ふるカフェ系 ハルさんの休日 第二話「東京・青梅」 2016.01.03


懐かしい感じの路地だなあ…

んん…え〜僕の名前は真田ハル。
僕の趣味は休日のカフェ巡り

カフェ好きといってもスイーツ系とかパン屋系とかいろいろあるけど僕は自称ふるカフェ系!
「ふるカフェ」とは古い民家や建物を再生したカフェの事。
そのリポートをブログにアップしている!これがマニアの間では評判を得ているわけで

(クリック音)
前回は千葉の金谷にある合掌造りのカフェに行ってきた
マスターがいれてくれたカプチーノおいしかったなぁ…

今日訪ねたのは東京都青梅市
青梅の御岳山からはこんな絶景も望める
都心から1時間半なのにこんなに自然がいっぱい。
最近パワースポットとして人気を集めている…らしい
でも僕のお目当ては山登りではない。
大正時代の歴史的建造物を再生したというふるカフェだ。
ん?なんだ?手書きの看板か
そうそう青梅ってこういう古い手書きの看板で町おこししてるんだよな。
フフッ。
レトロな感じがいいなあ

おっ!この建物も相当古い感じ
どう見ても100年はたってるよなあ。
こんな風情ある建物にも会えたしこれから行くカフェも期待できるぞ
感じる…ふるカフェの気配が…
あっあれか!?
そうか…そうきましたか!これは蔵造りのカフェだ!今日も楽しい一日になりそう!

石蔵のカフェとはなかなか珍しい!
(たたく音)
におう…におうぞ。
この蔵の記憶が…
とても素朴で温かみのある質感…ところどころに開いた穴。
この素材は…大谷石だな!栃木県宇都宮市大谷町から採掘される天然石!日本が誇る建築材だ。
近代建築の巨匠フランク・ロイド・ライトが旧帝国ホテルに使った事で有名だ
こんな立派な大谷石の蔵がなぜ青梅の街なかに残ってるんだろう?

ここからが勝負!
ふるカフェの価値はファーストコンタクトで決まるといっても過言ではない!
いざ…参る!
はあっ!そうきたか!広々と見渡せる店内木が一面に使われていて自然のぬくもりを感じる。
常連さんかな。
地元の人がくつろいでるのもいい感じだ

この格子は…
(たたく音)
昔の蔵の扉を再利用しているんだ。
でもこのエントランス何か感じる…。
ん!?これは!このタイル…和の香りがする
もしやこれも大正時代のものなのか?
何をしてらっしゃるんですか?いえいえ何もしてません。
そのタイルきれいでしょ?はい。
色がついてるだけではなくて一つずつ模様が描かれているんですね。
とてもかわいいです。
このお店をオープンする時に若い女性の陶芸家の方にお願いして一枚ずつ焼いて頂いたんですね。
オーナーのこだわりです。
それはすごいですね!
古い建物にマッチするように作られたその気遣い。
お見事だ!
あの梁もすごいです!蔵の価値は梁の太さで決まると聞いた事があります。
素材は赤松ですかね?そうですね。
最近の建築でここまで立派な梁はなかなかないですよ。
この梁は当時のものをそのまま生かしてるな…。
古いものと新しいものをミックスさせこの空間が生まれているんだ!
随分とお詳しいんですね。
いえいえ。
もしよろしかったら2階のギャラリーも是非ご覧下さい。
2階も上がれるんだ…
おお!こっちも梁がむき出しだ!
この梁も太いなあ…
この造りは洋小屋組じゃないか!大きな建物でも柱を使わずに屋根を支えられる明治時代に広まった画期的な工法!
かの有名な道後温泉本館の屋根も確か洋小屋組だったはず。
木造の校舎で使われていた工法だけどそれがカフェで見られるなんて…。
ほんとにふるカフェって奥深い
うん?なんだこれ?
スピード…?
滑車…?

何に使ってたんだろう…?

それにしてももともと何の蔵だったんだろう…?聞かなきゃな
失礼いたします。
こちらはお野菜を中心としたお料理となっております。
本日は梅を使ったお料理がございます。
お決まりになりましたらお声がけ下さい。
はい…。
うん?水じゃなくてお茶
しかも香ばしいトウモロコシ茶!
そしておしぼりは手拭いか…。
うんアロマな香り。
このカフェこだわりだらけだ
さて何にしようかな。
野菜たっぷりの料理が多いな。
地元産かな?飲み物は何にしよう…。
ん?「ブラックベリーのスムージー」?あ!そういえばさっき庭にみずみずしいブラックベリーがなってたな!きっとあれで作るんだ
よしこれに決〜めた
失礼いたします。
ご注文はお決まりですか?はい。
このブラックベリースムージーとあとこの梅のお料理を…。
はいかしこまりました。
失礼いたします。
あの…写真撮ってもいいですか?はいどうぞ。
トウモロコシ茶撮っとこ
(シャッター音)
おっこのコースターもきれいだな。
アジアのどこかの柄かな?欲しいなあ…。
調べるか!
失礼いたします。
お待たせいたしました。
取れたてのブラックベリーで作ったスムージー。
こんなの初めてだ!

