皆様、新年明けましておめでとうございます。
市川海老蔵です。
きょうは私の稽古場より、生中継でごあいさつさせていただいております。
さて、本日は新橋演舞場におきまして、無事にことしの仕事始めを行うことができました。
これもひとえに、いずれも様の…のたまものと、この場をお借りいたしまして厚く御礼を申し上げます。
昨年は、11月に歌舞伎座にて、せがれ、勸玄が皆様の前に初お目見得させていただきました。
2歳児が歌舞伎の舞台に、25日間出続けるということは、本人にとっても、私にとりましても、大きな挑戦でございました。
番組では私たちの家族のその奮闘の様子を、しっかりと撮影していただきました。
それでは少々遅い時間ではござりまするが、いずれも様には、最後までごゆるりとご堪能、お願い申し上げます。
改めまして市川。
去年10月、初お目見得に向けて、海老蔵の長男、勸玄の稽古が始まっていた。
はい、大丈夫です。
お稽古場いってらっしゃい、勸玄くん。
ここは海老蔵が生まれ育った実家。
その稽古場に、勸玄も足を踏み入れる。
よろしくお願いいたします。
お願いいたします。
座り方、教えてあげる。
おいで。
正座してごらん。
正座して。
ちゃんと座ってごらん。
まだ2歳。
なかなかじっとはしていない年なのだが。
ごあいさつしましょう、ごあいさつ。
おはようございます。
お願いします。
じゃあ、こっち上がっていきましょう。
勸玄を指南するのは、海老蔵の叔母。
舞踊家の市川紅梅さん。
まっすぐに向いて。
正面を向くことだって、この年には難しい。
お願いいたします。
お願いいたします。
はい。
幼いころから、海老蔵も父と稽古に励んだ場所。
礼儀作法に始まり、踊りの基本動作など、稽古を繰り返し、体に覚えさせる。
それが、歌舞伎の家に生まれた男の子が通ってきた道なのだ。
とん。
とん。
足を踏み鳴らし、拍子を取りながら、振りを覚える。
長女の麗禾が海老蔵と一緒に弟に手本を示す。
どっこい。
どっこい。
どっこい。
そうそうそう。
言ってごらん。
どっこい。
ぎゅーしたら、どっこい。
どっこい。
そう。
はい、ごあいさつは?
ありがとうございました。
そう、もう一回。
ちゃんとできたね。
はい。
ありがとうございましたって。
はい、それではお扇子を持って、はい、向こうから下りましょう。
踊り続けて20分。
嫌がることなく、一生懸命稽古を続けた。
終われば、たちまち2歳の幼い素顔がのぞく。
お稽古終わりましたって。
ありがとうございました。
そこちゃんとお座りしましょう。
おひざの上じゃなくて。
最後まで、最後はそうしましょうね。
わが子の頑張りに、思わず海老蔵も甘くなってしまった。
この日は、勸玄が舞台に立つ公演の制作発表。
控え室ではママと一緒だからか、リラックスしていた。
麻央さんから見て、勸玄くんはどうですか?甘えん坊ですか?
甘えん坊ですね。
だいぶママから離れない感じは?
あっ、でも娘のほうが、私から離れないです。
息子は意外と、さっぱりしてるところはさっぱりしていて。
甘え上手ですね。
ポイントポイントで。
ママに似ておおらか。
海老蔵がそう教えてくれた。
会見には、海老蔵と一緒に紋付きはかまで登場する。
衣装を見たとたん、勸玄が固まった。
浮かない顔の息子に、海老蔵が声をかける。
じゃあ、勸玄くん、パパ、先行ってるけどいい?勸玄くん。
あとでね。
はいは?
はい。
2歳の小さな背中に、300年の伝統を受け継ぐ市川家の三升の紋。
泣いてる。
なぜか、しきりに目をこする。
眠くなっちゃった?
泣いちゃったの?そっか、そっか、お目めが隠れるって。
泣く前にこういうふうにするんですよね、いつもこうやって。
こうやって、やるんですよね。
どうやら、目をこするのは泣き出す前触れらしい。
勸玄くん、大丈夫だよ。
そんなときは、ママの出番。
えいえいおー!やってごらん。
やだ?
えいえいおー。
そうそうそう、もっと大きい声で。
えいえいおー!
これが効かないときは。
じゃんけんしようか、じゃんけんぽい!あいこ。
あーいこでしょ。
あいこでしょ。
ママと遊んで機嫌が直った勸玄は、いよいよパパと共に記者会見へ。
お待ちくださいね。
くしゃみ、大丈夫かな?
牛歩戦術。
ここから先は、おぼつかない息子の足取りに、気が気ではないが、梨園に嫁いで5年半、妻として、母として、舞台裏で支えてきた。
歌舞伎界の名門、市川家の跡取りが、初めて舞台に立つ。
その注目度の高さを示すように、マスコミが群れをなす。
将来は何になるんですか?
