寒い季節でもこんなにあったかい気分になれるんですね。
(オープニングテーマ)
(吉本雅人)じゃあなともお。
(木下ともお)うう…。
駄目だ…。
帰れねえ。
あっ。
(青戸秀美)どうかしたの?ふ〜ん…なかなかのひどさね。
帰ると親に叱られるから帰れないってわけか。
私のも見る?あっ!オレ以上のひどさ。
でもへっちゃらよ。
学校の勉強で人間が測れるわけないもの。
私は自分の未知の可能性を信じてるから。
それってどういう事?例えばまだやった事ないスポーツとか芸術とかいざやってみたらもしかしてとんでもない才能が自分の中に眠ってるかもしれないでしょう。
そう考えたらテストの点なんて気にならないわ。
心の声
(木下ともお)青戸さんは受験生なんだからテストの点は気にした方がいいと思うけど…。
でもなるほど。
オレに何かとんでもない才能があったら母さんもテストで怒るどころじゃなくなるよな。
スポーツか。
オレがやった事ないスポーツ…。
そもそもそれが思いつかねえ〜!いや待てよ。
新しいスポーツを作ればいいんだ!まずうちに帰ってサッカーボールを持ってきて…。
フン!何やってるんだ?オレが考えたスポーツさ。
ジャンプをいろいろ組み合わせてこうやって…。
へ〜っ面白そうだな。
うん?ジャンプとボール…。
「ジャンプボール」って名付けたらどうだ?ジャンプボールか…。
いいなそれ!
ジャンプボールは瞬く間に世に広がった。
町や学校では次々と専用コートがつくられオリンピックの正式種目になりついにプロチームが作られた。
その功績が認められ発明者である木下ともおは…
あれ?待てよ。
まず「うちに帰ってサッカーボールを…」って部分がいきなり無理じゃないか。
いいとこまでいったのに…。
スポーツが駄目なら芸術だ!・「ドーレーミーファーソーラーシーガーモーニードー」
(菊川みつお)な…何今の?シとドの間に聞いた事もない音が3つも…!ああオレが発見したんだ。
木下ともおが発見した新音階は世界を驚かせた。
新しい音階を組み込んだ曲が続々と発表されさまざまな名曲やヒット曲が生まれた。
第一人者である木下ともおは枝島フィルハーモニーオーケストラとの合同ツアーを開催。
その美しい音色は世界中の人々の心を打った。
その功績が認められて木下ともおは…
駄目だ!笛吹けねえしオレ。
ならば絵で!
(鎌倉景子)うん?アハハハ!下手くそ!うっ…。
天才的な下手くそ!フン!今の世の中じゃまだ理解できないだけだ。
(未来人A)うん?何だこれは。
(未来人B)ああそれはな100年前の人間が描いた絵さ。
捨ててくれ。
ふ〜ん…。
あっ!す…すばらしい!この脇に添えられているのは…ダンゴムシか!
木下ともおの作品は「ダンゴムシ派」として後の画家たちに多大な影響を与えた。
そしてその生誕110年を記念し…
待ってらんねえよ100年も!心の声
(ともお)くそ…。
あと数時間で新しい才能を見つけるのは難しいな。
もっと現実的にうちに帰っても叱られない方法…。
あっ?あっ大佐カード!う〜んラッキー!え?え〜っちょっと何これ?ねえ?フフフフ…。
(誘拐犯)おとなしくしてろよ。
・
(木下哲子)はい木下です。
・
(誘拐犯)おたくのお子さんを預かった。
返してほしかったら100万円用意しろ。
え?う〜んじゃあ50万。
え?いやそれはちょっと…。
じゃあ間をとって…。
ああ分かった。
スイカ1玉用意してもらうぞ。
え?心の声
(ともお)これじゃあ多分状況はまるで変わらなそうだ。
きっちり怒られたうえにスイカも食えなくなるだけ…。
もう夕方か…。
このままじゃ道草食ってた事になって叱られるネタが増えるばかりだ…。
いっそ家出…。
(白衣の男)おや?君はもしやジャンプボールの発明者であり新音階を発見したダンゴムシ派の木下ともお君かね?君ほどの人物が夕飯どきにこんなところで何を…?よして下さい。
もう過去の事。
今のオレはただの家出人です。
家出…?待ちたまえ木下ともお君!君さえよければ私の研究室へ来てほしいんだが…。
教授見て下さい!新種です!新種のダンゴムシです。
大発見だ!
その後も木下ともおは学者としてさまざまな業績を残しついに帰宅を決意したのであった
(リポーター)ええとうとうこの日が来ました。
木下ともお栄光の凱旋帰宅です!ともお立派になって…!ただいま母さん!あの時家出して正解よ。
腹減ったよ母さん…。
はいはい…。
母さん…!
(たたく音)御飯まだ…?叱られてんのに居眠りしてんじゃないよ!