ん〜!爽やかな酸っぱさ。
でも濃厚な味わい。
このシャリシャリ感はどうやって出しているんだろう?
作り方を見せてもらった

う〜んブルーベリーでなくてブラックベリーってところにこだわりを感じる…
それにしても落ち着くな…。
仕事の悩みも小さい事に思えてくる。
なんでだろう?
お客さんものんびりしてるなあ
あっそうか〜。
この空間の広さか。
カウンターは9メートルあるな。
広い蔵の良さを生かした造りだからのんびりできるんだな…
お待たせいたしました。
失礼します。
ほぉ!見るからに体に良さそう

いただきます。
野菜たっぷり

ズッキーニが甘い!がんもどきはだしがじんわり。
しみる!この茄子のはさみ揚げに入ってるのは…あれだ!
梅だ
青梅だけに梅が「ウメエ」なんてね
このとろろに入ってる赤いのも梅だな…
青梅だけにやっぱり梅にこだわりがあるのかな?
こんにちは。
お世話さまです。
ハハーン。
さてはあの人が野菜を作ってる人だな
夏野菜の評判はどうかしら?お野菜の味が違うって評判ですよ。
じゃちょっとお客様に…。
こんにちは。
お野菜の味どうですかね?おいしく頂いております。
農薬をなるべく使わないで頑張ってねやってるんですけど。
あ!じゃあこの梅もこの辺りで実ったものなんですか?青梅だから梅が深く関係してるのかなと思いまして…。
そうですね。
青梅っていうぐらいにこの辺には梅の木がたくさんあったんです。
なんですけど…今はもうね。
え?今はもうないんです。
え?どうしてですか?実はね6年前ですかねプラムポックスウイルスっていう病気が青梅で発見されて感染樹をみんな切ってしまおうという事になって。
鈴木さんによると市内の公園で梅の木からウイルスの感染が見つかったのが平成21年。
感染を防ぐため市内3万本もの梅の木が伐採された。
梅農家の鈴木さんのお宅も148本あった梅の木を全て切らざるをえなかった
業者の人が来て大きな機械で切って全部で2週間ぐらいかかったかしらね。
何人もの人が来て。
その時はほんとに身を切られるような感じ。
切なかったとっても。
その後鈴木さんは梅がなくなった畑で野菜を育て始めた。
梅の代わりに新たなふるさとの味を作りだそうと頑張っているそうだ
梅を切ったあとに他のいろんな種類の果樹とか珍しいお野菜とかを育ててそれで新しい町おこしみたいなねそういうきっかけにこれがなればいいかなって私は思ってこのお野菜がそういうお野菜なんです。
なるほど!おいしかったです。
ありがとうございます。
もうそろそろ行かないといけないから失礼します。
じゃごゆっくり。
ありがとうございます。
建物も見たしおいしいものも食べた。
あとは何をブログに書こうかな〜
あっこのコースター。
こっちのもいいなあ