王子です。
王子?
将来は王子様になりたいんですか?
うん。
ああ、そうなんだ。
勸玄くん、パパは好きですか?
うん?ママはどうですか?
ママも好きね?どっちが好きかな?
ママね。
ママ、好きね?ママ、好き。
パパも好きだよね。
うん。
これだけの大人に囲まれながらも、泣かずにいられたわが子を抱き締める。
どうやらかなり緊張していたらしい。
大丈夫?勸玄くん、楽しかった?楽しかった?よかったね。
海老蔵も麻央さんも、子どもとのスキンシップを大切にしている。
勸玄が生まれた日。
私たちのカメラは、家族の喜びを記録していた。
ここにいることがかなわなかったその人のことを、皆が思っていた。
お父さんに似てたらいいなぁとか思ったりして。
おじいちゃんね。
おじいちゃん。
僕に似なければ大体、大丈夫。
親に苦労かけないで、すくすく育ってくれればいいなと思いますけど。
あんまりそこまで考えてなかったんだけど。
生まれた?
生まれました。
本当に?
今ちょっと、もうちょっと待っててくださいって。
今、45分に生まれたそうです。
せめてきょうまで、おやじに生きててほしかったね。
ねぇ、私もそう思う。
一目見て。
一目で。
それだけじゃない、抱いてほしかった。
ねえ。
でも麻央ちゃん、ほら、お父様!って一生懸命おなか触らせて、最後。
あっ、そう。
團十郎さん、今もし、生きていらっしゃったら、どんな思いだったでしょう?
いや、一番喜んでいると思うよ。
すっごい喜んでいるんじゃない。
いるんじゃない?
一番喜んでると思うよ。
うれしいと思う。
もろ手を挙げて、おーってやって、おーってやってる。
海老蔵の父、十二代目市川團十郎。
スケールの大きな芝居と、誠実で、おおらかな人柄で、誰からも愛された。
しかし勸玄が生まれる僅か1か月半前、この世を去った。
江戸歌舞伎の宗家。
十二代にわたる團十郎という大名跡を守り、代々受け継いできた芸の真髄を、息子、海老蔵に伝えようと、舞台に立ち続けた。
上のときはまっすぐ、下のときは首で曲げない。
体で。
こうやらない。
白血病と闘いながら、66年の生涯を歌舞伎にささげた。
誰より跡取りの誕生を待ち望んでいたのが、海老蔵の父、十二代目團十郎だった。
こんにちはって。
勸玄の勘は、市川家の家の芸、歌舞伎十八番、勧進帳の1文字から取った。
市川宗家に生まれるということ。
海老蔵も背負ったその運命と、この子も、いつか向き合うことになる。
将来この子が、團十郎になる。
え?俺だって、なってないのに。
可能性が今、あるんですけれども。
どうですか、そのへんは、市川家の。
知らない。
まず自分がどうにかなんないことにはね。
歌舞伎やりたいって言ってくれるといいですね。
うん、そうだね。
そうだよね、そこらへんが難しいよね。
勸玄を初めて劇場に連れてきたのは生後4か月。
歌舞伎初体験。
はい。
初めて舞台を見ました。
ねぇ、初めて来たね。
元気。
元気だね。
お話、お話。
白塗りのパパに泣くどころか、大喜びの勸玄。
その姿に一番うれしそうだったのは、海老蔵だった。
折に触れ、海老蔵は、自身のブログに長男の成長ぶりをアップしてきた。
わが子が育つ環境は、日常の中に歌舞伎がある。
見得を切る姿に目を細め、パパの映像にくぎづけの様子を、うれしそうにつづってもいる。
小学4年生のときから、僕に子どもが生まれたらどういうふうにしようかなと思って、そうですよ。
それは思ってるよ、だって、團十郎家に生まれたって、がきのときに真剣に考えてたもん。
小学2年生ぐらいから、小学6年生ぐらいまでは、この家に生まれたことに対して、めちゃくちゃ考えてました。
自分がどうとかいうことは別で、自分が子どもが生まれたときに、どういうふうに教育するのかっていうのを、すごい考えてた。
ぱくぱくぱく、いたいたいた。
歌舞伎の稽古に追われた少年時代。
みずからの運命を、海老蔵は呪ったこともある。
だからこそ、息子には、進むべき道を自分で選んでほしい。
その道筋を照らし続けることが自分の役目。
海老蔵はそう思っている。
海老蔵が父親になってから始めた取り組みがある。
子どもたちを連れてやって来たのは、長野県の志賀高原。
後世に美しい風景を残そうと、海老蔵の呼びかけで、おととしから、この植樹プロジェクトが始まった。
土かけて、土、土。
土かけて。
小さな苗木が、やがて大きな森に育ち、子どもたちの未来を守ってくれれば。
そんな願いが込められている。
勸玄の2歳上の姉、長女の麗禾。
