情熱大陸【大滝潤子/「国境なき医師団」統括リーダーとして最前線で闘い続ける!】 2016.01.04


ヨーロッパには今膨大なシリア難民が押し寄せている
救いを求めて国を逃れる人々はますます増えるだろう
東アフリカ・タンザニアでも難民キャンプが日に日に膨れ上がっていた
16万人余りがひしめくその規模は世界でも最大級
けれど深刻な事態は日本ではまだほとんど知られていない
去年の秋1人の日本人女性がこの地に入った
(大滝潤子)Whoisleadingthat?Whoisthere
国境なき医師団の一員として派遣された
日本からおよそ12万km
難民キャンプは国境に近いニャルグスにある
政情不安や民族の対立が内紛を招き隣国からの難民が続々と集まり続けていた
この3年で大滝が看護師として赴任してきたのはイラクやヨルダンなど苛烈な緊急医療の最前線ばかり
2014年には西アフリカであのエボラ出血熱の治療にも当たった
どうも〜いってきます
帰国した大滝はエボラの恐ろしさとともにその正確な情報を伝えメディアからも注目される
なぜ命の危険と隣り合う仕事を選んだのか
尋ねると意外な理由が返ってきた
結婚とかがもう無理なんだったらじゃあ本当に自分の夢を追いかけようと思って
開き直った時進むべき道が見えてきたという
赴任先にはいつも圧倒的な現実が待ち受けていた
殺されるかもしれないところを逃げてきてるわけじゃないですか心がちょっと動かされますよね毎回毎回…う〜んブラコーゼ…
それでも笑顔を忘れない
「ありがとう」っていう意味です
難民キャンプから10kmほど離れた場所に置かれている国境なき医師団の宿舎
大滝はここで寝泊まりしていた
超狭いです超狭いです
赴任期間は原則として3か月と決められている
蚊帳とベッドと…
(スタッフ)蚊帳はやっぱり必需品?そうですねもう今雨季なのでしかもマラリアの季節なので
最も警戒しなければならないのは熱帯病などさまざまな感染症だそうだ
薬はのんでます毎日これは毎日のタイプなんですけどのむようにしてますこれ一日に1粒…はいいろいろタイプあるんですけど
朝7時半
大滝の一日が始まった
およそ30分かけて難民キャンプへ
現在タンザニアはアフリカ諸国の中でも比較的情勢が安定している
だが大滝が働く国境付近は外務省が渡航中止を勧告する危険地帯だ
やがて難民キャンプが見えてきた
1994年主にコンゴから逃れてくる人々を受け入れるため国連機関が設立したニャルグスキャンプ
6万人余りがキャンプに根づき貧しいながら穏やかな暮らしを続けていた
ところが去年4月隣国・ブルンジに激震が走る
大統領選挙を巡って体制派と反体制派が対立し銃弾飛び交う内紛が勃発した
祖国を追われたブルンジ人たちは難民となって今このキャンプに流れ込み続けている
幼い子供たちも多かった
当初6万人だったキャンプの人口は一気に16万人以上に膨れ上がり過密状態に陥った
コレラのまん延を重くみて国境なき医師団が現地入りしたのは去年の夏
大滝も10月に緊急派遣された
かわいいですね「ムズングムズング」って白人とか外国人とかそういう意味で言うんですけど
(スタッフ)一見難民キャンプって気付かない…そうですね何かホントに村みたいになって牛もいればヤギもいれば鶏もいればっていう感じ
(スタッフ)ここキャンプ内ですよね?キャンプ内ですね
仮設のクリニックには患者があふれている
この日いきなり大滝が目を留めたのはひどく顔を腫らせた少年だった
母親を気遣った大滝はしかし治療に取りかかるわけではなかった
処置は医師に任せその場を離れる
今度は現地のスタッフに呼び止められた
毅然とした態度だった
それにしてもこれが看護師の仕事だろうか
不満はなおも続く
どうやら大滝はこの難民キャンプで医療チームのリーダーを任されているらしい
各国から集まった医師や看護師を束ね活動を円滑に進めることが使命なのだ
例えば私がいちナースだった時例えば手術室看護師だった時は責任としては一つの部門に集中してやるんですがメディカルチームリーダーだといろんなデパートメントの最終的な責任になりますのでプレッシャーは大きい
難民のマラリア発生率などデータの収集も任されている
あっ…
助手のブルーノは難民の一人
父親ときょうだいを殺されたった一人でこのキャンプまでたどりついたという
Ahyes!
笑顔の下に深い傷を隠していた
ブルーノのような難民のスタッフを含め総勢250人を統括している
OKthankyouOK
医師たちからの相談に乗り必要な薬品を調達し…と休む暇なく動き続けていた
Iwantedtoknow
恐らくは何事もてきぱきとこなす能力が評価されてリーダーという重責を託されたのだろう
言わなきゃいけないなって
あらゆることが大滝に集中している
今オーダーをちょっと…
(スタッフ)何というオーダーですか?延長コードの許可も全部オーダーは全部私がバリデーションして届けてます
(スタッフ)お疲れさまですありがとうございます
タフでなければとても務まりそうにない
休日は週に1度
食事は決まって宿舎の食堂だった
(舌を鳴らす音)おなかすくと寄ってくるんです
(舌を鳴らす音)おいで
(スタッフ)今日のメニューって結構普通?必ずヤギ肉とあとはライスとか日によってパスタとかでも大体同じですねラーメン食べたいです私いつもラーメンがすごい恋しくなってコテコテコテコテ…麺は硬めで
