地球ドラマチック・選「赤ちゃんのヒミツ〜驚くべき生命力〜」 2016.01.03


大きくなったら赤ちゃんが欲しい。
消防士になりたい。
ボクサー。
大人になりたくない。
愛らしく小さな赤ちゃん。
赤ちゃんには世界はどのように見えているのでしょうか。
近年赤ちゃんの研究が進み小さな体の中で起きている事が徐々に解明され始めています。
赤ちゃんには大人にはない特別な能力があります。
かなり長い時間水中にいたのでもう助からないかと思いました。
順応性にも優れています。
脳が半分になっても生きていけるんです。
驚くべき生命力です。
赤ちゃんは生まれてから2歳までの間に他のどの時期よりも成長し学びます。
一生のうちで最も大切な期間なのです。
しかし多くの人はそのころの事を覚えていません。
私たちみんなが体験し記憶にはない赤ちゃんの世界をのぞいてみましょう。

(胎児の心音)母親のお腹の中で守られてきた赤ちゃん。
生まれた途端に全てが変わります。
(産声)産声と共に始まる赤ちゃんの初めての呼吸。
酸素を取り込む場所が胎盤から肺へと移行する瞬間です。
(泣き声)小さな体に起こる目に見えない変化をへて赤ちゃんは成長していきます。
生まれたばかりの赤ちゃんはか弱く見えますが小さな手足はかなり強い力で握る事ができます。
これは本能的な反応です。
把握反射と呼ばれます。
人間がサルだった頃の名残かもしれません。
赤ちゃんは本能的に人の顔を探します。
生まれてから20分もすると相手の表情をまねるようになります。
おっぱいを探すのも生きるために欠かせない本能です。
ほんの少し頬に触れただけで唇をすぼめおっぱいを探します。
赤ちゃんは泣く事で自分の意思を伝える事もできます。
(泣き声)赤ちゃんの泣き声は声色も高さも周りの注意を引くように完璧に調整されています。
どのように泣き始めるかで何を求めているかが分かる場合もあります。
疲れてむずかっている時は口を大きく開けるため「ア〜」という音で泣き始めます。
(泣き声)一方おっぱいが欲しい時は舌が口の上の方にくっつくため「ネ〜」という音から始まります。
(泣き声)赤ちゃんはおっぱいを飲みながら同時に呼吸をする事もできます。
気道の一部が大人よりも高い位置にあるからです。
空気は鼻から肺へミルクは口から胃へ混ざり合う事なく届けられます。
この仕組みのおかげで赤ちゃんはある能力を手にしました。
泳ぐ能力です。
赤ちゃんは練習をすれば泳ぐ事ができます。
これは赤ちゃんに備わった能力の一つです。
水の中に入ると赤ちゃんは反射的に鼻での呼吸を止めます。
口を大きく開けても胃や肺に水が入る事はありません。
はったり歩き始めるずっと前から赤ちゃんは本能的に手足で水を蹴ります。
母親のお腹の中と似ているからかもしれません。
ただし空気を吸えるよう大人が水から出してあげる必要があります。
この能力が赤ちゃんの命を救う事もあります。
ケイト・クーパーの息子サムは生後6か月の時に海に落ちました。
1月のよく晴れた日曜日でした。
息子を連れて港まで犬の散歩に来たんです。
犬のフンを片づけるためベビーカーを堤防の近くにとめてロックをかけました。
その時突風が吹いたんです。
振り返ると息子を乗せたベビーカーが海の方に吹き飛ばされていました。
そしてそのまま海に落ちたんです。
ケイトの悲鳴を聞きつけた人がすぐに海に飛び込みました。
サムはうつぶせの状態でひっくり返ったベビーカーに固定されていました。
5〜6分の事だったと思います。
でも私には永遠のように感じられました。
サムは引き上げられたもののひん死の状態でした。
救急ヘリですぐに病院に搬送されました。
お医者さんたちも手を尽くしてくれましたが正直助かるとは思っていなかったようです。
しかしサムは回復しました。
みんな驚いていました。
6分間も水の中にいたのに4〜5時間後には元気になっていたんですから。
事故から1年。
サムは1歳半になりました。
身体的にも精神的にも事故の後遺症は見られません。
これが大人だったら恐らく助からなかったでしょう。
肺に水が入らない仕組みになっている赤ちゃんだった事がサムが生き延びた理由の一つです。
胃の中にあったものを少し吐きましたが肺に水は入っていませんでした。