麗禾も2年前、初お目見得の舞台に立った。
どうぞ。
立って。
はい、おいで。
きれい、きれい。
皆さん、おはようございます、麗禾ですって。
流れでどうぞ。
海老蔵と花道を歩き、お披露目のごあいさつをする。
ママも見守る稽古のさなか。
歌舞伎をやる人になる。
いつもはそう話す麗禾だが、うちとは違う稽古場の空気に、おじけづいてしまったようだ。
皆さん、おはよう、麗禾ですって。
パパとだっこしてるから大丈夫だよ。
女の子は、歌舞伎役者の道には進めない。
だが、幼いころに限って、歌舞伎の舞台に立つことができる。
海老蔵の親心。
古き時代の面影を残すこの芝居小屋で、観客の拍手や歓声、華やかな舞台の感触を、幼心に刻んでほしい。
麗禾の初お目見得に、多くの人が集まった。
海老蔵の娘を一目見ようと、このとおり、満員御礼。
客席の熱気が伝わったのか、当の麗禾はママにしがみつく。
見て、見て、これ。
ママー。
この日のために作った、芝居前三升麗賑。
成田屋の紋、三升と、麗の1文字が組み合わされた。
いよいよ麗禾の出番。
花道を歩いて登場するはずだったが、海老蔵に抱かれたまま。
こちらのお小さいのは?
これは私の娘にて、このたび初めて舞台に立つことと相成りましてござりまする。
何とぞいずれも様、ごひいきの程をよろしくお願い申し上げ奉りまする。
お嬢様の初舞台に、お祝いを申しておりまする。
ありがとうござりまする。
大好きなくまモンが、舞台を盛り上げようと熱演。
海老蔵がなんとか下ろそうとしたが、離れることができなかった。
せん越ではござりまするが、いずれも様、お手を拝借。
よー!おめでとうござりまする。
このとき、麗禾が感じた心の内を、海老蔵と麻央さんは、後に知ることになる。
よっ。
かっかっかっ!
それ、初めて見たよ、俺。
うそ、できるの?
麗禾はパパの歌舞伎が大好き。
いつもDVDを見ては、こうして演じてみせる。
歌舞伎の家に生まれた女の子。
歌舞伎役者になれない現実と、娘がどう折り合いをつけるのか。
将来どんな道を選ぶのか。
海老蔵はいつもそのことに心を痛めてきた。
子どもたちが成長するにつれ、家族で海老蔵の舞台を見て、楽屋を訪れる機会が増えた。
そんなときは、パパの芝居の話になる。
パパ、傘1つ下さいって言ってみたら?
おもしろかった?よかったね。
勸玄もやる?
やらなーい。
え?
やらなーい。
やらないの?やらないの?なんで?いいよ。
近頃、麗禾が歌舞伎の話題を遠ざけつつあることに、海老蔵は気が付いていた。
まあまあ?どうなの?普通?普通?おもしろかった?
おもしろかった。
勸玄もやる?
やる。
やる?よかった。
さっきやんないって言ってたからさ。
やりたい?やるの?
パパの映像を、いつも2人で見てきた。
それでも、姉と弟が同じ道を歩んでいくことはできない。
勸玄、でもかわいいからね。
かわいいんだよね。
また会うとかわいいと思うもん。
麗禾はね、俺と同じなんですよ。
感じが。
今4歳か、だけど、歌舞伎のものだとチャンネル変えますから。
もう変えます。
勸玄がこんなことやったら、違うでしょ、勸玄くん、こっち向いて、あっち向いてとかやって。
で、麗禾もやったら?やらない。
勸玄、初お目見得の舞台は歌舞伎座。
明治22年の開場以来、時代を彩る名優たちが、その舞台に立ってきた。
いよいよ、
海老蔵の長男、勸玄。
初お目見得の稽古が歌舞伎座で始まった。
市川宗家の跡取り。
僅か2歳のお披露目を大先輩たちも祝ってくれる。
この11月公演では、亡き父、十二代目團十郎と共に、歌舞伎界をけん引してきた大御所たちが顔をそろえる。
うわさをすれば影とやら、…が成田屋の一門を引き連れてやって来ましたよ。
勸玄の初お目見得のために、新しい舞踊劇が作られた。
その演目で勸玄は花道から登場。
舞台中央で海老蔵の口上に合わせ、名乗りを上げる。
私のせがれ、堀越勸玄が初お目見得をいたす運びとあいなりましてござりまする。
さて勸玄くん、皆様にごあいさつを。
堀越勸玄でござりまする。
もうちょっと大きな声で。
堀越勸玄でござりまする。
上手だった。
このように、まだまだ幼き者では…。
思ったように声が出なかった。
それが悔しかったのか、勸玄は目をこすり、涙をこらえた。
大先輩たちに花を添えていただきながら、息子は無事に務められるだろうか。
初お目見得の公演は、25日間、毎日続く。
海老蔵の気苦労も絶えそうにない。
照明、ちょっと明るくしてくれる?
