NHKニュース7 2016.01.06


北朝鮮。
突然の発表でした。
そのねらいはどこにあるんでしょうか。
こんばんは。
ニュース7です。
今夜は時間を延長して、午後8時までお伝えします。
北朝鮮国営の朝鮮中央テレビは、日本時間の午前10時半に、初めて、水爆実験を行ったと発表しました。
韓国の気象庁によりますと、実験によるものと見られる人工的な揺れが観測されたのは、こちら、ハムギョン北道のプンゲリです。
マグニチュードは4.8だということです。
今回、揺れが観測された場所は、北朝鮮が前回、3年前の2013年2月に核実験を行った場所から、およそ3キロ離れた所だとしています。
北朝鮮が地下核実験を実施したのは4回目ですが、水爆の実験を行ったと明らかにしたのは初めてで、日本をはじめ各国は、強く非難しています。
日本時間の午前10時半ごろ、中国北東部、吉林省の映像です。
カメラが小刻みに揺れました。
振動は15秒ほど続きました。
その10分ほど前、沖縄のアメリカ軍嘉手納基地から、電子情報などを収集する偵察機、RC135が離陸しました。
飛行の目的は明らかにされていません。
それからおよそ2時間後。
北朝鮮の国営テレビは、特別重大報道とする臨時ニュースを放送しました。
日本国内では。
号外です。
号外です。
自衛隊機も次々と離陸。
大気中に放射性物質がないか調査を始めました。
気象庁は午前10時半ごろ、北朝鮮で地震とは異なる振動を観測していました。
総理大臣官邸には、関係する大臣が次々と集まります。
その後、水爆の実験を行い、成功したと発表した北朝鮮。
核実験の実施は、およそ3年ぶり4回目ですが、水爆だとしたのは初めてで、アメリカをはじめとする敵対勢力から国の自主権と生存権を守り、朝鮮半島の平和と安全を担保する自衛的措置だと、実験を正当化しました。
北朝鮮の国営テレビは、キム・ジョンウン第1書記が命令を下したと伝え、署名の入った命令書の写真を放送しました。
北朝鮮の発表を受け、中谷防衛大臣は、緊急幹部会議を開催。
外務省では、岸田外務大臣とケネディ駐日大使が会談。
そして安倍総理大臣も衆議院本会議で。
水爆の実験が成功したという北朝鮮の発表は、世界を駆け巡りました。
隣の韓国では、臨時ニュースで伝えられました。
パク・クネ大統領は、北朝鮮を厳しく非難しました。
中国でも国営テレビが報じました。
イギリスでも。
世界に広がる衝撃。
国連では、安全保障理事会の緊急の会合が、日本時間のあす未明に開かれる方向で調整が進められていて、核実験を非難するとともに、北朝鮮に対する制裁強化などが協議されると見られます。
では韓国・ソウル支局の矢野記者と中継がつながっています。
矢野さん、韓国の最新の動きを伝えてください。
韓国軍の関係者は先ほど、今回の北朝鮮の核実験について、その兆候を十分に把握できていなかったと述べ、予想外だったことを認めました。
その理由について、今回の核実験は、過去の3回とは準備過程などが異なり、人工衛星などで捉えられない形で、秘密裏に進められたと見られると説明しています。
一方で、北朝鮮の主張どおり、本当に水爆実験だったのかどうかについて、懐疑的な見方も出始めています。
韓国軍の関係者は、爆発の規模や威力が小さかったことから、水爆の実験と見るのは難しいと述べ、さらに詳しく情報を分析する必要があるという認識を示しています。
ただ、韓国の軍事専門家の一人は、NHKの取材に対し、北朝鮮があえて爆発の規模を小さく抑えた可能性も排除できないと指摘していて、韓国政府は、情報の収集と分析に全力を挙げています。
北朝鮮が実験を行ったと発表した水素爆弾、水爆は、原爆の数百倍以上の威力を持つ核兵器です。
水爆は、原爆を起爆剤として爆発させ、このときの高温と高圧を利用し、重水素などの核融合反応を引き起こすことで、原子爆弾の数百倍以上の膨大なエネルギーが放出されます。
1950年代以降、アメリカと旧ソ連の冷戦を背景に、両国で開発競争が盛んになりました。
1954年、太平洋のビキニ環礁で行われたアメリカの水爆実験です。
広島に投下された原爆の1000倍の規模とされました。
こちらはその7年後の1961年に、旧ソ連が開発した世界最大の威力を持つ水爆です。
その威力は、広島に落とされた原子爆弾の3300倍。
実験を行った際、その衝撃波は、地球を3周したとされています。
威力だけではありません。
水爆は、同じ威力を持つ原爆よりも、小型にすることができます。
このため、ミサイルへの搭載が容易になるとされているのです。
ただ、開発・製造には原子爆弾より高い技術力が求められ、現在、水爆を保有しているのは、アメリカ、ロシア、イギリス、フランス、中国の5か国だとされています。
では、ここからは防衛省防衛研究所の元統括研究間で、拓殖大学大学院の武貞秀士特任教授にお話を伺います。
よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
まずですね、北朝鮮は初の水爆実験に成功したと発表しているわけですけれども、なぜ水爆の実験に踏み切ったとお考えでしょうか?