(木下君子)「昔々あるところに貧乏な靴屋さんがいました。
真面目な靴屋さんは朝から晩まで一生懸命働きました。
ある日靴屋さんはくたびれて作りかけの靴を残して眠ってしまいました」。
「靴は高い値段で売れて…」。
あっ!もう寝てやがる。
(いびき)
(哲子)母さん買い物行ってくるからおなかすいたら食べなさい。
うん。
ともおと1つずつね。
いってらっしゃい。
ともお大変よ!出たのよ!何が?妖精よ妖精が出たのよ。
あんたのまんじゅう食べて逃げちゃった。
え〜っ…?怖いわね〜。
妖精って本当にいたんだ…。
(君子)ねえねえこの空き瓶もらってもいい?いいわよ。
やった〜!お砂場遊びで使おうっと。
わ〜い!わ〜い!駄目!これは私の。
ジャンケンなさい。
わ〜い!くっ…!あれ?あれ?あれ?どうしたの?あの瓶がない。
きっと妖精ね。
また妖精か。
何だい?ねえねえ妖精が…。
ハッ!ともお!うん?駄目よ母さんにはないしょ。
何で?だってほら…母さん主婦だから何でも捕まえておかずにしちゃうよ。
別にいいもん。
絵本と違って悪さしかしないし。
ち…違うわ。
いい事もするわよ。
どんな?「どんな」って…。
…っていうかともおは妖精の煮物とか食べたいの?やだ…。
じゃあ母さんには秘密ね。
うう…。
(君子)ともお〜!ほら見てごらん!すげえ虫の折り紙だ!妖精から預かったのよ。
ともおにあげてくれって。
わ〜すげえな!ね?妖精っていい事もしてくれるでしょう?うん!あれ?オレのジュースなくなってる。
妖精が飲んでたよ。
あれ?クレヨンの金色だけすごく減ってる。
妖精ね。
金色大事にしてたのに…。
見て見て妖精が描いてくれた。
(皿の割れる音)あっ姉ちゃんお皿割ってやんの。
シッ!私じゃないの。
妖精よ。
妖精が?母さんに正直に言うわ。
「妖精が割った」って。
え?だ…駄目だよそんな事したら妖精が…。
ええそうね…。
でもしょうがないわ。
そんな…。
ともおが代わりに割った事にしてくれたら妖精の事は母さんに黙っててあげるけど…。
う…。
全くもう…。
ケガなかった?うん…。
フフ…。
心の声
(君子)これからも節目節目で妖精を持ち出して弟をうまく操っていこう。
あっ!プラモが…プラモが!これやったの姉ちゃんだろ!妖精じゃない?昨日あんたの机の上でチラッと見たよ。
畜生またあいつらか!姉ちゃんオレ決めたよ。
妖精を捕まえる。
ともお!あんた…。
いくら何でももう我慢できない。
ちょっと落ち着きなよ。
これが落ち着いてなんかいられるかよ!おやつ食われたりいろいろな物を勝手に使われたり壊されたり!昔はそういういたずらされてもその分うれしい事もしてくれたけど…。
最近は悪さばっかり。
もうずっと奪われ続けてるだけだ!心の声
(君子)まさかこんなにも長い間ばれないとは思ってなかったからそのあとのフォローをやってなかったっけ…。
(ねずみ取りの音)あっ!フッフッフッ…。
まあまあ妖精も気まぐれだからさもうちょっとだけ気長に様子見てもいいんじゃない?それ痛そうだし。
(哲子)ともお風呂入りな。
へ〜い。
あれ?何だこの百円。
ああさっきチラリと妖精見えたよ。
う〜ん…。
あんたへのプレゼントじゃない?フン…。
あれ?うれしくないの?なんかさこういうの妖精らしくないと思って。
うっ!あっ!宿題やってある。
きっと妖精よ。
よかったわね。
助かるけど…やっぱりこういうんじゃないような…妖精のする事って。
あ…。
ただいま〜。
あ〜!ポールのパズル途中までしかやってなかったのに!妖精だねよかったじゃん。
よくねえよ。
作るの楽しみにしてたのに!畜生あいつらめ…。
心の声
(君子)しまった…。
こうなったらあれしかないか…。
え?オレの?この瓶が?そうよ。
覚えてないの?妖精がいたずらして持ってったじゃない。
きっと数年ぶりに返してくれたのよ。
へ〜…。
あんたも私もすごく欲しかったのよこの空き瓶。
う〜ん…。
こうやって砂の山を作ってさ…。
この瓶に白い砂を入れて上から振りかけてリアルな富士山を作ろうと思ってたのに…。
あんたが瓶の事を忘れた頃にこうして使おうと思ってて…。
え?何で姉ちゃんがその瓶持ってたの?え?い…いやと…とにかくねその…持ってたっていうかな…なんて言うのかな…。
(景子の母)景子テーブルに運んでちょうだい。
(景子)は〜い!うん?待てよ。
どっちが多いかな?フ〜…。
指先に全神経を集中して…。
う〜ん…今日は微妙だ。
母さんしっかり分けたな。
いいかげんにしなよ。
どっちも同じよ。
いや絶対どっちか多いはずだ。
もう…。
くっ…微妙だ。
でも確かに4g違うぞ。
ハァ…もうどっちでもいいって。
(葉山より子)景ちゃん読み終わったらその本貸してね。
うんいいよ。
(立花節子)2人とも何してるの?あっ委員長。
景ちゃんから本をね…。
あ〜それ委員長のその本すごくすごく読みたかったやつだ。
ああこれ?ねえねえこれ貸すから貸してくれない?えっ?いいよ。
やった〜!ありがとう。
より子には次貸すから。
うん…。
あの子ったら…。
景子。
あっ景ちゃんちのお母さん。
(2人)こんにちは。
こんにちは。
景子ちょっと出かけるんだけど一緒に来る?そこの喫茶店まで行くんだけど…。
でも駄目よね。
お友達と遊んでるんだし…。
行く行く!じゃあね!いいの?お友達ほったらかして。
いいのいいの。
う〜ん…。
ねえあしたも来ようよ。
え?う〜ん…そうねもし時間があったらね。
やった〜!約束よ。
楽しみ!