本番前日、舞台に上がってみる。
花道60尺。
18メートル余りを海老蔵と歩く。
向きはこうだね。
かつて海老蔵もここ、歌舞伎座で初お目見えを果たしている。
お母様、きょうは私と遊んでくださいますね?
海老蔵はそのとき5歳。
本名の堀越孝俊として、父と舞台に立った。
大きい声、だんだん出るようになったね。
舞台の上で、同じ空気を吸い、同じ景色を見る。
堀越勸玄です、はい。
堀越勸玄でござります。
出るじゃない。
言えるじゃない。
歌舞伎に生きる、親と子の第一歩。
あすはいよいよ、初日の幕が開く。
勸玄、初お目見得が行われる公演は、十一代目市川團十郎の没後五十年祭に当たる。
希代の名優、十一代目の祖父から、海老蔵は多大なる影響を受けた。
10代後半、歌舞伎への情熱を失いかけていたとき、没後30年追悼の会で、祖父の映像を見た。
文句なしにかっこよかった。
海老さまとうたわれた華やかさとすごみをたたえた色気。
荒ぶる魂を秘めたたたずまい。
祖父のようになりたい。
歌舞伎にまっすぐ向き合うきっかけを与えてくれた。
その祖父をしのぶ節目の舞台に、息子、勸玄を立たせる。
祖父と父が見守っている。
豪華な演目が並ぶ中、勸玄の出番は夜の部。
ほら、来た。
初日、
初お目見得初日。
勸玄は眠ったまま楽屋入り。
千秋楽まで25日間。
父と子の日々が始まった。
俺なんかはもう本当に祖父の五十年祭、本当にすごい興業に、先輩たちに恵まれて、家柄に恵まれてこうやってできてますし、ありがたいなと思うし、でもやっぱり父がね、やっぱり父を早く亡くして、一番やりたかったことということの一つ、人生の中でやりたかったことの一つが、父の、父の五十年祭であり、もう一つ、もっとやりたかったことに近いかもしれないというのが、孫との共演。
両方あるよね。
ああ、そりゃあ、今生きてたら喜ぶんじゃない?うん。
昼寝から目覚めた勸玄を一門の弟子が着替えさせる。
これにござりますは勸玄にござります。
じゃあ、勸玄、皆様にごあいさつを。
堀越勸玄に、ござりまする。
もうちょっと大きな口を開けるかな?勸玄。
堀越勸玄にござりまする。
はーい、よくできました。
きょうのね、ミッション的にはね、ちょっと勸玄くん、一つ問題点があるのはね、お客様がいるの。
人がいっぱいいる。
で、拍手をわーってしてくださる。
でもいつもと変わらなくて。
ね?はいは?
はーい。
以上です。
ミッションの重さが分かったのか、目をこする。
舞台となれば、もはや母には見守ることしかできない。
勸玄の初お目見得のために作られた、江戸花成田面影。
いってきます。
江戸情緒あふれる華やかな踊りのあと、豪華な顔ぶれの出迎えを受け、海老蔵と勸玄が登場する。
花道の奥、どこか海老蔵が緊張しているように見えた。
出番ぎりぎりまで、息子を気遣う。
つめた。
当の勸玄は、なんだかリラックスしていた。
まだおいでにはなさいませんか。
あたしもちょっと心配になった。
いよいよ出番。
おーい。
江戸の世から脈々と続く歌舞伎の名門。
成田屋の後継の登場に、客席が沸く。
…をはじめとして、頭の皆さん。
観客2000人。
その視線が勸玄に注がれる。
成田屋さん、お前さんが早く来ないと、万事始まらないから、早くこっちへおいでなさいな。
さようござりますれば、ちょっと、お邪魔させていただきまする。
成田屋の掛け声に後押しされるように、舞台中央へ。
いずれも様方の麗しきご尊顔をはいし奉り、お喜びを申し上げ奉りまする。
市川海老蔵にござりまする。
50年という節目のときに、私めせがれ、堀越勸玄、初お目見得という運びと相成りましてござりまする。
勸玄、皆様にごあいさつを。
堀越勸玄にござりまする。
まだまだ幼き者でござりますが、今後ともごひいきお願い申し上げます。
またご指導、ごべんたつのほどをひとえにお願い申し上げたてまつりまする。
2歳8か月。
勸玄は無事、初日の舞台を務め上げた。
楽屋にほっとした表情で、麻央さんが姿を見せた。
カンカン、お疲れ様です。
大きな声だった?
