ららら♪クラシック「楽器特集 トランペット〜華やかさを追い続けて〜」 2016.01.07


「ららら♪クラシック」今回は楽器特集。
トランペットをご紹介します。
高貴で華やかな音色を持つトランペットはまさに…その輝かしい音色で聴く人の心を捉えて離さないトランペット。
かつては儀式や戦場でも大活躍!いつの時代も注目を集める楽器でした。
しかしある時期ライバル楽器の登場でトランペットは存亡の危機に直面します。
いくつもの危機を乗り越えいかにしてトランペットはその輝きを取り戻したのか。
今日はトランペットの歴史魅力にとことん迫ります!
(「ウィリアム・テル序曲」)
(一同)おお〜!
(拍手)いやあかっこいいですね。
なんかオープニング決まりましたね。
やっぱり花形ですね。
ほんとですね。
「ららら♪クラシック」今日は楽器特集です。
金管楽器の花形トランペットを特集します。
今日のゲストをご紹介しましょう。
三倉茉奈さんです。
(一同)よろしくお願いします。
演奏いかがでしたか?すてきですね。
なんか一気に目の前が明るくなるというか気持ちも明るくなる音ですよね。
演奏して頂いたのはトランペット奏者の斎藤秀範さんです。
すてきな演奏ありがとうございました。
また後ほどいろいろと教えて頂きたいと思います。
よろしくお願いします。
茉奈さんは実はトランペット経験者という事なんですが。
そうなんです。
そうなんですか。
やっぱり音も華やかですし吹奏楽部でみんなで演奏しててもトランペットの音って目立つんですよ。
やっぱりこう吹き口というか音が出る部分が前に向いてるっていうのもありますしでも私はあんまり目立ちたがり屋さんじゃないし演奏もあまり自信がなかったのでいつもトランペットをこう吹くべきをこう吹いてていつもこう…音をあんまり知られたくないと思ってだから先生にもっと上向け上向けっていつも怒られてましたね。
さあここで「ららら♪クイズ」。
どれかが正解なんですよね。
だってどれもものすごく古いですよね。
そんなに前からトランペットあったんですか?そうなんです。
一体どの辺りからトランペットが関わってきたのか。
国もさまざまですからね。
そうですね。
ツタンカーメンの絵でこういうものをこう吹いてるような…。
あれトランペットですか?でも形違うか?1922年エジプトでイギリスの考古学者が世紀の大発見をしました。
それは古代エジプトの王…3,000年以上前に使われていた装飾品の数々も発見されました。
その中になんと2本のトランペットがあったのです。
見た感じ今のトランペットとは形が大きく違いますよね。
どんな音がするんでしょうか?貴重な音源が残されています。
3,000年以上前から存在していた事が分かったトランペット。
その歴史をたどっていくと意外な役割を担っていた事が分かりました。
例えば…「合図」としてのトランペットは特に戦場で活躍しました。
戦のシーンを描いた絵画には剣を持つ人の他にトランペットを構える人の姿が描かれています。
トランペットは軍隊を統率するために用いられ音そのものも敵を威圧する効果があったと言われています。
その管の部分に堂々と旗を掲げているようにトランペットはその存在自体が徐々に特別なものとなっていきます。
やがて王様たちはトランペットを権力の象徴として使い始めるのです。
イングランドの国王チャールズ2世は16人ポルトガルのジョアン5世は20人神聖ローマ帝国ルドルフ2世は27人ものトランペット奏者を従えていました。
次第にトランペット奏者は宮廷の中でさまざまな職務を担うようになります。
王様が食事をする時また王様が民衆の前に登場する時にはいつもトランペット奏者が音を奏でました。
今でもその名残を見る事ができます。
国を挙げての儀式などではトランペット奏者による華やかなファンファーレを聴く事ができますよね。
はい茉奈さん見事正解でした。
当たってましたね。
おめでとうございます。
でもあれがトランペットなんですね。
全然形が違うのに。
音色もね貴重な音源でしたけれども昔はこのように権力の象徴だったトランペットなんですがその当時使われていたトランペットは形も音もね今のトランペットとは違うんですね。
先ほど演奏して頂きましたトランペット奏者の斎藤秀範さんにお持ち頂きました。
斎藤さんよろしくお願いいたします。
(一同)よろしくお願いします。
これは何という楽器ですか?音を変える装置がない自然な状態のままのトランペット。
確かに。
私がよく知ってる普通のトランペットはこういうピストンというか3つ押す所がついてますけど。
全くただの管とこういうベルがついてるだけ。
すっきりしてますけど…そうですね。
今使ってらっしゃる…
(三倉)へえ〜!そうですね。
構え方があの…。
こうじゃなくて片手で持って腰に手を当てて。
え〜!ほんとですか!?ほんとです。
いやいや違います。
ほんとです。
お風呂屋さんでコーヒー牛乳飲む時の格好ですね。
一緒です。
決まってたんですか?そうするように。
これも諸説あるんですけども馬上で…馬の上でこういうふうに持ちながら手綱を引きながらっていう事もあったと思うんでだんだんそれが形式化してトランペットとはこうあるべきだというふうな事が決まっていって多分こういうふうになっていったんだろうと思います。
