きょうの健康 不整脈 最新情報「心房細動を見逃すな!」 2016.01.06


「きょうの健康」今週は「不整脈最新情報」です。
今日も俳優の黒部進さんがご一緒です。
どうぞよろしくお願い致します。
よろしくお願いしま〜す。
まずラインナップからご紹介します。
今日は3日目になります。
「心房細動を見逃すな!」という事でお話をお伝えします。
黒部さんまさしくその心房細動。
そうなんですよ。
私は心房細動といわれてはや12〜13年たってるんですけど。
どういう形でこう…。
最初はね胸がちょっと不定期に心臓が打つんですよ。
それでおかしいなって…。
そう長くは続かないんですけど一日に何回か特に朝方ありましてねそれでおかしいなと思ってこれ絶対心臓の何かね起きてるなと思ってそれで診察を受けて「心房細動という病名ですよ」って言われたんですよ。
お話は…循環器内科の医師で特に不整脈や心臓病の診断治療がご専門です。
どうぞよろしくお願い致します。
よろしくお願い致します。
心房細動は昨日お話ししました心室細動と同じく速いタイプ頻脈に分類されます。
心房細動は心室細動のように突然死の危険性はないんですけれども黒部さんではこの心房細動があるとある危険な状態が引き起こされる可能性が高まるんですがそれは何だと思いますか?「脳梗塞とか心筋梗塞のリスクが高いよ」と言われていたんですけども。
そのとおりですね。
心房細動があると心不全そして脳梗塞が実は起こりやすくなるんですね。
特にこの心房細動を原因とする脳梗塞非常に重症となってたとえ一命を取り留めたとしてもこういう寝たきりとなってしまう方も多いんですね。
この数字怖い数字ですね。
要するに阻止をしなければって事でしょ。
ほっとけばって事ですよね。
これはきちんと治療すれば予防する事ができます。
今日はそのお話を伺いましょう。
是非。
では心房細動とはどういうものなのかからお話をしたいと思います。
これは心臓の断面のイラストです。
心臓は電気の流れを受けて収縮している訳ですけれども正常では上の部屋から下の部屋へと心電気が流れてこのように心臓は収縮している訳ですね。
ところが心房細動になりますと心房がこのように無秩序に興奮し細かく震えたような状態となるんですね。
なおこの心室に関して言いますとこの無秩序な興奮の全てが下に伝わるんではなくてそのうちの一部例えば1分間に100回以上が伝わってこのように不規則にそして速く収縮するんですね。
従ってこれが長く続いてしまいますと心臓の働きが弱くなって心不全という事になってしまう訳ですね。
そもそもじゃあどうしてこのように心房が無秩序に興奮するようになるか実はこの異常な興奮これはこの左心房に直結しています肺静脈から実は発生してるんですね。
もともとこの肺静脈の中には電気を発生する細胞があるんです。
それが例えば高血圧などで心臓に負担が加わりますとこの異常な興奮が発生するようになってそしてこの無秩序な興奮を引き起こすという訳なんですね。
一番大きな原因はその高血圧ですか?そうですね。
最も多いのは高血圧ですがそういう心臓に負担が加わるような状況あるいは高齢者になると実はその肺静脈からの異常興奮も出やすくなってくる訳ですね。
そういうもろもろのものが一緒になって心房細動が発生してくるという訳だと思いますね。
どういう症状が出てくるんでしょう?実は心房細動は症状が出にくいので実は注意が必要なんです。
出にくいんですか。
心房細動の症状としては脈の乱れ動悸めまいなどがある訳ですが実は半数以上の患者さんは症状を訴えられていないんですね。
ですから心房細動と気付かずに過ごされている方もたくさんいらっしゃるという事なんですね。
また心房細動と分かっていても症状が出にくいあるいは症状がないため放置されている。
治療されていないという方も多いんですね。
脳梗塞はどういうメカニズムで起こるんでしょう。
心房が400回600回非常に速く興奮する訳ですね。
そうするともはや正常の収縮ができなくなってこうけいれんしたような状態。
そうすると心房の中で血液がよどむ。
よどむと血液は固まりやすくなるという性質があります。
すなわち血の塊血栓ができる訳ですね。
実は心臓の中には心耳心臓の耳と書きます。
こういう実は袋状のくぼみがあるんですね。
知ってました?いやいや…知りません。
こういう袋があるとそこに実は血栓ができやすくなってしまうという訳なんですね。
実はこの左心耳このくぼみの部分大体4〜5センチぐらいある訳です。
