしい仕事にありついた。
僕の力を見せてやるぞ!駅を出ると強風がいっぺんに6号に吹きつけました。
6号はたった一人で強風に立ち向かっていきました。
貨車も風に振り回され痛そうにうめきました。
貨車のやつは戻りたいんだな。
僕だって戻りたい。
でも遭難した人を助けるためにも何としても頂上の駅まで行かなければ!行かなければ!実際このお話のモデルになったスノードン山は天候が変わりやすく遭難する人がとても多い山です。
雲に隠れてしまうと…ほら!全く周りが見えなくなってしまうでしょ。
そのため山道に迷って寒さで体が動かなくなったり崖から落ちてしまったりする人がいるのです。
6号機関車は吹き荒れる嵐の中頂上の駅に滑り込みます。
そして見事助けを待っていた登山客を救出し麓の駅まで帰ってきたのでした。
お手柄の6号機関車はパトリックという立派な名前をもらい以前よりも熱心に働いたんだそうです。
極限状態の中で助け合う機関車と人間。
その姿は物語が描かれて50年がたった今も変わる事はありません。
今年の7月の事ですが頂上でぜんそくの発作を起こしてしまった女の子の救助要請がありました。
彼女は本当に危険な状態でした。
風が強く機関車自体も危ないくらいでしたが特別に列車を走らせてくれたんです。
本当に幸運でした。
機関車が彼女の命を助けてくれたのです。
機関車と人間とは助け合える。
いつでも人を助けるために待ってくれている。
本当に感謝しています。
こちらが晴れている時に山頂から見られる景色。
ウェールズ地方を一望できます。
この絶景を見るために登ってくる人たちも機関車たちがいるからこそ安心して景色を楽しめるのかもしれません。
機関車と人間とは助け合える。
本当にすばらしいねトーマス!おや?トーマス?う〜ん…。
せっかく気持ちよく昼寝していたのに何だか騒がしいな…。
あれ?僕らのライバルディーゼル機関車じゃないか。
何をしに来たんだ?あ〜!僕の客車を横取りするなんて!ちょっと待て〜!僕の仕事は絶対渡さないぞ〜!ハハハハハッ。
ライバルに負けないよう頑張らないとねトーマス!でもトーマスのようにディーゼル機関車や電車に負けずに今も活躍している蒸気機関車はほかにもまだまだいるのです。
こちらはヨーロッパアルプスの国スイス。
この険しい山を登っていく登山鉄道でも蒸気機関車が大活躍。
続いてはアメリカの南カリブ海の国キューバ。
ここでは100年以上前にアメリカから輸入された機関車が今もサトウキビを運ぶのに奮闘しているのです。
この日もサトウキビを満載した貨車を引いて丘を登っていきます。
このまま順調に頂上まで!そしてここで問題が起きた。
連結が外れて貨車が坂を滑り落ちてしまった!こんなシーントーマスのお話にもありますよね。
そして極め付けはこちら。
インドの山奥ダージリン地方を走っている鉄道。
この一帯はダージリンティーとして有名な紅茶の名産地です。
お茶の積み出しのために使われる蒸気機関車。
人々の生活に欠かせない大切な足としても利用されているのです。
いや〜今も大活躍している仲間たち。
本当すごいな〜!まるで自分の事みたいに誇らしい気持ちだよ。
あ〜それにしても思いっきり外を走るのは気分いいな〜。
えっ?今度はどこにいるのかって?ヘヘヘッ。
ここはみんなが暮らしている国日本だよ!静岡県にある大井川鐵道では去年から僕が走っているんだ。
とても気持ちのいい所で気に入っているよ!ああ今日も天気がよくてちびっこたちからエネルギーをもらっていい一日だったな〜。
ところでみんな僕の物語には日本の機関車から生まれた仲間がいるのを知っているかい?では改めて紹介しましょう。
こちらが僕の友達ヒロです。
こんばんはヒロです。
よろしく。
ヒロはとっても真面目で礼儀正しくて親切で力持ちで。
ヘヘヘヘッ。
褒めだすと切りがないな〜。
本当に頼りになる仲間なんだ!このヒロのモデルとしてイメージされたのがD51。
通称デゴイチと呼ばれる機関車です。
デゴイチは日本を代表する機関車で1,000台以上が造られました。
山から掘り出した石炭を運んだり時に客車を引っ張ったり。
日本中の鉄道で活躍していましたがディーゼル機関車や電車に取って代わられ姿を消していきました。
活躍の場がなくなってしまった私だけどトーマスの世界でもう一度チャンスを与えられたんだ。