音聴かせて頂けますか?はい。
おお〜!そうなんです。
だから音階が全部はないんですね。
歯抜けになってるというか。
そうですね。
ここでナチュラル・トランペットの特徴というのを一つずつ押さえておきたいと思います。
1つ目はね管が長いという事でしたけれども2つ目がこちらです。
…という事でね茉奈さんさすがでしたね。
歯抜けになっているという部分がありましたけれども何も装置がついていないのでこのような…。
そうですね。
もうまさに歯抜け。
最初はドソド。
今度はその上に行くとこのドとソの間にミが出てきてシのフラットが出てきて今度ドミソ…ドミソシドというのが出てきたらこの間にレが出てきて何とも言えないファが出てきて何とも言えないラが出てきてっていうふうに何となく音階が出てくるんですね。
その限られた音しか出ないんですがバロック時代にバッハやヘンデルは名曲を残していますよね。
はい。
ナチュラル・トランペットで演奏された映像がありますので少しですがご覧下さい。
へえ〜!ほんとにみんなでこうでしたね。
片手で。
でもやっぱり華やかというか音が明るいですね。
そうですね。
さあここで3つ目のポイントを見ていきたいと思います。
これは管の長さが今の倍という事なので遠くへ息を吹き込んでいくという作業が大変なわけですもんね。
だから非常に難しいんです。
外した事のない外し方をするんですよ。
え〜!ほんと嫌になっちゃう時が…。
本番怖いですね。
本番もうほんとにドキドキですね。
ここでトランペット経験者の茉奈さんに…先生持ち方はこういう形?スタイル?そうだそうだ。
そんな感じで大丈夫です。
こういうような…包むように。
さまになってますよ。
(笑い声)いきます。
あっ!すごい!上が出ないですね。
やっぱり息が…。
そうかもしれないですね。
細い息が届かないんですかね。
でもちゃんと音が出てるから立派なもんですよね。
いやいやいや…。
楽しい〜!ほんとですか?ナチュラル・トランペットやりたくなりました?でも難しそうですね。
王様の下権威の象徴として華々しく活躍した…演奏には極めて高い技術が必要とされました。
トランペット奏者たちは唇を絶妙に駆使して音を巧みに操りました。
また「ギルド」と呼ばれる組合を作りその演奏技術を門外不出にしたのです。
そんなトランペットの黄金時代にバッハやヘンデルなど当時を代表する作曲家たちはトランペットのための曲を書きました。
(砲撃音)しかし18世紀後半以降各地で起きた市民革命により王侯貴族が支配する社会が崩壊。
これまで宮廷に抱えられていたトランペット奏者たちは職を失ってしまいます。
一方でトランペットそのものは自由の身を手に入れる事になります。
宮廷では加工を許されなかったトランペットを奏者たちはさまざまな音楽に対応できるように改良し始めるのです。
いろいろな転調に対応できるようにしたもの。
半音階に対応できるようにしたもの。
バルブと呼ばれる装置を備えあらゆる音を出せるようにしたもの。
実にさまざまなトランペットが開発されていきました。
ただ改良をしていく中で守り続けていたものもありました。
管の長さです。
それは伝統の音色へのこだわりでもありました。
トランペットらしいと言ったらいいですかね。
高貴なというか。
もっと言えば…しかしこの長い管は正しい音程を正確に吹く事が難しくナチュラル・トランペットの時代から奏者を悩ませてきました。
そんな中管の長さがトランペットのほぼ半分の楽器コルネットが登場します。
短い管にバルブを装着する事で容易に正確な音程を奏でる事ができました。
1830年代にコルネットが登場して以降フランスをはじめいくつかの国ではコルネットがトランペットの役割を担うほどになります。
トランペットは金管楽器の花形の座を奪われてしまうのです。
存亡の危機に直面したトランペット。
ようやく長い管を捨て演奏しやすい短い管を導入するのです。
これが現在主流の短管トランペットです。
まろやかで優美な音色のコルネットに対して高貴で歯切れの良い音色がこの短管トランペットの特徴でした。
管弦楽の魔術師ラヴェルは短管トランペットの特徴を存分に発揮させる名曲を書きました。
他にも名だたる作曲家がこの華やかな響きを生かし数々の曲を世に送り出していきました。
今やトランペットは再び金管楽器の花形としての地位を取り戻しました。
ナチュラル・トランペットから短管トランペットに至るまで存亡の危機を乗り越えてきたトランペット。
その音色は今もなお人々の魂を揺さぶり続けているのです。
う〜んよかったです!トランペットがまた脚光を浴びるようになって。
まさかの存続の危機なんて知らなかったです。
でもすごい歴史があったんですね。
VTRにもありましたようにトランペットいろいろな改良を経て今日があるという事でスタジオに今日はですね斎藤さんにさまざまなトランペットをお持ち頂きました。
ここでトランペットの数々を時代を追いながらその音色と共に見ていきましょう!まずは…管をつけ替える事でいろいろな調に対応できるようになりました。
これをつける事によってちょっと長くなっていくんですね。
(斎藤)例えばこれだと…。
…っていう感じですね。
これで例えば少し長い管になった。
そうすると…。

