きょうの健康「口臭が気になるとき」 2016.01.06


「きょうの健康」です。
今日は「口臭が気になるとき」と題してお送りします。
自分ではなかなか気付きにくいものなのに悩んでいる方も多いかと思います。
お話し下さる方ご紹介します。
口臭の治療と予防をご専門にしてらっしゃいます。
どうぞよろしくお願い致します。
よろしくお願い致します。
口臭に悩んでらっしゃる方相当いらっしゃるんでしょうか?はい。
口臭で悩んでいる人口臭が気になる人の割合をこの図は示していますが横に年代を表しています。
縦に口臭が気になる人の割合を示しています。
口臭が全くないという人はいないんですが誰にでも口臭は少しはあるんですがそれを気にする人の割合を見ますと大体45歳ぐらいで非常に高くて20%ぐらいの人が気にしてます。
5人に1人。
そのあとだんだん年と共に減ってきてますがなぜこのように年取ると口臭を気になる人が減ってくるのかご存じですか?まあいいかっていう感じになってくるんでしょうかしら?一つはそれもあるかと思いますが定年退職などをして仕事で人と会わないそういうような人の場合は口臭がだんだん気にならなくなってしまうんですね。
でも実際に口臭を測定してみますと高齢になると高くなるという場合があります。
口臭というのはやはり人間関係コミュニケーションで気になりますので他人との関係の中での悩みというのが口臭の悩みになります。
なるほど。
それにしても今のお話でとにかく口臭は誰にでもあるものなんですか?はいそうです。
これは一般の人の口臭の一日の中での変動を示したものです。
横軸が一日の時間で縦軸が口臭の強さになります。
これを見ますと朝起きたてが一番強いんですね。
そうなんです。
朝起きた時口の中がネバネバして気持ち悪いと感じたと。
そういう形で誰もが朝は口臭が実は高いんです。
これが不快と感じるレベルで高いんですが実は朝ごはんを食べる歯磨きをするそういう事で口臭は減ってしまいます。
またお昼前になると上がって夕食前になると上がりますが食べる事歯磨きする事で落ちていきます。
でも落ちても口臭がゼロになる全くなくなるという事はありません。
そうすると一日の間に口臭の強さが変わるのは食べ物の関係あるいは唾液の関係という事になる訳ですか?そうですね。
口の中にたまっている汚れそういったものが食べる事によって一緒にのみ込んでしまうという口臭の発生の原因となるものがなくなってしまうという事が一日の日内変動の一つの要因と考えられています。
なるほど。
それでは本当に口臭が強い人これはどういう?そうですね病気などで強い人の場合は朝だけではなくて昼間とかほかの時間でも口臭が高くて他人とお話しする時に不快な思いをさせてしまうという場合が病気で発生する口臭と考えられます。
同じこういう変動を繰り返しますけれども基本的にはずっと高いところにあるという事なんですね?はいそうです。
それにしても口臭が強くなる原因それはどういうものが考えられるんでしょうか?こちらに示してありますが主な口臭の原因としては…そういった3つの原因が考えられます。
この絵は舌を見て頂くと白っぽいまた黄色っぽいような汚れが舌の上にたくさんついてます。
これを舌の苔と書いて舌苔と読みます。
確かに苔のように見えますね。
それが口臭の発生原因になっているという場合があります。
この苔の中にはいろいろ細菌とかがいるんですか?そうですねその細菌が分解して口臭の臭いガスを出す。
なのでこれが大量についていると非常に強い口臭になります。
歯周病も口臭の原因になるんですね?歯周病というのは歯周病菌が原因で歯ぐきが腫れたりそれから歯を支えている骨が溶けたりするそういうのが歯周病なんですがこの歯周病菌は口の中それから舌についている汚れを分解してやはり口臭を発生する原因となります。
なので歯周病の人は口臭が強いという事が考えられます。
虫歯はどうなんですか?そうですね虫歯も1〜2本小さい虫歯があるぐらいでは特に口臭とは関連ありませんが進んだ大きな虫歯が口の中にたくさんあるそういうような場合は口臭が強くなるのに影響します。
そして唾液の減少唾ですね。
これもやはり口臭の原因になるんですね?はい。
唾液には免疫物質が含まれてますし細菌を殺したり殺菌作用があったり汚れを洗い流す口の中の…そういう作用がありますが一日で唾液ってどのぐらい出るかご存じですか?いや…う〜ん500ccのペットボトルとか1リットルとかそれぐらいでしょうか。