とてもうれしいよ!本当によかったねヒロ!消えゆく運命にあった蒸気機関車をトーマスの世界で活躍させたウィルバートさん。
蒸気機関車の魅力を伝えるため更に大きな夢へと突き進んでいきます。
それは機関車を本物の鉄道でも走らせ続ける事。
ウィルバートさんが仲間と共によみがえらせたという鉄道を目指しウェールズ地方を進みます。
行けども行けども広大な牧草地に…羊。
そして羊。
このウェールズ地方羊の数が人間の3倍およそ1,000万頭もいるんだそうです。
のどかな所ですね。
(汽笛)ウェールズの西の外れにその鉄道はありました。
ピッカピカに磨き上げられた赤いボディ。
蒸気機関車からの眺めを楽しみたいと遠くから訪れるお客さんを乗せて走っています。
この鉄道は今から65年前利用する人が減ったため一度は潰れてしまいましたが実にユニークな方法で復活を果たしたのです。
そのユニークな方法とは一体何なのでしょうか。
始発駅のタウィン・ウォーフを訪ねてみました。
働いていたのはお金をもらわないボランティアの人たち。
そうタリクリン鉄道はボランティアの手で機関車を動かす世界で初めての鉄道なのです。
(取材者)どこから来たんですか?ヨークシャーからです。
(取材者)なぜわざわざこんな所まで?分かりません。
ただ蒸気機関車が好きなんです。
子どもの時から来ています。
私の両親も以前ボランティアをしていて一緒に連れてきてくれたんです。
イギリス各地から集まってくるボランティアが運転士からポイント切り替えの仕事まで全てをこなし鉄道を支えています。
年齢も職業も実にさまざまな人たちが働いていました。
乳母車を乗せたいんだけど。
もちろん大丈夫ですよ。
これで楽になりますね。
ありがとうございます。
そしてウィルバートさんもまたこの鉄道に大きな貢献をしたボランティアの一人でした。
ここはウィルバート牧師の書斎を再現した部屋です。
彼が亡くなったあと彼の自宅に残されていたものを寄贈してもらって再現しました。
机に椅子タイプライターそして棚にある本まで全て実際に使われていたものです。
こちらには牧師自ら作ったソドー島の模型もあります。
牧師はボランティアの手で鉄道を復活させると聞いてすぐに手を挙げてくれた一人でした。
会員番号は73番でした。
そして翌年の夏息子のクリストファー君を連れてボランティアに来ました。
それ以来毎年家族でやって来るようになったのです。
ウィルバートさんは牧師としてそして絵本作家として忙しい日々の合間に列車を乗り継ぎはるばるタリクリンまでやって来ました。
そして1週間ほど滞在しながら車掌や線路の点検などさまざまな仕事に汗を流しました。
なぜそうまでしてこの鉄道を残そうと考えたのでしょうか。
そこには時代遅れと言われながらも人々を引き付ける蒸気機関車ならではの魅力が関係していると娘のベロニカさんは感じています。
機関車には誰にでも何か貢献できる事があるものです。
何もできる事がないと思っても役割があるのです。
駅の車掌として働いたり切符売り場で働いたりあるいは線路を点検して回ったり一緒に同じ時間を過ごし大きな目標に向かう。
本当に大きな家族のようなものなのです。
蒸気機関車の世界には特別な知識がなくてもその一員となり支える事ができるという魅力がある。
そんなメッセージを込めてウィルバートさんは鉄道で働く機関車やそこで起こる出来事を物語に盛り込んでいきました。
例えばかまぼこ形の水タンクが特徴の働き者のスカーロイ。
これはウィルバートさんも手入れをしたというタリクリン鉄道で一番古い機関車がモデルになっています。
更にウィルバートさんは自分がボランティアをしていた時の失敗談も物語に盛り込みました。
車掌をしていたウィルバートさん。
時間どおりに列車を出発させる事で頭がいっぱいになり駅に売店のおばさんを置き去りにしてしまったのです。
車掌が笛と旗の用意をした。
売店のおばさんが列車に乗り込もうとしている。
ところがピーター・サムは走りだしてしまった
ピーター・サムの早とちりだよ。
ピーター・サムはてっきり合図の笛が鳴ったと思い込んだのだった
おい止まれ!止まれったら!売店のおばさんを置いてきちゃったぞ。
えっ参ったな!
だが売店のおばさんはまだ怒っている
私を置いていくなんて一体どういうつもり?世界のどこにもない自分たちの鉄道を作り上げる。
タリクリンには多くの人が集うようになっていきました。
