2016年1月8日07時04分
神戸市長田区の集合住宅で昨年1月、住人3人が死亡した火災で、兵庫県警は8日、この住宅の自動火災報知機の電源を切ったとして住人の無職男性(56)を過失致死容疑で、報知機の点検を怠ったとして住宅の所有・管理会社(大阪市福島区)の男性社長(61)を業務上過失致死容疑でそれぞれ書類送検する。捜査関係者への取材でわかった。
火災は昨年1月20日朝、神戸市長田区重池町1丁目の集合住宅「コート上沢」(3階建て、全50室)で発生。3階の一室など約20平方メートルが焼け、この部屋に住む男性(当時65)ら住人3人が一酸化炭素中毒で死亡した。集合住宅は廊下が建物内にあり、煙が滞留しやすい構造だった。
捜査関係者によると、報知機の電源は火災時に切られており、県警は報知機が作動しなかったために住民が逃げ遅れたと判断。電源を切った住人男性は、火元以外の部屋の住民男性2人(当時60、同43)を一酸化炭素中毒で死なせた疑いがある。社長は以前に住宅内で起きた別の火災で危険性を認識していたのに、2012年6月以降、報知機の点検を怠って2人を死亡させた疑いがある。
住人らによると、この住宅では過去にいたずらなどで報知機が作動することが何度かあった。捜査関係者によると、住人男性は報知機の電源について、「うるさかったので切った」と話している。社長も「点検をしていなかった」と容疑を認めているという。
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朝日新聞社会部
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