うん。
あっあっちのも。
あれ!?気になる…すごい気になる!
失礼いたします。
お茶をおつぎいたしま〜す。
あのさっきから気になってたんですけど…。
はい?これもこれも同じ生地ですよね?柄も似てるし…。
それは夜具地ですね。
ヤグジ…?いらっしゃいませ〜。
ヤグジって何だ?ブランド名かな?…あデザイナーだ!デザイナーの名前!これを作ったデザイナー!ヤグージ…ヤーグジ…ヤグージ…ヤグ…?ヤグ…?ヤグ…?ヤグ…?ヤグー…?ロシア人?…ロシア人だ!調べなきゃ
やあ大串さん!おおこんにちは。
また新しいのが新作ができました。
あ〜それはそれは。
はい見て下さい。
わぁきれい!立派なのができたね。
たくさん大変でしたね。
まさか…!あの男性がヤグージ?ロシア人には見えないけど…ハーフか?いやクォーターだな…?ヤグージは青梅に住んでいたのか…
すみません!あの方がヤグージさんですよね?え?このコースターといい花瓶の下といい同じ生地でそのヤグージが…。
ああよくお気付きですね。
いやいやいやまさか今日このタイミングでヤグージさんにお会いできるとは思いませんでしたよ。
え?あの方は太田さんよ。
え?太田さん?はい。
太田さ〜ん!太田さん!この方青梅夜具地に興味があるんですって。
ふ〜ん。
青梅夜具地知ってるの?青梅ヤグジ?…青梅ヤグジー?青梅の夜具地。
青梅のヤグジ?…ヤグジ?「夜」の「具」体的な生地の「地」。
夜具地?はい。
お布団の生地の事。
青梅夜具地。
スパシーバ!
(笑い声)
僕がロシア人だと勘違いしたのが青梅の織物協会の太田さん会長の大串さん。
夜具地に詳しい向さんだ。
太田さんが言うには青梅夜具地とは布団の生地の事。
江戸時代から織物が盛んだった青梅で生まれた特産品だ
色鮮やかでハイカラな柄が全国で人気を博し夜具地といえば青梅という時代があった
昭和30年ごろには700軒以上もの機屋が軒を連ね青梅の街はそれはそれはにぎやかで栄えていたらしい
バイクの背中に肩から頭まで届くほど夜具地を積んで配達に行きましたね。
ガチャマン時代。
ガチャマン?ええ。
これがね1950年ごろから始まって。
ガチャマンってなんですか?あのね朝起きてね機械を回すと…今日一日大金が入ってくるというかそういう一切のもとにねそのガチャマンという言葉が出てきたね。
織れば織るほどもうけられる?まあそういう事だね。
青梅夜具地はこのオレンジの色がたくさん使われております。
それは戦後復興すると同時に人々の生活が豊かになってきた。
だからこのお布団のオレンジの色にみなさん元気づけられてそして日々の生活が営まれたんではないかなと思います。
しかし昭和40年ごろから洋風の寝具がもてはやされ青梅夜具地の生産は衰退しその後作る人は誰もいなくなった。
夜具地の存在を忘れてほしくないと考えた向さんたちは10年前からその保存活動を進めてきた
この蔵はかつてその青梅夜具地を保管する蔵だったんです。
ああ!だからこんなに立派な蔵が残ってるんですね。
そうですね。
下にもねここもいっぱいだしね2階までいっぱいになるほど夜具地が入ってましたね。
この蔵は青梅夜具地の文化を支えた蔵だったんだ。
2階にあったあの滑車で大量の夜具地を上げ下ろししていたんだ

そして15年前この蔵はふるカフェとして再スタート。
アートの展示や音楽ライブもやっている。
そこで新たな出会いがあり新たな街の活力が生まれている…
こういったすてきなカフェをやって15年以上たってるわけですからその中で日々いろんな方が出入りされていろんなイベントをされてそういった人の集まりが非常に大きくなってきたんで我々にとっては大変楽しい事だしうれしい事です。
よろしかったらこれ差し上げますのでどうぞお持ち下さい。
よろしいんですか?はいはい。
どうぞ。
ありがとうございます。
大切に使わせて頂きます。

この小さな美しい布に青梅の思いもよらないストーリーが隠されていたんだな。
そう思うとこの建物がまた違って見えてくる。
ふるカフェは街の記憶と現在とをつなぐ貴重な場所。
さあ次はどんなふるカフェに出会えるかな…
2016/01/03(日) 12:30〜13:00
NHKEテレ1大阪
ふるカフェ系 ハルさんの休日 第二話「東京・青梅」[解][字][再]

カフェ好きにもいろいろあるが古民家を再生した店を愛するのが、ふるカフェ系。渡部豪太さん扮(ふん)する主人公が全国の希少建築のカフェを巡る異色ドラマ。東京・青梅編

詳細情報
番組内容
一歩足を踏み入れば懐かしい空間が広がる、それがふるカフェ。俳優、渡部豪太さんふんする主人公ハルが、全国の古民家を再生したカフェを訪ね歩く異色ドラマ。東京、青梅編。貴重な古建築カフェが残っていると聞きつけたハル。そこは石造りの巨大な蔵を活用した店だった。あちこちにはカラフルなオレンジ色の布地がいっぱい。もともと、なんの建物だったのか?そこにはかつて織物業でにぎわった青梅の知られざる歴史が隠されていた
出演者
【出演】渡部豪太

ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 歴史・紀行
ドラマ – 国内ドラマ

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
サンプリングレート : 48kHz
2/0モード(ステレオ)
日本語(解説)
サンプリングレート : 48kHz

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