ニュース「安倍首相年頭記者会見」 2016.01.04


これでこの時間の体操を終わります。
このあともどうぞお元気にお過ごし下さい。
10時になりました。
この時間は、安倍総理大臣の記者会見を中継でお伝えします。
総理大臣官邸の記者会見場です。
安倍総理大臣がこれから年頭にあたって、記者会見を行います。
今、報道陣の撮影に応じています。
まもなく会見が始まります。
ただいまから、安倍内閣総理大臣による平成28年年頭の記者会見を行います。
初めに総理からご発言がございます。
それでは総理、よろしくお願いいたします。
皆様、あけましておめでとうございます。
新年を迎えた今、この瞬間にも、遠く離れたアフリカの地で、南スーダンの自立を助けるPKO活動に従事し、海の大動脈、アデン湾で、海賊から世界の船を守る自衛隊の諸君がいます。
その強い使命感と、責任感に心から敬意を評するとともに、身が引き締まる思いであります。
あの政権交代選挙に勝利してから、4回目の新年を迎えました。
石の上にも三年と申します。
この3年間で、雇用は110万人以上増えました。
17年ぶりの高い賃上げも実現し、景気は確実に回復軌道を歩んでいます。
昨年は青森、秋田、徳島、高知、福岡、熊本、沖縄の7つの県で、有効求人倍率が過去最高を記録し、地方創生も着実に進んでいます。
東北では、次々と住宅が完成し、被災者の皆さんの入居が進んでいます。
新しい産業の芽も育ち、一歩一歩、復興は進んでいます。
地球儀をふかんする視点で展開してきた経済外交、そして平和外交も、大きな実を結びつつあります。
昨年は平和安全法制が成立し、私たちの子や孫の世代に、平和な日本を引き渡していく基盤を築くことができました。
60年ぶりの農協改革、医療制度改革、電力の自由化も実現し、まさに戦後以来の大改革を断行する、そうした一年となりました。
もはや戦後ではない。
ちょうど60年前、本年と同じひのえさるの年、経済白書は日本経済の焼け野原からの回復による成長が終わったことをこう表現しました。
そして、新しい国造りに出発すべきだと訴えました。
私たちもこの3年間、経済最優先で取り組んできました。
まだまだ道半ばではありますが、もはやデフレではないという状況を作り出すことができました。
挑戦の終わりは、新たな挑戦の始まり。
これは小説、下町ロケットの主人公のことばです。
あの小さな町工場は、ロケット部品から医療機器へ、次々と挑戦を続けています。
ものづくり大国日本を作り上げたのは、こうした中小小規模企業であります。
東京オリンピックの成功、高度経済成長、挑戦を決して諦めなかった先人たちが、豊かな日本を築き、私たちへと引き継いでくれました。
4年後には、東京で再びオリンピック・パラリンピックが開催されます。
これを必ずや成功させる。
さらに私たちはその先をしっかりと見据えながら、本年、新しい国造りへの新しい挑戦を始める。
そんな年にしたいと思います。
新興国経済の勢いに陰りが見え始め、世界経済は不透明感を増しています。
世界は今、持続的な成長への道を模索しています。
5月の伊勢志摩サミットは、主要国のリーダーたちと共に世界経済の未来に挑戦する、大きなきっかけにしたいと考えています。
国内においては、少子高齢化という長年の懸案に真正面から挑戦する。
戦後最大のGDP600兆円、希望出生率1.8、介護離職ゼロという大きな目標を掲げ、この3つの的に向かって新しい3本の矢を放つ。
一億総活躍への挑戦を始めます。
早速、歳出希望3.5兆円の補正予算によって、ロケットスタートを切ります。
本日から始まる通常国会はまさに、未来へ挑戦する国会であります。
内政においても、外交においても、本年は挑戦、挑戦、そして挑戦あるのみ。
未来へと果敢に挑戦する一年とする。
その決意であります。
300年前のひのえさるの年、暴れん坊将軍として皆さんもご存じの徳川吉宗が8代将軍となりました。
財政の立て直しをはじめ、さまざまな改革に挑戦した将軍として、有名でありますが、それだけではありません。
江戸の各地に桜の苗木を植えました。
幕府では反対の声もあったそうでありました。
しかし、将来、花が咲くようになれば、美しい村々にも人々が集まり、豊かになるに違いない。
その信念の下に、未来への投資を行った。
苗木を植える挑戦を続けたそうであります。
そのおかげで、300年後の私たちも花見ができる、春になれば桜の名所は人でいっぱいになります。
昨年、岩手を訪れた際、津波の被害を受けた沿岸部に、桜の苗木を植える活動を行っている若者たちと出会いました。
苗木はすぐには花をつけません。
しかし、その努力を続けることで、数年先には花をつけ、10年後、20年先も人々が満開の花の下に集い、津波の教訓を語り継いでいってくれることでありましょう。