大きいお声だった。
こうやってやってた。
頑張りました。
頑張りましたね、よかったね。
あしたもあさっても、しあさっても頑張ってね?
酷だけどね。
ママ、見てるからね。
では、お疲れさまでした。
俺、送って帰るよ。
ちょっと今、ごあいさつへ。
じゃあね、カンカン。
やっぱり私の中で、一番こみ上げてきたのが、やっぱり父のことでしたね。
うーん、それがすごく思いましたね。
父がテレビで、歌舞伎座が開場したときに、お孫さんがいたらうれしいですよねっていうようなことを、記者の方に聞かれていて、そのときにおぶってでも出たいですねっていうふうに、言ってたんですね。
それが私の中では、すごく残っていて、で、勸玄がやっぱり出たときに、父が一緒に出たかっただろうなと、ちょっとごめんなさい…。
なんかそう、それはきっとみんな思ったと思うんですけど。
そう、うん。
うん…。
一年のほとんどを舞台に立ち続ける。
歌舞伎役者のその重荷を、わが子がやがてどう受け止めるのか。
みんながほら、緊張しちゃうとこじゃないですか。
だから勸玄を緊張させないためには、僕が緊張しないことじゃないかな。
勸玄くん。
勸玄くん、勸玄くーん、なぁに。
おはよ。
2歳の子どもにとっては昼寝の時間。
うちでは専ら母、麻央さんが起こす役目。
おはよ。
起きた?起きた?いっせーの、ほい。
寝起きにぐずらないように、海老蔵は、優しく、柔らかく、勸玄を起こす。
よし、おはよう。
おはよ。
おはよう。
イエーイは?イエイ。
後ろ。
おはようございます。
おはようございます。
おはようございます。
おはようございます。
礼に始まり、礼に終わる。
おはようございます。
おはようございます。
歌舞伎のしきたりが、こうして染みついていく。
お願いいたします。
お願いいたします。
おはようございます。
おはようございますは?
おはようございます。
堀越勸玄。
間違えてしまったのが勸玄には悔しい。
そんな顔しないで、勸玄。
座る?何?どうしたの?
こんなとき、海老蔵はパパに戻る。
勸玄くん、勸玄くん、どこでしょう?ここです、ここです、ここにいます。
はい、堀越勸玄くん。
はーい。
はいは?はい。
堀越勸玄くん。
はい。
ちょっともう一回、練習しよう。
では、勸玄、皆様にごあいさつを。
堀越勸玄でござりまする。
完璧です。
はい、よろしくお願いいたします。
歌舞伎役者の父と子。
じゃあ、いってきます。
海老蔵は、精力的に地方巡業に出る。
歌舞伎をより多くの人に楽しんでもらえればとの思いからだ。
滞在先でも、歌舞伎漬けの毎日。
先々の公演の準備にも余念がない。
すごい全部ある、同時進行だ、これ。
嫐でしょ。
若き日の信長でしょ。
映画。
これは河内山。
これ、ジャパンシアターで、シンガポールで、しゃべる、英語のあとにしゃべる日本語とか。
いっぱいあるよ。
同時に全部?
1個だけとはとても思えないですよね。
ここやって飽きたらこっち、こうやって、飽きたら違わないと。
そうじゃないとはかどらない、そっちのほうがはかどるんですよ。
海老蔵のもとに電話が入った。
まじだ?目撃しちゃったの?じゃ、引っ越そうか。
どうやら電話は妻、麻央さんから。
ああ、そう?じゃあ、やめとこう。
俺、気にしないし。
へぇー、まあ、気にしないで寝たほうがいいよ、麻央。
大丈夫だよ。
大丈夫、大丈夫、大丈夫。
それはもう、それは向こうも必死で生きてるからしょうがない。
じゃあね、バイバイ。
ゴキブリが、今、寝ようと思ったんだけど、家の中にゴキブリが入って、寝れねぇからどうしようという、寝れないからどうしようっていう話で、そこから、なんか寝れない!みたいな話で、そういえば、私と初めて一緒に暮らしたときに、寶世さんが私がゴキブリ嫌いで、ゴキブリを殺そう、出てきたら殺してって言ったのがあなたは一番最初に、ああ、まあ、あとでやろうって言ったら、それがあまりにも衝撃だったみたいで、あとで寝られなくなっちゃうじゃないみたいに今、言ってて、僕はどうでもいいんですよ、ゴキブリなんて。
すごい衝撃的だったのから始まり、ヤモリの話になり、ヤモリが家に入ってきたらちょっと気持ち悪かったらしいんだけど、いいじゃん、ヤモリが入ってきてって言ったらしいんです、家を守るからっていって。
冗談じゃないわよみたいな話で。
感覚が違いすぎる。
そうそうそう。
そういう、何事も平和な会話が繰り広げられました。
よかったね?おもしろかったんじゃないの?今の。
ありがとうございます。
このころ、海老蔵は大胆なことを企てていた。
海外公演で、ある演目を復活させる。
それは、歌舞伎十八番の内、嫐。