更に冬で海水がとても冷たかったため脳が停止した状態になったんです。
極端な寒さ。
これがサムの復活を支えた2つ目の理由です。
水中では酸素を取り入れられないため脳細胞が死に始めます。
しかし厳しい寒さではそのスピードが遅くなります。
赤ちゃんの場合大人よりも更に遅くなるのです。
この特性は新生児の集中治療の技術に応用されています。
赤ちゃんの体温を下げて脳の損傷を防ぐのです。
赤ちゃんには常に世話をしてくれる大人が必要です。
大人は赤ちゃんのかわいさのとりこになります。
かわいらしさは赤ちゃんにとって生き延びるための最大の武器です。
大きな瞳。
愛らしい口と鼻。
そして広いおでこ。
その姿を見ただけで心が和みます。
ペットは赤ちゃんのこうした特徴に似るように進化したといわれています。
人間がペットを無条件に受け入れ世話をしようと思うのは赤ちゃんに似ているからなのです。
赤ちゃんは周りの世界をどう思っているのでしょうか。
研究者たちは赤ちゃんの視点から見た世界を調べています。
生まれてから2か月間は赤ちゃんは周りの状況を理解するのに必死です。
赤ちゃんの視界は二重になってぼやけていると研究者たちは考えています。
まだ両目で捉えた情報を脳で一つにまとめる事ができないからです。
目の筋肉が強くなるまで赤ちゃんの目の焦点が合うのは顔からおよそ20センチの所だと考えられています。
これは赤ちゃんが母乳を飲む時にちょうど母親の目がある場所です。
大人が赤ちゃんに話しかける時に前かがみになったりおかしな顔をする事で赤ちゃんの視界のずれは解消されているのかもしれません。
赤ちゃんは明るくてはっきりした色のおもちゃを好みます。
中には大人の目には刺激が強すぎるような物も。
これは赤ちゃんの目がコントラストのはっきりした物によく反応するからです。
赤ちゃんは色彩感覚が十分ではありません。
そのため最初は鮮やかな原色だけを認識します。
微妙な色の違いを認識できるようになるまでには数年かかります。
小さなピカソたちがこの傑作を理解できるようになるのはまだ先の事のようです。
一方赤ちゃんの聴覚はかなり発達しています。
生まれた時には内耳は既に完全な状態です。
お腹の中で聞いていた音も分かり母親の声も認識できると考える研究者もいます。
しかし両耳から入ってくる音のわずかなずれを脳が処理できるようになるまではどんな音も小さなエコーがかかったように聞こえます。
大人が高い声で同じ言葉をゆっくりと繰り返しながら話しかけると赤ちゃんが聞きやすくなると考えられています。
ピッポーピッポー。
赤ちゃんはかなり大きな音も平気です。
お腹の中では母親の心臓の音がおよそ90デシベルスポーツカーのエンジン音と同じくらいの音量で響いていたからです。
(エンジン音)やかましいクラシックカーの中で赤ちゃんが気持ちよさそうに寝入っています。
絶えず続く太く鈍い音が母親のお腹の中で聞いていた音に似ているからでしょう。
(エンジン音)しかし母親のお腹の中とは違い衝撃を吸収してくれないため突然の大きな揺れや騒音があるとすぐに目を覚ましてしまいます。
(泣き声)
(エンジン音)安心したのかまた眠りにつきました。
生まれてから3か月の間赤ちゃんは一日におよそ16時間寝ます。
しかし脳は眠っていません。
赤ちゃんは大人の2倍近く夢を見る事が分かっています。
夢を見る事でその日体験した事を脳が分析しているのです。
また赤ちゃんの眠りは大人ほど深くない事も明らかになりました。
眠っていても音を聞き周りにいる人の気配を感じ取っています。
(女性)お願いだからねんねして。
赤ちゃんが眠るのは夜とは限りません。
しかも眠りは長くは続きません。
赤ちゃんにはそもそも暗くなったら寝て朝になったら起きるという感覚がないのです。
しかし絶えず押し寄せる新しい情報を脳が処理するには睡眠が欠かせません。
ばあ!こんにちは!赤ちゃんの時に経験した事は全て脳の形成に影響を与えます。
脳が発達していく過程で赤ちゃんが不思議な反応を示す事があります。
赤ちゃんの脳の一部が異常な動きをするためです。
(サイレン)この赤ちゃんは大きなサイレン音を聞いてそれを指先で感じているのかもしれません。
電光掲示板の明るい光を見て鼻で感じ取ったかもしれません。