(三倉)ちょっとキーが低く…。
下がりましたね。
でもインヴェンションって発明ですもんね。
これ画期的だったんでしょうね。
そうですね。
そういった意味でかなり画期的だった。
続いてキー・トランペット。
キーの操作で管に開けられた穴を開閉し半音階を出せるようになりました。
ナチュラル・トランペットと同じですね。
一応右手で持つ。
なのでおのずとキーの操作も左手になるわけです。
でもだんだんトランペットに近づいてきましたね。
そうなんですよ。
もう画期的ですよね。
続いて…バルブを操作する事であらゆる音を自在に出せるようになりました。
これが現在でいう長管トランペット。
長い管のトランペットと言われていてバルブがついてるわけですね。
今現在とほぼ同じ形になってきました。
(三倉)ほんとだ。
右手で押せるようになったんですね。
管を通る空気の流れを操作するバルブ。
主にロータリーバルブとピストンバルブの2種類があります。
どんな仕組みになっているんでしょうか?空気の通り道が変わるというのがどういう事かというとこのイラストのようにねもともとはこのように上の方を通っていたんですがバルブを押す事でここがクルッと回転してこのようにう回する感じなんですよ。
ハイテクですね。
長くなるわけですね。
その分音が変わるという仕組みなんですよね。

(斎藤)音域がかなり広いかなりふくよかな音がする楽器なんですね。
さあここまでがその長管トランペットの…。
まあ長い管でいるわけですよね。
そうですね。
それをこの…
(斎藤)そうですね。
(三倉)質問なんですけど…そうですね。
ご先祖様をたどっていくとコルネットっていうのは郵便馬車の配達の時にその郵便を知らせるポストホルンにこういうピストンとかバルブ機能をつけたのがコルネットなんですね。
どっちかっていうとホルン寄りのところからやってきた。
はい。
せっかくですからコルネットとトランペット吹き比べて頂きましょうか。
楽しみですね。
おお〜!すばらしいね。
続いてトランペット。
おお〜!なるほど。
フワッとしてますね。
優しいというか。
作曲家としては全く違うものとして書くんですか?そうですね。
印象が全然違いますので音の。
なので例えば同じ男性すてきな…若い頃はトランペットで書いてちょっとこうロマンスグレーの…あ〜分かりました。
違う?
(三倉)ああ〜確かに。
でもそういうキャラクターの違いというのがありますよね。
はい。
でも吹きやすさという意味ではどうなんでしょうか?その当時の長いものからすると格段に安定性が増したので操作性もそうですし非常に吹きやすくはなったと思いますね。
そして最後になりますけれどもより軽やかな音色を演奏しやすいように改良されたのがお隣のトランペット。
(三倉)かわいいですね!ちっちゃいですね。
現在普通に使われてるトランペットの半分になったわけですね。
なんでこの楽器が出来たかというと…この時代バロック時代の高音域を表現するためにこれだけ年数をかかってやっと出てきた。
そうですね。
やっぱり形は変えていってはいましたけど…
(斎藤)形が短くなっても昔の長い音その曲で求められてるものをくみ取りながらそれを大事にしながら発展していったんじゃないかなと思いますね。
