阿部彰芳
2016年1月7日11時37分
脳の画像をもとに、あなたの性格を評価します――。こんなサービスを、脳研究者らのベンチャー企業が始めた。約2千人分の脳画像と性格診断テストの結果から、協調性や勤勉性を分析する。
事業を始めたのは「アラヤ・ブレイン・イメージング」。京都大出身で、英サセックス大准教授を務めた認知神経科学者の金井良太さんが、静岡大准教授の狩野芳伸さん(知能情報学)らと立ち上げた。
脳は部位ごとに役割が異なり、形には個人差がある。個別の部位がどのように影響しているのかは十分に解明されていないが、脳全体の画像を「機械学習」という手法で数多く分析すると、わずかな形の違いと性別や能力、性格に何らかの関係があることがわかってきた。
金井さんらは、性格診断テストの結果と脳画像がそろった約2千人分のデータを機械学習させ、画像から性格や脳年齢を割り出すシステムを開発。脳ドックなどで撮影したMRIの画像をもとに、協調性や適応能力、否定的な感情を持ちやすい傾向など5項目について、点数化できるようにした。脳の各部位の相対的な大きさも測れる。
脳年齢や大きさの評価は無料、性格の評価は約2万5千円。画像が鮮明な場合、性格診断テストとほぼ同精度で評価でき、データが蓄積すれば、さらに精度が高まるという。金井さんは「このサービスで信頼を高め、将来は脳の病気の診断や予防のサポートにつなげたい」と話している。詳細はアラヤのHP(http://www.araya.org)。(阿部彰芳)
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