(取材者)「トーマス」でお気に入りの機関車は何ですか?とてもいい質問です。
小さい頃はヘンリーに首ったけでした。
(取材者)ヘンリーといえばトンネルの話がありましたよね。
そうそうその話よく覚えていますよ。
ほかにもこの鉄道の機関車がモデルのスカーロイやピーター・サムの話もお気に入りでした。
ボランティアの手で機関車を動かし鉄道を残していこうという取り組みはやがて世界中へと広がっていきます。
(汽笛)そしてウィルバートさんもまた自ら汗を流し関わり続ける事の尊さを身をもって伝えていきました。
ウィルバート牧師と私の父はよく一緒に働いていました。
私も何度もお会いしました。
すてきな紳士で線路の継ぎ目のボルトを交換していた姿をよく覚えています。
手を真っ黒にしながら仕事をしていたのでみんな尊敬の気持ちを込めて牧師さんと呼んでいました。
そんな牧師さんは珍しいですからね。
こういう事をしているとただの鉄道オタクだと思われるかもしれませんがそうではありません。
ここでは一人一人が本物の仕事をしています。
受け継がれてきたものを守ろうとしているのです。
そして今年タリクリン鉄道にはまた1人新しいボランティアが加わりました。
その名もトーマス君14歳。
学校のない休みの日朝早くから機関車の手入れをしています。
(取材者)学校とここどっちが楽しい?こっちかな。
(取材者)どうして?学校の勉強はどうも苦手なんだ。
まず蒸気ブレーキを作動させて。
それからハンドブレーキを解除だ。
(汽笛)ここタリクリンでは仕事さえ覚えればたとえ14歳でも一人前のボランティアとして扱われます。
一人一人の力を合わせれば誰かの役に立ち人々に喜びを与えられるという面白さ。
トーマス君にも受け継がれていくんでしょうね。
いい仕事をすれば仲間の機関士たちから褒めてもらえます。
今日は僕の仕事が喜んでもらえたと誇らしい気持ちになるんです。
僕はそんな鉄道の雰囲気が大好きです。
何よりも楽しむ事が大切だよ。
それが一番大事なんだ。
みんな「きかんしゃトーマスのヒミツ旅」楽しんでもらえたかな?僕が言うのもおかしいけど本当機関車って面白いよね。
だってこうして走っているだけで乗っている人も見ている人もみんな笑顔で手を振りたくなっちゃうんだから。
今から70年前ウィルバートさんが生み出してくれたこの小さな物語はきっとこれからもすてきなプレゼントをくれるはずだよ。
ソドー島はクリスマスの季節だ。
とてもにぎやかで忙しく…とても幸せな気分になる時間。
メリークリスマス!どういたしまして。
メリークリスマス!メリークリスマスパーシー!メリークリスマストーマス!メリークリスマス島のみんな!
(サンタクロース)ホ〜ホッホッホッ!2016/01/02(土) 16:40〜17:55
NHKEテレ1大阪
きかんしゃトーマスのヒミツ旅 世代を超えたおくりもの[字][再]

世界中で大人気の「きかんしゃトーマス」。実はクリスマスはトーマスの物語にとってとても大切な日だ。トーマス誕生の秘密とその魅力を探してイギリスなど各地を旅する!

詳細情報
番組内容
家族で楽しめるスペシャル企画!世界中で大人気の「きかんしゃトーマス」。実はクリスマスはトーマスの物語にとって大切な日だ。トーマスの物語が誕生した秘密をトーマスの故郷・イギリスで取材。原作者のウィルバート・オードリーさんが“会話をする機関車”というファンタジックな物語を発想した原点や、その後、イギリス各地の蒸気機関車を保存しようと活躍した知られざる足跡を家族の貴重な証言などでたどる。
出演者
【語り】ジョン・カビラ,比嘉久美子
キーワード1
きかんしゃトーマス

ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 歴史・紀行
アニメ/特撮 – 海外アニメ
趣味/教育 – 旅・釣り・アウトドア

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

OriginalNetworkID:32721(0x7FD1)
TransportStreamID:32721(0x7FD1)
ServiceID:2056(0x0808)
EventID:5021(0x139D)

カテゴリー: 未分類 | 投稿日: | 投稿者: