(あさ)ああ…ドキドキする。
(新次郎)わてもだす。
ん?旦那様どないかしはったんだすか?それがなぁ神田屋さんのとこで占せんべいもろて食べてみたらほれ見てみぃな。
「女難の恐れあり」て出てしもた。
あれま。
楽しそうだすこと。
楽しそうやあれへんで。
…であさはどないしましたんや?いいやうちは…ふゆや亀助さんの事考えてたら胸がドキドキするんだす。
ほらうちは小さい頃から旦那様という許嫁さんがいてはりましたやろ?ああ。
それでそのままお嫁に来て。
せやさかいこう…誰かを思て身を焦がすようなそないな思いをいっぺんもした事があれへんのだす。
ふ〜ん。
一体どないな気持ちなんやろてそないな事考え始めたら胸がドキドキしてしもて…!あ〜無性にお姉ちゃんとしゃべりたい。
そうかいなそうかいな。
そら楽しそうだすこと。
旦那様はありますか?そないな思いしはった事。
そらあるわ。
(大声で)ふ〜ん!そないだすか。
「家中に争事あり」…あれま!・「朝の空を見上げて」・「今日という一日が」・「笑顔でいられるように」・「そっとお願いした」・「時には雨も降って」・「涙も溢れるけど」・「思い通りにならない日は」・「明日頑張ろう」・「ずっと見てる夢は」・「私がもう一人いて」・「やりたいこと好きなように」・「自由にできる夢」・「人生は紙飛行機」・「願い乗せて飛んで行くよ」・「風の中を力の限り」・「さあ心のままに」
(三味線)「女難の恐れあり」て…。
(亀助)新次郎さん。
ん?何や珍しりりしい声出して。
ふゆの思い人は…あんさんだす。
何だす「藪から棒に」。
その顔…やっぱりうすうす気付いてはったんだすな。
はぁ?そないな事分かりますかいな。
そら悪いのは人のご亭主に思いを寄せてしもたふゆだす。
わても分かってます。
そやけどふゆはそないどないにもならへん気持ちに長い事蓋して耐えてきたんだす。
うん。
そやのにこのまま思い残して好きでもあらへん男のとこに嫁ぐいうのは後悔するんやないかて。
けどやでそれでわてにどないせえいうんだす?そら…いっぺんでええさかい最後の思い出にどっか連れてったっとくなはれ。
ほう。
どっかってどこだす?そないな事わてには分かれしまへん。
それこそ新次郎さんのおはこだっしゃろが!はぁ?何怒ってますのや。
それでわてにどっか連れていってどないせえいう…。
それかてわてになんか分かれしまへん!そんなもん話聞いてあげるなり甘いもん食べさしてあげるなり新次郎さんの好きにしたらよろしがな!好きにしたらよろしがな!もう!はぁ?
(障子が閉まる音)何でわてが怒られなあかんのや…。
(ため息)
(ふゆ)あ〜お千代様。
遊んだらあきまへん。
これは高価なものなんだす。
うちこれ着てお嫁に行きますのやで。
お千代様は大きなったらどないなお方のお嫁さんになりはりますのやろな?どうか思うお方と一緒になられますように…。
あ…新次郎様。
おふゆちゃんちょっと行こか。
はれ?旦那様は?
