温かなお年寄り。
どこまで行ってものどかな景色。
そんな地方への移住が今U−29世代の心を捉えています。
ある調査によると都会に住む20代のうちおよそ4割が農村や漁村といった自然豊かな地方への移住を希望しているそうです。
お〜結構いるんですね。
「U−29」にも地方暮らしの魅力にはまった20代がたくさん登場しています。
今回は彼らが見つけた地方の魅力に迫ります。
まず最初は広島県尾道市の濱野まり子さん。
仕事に引かれてたまたまやって来た尾道に今や夢中。
その訳とは?とある畳職人の工房。
濱野さんが受け取ったのは職人さんがはいていたデニムです。
デニムをはいてもらう事が濱野さんの大事なお仕事なんです。
1年前神奈川県から移住してきた濱野さん。
ユーズドデニムの販売員です。
濱野さんのお店では一風変わったユーズドデニムを取り扱っています。
尾道で働くさまざまな職業の人たちに新品のデニムをはいてもらいユーズドデニムに仕上げた商品です。
これまで延べ360人がデニム作りに参加。
職業によってシワや汚れが違うオリジナルのユーズドデニムが出来上がるのです。
商品を売る時はデニムにまつわるストーリーをアピールします。
ベスト・オブ・ひざダメージ・デニム。
どんな人がはいていたかというと…。
(2人)ああ〜。
なるほど。
デニムを通して濱野さんが伝えたいのは働く事のかっこよさ。
値段は4万円ほどもしますがデニムに刻まれた物語に引かれ若い人を中心に人気が出ています。
濱野さんが暮らす尾道市周辺は昔から織物作りが盛んです。
今も繊維関係の工場が数多くありデニムの一大産地となっています。
ONOMICHIDENIMPROJECTはそんな地域の産業を地域の人と共に作っているのです。
このデニム作りに引かれて移住してきた濱野さん。
それを知ったのは偶然でした。
もともとファッション好きだった濱野さん。
かつてはつけまとカラコン命。
流行を追うギャルでした。
しかし短大卒業後は親の勧めもあり安定した大手企業に就職します。
あ〜それですね多分。
働く事に充実感を感じられずにいた日々。
そんな時たまたまテレビで目にしたのがユーズドデニムを市民が作るというニュースでした。
(取材者)衝撃?ユーズドデニム作りのために濱野さんは地元のさまざまな職業の人たちと過ごすようになりました。
思いがけない出会いや発見の毎日です。
どっちでも。
今では仕事を通じて知り合った地元の人たちがプライベートのお世話もしてくれます。
思いがけず見つけた地方暮らしの魅力。
濱野さんこれからどうなるんでしょう?まあでもあれですね。
あっどうやら決まっちゃったようですね。
フフフ。
続いては徳島へ移住した大澤千恵美さん。
お得な事が満載だという移住スタイルを実践中。
実は今都会育ちの若者が田舎に戻らない親世代に代わって祖父母のもとで暮らす孫ターンが注目を集めています。
幼い頃から慣れ親しんでいる祖父母が住む町。
暮らしやすい移住先として田舎暮らしに憧れる若い世代に選ばれているんです。
大阪出身の大澤さんもその一人。
10か月前徳島にいるおばあちゃんのもとへ移住してきました。
こちらが…千恵美さんが孫ターンしたのはひさ子さんのような生活をする事が憧れだったからです。
千恵美さんは2年前看護師として海外ボランティアをしていました。
そこで出会ったのはお金やものがなくても豊かに生きる人々。
そんな人たちに強く引かれました。
本当に豊かな生活とは何かを考えた時自分のそばには何でも自分で作るおばあちゃんの存在がありました。
そんなおばあちゃんの生活を目指して千恵美さん日々修業中です。
千恵美さんの近所にはほかにも孫ターンをしてきた人がいます。
こんにちは。
こんにちは。
井上さん一家です。
井上さんの祖父が住むこの土地に2年前に移住してきました。
自然豊かな田舎で伸び伸びと子育てをしたかったからです。
移住する時孫ターンのおかげで助かった事があるそうです。
へえ〜すごい。
実際千恵美さんも至る所で孫ターン効果を実感しています。
この日訪れたのは祖父母と昔からつきあいのある鮮魚店。
いつもやってません。
いつものようにピシッと…。
移住した当初からひさ子さんとこの孫という事で千恵美さんをかわいがってくれています。
わ〜い!たとえ近づき難い都会の若者であっても誰かの孫と分かればちょっとした親戚感覚。
孫ターンいいですねえ。
これ食べさしたんで。
ほれあんたら。
はいはい…。
スタッフにもこの気配り。
はい。
帰りにはくりのおすそ分けまで。
おじいちゃんおばあちゃんに感謝ですね。
徳島に来て千恵美さんはやりたかった事を実現しました。
それは米作り。
15年ぶりにおばあちゃんの田んぼを復活させました。
稲刈りもおばあちゃんに習います。
どんな時もよき先生となってくれるおばあちゃん。
ジャ〜ン。
千恵美さんが初めて作ったお米。
出来栄えは?千恵美さん孫ターン移住いい感じですね。