大きいんですね。
そうです。
そうすると大きい場合例えば2センチぐらいの血栓もできてしまいますね。
それが剥がれて脳の血管を詰まらせてしまう訳ですね。
ではその様子を捉えた映像をご覧下さい。
はいこれは経食道心エコーといいまして食道から心臓を見たものです。
こちらが左心房。
そしてここが左心耳です。
ご覧下さいここに大きい血栓があります。
1センチ掛ける2センチぐらいの大きい血栓ですね。
それが飛べば間違いなく梗塞を起こしますよ。
そうですね。
ではもう一つ映像をご覧下さい。
こちらは頚動脈のエコーです。
こちら側が頭という事になりますね。
いかがですか?細長いのがこうね動いてますね。
先ほどの方とは別の方ですけれどもやはり心臓でできた大きい血栓が剥がれてこの頚動脈ここに飛んでしまって…。
怖いですね。
この映像見ると本当に怖いですよ。
もし首の動脈で血管が詰まってしまいますとどうなるか。
こちらをご覧下さい。
これは脳のCTの画像です。
この黒い部分この部分が実は脳の細胞が死んでしまっている事を示しています。
心臓でできた血栓が飛んでこういうように脳梗塞を起こしてしまいますとこのように脳の半分ぐらいがえ死してしまうというのも実は珍しくないんですよ。
このような重症の脳梗塞ですが実はちゃんと予防もできるんです。
黒部さんは薬で血栓ができないようにするそういう予防をなさっているという事ですのでそのような心配はなさらなくても大丈夫だと思います。
あ〜よかった…。
ただですね自己判断でそのお薬を勝手にやめられないようにして下さい。
それにしても脳以外にその影響というのはどうなんでしょうか。
あるんでしょうか。
脳の血管以外に飛ぶ事もありますね。
例えば腎臓の血管あるいは大腸の血管に飛ぶ事もありますね。
例えば大腸の血管動脈に飛んで詰まらせてしまいますと激しい腹痛あるいは血便が出る事もあります。
この大腸の血管に飛んでしまいますと発見が遅れてしまいますと命に関わる事もあるんですね。
ですから心房細動の人が急に腹痛を訴えた場合はこの大腸の血管に詰まったんではないかという事ですぐに受診されて下さい。
できたら救急車を呼んで頂きたいと思いますね。
心不全も脳梗塞も起こしたくないと思うんですがどういう人がなりやすいとかそういう注意したい人っているんでしょうか。
これは特に注意したい人を示してますがご覧のように高齢。
例えば年齢が60歳ぐらいから心房細動は増えてくるんですね。
更に高血圧これも多いですね。
それから心臓病があるともちろん心房細動起こりやすくなります。
これらも心房細動の引き金になります。
従って心房細動はどなたでもなりやすい。
だからこういう日常生活から気を付けておくという事が大切だと思いますね。
実は心房細動大きく3つのタイプに分けられます。
発作性心房細動これは自然に治まります。
多くは数時間とかあるいは数日以内に治まります。
多分黒部さんはこれに相当するんではないかなと…。
お薬をのんでて7日以内ですか?お薬をのんでもいいですしのまなくてもいいです。
とにかく自然に止まる。
僕は薬をのんで…7日以内何時間で回復するんですから僕の場合は発作性なんですかね?そうですね。
それから持続性心房細動。
これはお薬をのんでいても持続してしまう訳ですね。
一方永続性心房細動になってしまいますと元の正常な拍動にはもう戻らないという事になりますね。
心房細動は多くの場合この発作性心房細動を繰り返しながら次第に止まらなくなって持続性長くなる。
そして最終的には永続性。
こういうようにだんだん進展していくという事が多いようですね。
中にはいきなり永続性心房細動になってしまう方もいる訳です。
では心房細動この3つのタイプでどのタイプが一番症状が強いと思いますか?それは永続性でしょう。
ああ…。
この早期の頃発作性の時が実は一番症状に気付きやすいんですね。
これはどうしてかといいますとそれまで心臓の拍動は正常でした。
これが急に速くなったり乱れたりする。
そういう事で動悸を感じやすいんです。
しかしながら持続性になります。
持続性になっても心房細動は続いてるんですよ。
しかし心室の方が実はたとえ乱れていてでも少しずつ脈拍数が少なくなって頻脈がとれてくるんですね。
そのために症状が弱くなってくるという訳なんですね。
あの動悸ですとかめまいがあった時にはとにかく早く受診をすると。
それがまさしくその必要って事になってきますか?そのとおりですね。