私も日本の将来をしっかりと見据えながら、木を植える政治家でありたい。
それがいかに時間がかかり、いかに困難な挑戦であったとしても、一億総活躍の苗木を植える挑戦をスタートしたいと思います。
一億総活躍元年の幕開けであります。
最後となりましたが、本年が国民の皆様にとりまして、すばらしい一年となりますことを祈念しております。
私からは以上です。
それでは皆さんから質問を頂きます。
初め幹事社の方からご質問いただきますので、所属とお名前を明らかにして質問をお願いいたします。
それではどうぞ。
よろしくお願いいたします。
総理、ことし5月、伊勢志摩サミットが開かれ、日本は議長国を務めることになります。
国際テロ、地球温暖化、また世界経済の不透明さ、こういった課題に対して、どのようなリーダーシップを図っていくお考えか、またサミットの主要議題、成果について今の段階でどのようなことをお考えでしょうか、お聞かせください。
それと、去年からのお残しになっておりますプーチン大統領の日本訪問、また、日中韓首脳会議の開催時期について、現段階での見通しをお聞かせください。
本年は、日本は伊勢志摩サミットの議長国を務めます。
ただ加えまして、安保理の非常任理事国となります。
そしてまた、初めてとなるアフリカでのTICAD開催、日中韓サミットの議長国就任など、日本外交が世界を引っ張っていく一年となります。
伊勢志摩サミットでは、不透明さを増す世界経済、テロとの闘い、貧困や開発の問題、さらにはアジア太平洋の情勢など、世界が直面するさまざまな課題について、議論したいと考えています。
自由民主主義、法の支配、人権といった普遍的価値のチャンピオンであるG7。
その議長として、地域や世界の平和と繁栄のために、グローバルな視点に立って将来を見据え、最も適切な道筋を示すことにより、世界をリードしていきたいと考えています。
ロシアについては、プーチン大統領と戦後70年以上たっても平和条約が締結されていないことは、異常であるとの認識を共有しています。
北方領土問題は、首脳間のやり取りなしには解決することはできません。
テロ、シリア、イラン等の問題についても、ロシアの建設的関与を得ていくことが重要であります。
プーチン大統領とは引き続き機会を捉えて、対話を続けていく考えであります。
訪日の時期については、その中で最も適切な時期を引き続き探っていく考えであります。
日中韓サミットについては、昨年のソウルでのサミットで、3か国による協力プロセスが完全に正常化したことを踏まえ、ことしのサミットでは、具体的な成果が上がるような、有意義なサミットにしたいと考えています。
開催のタイミングについては、まずは日中韓の外相会合を行い、それを日中韓サミットにつなげていくとの観点から中国、韓国と調整していく考えであります。
幹事社の方、もう一問いただけますか。
どうもよろしくお願いします。
参議院選に関する質問です。
ことしは夏に最大の政治決選となる参議院選があります。
現在は自民党が115議席、公明党の20議席を加えて過半数に達しているような状況です。
これを夏の参議院選では自民党単独で過半数を目指すのか、それとも自民、公明におおさか維新の会などを含めたいわゆる改憲勢力で3分の2を目指すのか、勝敗ラインについてはどのように考えていらっしゃいますか。
それとあと、改めて参議院選の争点についてはどのように考えていらっしゃいますか。
またさらに、衆院解散についての同日選開催についても、お聞かせください。
以上です。
まず、自由民主党と公明党の連立政権、この連立政権は、風雪に耐えて強固な連立政権といってもいいと思います。
この安定した政治基盤の上に、一億総活躍社会への挑戦をはじめ、内政外交の課題に決して逃げることなく、真正面から挑戦し続けていきたいと考えています。
参議院選挙においては、すべての候補者の当選を目指していくことは当然のことであり、それが自由民主党総裁の責務であろうと思います。
全員当選を目指すということを前提にですね、その上で、自公での連立政権の下、安定した政治を前に進めるため、参議院において、自公で過半数を確保したいと考えています。
その勝利を勝ち取るために、全力を尽くしていく考えであります。
憲法改正についてはこれまで同様、参議院選挙でしっかりと訴えていくことになります。
同時に、そうした訴えを通じて、国民的な議論を深めていきたいと考えています。
なお、衆議院の解散については、何度も同じことを申し上げて恐縮でございますが、全く考えていないということであります。
繰り返しになりますが、参議院の選挙のテーマ、さまざまでありますが、3年間の安倍政権の実績に対する評価、そして今、私たちが進めようとしている一億総活躍社会について、国民の審判をいただきたいと思っております。