こうした反応は脳の各部分の役割がまだ定まっていない事が原因で起こります。
一見弱点のように思われますが実は赤ちゃんの脳がどんな状況にも適応できる事を意味しています。
脳の順応性が大きな困難を乗り越えさせたケースもあります。
トーマスは生後3か月の時に重いてんかんと診断されました。
一日に100回もの発作を起こすため両親は片ときも目を離せませんでした。
気の休まる時がありませんでした。
息子が発作を起こすのをただ見ている事しかできないんです。
つらかったですね。
検査の結果トーマスの脳は腫れ上がり片方がゆがんでいる事が分かりました。
薬では発作を抑えられなかったため手術で脳の一部を切除する事になりました。
赤ちゃんの脳は生まれて間もないほど順応性があります。
脳の一部を切除したあと残った部分をうまく機能させるには一刻も早く手術する必要がありました。
トーマスはすぐに手術を受けました。
手術後の脳の状態です。
まだ少し腫れている部分が残っています。
内側に液体で満たされた場所があります。
これが切除した部分です。
手術の結果左右の脳が完全に分離しています。
トーマスは脳の半分を失いました。
脳の半分を失ったら生きていけないのではないかと思われるかもしれません。
でも正常に働く部分さえあれば脳はちゃんと機能する事が研究から分かっています。
すばらしいですよね。
トーマスには後遺症が少し残りました。
しかしもし大人の患者がトーマスのように脳の一部を失ったとしたらずっと深刻な結果になっていたはずです。
状況が良くなってホッとしています。
どんな病気であったとしてもトーマスがかわいい息子である事に変わりはありません。
確かに大変でした。
でもトーマスはよく頑張っています。
手術以来発作は治まり一家の生活は大きく変わりました。
以前はずっと家にこもりストップウオッチとペンを持って発作が起きるたびに記録していました。
これからはトーマスに人生を楽しむ事を教える事ができます。
今トーマスは同じくらいの年代の子供と変わらない発達を見せています。
これからは穏やかな生活を送れるでしょう。
そうそうそう上手だ。
いいね。
柔軟な脳で周りの世界を理解し始めると赤ちゃんは次のステップに踏み出します。
周りの物を探り始めるのです。
赤ちゃんはこの頃からさまざまな動きをし始めます。
触る。
食べる。
はう。
そして歩く。
こうした動きを可能にするのが骨です。
赤ちゃんの骨は大人の骨よりも軟らかく数も0歳ではおよそ100個。
2歳でもおよそ70個多くあります。
例えば頭の骨は狭い産道を通れるように5枚に分かれて変形できるようになっていますが成長と共につながります。
手首や足首などの骨は生まれたあとに現れてきます。
新生児には膝小僧もありません。
膝の軟骨が骨になるのは数年後。
転んだり歩く練習などの刺激を受ける事で形成されます。
赤ちゃんは驚くほど早く成長します。
体重は1年でおよそ3倍に身長はおよそ1.5倍になります。
このペースで成長を続けたら大変です。
急激な成長にはばく大なエネルギーが必要です。
それを支えるのが母乳です。
母乳に含まれる脂肪は赤ちゃんの脳の成長に欠かせません。
電線を覆うゴムのように新たに結合した脳細胞を包み守ります。
しかし次第に母乳で得られるカロリーだけでは足りなくなります。
生後6か月の赤ちゃんは大きさは大人のですが必要とするカロリーは大人の1/3です。
離乳食を食べ始める時期です。
赤ちゃんはカロリーの高い甘い物を好みます。
苦い物は生まれつき苦手です。
母親が妊娠中に食べていた物は赤ちゃんも好きなようです。
間もなく赤ちゃんは何でも口に入れるようになります。
赤ちゃんの手の届かない所に物を移動する必要がある時期です。
食べ物で遊ぶのは親にとって悩みの種かもしれません。
しかし最近の研究から赤ちゃんは汚く食べ散らかすほど学ぶのが早い事が分かってきました。
固体か液体かあるいはその中間か区別する訓練になるためです。
思い悩む事はありません。
周囲を探索する時期は危険と隣り合わせです。
触っても安全かどうかは試行錯誤しながら学んでいきます。
しかし中には本能的に避ける物もあります。
多くの赤ちゃんは植物を嫌います。
毒やトゲのある植物から身を守るための進化の結果だと考えられています。