(弥七)えらい前にふらっと出ていきはりましたけど。
そうだすか。
回想見てみぃな。
「女難の恐れあり」て出てしもた。
そうだすか…。
そうだす…。
(笑い声)あ〜楽しかった!そうか?わても久しぶりに子ども相撲見たんやけどみんな思てたより強おましたなぁ。
新次郎様も小さい頃はあの神社でお相撲取ってはったんだすか?いっぺんだけな。
いっぺん初めて出た時にこないよう肥えたやつにポ〜ンて投げ飛ばされてしもてそれ以来「わては金輪際相撲は取らへん」てこない決めましたんや。
ハハハ!面白おますなぁ。
そうか面白いか。
今日はよう笑いました。
こないに笑たん初めてだす。
そうか。
それやったらよかった。
嫁入り前の若い娘に裸の男ばっかりぎょうさん見せるのもどないか思たんやけどなぁ。
実はうち子どもの頃男の方苦手やったんだす。
へ?小ちゃい頃から父が母や姉たちに手ぇ上げたりひどい事言うてんのをいつも見てましたさかい…。
そやけど奉公に出てからは男の方いうのがうちの思うような勝手気ままな乱暴者ばっかりやあれへんのやてようよう気ぃ付いたんだす。
加野屋に来てからはなおさらだす。
回想おふゆちゃんは頑張り屋さんやな。
ご苦労さん。
お父ちゃんもお母ちゃんもご無事でよかったがな。
うちみたいな取り柄もないおなごまでほんまにようしてくれはって幸せだした。
はれ?こら寒いはずや。
さあさお土産でも買うて帰りまひょか。
新次郎様。
もうちょっとだけ…もうちょっとだけでええさかい一緒にいて頂けまへんか?ふゆちゃん。
(美和)おいでやす…あら。
加野屋の若奥様。
こんにちは。
あの…。
新次郎様やったら今日は来てはらしまへんのやけど…。
そうだすか。
へぇ。
失礼致しました。
やぁお帰りになってしまいはりますのか?冷えてきましたよってちょっとゆっくりしていってくれはったらよろしいのに。
どうぞ!そやけどここはおなご一人でも来てもええお店なんだすか?へぇもちろんだす。
男もおなごもお客様に変わりあらしまへん。
そうだすか。
その割には…男はんばっかりみたいだすけどなぁ。
へぇ…それが悩みだす。
ん?うん!おいしおますなぁ。
ほんまだすか?へぇ!お師匠さんも一緒にどないだす?まあうれしいこと。
へ?うち…ほんま女友達がいてまへんよって女の方とお茶飲むいうたらそれだけでドキドキしてしまいますのや。
あ…うちもだす。
うちもお姉ちゃんがいてた時は何でもようしゃべってたんだすけど和歌山に行ってしもてからはおなごはんとしゃべるいうのがほんまにもう減ってしもて…。
あっうめがいましたわ。
いや…そやけどうめには怒られてばっかりで友達とは違うみたいやし。
そうだすのんか。
そやけどお師匠さんみたいな人づきあいのええお方でもドキドキするやなんて事ありますのやなぁ。
お師匠さん言うのやめとくなはれ。
どうぞこれからは美和と呼んどくれやす。
美和!?へぇ。
そ…そうだすか。
ほんならうちの事はあさと。
あさ。
(笑い声)あささん。
美和さん。
(笑い声)
(一同)お帰りやす。
亀助。
へぇ。
高麗橋の角の茶屋までこれ持ってき。
はい?ええさかい早!へぇ…。
ほれほれ…ちゃっちゃと!へぇ。
へ?亀助さん?
(泣き声)おふゆちゃん。
番頭さん。
どないしたんや?何がありましたんや?新次郎様に言われてしまいました。
回想おあさ様が羨ましいていつも思ておりました。
うちみたいなんではあかんのやて分かってますのやけどそれでもお妾さんでええよっておそばにいてられたら…。
ふゆ!ええか?こないな事したら自分を傷つけるだけだす。
それからなぁ…。
「うちなんか」いう口癖ももうやめなはれ。
金輪際自分を卑下したらあかん。
Dia2016/01/07(木) 12:45〜13:00
NHK総合1・神戸
連続テレビ小説 あさが来た(82)「新春、恋心のゆくえ」[解][字][デ][再]
新次郎(玉木宏)は、ふゆ(清原果耶)を心配に思い話をすると…。ふゆを想(おも)う亀助(三宅弘城)の行動が大きな問題を巻き起こすことになる…。
詳細情報
番組内容
ふゆ(清原果耶)と亀助(三宅弘城)の恋のゆくえを考えると、胸がドキドキするあさ(波瑠)。ふゆを心配する新次郎(玉木宏)は、ふゆを勇気づけようとすると、突然ふゆは…。一方、あさが美和(野々すみ花)のレストランを訪れると、ひょんなことから意気投合して…。亀助は、ふゆに襟巻きを届けると、ふゆは亀助にすがり泣きだし…。するとある日、ふゆの父、彦三郎(上杉祥三)が血相を変えて加野屋にやってくる。
出演者
【出演】波瑠,玉木宏,三宅弘城,野々すみ花,清原果耶,上杉祥三,竹下健人,【語り】杉浦圭子
原作・脚本
【作】大森美香
ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
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日本語(解説)
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