(舌を鳴らす音)ホントはいけないんですけどね
(鳴き声)ディーバってあれですっけ女神様とか
(猫の鳴き声)わがまま女でもかわいい
(鳴き声)
今年はいよいよ40の大台に乗る
まさにアラフォーのど真ん中
父が牧師で母は教師
4人きょうだいの末っ子だった
同じ看護師でもある姉・祐子さんが語る大滝の少女時代
すごい引っ込み思案で人に会うのが嫌で人の後ろに隠れていてどっかに連れて行こうとするとすごい嫌がって大変だった私たちみんなきょうだいそうなんですけれど全寮制の学校に入ってたものですからそこでちょっと変わってきたんじゃないかなと…
高校の時ベトナムで経験したボランティア活動が大滝を看護師に向かわせた
医療の立ち遅れた地域で力になりたい
けれど働き始めた病院で同僚の医師と恋に落ちてしまった
人生はどう転がるか分からない
働いてる時にある失恋をきっかけに…
(スタッフ)失恋?そうなんですよ失恋をして…結婚とかがもう無理なんだったらじゃあ本当に自分の夢を追いかけようと思ってそこでふんぎりがついたというかすごいその時はつらかったですけどきっかけとしてはすごくよかったと感謝してますすごい今
一念発起して32歳でカナダに語学留学
36歳の時国境なき医師団に加わった
紛争地域に派遣され世界の実像に胸が震えたという
とりわけ衝撃を受けたのはシリアの内戦だった
シリアの爆撃で手足を失った方とか骨折した方爆弾で足が飛んでしまった方でもうワ〜って叫んでるそんなのは日本であんまり見ることがないので声がかけられない最初本当に何て言っていいか分からなかったです無言で手ぇ握るぐらいしかできなかった
(スタッフ)無言で手を握る…そうですね見るのがつらいから帰ろうとかそういうのは思わなかった逆にむしろちゃんとやらなきゃっていう
男なんかにはもう何も期待しない
そんなタイプかと思ったのだが…
これ一番気に入ってる写真です2人の写真
遠く離れた地域で働く医師がフィアンセ
「今日はどうだった?」「忙しかった?」とかすごい聞いてくれるんですよその時が唯一心が休まる時間かもしれない
難民の健康状態を把握することもリーダーの大切な仕事だ
キャンプ内の病院には障害を持つ息子を連れたブルンジ人の母親がいた
やはり命の危険を感じ国境を越えてきたのだという
だがキャンプの環境も過酷だった
親子が収容されているのは急増した難民のための巨大な仮設テント
1つのテントにおよそ200人がひしめき仕切りひとつない
昼は暑く夜は厳しく冷え込む気候の下で毛布もまだ十分に行き渡ってはいないという
たった今耳にした問題を大滝はすぐに全体会議に持ち込んだ
(英語)Exactly!Exactlyフォローアップしてくれるっていうことでしたチェアマンがアクションプランあなたこうしなさいあなたこれ確認しなさいってやってくれたのでちょっと今…それに従ってやろうというふうに決まりました
(着信音)
大滝を追いかけて携帯が鳴る
Hello?
その顔が曇った
問題が起きたようだ
OKAllright!Thankyou栄養失調の子供が今いてちょっとシビアな感じなのでトランスファーしたいと…2人
トランスファーとは「クリニックへ運ぶ」という意味だった
大滝はテントに駆けつけた
栄養失調だという子供は2人
それぞれの母親が不安そうな顔をしていた
大滝自ら親子たちをクリニックへ
だが意外な事実を突きつけられることになった
OK
連れてきた子供たちはいずれも既に必要な手当てを受けていた
OK
人口密度の高い大型の仮設テントは衛生状態がいいとはいえない
新しく作られた別のキャンプに移り個別のテントで暮らすことが母親たちの望みだった
だが一人一人の希望を認めていたらキャンプの秩序は崩れてしまう
はぁ〜
ため息が聞こえた
そうですね他のキャンプに行きたくってダメなのに何回も何回も来るっていうケースは見てるので
子を思う親の気持ちは痛いほど分かるのだが…
やりきれない現実とその現実を託されたリーダーの責任
キャンプには毎週数千人というペースでブルンジ難民が増え続けていた
家族とはぐれた80歳の女性
感染症で腫れ上がった足を押して歩き通しで逃げてきたという
バンダナの下には生々しい傷口があった
その悲しみを聞き届けなければ…
大滝は傷だらけで逃げてきた80歳の女性と向き合った
その左手は薬指の先がない
なたで切り落とされたという
聞けば聞くほど込み上げてくる怒り
その怒りもまた大滝潤子のエネルギーだろうか
OK…Thankyouママブラコーゼママ「ブラコーゼ」Allright?ブラコーゼブラコーゼブラコーゼママなるべく本当にできるだけ力になりたいなと思いますけど何か悔しさみたいのはあるかもしれないですね
(スタッフ)悔しさ?やっぱり「何でこの人たちが」って思います毎回「何でこの人たちが苦しまなきゃいけないんだろう」って毎回思います
ブルンジ国内の緊張は刻々と高まっている
ニャルグス難民キャンプの人口はこの時から更に2万人増えた
そして今も…
外科医もたじろぐ難しいがん
これが手術の設計図?
治せなかったがん沈黙の臓器に挑む
2016/01/04(月) 00:00〜00:30
MBS毎日放送
情熱大陸[字]【大滝潤子/「国境なき医師団」統括リーダーとして最前線で闘い続ける!】