子供に葉もの野菜を食べさせるのが大変なのもこれで説明がつくかもしれません。
虫や動物など植物以外に赤ちゃんが本能的に恐れるものはあるのでしょうか。
強化ガラスの向こうでヒョウが赤ちゃんを狙っています。
襲いかかってきたヒョウを大きな猫としか思っていないのか赤ちゃんにはヒョウを恐れる様子はありません。
生まれたばかりの赤ちゃんは動物を恐れません。
何を恐れるべきかは経験や大人から学んでいくのです。
ヒョウに興味津々です。
自分の手の届かない魅力的なものにひかれるのは大人も赤ちゃんも同じようです。
旺盛な好奇心によって赤ちゃんは生後9か月くらいになると更なるステージに踏み出します。
はう事を始めるのです。
赤ちゃんは大人をまねる事で多くの事を学びます。
しかしはう事は別です。
大人がはう姿はめったに目にしないためどうはうかは自分で考えなければなりません。
そのため初めてはう時にはさまざまなスタイルが見られます。
多くの赤ちゃんは1歳を迎えるまでに標準的なはい方を覚えます。
そして2歳になる頃には移動距離はのべ100キロ以上にも達します。
自由に動けるようになった赤ちゃんは危険な事をしかねません。
落ちたら死んでしまうような高い場所にもはっていきます。
しばらくすると慎重になる事を覚えます。
理由は分からなくても安全と思えないものは避けるようになるのです。
赤ちゃんはそれぞれのペースで座りはい歩きます。
筋肉が増え骨が硬くなってくるといよいよ足で立つ時がやってきます。
そして一歩歩き始めるともう後戻りする事はありません。
初めはうまく歩けず転ぶ事が多くても足で動きたいという欲求は止まりません。
それはどんな状況でも変わりません。
ジョージーは11週早く生まれました。
そのためしばらくの間病院に入院していました。
ジョージーは1歳になる頃脳性まひと診断されました。
脳性まひが原因で脚がすごく硬くなるんです。
体が硬直して動きづらくなります。
ジョージーを見ているとストレスを感じているのが分かります。
お姉ちゃんのように走り回りたいそこのおもちゃを取りたいと思っても体が言う事をきかないんです。
子供が動き回りたい何かをしたいと思っているのにそれができないのを見るのはとても心が痛みます。
両足で立ちたいという生まれながらの欲求は簡単に抑えられるものではありません。
母親のクレアは水の力を借りればジョージーの歩きたいという欲求をかなえられるかもしれないと助言を受けました。
水の中だとリラックスして筋肉もほぐれるのでしょう。
より自由でいられるからかジョージーは水の中にいるのが大好きです。
ふだんは硬い筋肉も軟らかくなり動こうという気持ちに体が素直に応じます。
プールではジョージーも他の赤ちゃんと同じように水を跳ね飛ばして遊んでいます。
プールに通い始めて2か月。
待ちに待った瞬間がやってきました。
頑張って。
イェ〜イ!ジョージーが初めて立ったんです。
数日前の事です。
あの時ほど興奮して胸が熱くなった事はありません。
感激しました。
今ジョージーの脚は驚くほど成長しています。
ひと月前には本人もどう動かしたらいいか分からない状態だったのに。
動いているのを見るだけで私は幸せです。
イギリスオックスフォード大学の研究施設では赤ちゃんの歩き方について研究しています。
さあおいで。
そうお利口さんね。
ほらクマさんが待ってるよ。
赤ちゃんの動きを細かくデータ化する事で赤ちゃんがどのように歩いているかを調べます。
偉いね。
ほらクマさんの所に行ってごらん。
研究から赤ちゃんがよちよち歩きをするのは体のバランスをとるためだという事が分かりました。
酒に酔った時の千鳥足と少し似ています。
やがて赤ちゃんは歩く事に慣れ行動範囲を広げていきます。
将来大人の世界で生きていくにはもう一つ身につけなければならない大切な能力があります。
コミュニケーション能力です。
最新の研究から赤ちゃんは大人が思う以上にコミュニケーション能力を持っている事が明らかになってきました。
2歳頃までは体の動かし方を覚えるのに精一杯のように見える赤ちゃんですが話すための準備も着々と進めています。
赤ちゃんは母親のお腹の中にいる時から声を聞いていて生まれてすぐに母親や家族の声を聞き分けられると考える研究者もいます。

