「グレートネイチャー」。
今回は南半球オーストラリア最南端の島タスマニアです。
出会ったのは世界でただ一つしかない赤い海。
そしてそこで生きる異形の生き物たち。
取材班が出会ったのは…。
うわ〜これか〜。
いにしえの神秘を伝えるタスマニア原生地域。
その真実に迫ります。
日本からおよそ8,700キロ。
オーストラリア最南端タスマニアです。
島西部の原生地域には10億年前の地形などさまざまな不思議が残されています。
その極め付きがバサースト湾です。
タスマニアの州都ホバートから船でおよそ150キロ。
狭い水路の奥に見えてきたのがバサースト湾です。
あれ?水の色が何だか変ですよ。
海の中をじかに見てみましょう。
随分暗い海…と思っていたらなんと水の色が真っ赤!水中から見上げる太陽も赤く光っています。
実はバサースト湾世界でここだけという赤い海なのです。
まるでワインの中にいるみたいですね。
3メートルの深さまで潜るとどういう訳か辺り一面真っ暗。
赤く輝いていた太陽はもう見えません。
深さ4メートルを超えた時突然周囲にもやがかかりました。
そしてもやを抜けるともう赤い色はどこにもありません。
この海は一体どうなっているのでしょう。
深さ7メートルの海底です。
小さなサンゴの間に何やらえたいの知れない物体が。
巨大タツノオトシゴ?実はヒトデの仲間…長い腕は餌を捕るのに便利なんですって。
そしてこちらはスプーン型の口元が特徴の…通常深さ200メートル辺りに生息している深海魚です。
暗い海が深海の生き物たちを引き寄せたのです。
バサースト湾に注ぐ川の上流にはタンニンを多く含む草が大量に生い茂っています。
川を通じて流れ込んだタンニンが海水の表面に厚い層をつくりました。
赤い水は太陽の光を吸収してしまいます。
そのためここは暗い海を好む深海生物の独壇場となったのです。
不思議の海バサーストは数奇な巡り合わせによって生まれた奇跡の海なのです。
番組後半ではタスマニアに残る10億年前の大地に迫ります。
「グレートネイチャー」。
タスマニア原生地域にはこの地が南極から分かれた当時の面影が残されています。
取材班は地元のネイチャーガイドと共にその最深部を目指します。
原生地域の道はぬかるみだらけ。
タスマニア西部には巨大な湿地が広がっているためです。
すねまでつかるぬかるみは容赦なく体力を奪ってゆきます。
荒れ地と闘いながら進んでゆくと驚きの出会いが待っていました。
目の前に現れたこけむした森。
2億年前の姿を今に残す太古の森冷温帯雨林です。
温帯でも気温が低めで大量の雨が降るので貴重な植物が数多く生息しています。
この南極シダもタスマニア固有の植物で2億年前のゴンドワナ大陸の時代から生き残ってきました。
春を迎えると満開に咲き誇る…南半球でこれほど大きな冷温帯雨林が残っているのはタスマニア西部だけ。
そしてその向こうには…。
あっあれ?あれか!あ〜。
なんと10億年前に形づくられた太古の山…急な岩肌を登る事およそ3時間。
この山はオーストラリアが南極から分かれた頃にできたものでその表面には太古の昔に氷河で削られた跡が残っています。
あれが頂上?あのこうなってるとこ。
あれか!ついに到着。
頂上です。
お〜すごい!数々の不思議をはらむ驚きの大地です。
氷河は硬い岩を削り険しい山と深い谷をつくりました。
壮大な地球の営みがつくり出したタスマニア西部原生地域の全貌です。
私たちを太古の地球へといざなう島タスマニア。
そこは悠久の時をかけた大地と命の物語が語り継がれる島なのです。
2016/01/07(木) 16:05〜16:15
NHK総合1・神戸
グレートネイチャー 10min.「タスマニア・神秘の赤い海」[字]
オーストラリア最南端の島タスマニアには、世界的にも珍しい赤い海や、島が南極から離れた当時の名残を残す岩山や森がある。大自然の神秘を求めて島の原生地域を走破する。
詳細情報
番組内容
オーストラリア最南端の島タスマニア西部の原生地域は、太古の昔にタスマニアが南極大陸から離れた当時の大地の名残を残す貴重な地域だ。10億年前の堆積岩が変性してできた巨大な岩山フレンチマンズキャップの周囲には、太古の昔に繁殖していた樹木の流れを受け継ぐ木々が生い茂り、世界でもここだけという赤い海バサースト湾には、奇怪な姿の深海生物が泳ぎ回る。大自然の神秘を求めてタスマニアの原生地域を走破する。
出演者
【語り】森山春香
ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 自然・動物・環境
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz
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