豊かな自然が広がる中米コスタリカ。
山岳地帯には熱帯雲霧林と呼ばれる森が広がります。
海から吹く湿った風が雲と霧を生み出し森を包み込みます。
おや?美しい昆虫がいました。
プラチナコガネです。
銀色に光る仲間もいます。
まるで金属で作られたような輝きを放っています。
森を鮮やかに彩るのは色とりどりのチョウたち。
こちらは羽が透けて見えるスカシマダラです。
この緑のま〜るいものは…。
あっ開きました!真ん丸になれるよう細部まで完璧にデザインされているマンマルコガネです。
コスタリカは昆虫の宝庫。
その数は30万から50万種にもなると考えられています。
多様な昆虫に魅せられ熱帯雲霧林に移り住んだ人がいます。
コスタリカに住んで16年。
謎に満ちた昆虫たちの生き方を探り続けています。
同じ生きものでも人間とはかなりかけ離れた形なり生き方してるのが昆虫で意外と身近っていうか一番身近かもしれないですよね。
昆虫たちっていうのは。
身近であって自然の行動っていうかそのままの姿を見せてくれるのが昆虫かもしれないですよね。
そういうところに多分魅力を感じるっていうか。
西田さんと一緒に森を探検してみましょう。
何かを見つけたようです。
でもどこにいるんでしょう?いました!実はこれ…コケそっくりな姿で身を隠していたんです。
かくれんぼ上手な虫たちはほかにもいっぱいいます。
ほらここにも!周囲の環境に溶け込んで天敵の鳥やトカゲから身を守っているんです。
面白い。
密集してるねここまで。
一体何でしょう?木の幹に生えた無数のトゲ。
…ではありません。
なんと幹に張り付いた昆虫の大群です。
名前はバラノトゲツノゼミ。
ヘルメットのような大きな角が特徴です。
あっ飛びました!角が重たいのか変わった飛び方ですね。
虫の達人西田さん実はここコスタリカで新種の昆虫を数多く発見しています。
この枝にそっくりな昆虫西田さんが見つけた新種ナナフシの仲間です。
枯れ葉になりきる…更にこの緑色のナナフシも西田さんが見つけた新種です。
西田さんが初めて新種を発見したのは今から17年前。
この白いジャノメチョウです。
それ以来野外調査に出かける度に次々と新種を発見。
美しい虫。
ユニークな虫。
そしてまか不思議な虫。
発見した昆虫の数は…西田さんはどうしてこんなに多くの新種を見つける事ができるのでしょうか?ちっちゃいハエなんです。
あれ新種なんです。
こちらは去年見つけたばかり。
黒と黄色の色合いが特徴の小さなハエです。
新種の可能性が高いっていうのが人気のない虫たちに意外と。
新種を見つけたい場合はそういうところをやるっていうか。
なるほど人気のない昆虫は誰も調べようとしないから新種が見つかる可能性が高いんですね。
こちらも西田さんが見つけた新種。
人気のない昆虫の一つガの仲間です。
これ動きが面白いんですよ。
なんとくるくる回りながら食事をしています。
お目当ては虫のおしっこなど。
ストローのような口でなめ取ります。
人気がなくても実にユニークな新種がいるんですね。
更に新種がいっぱいいる取って置きの場所がありました。
虫こぶ。
そこに幼虫が入ってるんです。
うわ〜不思議な形をしていますね。
これは虫こぶといって中に幼虫やサナギが住んでいます。
形や場所はさまざま。
実は植物にはもともとなかったものなのに小さな虫たちの刺激によって作り出されたんです。
これは根っこに出来たジャガイモそっくりな虫こぶ。
こっちは果実のようですが正体は虫こぶです。
茎の途中に咲いた緑の花。
こんなきれいな虫こぶまであるんですね。
こぶの中を見てみると…。
中に幼虫の部屋がありました。
周りの壁は食べ物になるそうです。
雨風からは逃れられますよね。
風がきついしここは雨もよく降るのでちっちゃい幼虫にとったら葉っぱの表とか裏にいるとか茎にしがみついてるよりは安全というか。
食料が周りにあるから安全だなっていう。