(景子の母)目先の欲に釣られてばかりでなんてうちの子って冷たいんだろうって…。
そんな大げさな。
ちょっとテストしてみましょうか。
え?ともお景子ちゃん!はいこれみんなで分けて。
サンキュー。
ありがとう!4枚ずつ?男女とも3人ずつなのに?ええ。
その余った1枚をどうするか。
ゲッ!あ〜…。
フフ…まあともお君だから。
さすがにうちの子はみんなで公平に…。
景子…!あ…。
(テレビ)ねえともお…。
始まったから!30分集中するから話しかけないで。
う…。
イタッ!アイタタ…。
ともお…母さんおなかが痛いんだけど…。
トイレ行けよ。
うんこすりゃ治るって。
あっ大佐!
(景子の母)イタッ!う〜…。
大丈夫?ばんそうこうどこだったっけ?薬箱。
お風呂入るね。
う〜ん…。
け…景子グラスに入れて飲みなさい。
こうやって飲む方がおいしいんだもん。
がめついけど優しい子だと思ってたのに…。
将来どうなっちゃうんでしょう。
そんなに心配するほどの事?私も小学生の時はそうだったよ。
「名を捨てて実を取る」みたいな事かな…。
(景子の母哲子)うん?
(君子)だからといって心が冷たいってわけでもないのよ。
…って言われてもね。
ええ…。
しかたないなあ…。
ともおアメやるから来な。
おおっ!母さんうんこ出た?えっ?昨日腹痛いって言ってたから…。
ええもう平気よ。
そう。
よかったな。
「うんこ」だなんて…あの子ったら…。
心の声
(哲子)ちゃんと心配してくれてたのね…。
(2人)ありがとうございます!
(君子)1個余った場合は受け取った人間がもらっていいって暗黙の了解があるのよ。
おっみつおアメ食えよ!ありがとう!
(君子)でももう一人来たらすかさず渡すというのも暗黙のルール。
こんにちは。
(3人)こんにちは。
捨てたもんじゃないでしょう。
ねえママ今日も行こうよ喫茶店。
ああええ…。
ところでばんそうこうあれから見つかった?ハッ!
(より子)景ちゃ〜ん!あっより子。
これこの間のとあと今月号も貸すね。
わ〜ありがとう!あと今日も遊べないから。
えっ?そうなんだ…。
うん分かった…。
やっぱり今日喫茶店やめた!え?遊ぼう!欲に釣られるのも時と場合によってでちゃんと相手の気持ち読んでるから平気よ。
獣だとばかり思ってたうちの子が成長してたんですね。
ええ立派に!安心しましたわ。
ええ「子は親を映す鏡」。
(笑い声)フ〜…。
(2人)ハッ!わ〜っ!うりゃ〜!
(2人)わ〜っ!
(エンディングテーマ)「団地ともお」お楽しみに!2016/01/07(木) 12:30〜12:55
NHKEテレ1大阪
アニメ 団地ともお・選「トップランナーなど簡単だなともお」ほか[字]
トップランナーなど簡単だなともお/それは誰の仕業だ?ともお/花より団子(だんご)の団地っ子だともお
詳細情報
番組内容
▽「トップランナーなど簡単だなともお」:テストの点数が悪すぎて家に帰れないともお。勉強以外の才能をみつけようとするが…▽「それは誰の仕業だ?ともお」:幼いころに君子から「くつやとようせい」を読んで聞かされたともおは、妖精の存在を信じていたのだが…▽「花より団子(だんご)の団地っ子だともお」:欲につられてばかりのわが子に悩む哲子とケリ子のママ。悩む2人を見た君子がある提案をする。
出演者
【声】三瓶由布子,坂本千夏,牧野由依,田村睦心,武田華,生天目仁美,藤村歩,一杉佳澄,植竹香菜,中嶋ヒロ,箭内仁,中島ヨシキ
原作・脚本
【原作】小田扉,【脚本】山田隆司,土屋理敬,あべ美佳
監督・演出
【監督】渡辺歩
音楽
【音楽】長谷川智樹
ジャンル :
アニメ/特撮 – 国内アニメ
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
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