くらし☆解説「4月から家庭の電力も自由化」 2016.01.06


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(ほら貝)岩渕⇒こんにちは。
「くらしきらり解説」です。
きょうのテーマは、こちらです。
担当は関口博之解説委員です。
ものものしいほら貝の音とこの絵と、きょうは電力の話ですよね。
どう関係がありますか。
関口⇒家庭用の電力が自由化されるということは電力の戦国時代の幕開けということになります。
大手電力の地域独占が崩れて8兆円と言われる市場の奪い合いになります。
それは裏返せば、私たち7800万世帯が電気をどこから買うか選べるようになるということでもあります。
すでに今月から事前予約も始まっています。
きょうはこの話をお伝えします。
実際にどういうところが入ってくるんでしょうか?まず、よそのエリアの大手電力会社です。
東京における関西電力など。
エリアの縛りがなくなるんですね。
都市ガス、LPガスの会社や石油の元売り再生可能エネルギーをこれまで手がけてきているような会社。
通信や携帯の会社。
住宅メーカー、鉄道会社なんかも名乗りをあげています。
こういうところが、これからは小売電気事業者と名乗ってビジネスをすることになります。
こういうところは発電はどうするんでしょうか?まず自前で発電所を持っているところもありますし他社の発電所と独自に契約したりあるいは太陽光や風力で発電した電気を買い取ったりさらに大手で余った電気などを融通し合っている卸電力取引所を通じて調度することもできます。
各家庭の側ではこうした新しい電気や電力会社に替える場合工事は必要ですか?工事は必要ありません。
インターネットで光回線を引くときに新たなケーブルを引いたりしますけれど、そういったこともありません。
最初に回線を切り替えるときには原則スマートメーターへの切り替えが必要になります。
メーターは替えないといけないんですね。
スマートメーターというのは30分ごとに使用量を測ってそれを電力会社に自動送信する機能があります。
費用はどのくらいですか?取り替えの費用はかかりませんし今の大手電力会社が交換してくれます。
いちばん気になるのは自由化によって料金とかサービスに新しいものが出てくるかどうかというところです。
もちろん出てきます。
想定されるのはセット割というものです。
例えば電気とガスをセットでといったプランが出てくることになります。
両方ともうちから買ってくれるんでしたらこれだけ割り引きますということです。
さらに通信料金もセットにすればもっと割り引きますという形もあります。
インターネットや携帯料金もセットということですね。
安くなるんであれば家計は非常に助かりますね。
ただ、この割り引きのときに電気とガスで、どちらがどれぐらい割り引いたかそこまでは出さなくていいので例えば2つ込み込みでいくらぐらい、あるいはトリプルセットでいくらとなりますと本当に得なのかあるいはどれだけ得なのか逆に分かりくくなるかもしれません。
内訳が分からないんですね。
一方迎え撃つ大手電力会社ではこれまで以上にきめ細かい時間帯別料金を設けてピークを避けて安い時間に使えばお得になるようなシンプルなものを作ったり各種のポイントサービスと提携して電気料金でためたポイントが買い物などに使えるようにするといったことも考えています。
大手も黙ってはいないんですね。
実際に具体的にいつごろから、いくらぐらい安くなっているというところはどうなんでしょうか。
各社の料金メニューは今月から五月雨式に出てくると思います。
どれぐらい下がるかということについて言うと1割下げるのはなかなか難しいという声が多いようです。
どうなるか、ということですね。
さらに、発電、再生可能エネルギーで発電したものを買いたいとかそういうふうに選びたいという人もいると思います。
そういうことが可能になるのも今回の自由化の大きなメリットです。
それには小売電気事業者が示す電源構成というものをチェックするといいと思います。
A社という架空の会社を想定した表示の例を出しています。
赤いFIT電気というのはなんんですか。
FITといいますのは固定価格買い取り制度のことで太陽光発電や風力発電など再生可能エネルギーこの制度を利用しているものはFIT電気と言われています。
表記しなくてはなりません。
この制度自体は再生エネルギーためにあらかじめ決めた価格で電力会社が買い取っているという仕組みです。
その費用は電気料金に上乗せされています。
広く国民全体で負担しているわけです標準世帯で今年度の場合、月に470円ほどです。
ですからみんなのものというわけなんです。
あたかも自社だけのものようにクリーンだとかグリーンだとかきれいな電気といった宣伝文句で使ってはいけません。
制度を利用しないで自社で買い取ったものは太陽光と書いても大丈夫です。
再生可能エネルギーを中心に電気を売る会社は出てくるんでしょうか。
地域の電気は地域で賄うという発想で再エネの地産地消に取り組もうというところも出てきています。
その点では再生可能エネルギーは活用の後押しにもなります。
一方でこうした新規参入した会社がちゃんと安定的に電気を送ってくれるのか、突然停電したりしないのかという心配もありますね。
それについても結論から言えば大丈夫です。
電気というのはどこの会社あるいはどこの発電所で発電したものでも結局は大きなプールで1つになってそこから各家庭などに配られます。
大きなプールを受け持つのが送配電事業者ということになります。
この役目、実際には大手電力の送配電部門が引き続き担っています。
ですから電気の質、つまり電圧だとか周波数とかそういうことは今とは変わりませんし停電しやすいということもありえません。
電力会社をA社にしたけれど来年はB社C社と替えてもいいわけですか。
それはまったく問題がありません。
携帯電話と同じように何年間は解約できないといった契約期間を設けるところもありますので解約の条件は何かを事前に確認しておくことが必要となります。
そもそもなぜ電力の完全自由化なんでしょうか。
電力の自由化は2000年に大規模な工場から始まりましてだんだんと対象が広がってきました。
今回は家庭それから商店まですべてということになりますのでいわば総仕上げとなります。
自由化で競争が促進されれば電気料金が下げられます。
下がらないまでも、上がるのを抑える効果はあります。
それから、消費者が参加するということにも意義があります。
海外では、電力使用のピーク時に節電をするとキャッシュバックを受けられるというような仕組みを作っている例もあります。
消費者の選択は将来の電源構成、発電比率を決めていくことにもつながっていきます。
さらには新しいビジネスもありますね。
通信の自由化を考えてみるとそのあとインターネットとかスマホとかアプリとかがどんどん出てきました。
今までなかったサービスやビジネスが花開いたわけです。
この可能性も大きいと思います。
いろんな可能性がありますね。
ただ、新しい電力会社を選んでいいよと言われても経験がないことでどうしたらいいかとも分からない方も多いと思います。
そう思います。
大事なことをまとめておきます。
まず選ぶことができるというだけであって選ばなくてはいけないわけではありません。
今までのままでももちろんOKです。
何も知らず電気が来なくなってしまうということは一切ありません。
自由化が始まるのは4月です。
慌てる必要はありません。
じっくり考えて吟味してから選んでも全く大丈夫です。
どうやって探せばいいですか。
海外の例ですとたくさん出てきたときはそれぞれの料金や対象を特徴などを比較するインターネットのサイトができていました。
ですから日本でもビジネス向けの電力会社の一覧比較ができるのサイトができるのではないかと思います。
関口博之解説委員でした。
2016/01/06(水) 10:05〜10:15
NHK総合1・神戸
くらし☆解説「4月から家庭の電力も自由化」[字]

NHK解説委員…関口博之,【司会】岩渕梢

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【出演】NHK解説委員…関口博之,【司会】岩渕梢

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