そうですね成人ですと一日に約1.5リットル唾液が出る。
結構多いんですね。
そうです。
それだけ食事の時にも出てますし食べ物を洗い流すという効果もありますが唾液の量が減ってきますと口の中が乾燥してそういう事で口の中の細菌が増殖して増えてきます。
そうなると…口臭というふうになります。
そもそもどうして唾液が減少するんですか?そうですね唾液が少なくなる理由としてはストレスがあったりそれからまた緊張していたりそれから口で呼吸をしていたりそれから睡眠不足そういう場合に唾液が少なくなります。
またお薬の影響で唾液の分泌が少なくなる場合がありまして例えば高血圧のお薬だとかそれから不眠症などでお薬をのんでいるとその副作用で唾液の出が悪くなるという場合があります。
確かに緊張したりするとカラカラに口の中がなったりしますけどそういう唾液の減少とかそして歯周病ですね。
こういうものが舌とか口の汚れと一緒になって口臭の原因という事ですか?はいそうですね。
舌の汚れ舌苔に歯周病とか唾液の減少そういったものが合わさりますと非常に口臭として強い発生する原因になってきます。
今口の中の原因をお話ししてきましたけれどもそれ以外に口臭の発生原因ってあるのご存じですか?例えばギョーザを食べた時のニンニクの臭いとか食べ物はどうでしょうか?そうですね。
臭いのある食べ物を食べるとやはり口臭が出ますしそれからタバコを吸っている人それからお酒を飲んだあとそういった場合も口臭になって臭いが出てきますけどもそういったものは一時的なものなので特に治療は必要ありません。
それからまた体の病気でも口臭が発生する事ありまして副鼻くう炎や糖尿病などここに示しているような病気が原因で口臭が発生するという場合があります。
例えばこの副鼻くう炎ですとどういう事で口臭に結び付くんですか?そうですねうみが喉の奥の方にたれてきてそれを口の中の細菌が分解する事によって口臭ガスが発生してやはり口から臭いが出てくるそういう事が口臭発生の原因として考えられます。
でもそもそも自分の口臭がほかの人に不快と感じているかどうかよく本当に私などもハ〜ッと息をかけてみたりするんですが本当にそれどうやって判断をしたらいいのかと思うんですがどうなんでしょうか?口臭があるかないか自分で判定するのは非常に難しいんですね。
それは嗅覚鼻で感じる臭いというのは自分の臭いというのは自分ではなかなか判定できない。
鼻が慣れてしまうからなんですね。
自分の臭いにね。
ですから口臭の診断・検査をきちんと受けるには病院で口臭測定機械を使って数値で口臭の値を出したりそれから官能検査っていうんですけれども医師の鼻で臭いをかいで臭いがあるかないかを判定してもらうそういう事が必要になります。
またお口の中歯周病などがあるかどうか見る事それから生活習慣がきちんと食事をとっているかとかそういった毎日の生活習慣を調べるために問診をするという事も診断・検査のために必要になります。
こういう検査を受けたいとした場合注意するような点は何かあるんでしょうか?臭いが一番強くなるのは起床時朝起きた時なので朝起きた時の一番高い状態で測定した方がいいので検査の場合朝ごはんを食べずに来てもらう。
それから歯磨きやうがいをしないで来院してもらうという事を患者さんにお願いしてます。
はい。
こういう検査というのは受けたいと思ったらどこに行ったらいいのかと思うんですがどこで受けられるんですか?まだ口臭検査の機器全ての歯科医院にある訳ではありませんので大学病院の口臭専門外来などではこういった機械また官能検査などで口臭の測定を行ってくれる所があります。
やはり臭いが気になって自分だけで心配している人がいますのでまずは身近な掛かりつけの歯医者さんでご相談してみるといいかと思います。
では病気が原因の口臭の場合その治療としてはどう考えたらいいですか?やはり原因を取り除くという事で歯周病が原因の場合は歯周病の治療を受けると同時に自分できちんと歯を磨いて汚れをとるその場合歯ブラシだけではなくて歯間ブラシとかデンタルフロスを使って歯と歯の間のお掃除をする事も大事です。
それから唾液が少ないそういう場合にはよくかんでお食事をとって唾液を出すようにする事。
それから舌に汚れがついている場合はブラシによってケアをするきれいにお掃除するって事が大切になります。
舌苔の汚れはそうすると…。
絶対とらなくてはいけませんね。
今日ブラシをお持ち頂いてるんですね。
いろんな形がありますね。