動悸を感じたりあるいは脈の異常があって不整脈かもしれないと思ったらすぐに循環器内科を受診されてここに示す心電図検査を受けて頂きたいというように思いますね。
中心となるのはまず安静時の心電図検査という事になる訳ですけれどもしかし心電図検査をしてみても異常が見つからないという事もあるんです。
これは早期の発作性心房細動の場合がそうですね。
いつも発作が起こっている訳ではないですよね。
黒部さんもそうですね?そうです。
ふだん心電図とっても正常と言われません?そうですそうです。
そのような場合はホルター心電図検査というものを行います。
これは体に心電計を装着して24時間連続して心電図を記録するというタイプです。
これやりました24時間。
2回ぐらいやってますね。
早期の発作性心房細動の方は実は例えば1か月に1回しか起こらないとかなりますと24時間つけてもなかなか分からないですよね。
ですからホルター心電図で全て捕まるという訳ではないんです。
しかし症状が繰り返して起こっているそういう方もいらっしゃいます。
そういう方には症状があった時にこういうものを利用するといいと思います。
心臓の刺激をする機械かしら。
これは実は携帯型の心電計なんです。
これで心電図記録する事ができるんですね。
片手で持ってそして胸に直接あてるんですね。
ですからご自宅で何か異常を感じた時にはこういうように洋服を脱いでそして心電図を記録する訳ですね。
これによって心房細動の発作を捉える事ができるかもしれません。
人によっては手で記録する事もできます。
例えばこういうようにして持ちますね。
こうして両手で持ってここで記録します。
そうするとこうして今僕の心電図がずっと記録されてるんですね。
はあ〜。
こういう形で記録して頂くと診断がつきます。
そうすると治療が開始できるという事になる訳ですね。
僕の場合はね不整脈が起こるのすぐ分かるんですよ。
ここに何か違和感を感じるので心臓に。
あっ…来るなって予感もするんですよね。
恐らくそれは期外収縮がまず先行してその時に何か飛ぶ感じがしそのあと心房細動になるのかもしれませんね。
今日はまさしくご自身の心房細動について詳しく伺いましたけれどもいかがでいらっしゃいましたか?納得ですね。
何か僕がそのまま先生がおっしゃった事僕に当てはまってるんですよね。
そうですよね。
いずれにしても今日本当にその早期発見といいましょうか早く見つける事が非常に大切なんだなと改めて思いました。
そうですね。
心房細動は早い段階で気付いてそして対処すれば例えば血栓ができないように済みますので脳梗塞も予防できます。
また頻脈にならないようにする事で心不全も予防できますね。
そして早期に発見されれば特に発作性の段階で発見されれば心房細動そのものも実は治す事ができるんですね。
このように早期発見早期治療を心がけて頂きたいと思います。
明日はその治療治すという事でお伝えします。
どうもありがとうございました。
(2人)ありがとうございました。
2016/01/06(水) 20:30〜20:45
NHKEテレ1大阪
きょうの健康 不整脈 最新情報「心房細動を見逃すな!」[解][字]

心房細動は自覚症状を感じにくいため、気づかず生活している人や心房細動と診断されたのに放置している人も少なくない。心臓の中にできた血栓の特殊映像などをご紹介。

詳細情報
番組内容
加齢に伴い誰でも発症する可能性がある心房細動。自覚症状を感じにくいため、気づかずに生活している人や、心房細動と診断されたのに放置している人も少なくない。直ちに命に関わることはないが、放置していると心不全になったり、非常に重い脳梗塞を発症する危険性が高まる。不整脈がなぜ脳梗塞を起こすのか、心臓の中にできた実際の血栓の特殊映像などで詳しく紹介。心房細動を見逃さないために注意したいポイントもご紹介。
出演者
【ゲスト】黒部進,【講師】弘前大学大学院教授…奥村謙,【キャスター】桜井洋子

ジャンル :
情報/ワイドショー – 健康・医療
福祉 – 高齢者
趣味/教育 – 生涯教育・資格

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
サンプリングレート : 48kHz
2/0モード(ステレオ)
日本語(解説)
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