虫こぶの虫たちはまだ見つかっていないものがいっぱいいるそうです。
妙な形の植物は新種の宝庫なんです。
それにしても腰に提げたこの袋気になりませんか?実はここにも新種発見の秘けつがあるんです。
西田さんは気になる虫や虫こぶを見つけたらその周辺の植物ごと袋に入れて持ち帰ります。
その理由は西田さんの自宅にありました。
部屋の奥へ進んでみると…。
なんと袋だらけ。
実は100種類もの昆虫を同時に飼育して生き方をこまめに観察しているんです。
ちなみに冷蔵庫は昆虫の食料となる植物の貯蔵庫。
冷凍庫は標本室です。
西田さんの大好きなお好み焼きの肉は片隅にちょっとだけ。
西田さんの日課は昆虫の食料となる植物採集です。
それぞれの虫で好みが違うので結構大変。
でも昆虫は幼虫や成虫で姿を変えるため一面を見ただけでは不十分。
生まれてから死ぬまでを観察する事で新種が見つかる事が多いんです。
飼育している幼虫の中からとびっきりの変わり種を見せてもらいました。
うわっへんてこな虫!まるで怪獣かエイリアンです。
ちなみに左側が大人になった姿。
それにしても風変わり。
ここが体ですよね…?こっちは…何なんでしょう?実はこの尻尾のようなもの脱皮をする度に脱いだ殻をつなげたものなんです。
うわっ頭がいっぱい!でも何でこんな事を?失礼ちょっとつっついてみると…。
あっ!つないだ殻ごと動かしました。
西田さんは抜け殻をつないで盾にして敵の襲来を防いでいるのだと考えています。
あれ?動かし過ぎて疲れたのかな。
フ〜。
ちなみにこのような行動は飼育した事で初めて発見できたんです。
顕微鏡で見るまであれは分からないですからね。
野外で観察してたら数が少ないというかほとんどいないから。
恐らく天敵が多いんじゃないかという。
いろいろパズルが…何て言うんですかねはまっていくというか。
だんだん世界が見えてくる訳ですよ。
小さな世界からだんだん大きく。
西田さんは小さな世界であればあるほど大きな興味を注ぎます。
こういうのも開けてびっくりですから。
まるで少年が宝探しをしているようです。
今度は何が飛び出すのでしょう?小さいのはいっぱいいるんですけどハサミムシですね。
いや〜多分名前付いてないんじゃないですかこういうのも。
こんな所でハサミムシ研究してる人いないですから。
いろんな生きものたちの魅力はあるんですけれどもやっぱり変で多様で未知なる世界が広がってるっていうので昆虫。
そこにある訳ですよね。
身近に。
届く場所に。
生きたもの相手にこれからも続けていきたいとは思いますけど。
小さな昆虫たちと一緒に生きている西田さんの世界。
それは果てしなく大きな謎に満ちあふれています。
モノづくりの技を紹介する…2016/01/04(月) 14:20〜14:35
NHK総合1・神戸
新種発見!生きものたちの小宇宙〜コスタリカ・昆虫〜[字]
年間1万8千種もの新種生物が発見される地球。中米コスタリカ在住の探検昆虫学者・西田賢司さんと熱帯雲霧林で新種昆虫を徹底探査。小さな昆虫世界に広がる小宇宙に迫る。
詳細情報
番組内容
多種多様な生命で満ちあふれる地球。今、奇妙な形をした新種生物の発見が相次ぎ、その数は年間1万8千種に及ぶ。中米コスタリカで新種の昆虫を探すのは探検昆虫学者の西田賢司さん。熱帯雲霧林での調査活動に密着すると、世にも奇妙な昆虫に次々と遭遇!枯れ葉に擬態する昆虫。虫こぶに隠れる昆虫。脱皮した殻をつなげて盾にする昆虫。新種を発見する秘けつに迫りながら、小さな昆虫の世界に果てしなく広がる小宇宙に迫る。
出演者
【出演】探険昆虫学者…西田賢司
ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 自然・動物・環境
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