看護師/大滝潤子▽世界最大級の難民キャンプで今、何が起きているのか?日本のテレビカメラが殆ど入った事が無いと言われる最前線の地で命懸けの治療をおこなう女性に密着

詳細情報
番組内容
今年、ヨーロッパに流入する多くのシリア難民の姿がクローズアップされたが、同じ頃大滝はアフリカ・タンザニアにあるニャルグス難民キャンプにいた。シリア難民のニュースに隠れその存在をあまり知られていないが、コンゴやブルンジの内戦を逃れた人たちが毎日数百人単位で増え続け、今や16万人を超える世界最大の難民キャンプとなっている。この地で看護師ではなく、医師団の統括リーダーとして陣頭指揮にあたる姿に密着する。
プロフィール
大滝潤子/看護師
1976年東京都出身の39歳。
父は牧師、母は教師の4人兄弟の末っ子。
国内では主に手術看護師としてキャリアを積み32歳で語学留学。
3年前に「国境なき医師団」に参加しイラク・南スーダンなどの紛争国で活動。
昨年エボラ出血熱の最前線、アフリカ・シエラレオネでの活動が注目を集める。
ナイジェリア勤務を経て、今年10月よりタンザニアの難民キャンプに医療チームリーダーとして赴任。 
制作
【製作著作】MBS(毎日放送)
【制作協力】ジンネット
関連公式URL
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おことわり
番組の内容と放送時間は、変更になる場合があります。

ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – ドキュメンタリー全般
ドキュメンタリー/教養 – 宇宙・科学・医学
福祉 – 文字(字幕)

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