それぞれブラシ毛が生えていてそれでこすりとるという事がよくとれる条件になっております。
触ってみますと軟らかいんですねすごく。
舌はとてもデリケートな組織粘膜でできてますのであんまり硬いのでゴシゴシやってしまうと傷つけてしまいますから軟らかいブラシで磨く事が必要になります。
はい。
例えば家にある歯ブラシなどではどうですか?大人用ではなくて…。
子ども用の小さい歯ブラシを使って軟らかいので磨いた方がとれやすいと思います汚れは。
軟らかいという事ですね。
そうです。
使い方ですけれども使った事ないんですけどどんなふうにして?ちょっとこの絵を見て下さい。
まず舌苔がついているかどうかを鏡で確認してこういうふうに白っぽい黄色っぽい汚れがついてた場合にブラシを使いまして奥の方から前の方に動かして下さい。
前から奥の方に磨くのではなくて奥の方から前の方にそ〜っとこすりとるような形で落として下さい。
あんまり奥まで入れるとおう吐反射が出てしまいますので少し息をクッと磨く時は止める事。
それからお水でぬらすだけで構いませんので…。
歯磨き粉みたいのは?つけなくて構いません。
それからできるだけ奥の方が非常についていますので奥の方をちょっと念入りに。
喉に近い所の方が。
…で前なんですね。
念入りに磨いてほしいと思います。
ゆっくりというのはこういう感じに…もっとゆっく〜りなんでしょうか?しっかり汚れがとれてる事を目で見てとれたって事を確認して頂ければいいかと思います。
目で見えるほどとれるもんですか?とれます。
じゃあ効果はどうでしょうか?教えて下さい。
この患者さんですがケアをした前と後の写真ですけども本人が磨いただけでここまできれいになりますので。
それは何回も磨かなくてという事ですか?ちょっと鏡を見て10分ぐらい磨いてもらいましたけどその日のうちにここまできれいになります。
へえ〜そうするとこの舌苔をとれば口臭としてはどれぐらい減るんですか?かなり20分の1ぐらいまでこの方の場合は減りました。
劇的に少なくなったという事で非常に喜んで帰られました。
へえ〜。
磨き方といいましょうか回数ですけどね歯は本当に毎食後磨きますけども舌を磨くのはこれはどの程度磨いたらいいんですか?歯は一日3回磨いた方がいいですけども舌は3回は磨き過ぎになりますので一日1回で十分です。
特に朝起きた時が一番高いので朝起きた時朝ごはんの前に舌はきれいに磨いた方がいいと思います。
ケアをするって事が大事です。
食後磨く習慣がありますけども舌は食べる前の方が?その方が比較してみてきれいな舌で食べた方がきっと味もおいしく食べられると思います。
今日はいろいろ伺って舌苔をとる事も含めて口臭が気になる時自分でできる事があるという事ですよね。
はいそうですね。
やはり自分でお口のケアをする。
そして舌をきれいにする。
それから歯周病に気を付ける。
それからよくものをかんで食べる。
そういう事に気を付ける事で口臭の心配はなくなります。
やはり患者さんも来る前と後とで非常に…。
表情も違うと。
はいそうです。
喜んで帰られます。
今日はどうもありがとうございました。
「口臭が気になるとき」をテーマでお伝えしました。
ありがとうございました。
2016/01/06(水) 13:35〜13:50
NHKEテレ1大阪
きょうの健康「口臭が気になるとき」[解][字]

他人が不快と感じるほど口臭が強いときは、舌の汚れ・歯周病・唾液の減少など、口の中に何らかの原因がある場合が多い。自分でできる正しい舌の汚れのケア方法なども紹介。

詳細情報
番組内容
他人が不快と感じるほど口臭が強くなるときは「舌の汚れ」「歯周病」「唾液の減少」など、口の中に原因があるかもしれない。舌や口内の汚れには細菌が多く含まれているため、臭いの元となるガスが発生する。さらにそこへ歯周病菌が結びつくとより臭いが強まる。また、殺菌作用のある唾液がドライマウスなどが原因で減少していると、口内の洗浄が不十分になり、口臭レベルが高いままになる。自分でできる対処法なども紹介する。
出演者
【講師】東京医科歯科大学大学院教授…川口陽子,【キャスター】桜井洋子

ジャンル :
情報/ワイドショー – 健康・医療
福祉 – 高齢者
趣味/教育 – 生涯教育・資格

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
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