歌舞伎十八番は、七代目市川團十郎が定めたもの。
勧進帳など、市川宗家の代表的な18の演目を選び、以来、家の芸として大事に受け継がれてきた。
その中には、長らく演じられてこなかった作品もある。
嫐は中でも、元来の姿が最もはっきりしない演目の一つだ。
やっぱ色恋を楽しんでいる、何?この男の姿と、やっぱり奥様がいるけれども、そこに恋しくて来る、女の姿を描いて、どんどんここに、粗末になっていくっていうのが、おもしろいんで。
どうにかどうにか隠れて、隠れて、ごまかそうとして、ごまかそうとして、なんとか見せない、見せない、男を盛り上がりとして、どんっていったのが、どん、え?っていう。
300年以上も前に、初代團十郎が演じたが、もちろん台本など伝わってはいない。
その嫐を、錦絵や、僅かな伝来をもとに、妻と妾の間に挟まれる男の物語として、復活させようとしていた。
海外で歌舞伎十八番を復活した、歴代の團十郎はいないですよね。
十二人の先祖がやってないことの一つに挑戦する。
復活の舞台はシンガポール。
この地での公演は、おととしに続き2回目の挑戦だ。
世界的なミュージカルなどが上演される劇場で、日本の歌舞伎を披露する。
海外の観客にも分かるように、動きを中心に物語を展開させる。
歌舞伎を世界に通用するエンターテインメントに。
それが、海老蔵の大いなる夢だ。
京蔵さんと私がなんかやったときに、鈴鳴らすのは誰?うん、間が悪かった。
待った。
呼び出して、追い返して、前へ出る。
そのようなことは、できませぬ。
追い返して前へ出る。
いえ、できませぬ。
追い返して参れ。
それ、かぶせてよ。
追い返してまいれ。
細部へのこだわり。
ぎりぎりまで作品の質を高めていく。
難しい。
迎えた初日。
日本の歌舞伎を楽しもうと、さまざまな国の人が劇場に足を運んだ。
歌舞伎十八番の継承は、亡き父、十二代目團十郎が心血を注ぎ、海老蔵も情熱を燃やしてきた。
歌舞伎十八番、嫐。
海外で復活。
これは甲賀のさぶろうと申す者でござる。
妻の離れると、世の男が楽しむことはただ一つ。
うふふ。
これ、この中に入れ。
お隠れなさいませ。
隠れてはおらぬではないか。
それは…。
歌舞伎は、ことばの壁を越え、国境を越えられる。
代々の團十郎が生み出し、作り上げた歌舞伎は、大衆の喝采を浴びたエンターテインメント。
その魂を海老蔵は受け継いでいる。
あーれー。
代を重ねて、守り抜く伝統と、型破りな挑戦で、新たな地平を切り開く。
今、この時代に海老蔵が注ぐ情熱は、100年先の未来につながっている。
その男、職業、歌舞伎役者。
やり過ぎ?ばかなんですよ、もう毎日、芝居しかしてないですから。
朝から晩まで芝居しかしてない。
芝居しかしてないんで。
やっぱ憧れる芝居ってあるじゃないですか。
十七代目勘三郎さんのお芝居とか、二代目松緑さんのお芝居とか。
十一代目市川團十郎の祖父のお芝居とか、諸先輩のお芝居、憧れるじゃないですか。
あれ、やりたいなって。
つらいけど楽しい。
海老蔵は子どもとの時間を大切にしている。
2人を連れて、よく散歩に出かける。
勸玄。
勸玄は、姉の麗禾が大好き。
麗禾もよく、勸玄の世話を焼く。
麗禾が弟の初お目見得の舞台を見たときの様子を、海老蔵はブログにつづっている。
麗禾は泣いた。
翌日、海老蔵が尋ねると、感動して泣いたと教えてくれた。
それでも涙の奥底にある本心が心配だった。
男の子の弟と、女の子の自分。
やがて気付くであろう現実に、親として胸が痛む。
麗禾の表情を見たときに、きっと娘自身も、自分ではなんだか分からない気持ちがきっと、あったと思うんですけど、きっと自分が初お目見得をしたときのことをすごく覚えていて、そのときに娘は泣いてしまって、だっこで主人に抱かれて、出て行ったんですね。
それをやっぱり今でもすごく、自分はできなかったんだっていうふうに、思ってしまっていて、麗禾はあのとき、だっこされて出て行ったから、パパが片手を使えなくて、踊れなかったのよって言ったりするんですね。
麗禾は泣いてしまうから、もう舞台は出れないわって言ったり。
今でもすごく、そのような感情が残っていて、きっと息子が、てくてくてくって歩いていって、名前も堀越勸玄でござりまするってなんて言ったんで、娘としては少し、衝撃があったのかなというふうに思いますね。
彼女はね、おもしろいですよ。
大きくなったら、何になるの?って、幼稚園とかで言うんですけど、エルサになりたいですって言うんですよ、アナ雪の。
でもね、エルサって言ってるのはね、本当はうそなの。
エルサって言っておいたほうがいいでしょって、パパだけ答えを知ってるんですけど。