それではこれから幹事社以外の方のご質問を頂きたいと思いますので、ご希望される方は挙手をお願い、手を挙げていただきたいと思います。
私のほうから指名いたしますので、改めまして所属とお名前を明らかにして、質問をお願いします。
それではご希望される方、どうぞ。
総理はもはやデフレではないという状況に入りますが、まだ…0%に近いので、それを早くデフレ脱却したと発表するおそれがないと思われますでしょうか。
よろしくお願いいたします。
もうデフレ脱却したということは早すぎるのではないでしょうかということです。
私はデフレではないという状況を作り出すことはできたと、こう申し上げておりますが、残念ながらまだ道半ばでありまして、デフレ脱却というところまで来ていないのも事実であります。
しかし、大胆な金融緩和によって、物価は反転し、この2年半、上昇傾向にあるのは事実であります。
雇用も112万人以上増え、賃金も2年連続で高い伸びを見せています。
足元でも設備投資が昨年の7月、8月、9月、前年比で11%以上伸び、経済界でも攻めの姿勢が生まれてきています。
デフレ脱却まであと一息というところまでやって来ていると考えています。
この流れを加速できるか否かは、賃上げ、設備投資による経済の好循環をいかに力強く回し続けられるかにかかっていると認識しています。
そのため政府としても、法人実効税率について予定よりも前倒しで、ことしの4月の新年度から20%台に引き下げる決定をしました。
日本銀行の黒田総裁もできることはなんでもやるといっており、政府・日銀一体となって、全力でデフレ脱却に取り組んでいく考えであります。
ちょっと時間的には、今度、最後の質問になるかもしれませんけれども。
本年もよろしくお願いします。
ことしの夏の参院選から18歳選挙権で有権者、240万人が新たに誕生します。
一方で、選挙におきまして、投票行動の世代格差が広がっております。
こうした中、日本が今行っていること、これから行おうとしている政策や、その理由などを、これまで以上に広く国民に伝えていく必要性につきまして、総理はどうお考えでしょう?
今度の参議院選挙において、18歳、そして19歳の方々が初めて、投票することになります。
いわば歴史的な一票を投じるといっていいと思います。
その重みを十分にかみしめながら投票所に足を運んでいただきたいと思います。
一方、今ご指摘のように、若い皆さんの投票率が低いという現実があります。
若い皆さんにとって、政治の場で議論している、外交においても例えば内政の問題、給付と負担の問題や、医療や年金の問題についても、今の若い皆さんにも、そして若い皆さんの将来にも大きな影響があるということも十分に分かっていただけるような努力をしていきたいと思いますし、国会における論戦も、ただ相手を非難するという、非難の応酬に明け暮れるのではなく、建設的な議論を、お互いに対案をぶつけ合うような、建設的な議論を行うことによって、若い皆さんが選択肢を持ってどの政党がいいか、どの候補者がいいかということを選んでいただけるよう努力をしていきたいと思います。
それでは予定をしておりました時間がまいりましたので、もう1社いけますか?時間的にすみません、可能のようでございます。
総理、先ほどことしの抱負の中で挑戦ということばありました。
新3本の矢については、的に向けて矢をというご発言がありましたが、ことし、選挙がある中、まだ公約とまではなかなかならないと思いますが、具体的に国民生活に安心するような、安心につながるような数値につながるような、目標というものを、選挙に向けてこの半年、国会がきょうから開く中、どういった目標を掲げていかれるお考えでしょうか。
われわれ、この3年間、いわゆるアベノミクスを進めてきた結果、例えば国と地方で合わせて税収は21兆円増えました。
これはまさに私たちが進めてきた経済政策、アベノミクスの果実といってもいいと思います。
そしてこの果実を、どう活用していくということであります。
そのために私たちは、新たな3つの目標を掲げたわけであります。
最大のGDP600兆円、そして希望出生率1.8、介護離職ゼロであります。
希望出生率1.8を実現するための子育て支援の予算をその果実を活用して組んでいます。
そしてまた、介護離職ゼロのための社会保障の予算をしっかりとつけているわけであります。
そうした目標に向かって矢を打っていくことによって、安心できる社会基盤の上に、さらに成長していくことができます。
成長の果実をもちろん、次なる成長のためにも投資をしていく。
今言った、的に3つ当たっていくことによって、われわれはさらに果実を得ていくことにつながっていくわけであります。