さあという事でですね最後に茉奈さん斎藤さんに演奏をして頂きたいと思うんですけれども。
楽しみですね。
何の曲ですか?トランペット奏者の中では有名なレパートリーなんですけど…昔作られた曲ですのでそのナチュラル・トランペット。
こちらと。
そのナチュラル・トランペットのものを今でやるとしたらピッコロ・トランペットなのでこのピッコロ・トランペット。
両方使って演奏してみたいと。
300年前の音と20世紀の音で。
その共演という事になるわけですね。
ぜいたくですね。
ではチェンバロとトランペットの組み合わせでお聴き頂きましょう。
「トランペット・ヴォランタリー」です。
どうぞ。

(拍手)
(三倉)わあ〜!すてきですね〜!やっぱりナチュラル・トランペットのナチュラル・トランペットだからこその独特のニュアンスというかちょっとかすれ具合とかもなんかすごく色っぽいですし自分が吹いてみてすごい難しいのが分かったのであの演奏はものすごくテクニックが要るだろうなと感動しました。
そして改めてピッコロ・トランペットの軽やかさというのもね曲の中で聴くから…。
音色がやっぱり全然違うというのが分かりましたよね。
楽器持ち替えて演奏なさいましたけどその間にこうやって300年の時間があると思うと感慨深いものがありますよね。
そうですよね。
いやあ知らなかったですね。
吹奏楽部に入ってトランペットを吹いてたとはいえ私は全然何も知らなかったんだなと改めてもうちょっとトランペット吹かなきゃなと。
やっぱり眠ってる時間も多かったのでおうちで。
もうちょっと吹きたくなりました。
是非今度は一曲通して…。
いやいやいや!「ららら♪クラシック」今日はこの辺で。
2016/01/07(木) 10:25〜10:55
NHKEテレ1大阪
ららら♪クラシック「楽器特集 トランペット〜華やかさを追い続けて〜」[字][再]

今回は楽器特集!金管楽器の花形トランペットをご紹介!3000年以上前のトランペットの音色とは!?スタジオには様々な形をしたトランペットが大集合!ゲストは三倉茉奈

詳細情報
番組内容
今回は楽器特集!金管楽器の花形トランペットをご紹介!華やかで高貴なその音色の魅力を徹底解剖!3000年以上前のトランペットの音色とは!?栄光の時代から存亡の危機!トランペットの波瀾万丈な人生とは?スタジオにはさまざまな形をしたトランペットが大集合!ゲストは中学・高校と吹奏楽部でトランペットを担当した女優の三倉茉奈。ダイアナ妃も愛したトランペットのあの名曲を300年の時空を超えた特別アレンジで演奏!
出演者
【ゲスト】三倉茉奈,【出演】トランペット奏者…斎藤秀範,チェンバロ奏者…水永牧子,音楽評論家…佐伯茂樹,【司会】石田衣良,加羽沢美濃,【語り】服部伴蔵門

ジャンル :
音楽 – クラシック・オペラ
趣味/教育 – 音楽・美術・工芸
ドキュメンタリー/教養 – カルチャー・伝統文化

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

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