なかなか繊細な。
だから、頼もしくも思いますよ、4歳だけど。
でもね、寂しいし、心のケアも必要だろうけど、愛情が足りないわけじゃないし、ちゃんと毎日、コミュニケーション取ってるし。
だからそういう意味じゃまあ、そこから何かを見つけ出す才能があるんじゃないのかなって思ってる。
俺にできることって、本当にさあ、おやじっていうのはさ、微力ですよね。
父親っていうのは、なんかそういう意味じゃやっぱりこう、外で働いて仕事してるときは、まあ、なんだか知んないけど、形になってますけど、家庭に入って、いざ子どもと接したときっていうのは、もちろん積み重ねてますけど、母親には勝てないし、勝ち負けじゃないけど、やっぱり、でも、理解してあげなくちゃいけないことっていうのは、やっぱりおやじなりにあるだろうから。
それがやっぱり、ちょっといろいろ考える。
きゃー、つかまっちゃったよ。
パパの背中を追うことのできない女の子。
麗禾が歩んでいく将来をしっかりと見守っていこう。
おはようございます。
おはようございます。
勸玄が、初お目見得の舞台を務めて20日。
2歳8か月、毎日歌舞伎座に通ってくる。
おはよう。
勸玄、おはよう。
おはよ。
さあ、起きよう。
おはようございます、勸玄くん。
この日は、なかなか目を覚まさない。
おはよう。
楽屋を出るまであと15分。
ばんばんばんばんばん。
何?きょう。
はい。
おっ?
起きた。
おはよう?おはよう。
ちょっとお水飲もうか、はい。
日を追うごとに、起こすのが大変になってきた。
勸玄。
勸玄、はい、はい、飲んで。
勸玄?よし、ちょっと起きた。
ほっ。
おっと、おはよう。
支度を始めるが、まぶたが重い。
おっとっと。
五十年祭に、私めせがれ、堀越勸玄、初お目見得させていただくことになっております。
では勸玄、皆様にごあいさつを。
皆様にごあいさつを。
堀越勸玄でござりまする。
うん、汗かく。
おはようございます。
おはようございます。
ようやく目覚めたようだ。
おっ、起きた?起きた、起きた。
では、ちょっとごあいさつさせていただきたいと思います。
勸玄、皆様にごあいさつを。
堀越勸玄でごじゃりまする。
おう、いい。
よかった。
心配した。
分かります?大変でしょ?結構。
小さな勸玄が毎日を精いっぱい務めている。
鬼さんがいる。
舞台を降りたら、緊張を解くため、つかの間、遊びの時間。
あっ、見っけ。
見っけ。
あとしんじさん、どこ行ったんだろうね。
しんじさん、隠れるのうまいね。
もういいかい?
もういいですよ。
勸玄さん、もういいですよ。
あしたもここに来るのが楽しみになれば。
うそでしょ。
見ーつけた。
見つけた。
見つかった。
見つけた。
大人たちも全力だ。
すごい。
かくれんぼマスターだよね。
あしたからももっと難しいところに隠れてね。
むじゅかしいとこに、あした、隠れてね。
この鬼、やられてるー。
鬼さんだぞー。
やられてる。
やられてる。
やめたほうがいいよ。
はい、分かりました。
ではお預かりします。
どんなことでもこう、なんでもこう、母親がそばにいて、一緒に見てるっていうところから、またこういう歌舞伎の中に入っていくと、お弟子さんにお任せして、母親としては一歩下がって、楽屋での様子は、あまり分からない部分もあったりとかするので、そうすると、あっ、そばにいたところから、少し離れていくというか。
また新しい世界が広がってくんだなというふうに思います。
華やかな舞台の裏は、静かな情熱に満ちている。
幼き者の心に刻まれていく、かすかな記憶。
ちょっと勸玄、皆様にごあいさつを。
堀越勸玄でごじゃりましゅる。
息を吸って。
吸ってごらん、もうちょっと。
そうそうそう。
何やってたの?教えてよ、パパに。
おしろいの香り、漏れ聴こえる三味線の音。
畳12枚ほどのこの部屋が、今は、歌舞伎の家に生まれた父と子の世界。
勸玄くん。
親子の時は、やがて師匠と弟子の時を刻み始める。
勸玄くん。
そして、歌舞伎に生きるという日常が積み重なっていく。
おはよう。
そんなでもなかったね。
ありがとうございました。
ありがとうございました。
ありがとうございました。
では勸玄、皆様にごあいさつを。
堀越勸玄でごじゃりましゅる。
おう、そんな感じ。
戦ってるのね、毎日ね。
偉いよね。
勸玄。
うん。
いってきましゅ。
息子の小さな背中が、海老蔵には大きく見える。
迎えた千秋楽。
勸玄、初お目見得の舞台。
いよいよ千秋楽。
2歳8か月、25日間、この楽屋に通い続けた。
海老蔵さんとしては、よくきたなって感じですか?