そうした果実をさらに、安心のために使っていく。
将来の老後に備えて、あるいは子育てのためにも使っていくことになるわけでありまして、これはまさに、成長と分配の好循環を作っていくという、新しい経済モデルを私たちは作っていく、その挑戦を行っていかなければいけないと思います。
そう簡単なことではありませんが、挑戦しないかぎり、何事も成し遂げることはできないわけでありまして、挑戦するのはできるだけ早く、挑戦しなければ手遅れになるわけでありまして、ですから、この国会から、この挑戦を私たちは始めたいと考えております。
そしてそのための一億総活躍社会、そういう社会を作っていきたいと思っています。
それでは予定をしておりました時間を過ぎましたので、以上をもちまして、内閣総理大臣によります記者会見を終わらせていただきます。
皆さん、ご協力ありがとうございました。
ありがとうございました。
安倍総理大臣の年頭の記者会見でした。
政治部の岩田記者です。
安倍総理大臣の冒頭の発言、ポイントをまとめてください。
安倍総理大臣は、東京オリンピック・パラリンピックが開催される4年後に向けて、ことしを新しい国造りへの新しい挑戦を始める年にしたいと述べました。
また、木を植える政治家という表現を使い、長期を見据えた政権運営に取り組む、政策運営に取り組む姿勢を示して、いわゆる一億総活躍社会の実現に向けて、戦後最大のGDP600兆円や、希望出生率1.8、介護離職ゼロなどの目標を達成するため、一層力を注ぐ考えを強調しました。
きょう開会する通常国会については、未来へ挑戦する国会と位置づけ、論戦に臨む決意を示しました。
夏に控えています参議院選挙、その勝敗ラインについても言及がありましたね。
そうですね。
安倍総理大臣は安定した政治基盤の下に、内政や外交の課題に挑戦していくと述べました。
その上で、安定した政治を前に進めるとして、勝敗ラインについて、参議院において自公で過半数を確保したいと述べました。
また衆議院の解散については、全く考えていないと否定しました。
通常国会がきょうから始まりますが、どのような論戦になる見通しでしょうか?
政府・与党は、景気回復を国民に実感してもらいたいとして、今年度の補正予算案を、今月中旬に成立させたうえで、新年度・平成28年度予算案を年度内に確実に成立させるよう、全力を挙げる方針です。
安倍総理大臣は経済も外交も安定した政権のもとで継続して進めることの必要性を訴え、理解を求めることにしています。
これに対し、民主党など野党側は、消費税の軽減税率や、TPPの問題点のほか、閣僚の政治資金を巡る問題などについて、追及する方針です。
さらに、去年成立した安全保障関連法を巡っても、廃止や見直しを求めて、攻勢を強める構えで、国会論戦で弾みをつけて、夏の参議院選挙に臨みたい考えです。
その参院選をにらんだ今後の政局のポイントはどこにありますか?
安倍総理大臣は中国や韓国との関係改善や、5月に開かれる主要国首脳会議・伊勢志摩サミットなど、外交面での成果を上げたいうえで、参議院選挙に臨んで、安倍総理も先に述べましたが、自民、公明両党で非改選の議席も合わせて、過半数を維持したい考えです。
これに対し野党側は、国会論戦で安倍政権を追及するとともに、参議院選挙では、安全保障関連法に反対する市民グループなどとも連携して、定員が1人の1人区を中心に、候補者の一本化に向けた調整を進め、与党側に対抗したい考えです。
参議院選挙は与党が勝利して、安倍総理大臣が長期政権に向けた基盤を一層固めることができるのかが、最大の焦点となりそうです。
政治部の岩田記者でした。
それでは次のニュースです。
東京証券取引所では、ことし最初の取り引きとなるきょう、恒例の大発会が行われ、関係者が手締めをして、一年の活発な取り引きを願いました。
ことしの大発会には、証券業界の関係者などおよそ200人が集まりました。
東京株式市場では、去年、原油安による世界経済の先行きの不透明感などから、株価が大きく下落する局面があったものの、日経平均株価の年末の終値は、19年ぶりの高値となりました。
きょうの東京株式市場は、ニューヨーク市場のダウ平均株価が去年の年末に大きく値下がりした流れを受けて売り注文が出て、日経平均株価は一時200円以上値下がりしました。
また外国為替市場では、投資家の間でアメリカ経済の先行きを見極めたいとして、積極的な取り引きが控えられ、円相場は小幅な値動きとなっています。
2016/01/04(月) 10:00〜10:25
NHK総合1・神戸
ニュース「安倍首相年頭記者会見」[字]

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