最後は山形県の須藤修さん。
偶然の出会いから始めた仕事が教えてくれた地元山形の魅力とは?須藤さんは山形生まれの山形育ち。
こちらが彼がふだん働く作業場。
2階に上がると…古い家具がぎっしり。
これが彼の商売道具なんです。
須藤さんの仕事は…古くなって壊れたり使いづらくなったりした家具をよみがえらせる仕事です。
この日は開業間もないゲストハウスから修理の依頼がありました。
直してほしいと頼まれたのはこの古めかしい椅子です。
作業場に持ち帰った須藤さん。
早速解体して椅子の状態を調べます。
木は年月とともに乾燥し縮んでしまいます。
それが緩みの原因でした。
接合部分の隙間を埋めながら再びパーツを組み直していきます。
数日後。
修理した椅子をお披露目です。
お客さんの希望どおり須藤さんは配色は昔のままに残していました。
更にビニール生地だった座面を布地にする事で温かみも加えました。
地元山形でリペア家具職人の仕事を見つけた須藤さん。
もともとは東京でデザインの仕事がしたいと思っていました。
まずは基礎を学ぼうと地元の美術大学に入学します。
しかしデッサンでも発想力でも周りとの差は歴然。
夢はすぐに打ち砕かれました。
自分にできる事を探してもがいていた大学3年生の時転機が訪れます。
偶然旅先で見つけた魅力的な古い家具の数々。
新品にはない味わい深さがある事に気付いたのです。
ふと地元に目をやるとある事に気が付きました。
それは山形県が江戸時代から続く家具の一大産地だという事です。
木材資源が豊富な事から山形には全国的にも有名な家具メーカーがいくつもあります。
そんな地元の企業の一つで須藤さんは大学在学中に研修を受け家具作りの基礎技術を学びました。
偶然にももう一つの地元の特徴が彼の仕事を後押ししました。
それは蔵の存在です。
山形に今も多く残る蔵には人々が昔から大切に使ってきた古い家具が眠っています。
直せば使いたい人はきっといるはずだと考えたのです。
こうして始めた家具の修理。
手がけるうちに家具一つ一つにも歴史がある事に気付き始めました。
この日修理を頼まれたのは年季が入った子ども用の赤い椅子。
ふ〜ん30年前。
家族みんなで使ってきました。
わあ〜…。
何十年も大切に使われてきた椅子をどう直せばいいか。
分解しながら須藤さんはある事に気が付きました。
30年間使い続ける中でついたたくさんの傷や色の変化。
その一つ一つに家族の歴史がありました。
悩んだのは色合いです。
使い始めの頃は一面真っ赤な色だった子ども用の椅子。
どこまで元の色に戻すのか。
しばらくして塗り始めたのは亜麻仁油という油。
つやが出て使い込むほどに色に深みが出ます。
椅子に残ったこれまでの歴史を大切に残していってほしい。
その思いを込め時を経た今の色合いを残す事にしました。
あえて最低限の修理にとどめた須藤さんの選択。
お客さんの反応は?歴史ある家具の町山形。
そこにある家具一つ一つの物語に向き合う事が須藤さんの仕事です。
今須藤さんは地元の山であるツアーを主催しています。
実際に森を歩き木の特性や物作りについて地元の人と学ぶツアーです。
須藤さんの仕事を後押ししてくれた地元山形。
これからはこの地元の魅力を須藤さんが探していくつもりです。
う〜ん苦い!「地方で生きるU−29スペシャル」いかがでしたか?さまざまな価値や可能性が眠る地方。
その人次第で輝ける場所になるんですね。
番組ではこれからも魅力的なU−29をどんどん紹介していきます。
お楽しみに!2016/01/06(水) 23:25〜23:50
NHKEテレ1大阪
人生デザイン U−29「だから僕らは“地方”で生きる」[字][再]
これまで番組に登場した中から、いきいきと地方での仕事や暮らしを楽しむ3人のU−29を紹介。なぜ彼らは地方で新たなライフスタイルを作り出すことができたのか?
詳細情報
番組内容
今、ある調査によると20代の4割近くが“地方暮らし”に関心があるという。そこで、これまで番組で紹介してきた中から、いきいきと地方での仕事や生活を楽しんでいる3人のU−29を紹介。広島で地方暮らしの豊かさに気づいたユーズドデニム販売員、徳島で“孫ターン”を満喫中の看護師、そして地元・山形の風土を生かした仕事を始めたリペア家具デザイナー。なぜ彼らは地方で新たなライフスタイルを作り出すことができたのか?
出演者
【語り】松坂桃李
ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 社会・時事
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音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz
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