いやぁ、だから、と思います。
比べるわけじゃないけど、やっぱり麗禾は麗禾でやっぱり初お目見得したしさ、あの子の場合は泣いちゃったし。
抱いて出ていったし、しゃべらなかったじゃないですか。
それはそれで彼女の繊細さがね、やっぱり、いい意味で出たなと思うんですよ。
だけどさ、歌舞伎座でこういうすばらしい俳優の方々に、また多くのお客様、八千代座が狭いわけじゃないけど、歌舞伎座は大きいじゃないですか。
そこでやったってのは、うれしいよね。
しかもね、だんだんうまくなってるんだよ。
堀越勸玄でごじゃりましゅるって、それが堀越勸玄で、まあにいの場合もあるけど、ごじゃりましゅるって、切るようになった。
結構難しいことなんですよ。
簡単なことですよ。
でも難しいことなんですよ。
大人だってなかなかそんな切れないんですよ。
だからまあ、よかったなと。
度胸があるのか、無神経なのか、もしくはおやじみたいな人なのか。
父親似なんじゃないのかなぁ?僕にはそういう感じがないんで。
さあ、起こしましょう。
勸玄先生。
勸玄先生。
小さな勸玄が、必死に戦ってきたことが誇らしい。
かわいいねぇ。
よく寝てる?きょう、千秋楽。
お疲れさま。
よくやったと思うよ。
勸玄。
あと1回、あと1回、堀越勸玄でごじゃりますって言ったら終わり。
イエイ!おちゅかれさま。
はい、起きましょう。
おはよう。
おはよう。
愛してるよ。
2歳の息子が、大きな試練を乗り越えようとしている。
はい、行こう。
たっち。
よし。
おはようございます。
おはようごじゃいます。
はぁー。
おはようございます。
おはようごじゃいます。
なんか絶好調ですか?もしかして。
絶好調じゃないですか、あなた、どうしたの?では勸玄、皆様にごあいさつを。
堀越勸玄にぃごじゃりましゅるー。
そうそうそう。
いい感じですね。
市川團十郎という大名跡。
その系譜を代々つないできた。
その重責と戦い続けた祖父や父。
背負った宿命を全うした偉大さを、今また、思い知る。
お願いいたします。
よろしくお願いいたします。
よし、じゃあ、行こう。
よし。
いってきます。
おーい。
海老蔵の長男、勸玄。
千秋楽の花道を堂々と行く。
まっすぐ見て、まっすぐ感じ、まっすぐ全うする。
かつて自分がそうだったように、それを息子から学んだ。
勸玄!
まずはいずれも様方の麗しきご尊顔を拝したてまつり、お喜びを申し上げ奉りまする。
市川海老蔵にござりまする。
私のせがれ、堀越勸玄、初お目見得させていただくことになりました。
ちょっとごあいさつをさせていただきます。
では勸玄、皆様にごあいさつを。
堀越勸玄にごじゃりましゅる。
まだまだ幼き者にござりますれば、何とぞごひいきのほどを、また、ご指導ごべんたつのほどを、ひとえにお願い申し上げたてまつりまする。
お手を拝借。
よー。
歌舞伎を愛する者たちに支えられ、成田屋の跡取り、その初お目見得は、22日間の幕を閉じる。
それは歌舞伎の未来を照らす一筋の光を見せてくれた瞬間でもあった。
お疲れさまでした。
わが子の舞台を見守り続けた麻央さん。
母と子は、新たな一歩を踏み出した。
勸玄、よくやりました。
いやー、よくやったね。
おめでとう。
表舞台では大いにかぶき、その実、娘のあした、息子の未来を思う、2016/01/03(日) 23:00〜00:30
読売テレビ1
市川海老蔵に、ござりまする▽長男デビュー(秘)舞台裏&家族の絆…一家の1年独占公開
長男・勸玄デビュー裏側に完全密着!幼き跡取り2歳の試練▽母・麻央が見せた涙…その理由は▽幻の作品を復活…新たな挑戦▽梨園の宿命…舞台に立てない長女への秘めた思い
詳細情報
出演者
市川海老蔵ほか
ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – カルチャー・伝統文化
劇場/公演 – 歌舞伎・古典
ニュース/報道 – 特集・ドキュメント
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