(泣き声)赤ちゃんのコミュニケーションは泣く事から始まります。
やがてより疲れない方法でコミュニケーションをとるようになります。
笑顔です。
赤ちゃんがニッコリ笑顔を見せるのは本能によるものです。
じきにクスクス笑ったり声を出して笑ったりするようになります。
赤ちゃんは一日におよそ300回ほほ笑みます。
しかし人生は楽しい事ばかりではありません。
1歳半頃になると赤ちゃんは人生最大の発見をします。
自分です。
鏡に映る自分の姿を認め自我に目覚めるとやがて難しい局面が訪れます。
かんしゃくです。
(泣き声)世界が自分を中心に回っていると信じてきた赤ちゃんは次第に他人の気持ちを推し量る事を覚えます。
人生において大切な能力です。
まだオムツをしている赤ちゃんでも大人のような振る舞いをする事があります。
赤ちゃんは生後3か月で既にいろいろなタイプの人間がいる事を認識します。
自分の助けになってくれる人には報いようとしもう少し成長すると助けてくれない人を懲らしめようとする事もあります。
人の気持ちを理解し慰め苦しみを分かち合おうとします。
言葉で表現できたら楽なのですが幸い会話ができる時は近づいています。
言葉を話せるようになる前の赤ちゃんでも周りの状況をかなり理解している事が最近の研究から分かってきました。
「うわあ!すごい!うれしい!」。
赤ちゃんの視線を追う事で相手の表情や感情にどう反応するかや言葉を覚える時の脳波の動きを分析した結果赤ちゃんには驚くべき能力がある事が分かりました。
子供が言葉を覚えるのが早い事は分かっています。
ではどうやって覚えるのでしょうか?大人は母国語を構成する音しか認識できません。
しかし生後半年の赤ちゃんは世界中の言語を構成するあらゆる音の違いを聞き分けるといわれています。
赤ちゃんはどんな言葉でも覚えられるように生まれてくるのです。
言葉の習得は音ではなく形から始まります。
赤ちゃんは言葉を覚える時に大人の口を見てそれをゆっくりと自分の口でまねします。
一つの単語を話すだけでも70以上の筋肉を正確に動かす事が必要です。
初めはきちんとした言葉にはなりません。
しかし抑揚をつけて大人の会話をまねています。
赤ちゃんの発する声が実は意味を成しているかもしれない事が研究によって分かってきました。
2歳になったばかりの双子のきょうだいエラとフィンはよく2人でコミュニケーションをとっています。
声ではなく手話を使っています。
2人の両親は耳がほとんど聞こえません。
そのため2人も自然に手話を使う事を覚えました。
赤ちゃんは実際に話せる3倍もの言葉を理解している…という研究結果もあります。
話す事を覚える子供と同じように2人は手話を見てまね徐々にそれをつなぎ合わせていきました。
2人は今言葉を声に出してコミュニケーションをとる事も学んでいます。
2人は多くの赤ちゃんが話せるようになる前にコミュニケーションをとる方法を覚えました。
お水ちょうだい。
話せるようになる前でも赤ちゃんは多くの事を理解しています。
大人は言葉には注意した方が良いかもしれません。
単語だけだったのが文章を話せるようになると赤ちゃんの生活は一変します。
感じている事を言葉で直接伝えられるようになるからです。
個性が現れて視野も広がり本当の意味での人生が始まります。
人生の最初の2年間は一生のうちで最も大切な時期です。
どのように考え感じ歩き話し周りの世界に関わるかをこの時期に学ばなくてはなりません。
赤ちゃんの秘密を解明する事によって赤ちゃんに備わった驚くべき能力を知る事になります。
そしてそれは私たち人間の生命の奇跡を再認識する事につながるのです。

(オープニングテーマ)2016/01/03(日) 15:44〜16:30
NHKEテレ1大阪
地球ドラマチック・選「赤ちゃんのヒミツ〜驚くべき生命力〜」[二][字]

赤ちゃんは何を考えているのか?人間は生まれてから2歳になるまでに最も成長するという。その間に何が起きているのか。最新の研究をもとに、赤ちゃんの不思議に迫る。

詳細情報
番組内容
生まれたばかりの赤ちゃんは目がほとんど見えず、焦点が合うのは20センチほど先。母乳を飲むときの母親の顔との距離だ。聴覚は比較的発達しているが、エコーがかかったように聞こえる。赤ちゃんの泣き声は要求に応じて声色が調整されているという。眠りは浅く、大人の2倍近く夢を見て、眠っている間も脳は活動している。生後半年で世界中の言語の音を聞き分けられると考えられている。(2014年イギリス)*アンコール放送
出演者
【語り】渡辺徹

ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 自然・動物・環境
ドキュメンタリー/教養 – 宇宙・科学・医学
ドキュメンタリー/教養 – カルチャー・伝統文化

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
サンプリングレート : 48kHz
2/0モード(ステレオ)
英語
サンプリングレート : 48kHz

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