技術的には、非常に難しいものがありますけれども、それをクリアすれば、比較的メリットがたくさんあるんですね、北朝鮮側に。
むしろ北朝鮮らしい兵器だということができます。
ここにありますけれども、まずコストが少ないということですね。
ウラン濃縮型あるいはプルトニウム型であれば原子炉を稼働する、あるいは遠心分離機をたくさん稼働して、たくさんの電力を使うわけですね。
そういったことが必要ではないということで、少ないコストで製造することができる。
それからまた、遠心分離器、プルトニウム型、ウラン濃縮型ですと、いろんな部品を輸入したりするときに、国際社会の監視の目があります。
しかし、この水爆であると、そういったプルトニウム型、ウラン濃縮型と違って、この水素爆弾を作っている過程で、気付かれにくい、モニターしにくいということがありますよね。
それにまた爆発したあと、本当に水素爆弾であったかどうかということを、証明するのは難しいんですね。
地震波でもなかなか区別がつかない、普通の核弾頭と区別がつかないということで、製造を気付かれにくい、事前にあるいは事後にモニターしにくいものであるということですよね。
こういったメリット2つに加えて、爆発力が数百倍、核弾頭の数百倍ですから、爆発力が大きいということで、より低いコストで気付かれずに、大変な爆発を引き起こすんだという意味で、実はこれ、北朝鮮的な爆弾なんですね。
そうした水爆を開発することが、北朝鮮にとっては外交的、あるいは軍事的な政策として、どういう意味があるんでしょうか?
きょうの特別の報道の中にもありましたけれども、非常にアメリカを意識した実験であったわけですね。
小型化をする、アメリカを標的にして、アメリカに届くものを作りたいということで、核開発をしてきたわけです。
そしてアメリカをも射程に入れることができた、しかも大きな爆発力だということで、アメリカは今まで、3回の核実験でも米朝の直接対話には入らなかったわけですね。
今回はもっと大きなもので、そしてモニターしにくい爆弾を爆発させたということで、もうアメリカはやむなく米朝協議に入るんではないかという思惑といいますか、ねらいが北朝鮮にはありますね。
今回、北朝鮮は、本当に水爆を開発できたのかということなんですけれども、開発できたとすると、脅威が増したことにつながると思いますが。
非常に脅威が増したと見なければならないですね。
すでに日本にとっては、ノドンミサイル、射程1300キロのノドンミサイルで、800キログラム程度の弾頭をもう装着しているといわれていますので、日本にとってはさらに追加的な脅威が倍増したというわけにいきませんけれども、しかし、これはアメリカが、実は東部まで届く大陸間弾道弾をもって水爆を装着するようになれば、アメリカの東海岸が危なくなる。
アメリカは自分が大変な被害を受けてまで、朝鮮半島の軍事衝突に介入して、世界の警察官を務めようという気持ちがなくなるかもしれないというおそれが出てきますよね。
私たちはそうあってほしくはないですけれども、そうなると、日米の同盟関係、米韓の同盟関係、アメリカの核の傘の信頼性が揺らぐという事態になってきます。
これ、非常に日米、そして米韓の同盟にとって深刻な事態だと思いますね。
今回、ただ、本当に実験に成功したかどうかというのは、これから検証が必要だと思いますけれども、逆にそういった核開発の不透明感ですね、これも大きな懸念材料ではないかと思いますけれどもね。
そうですよね。
モニターしにくいだけに、本当に開発しているのかどうかと分からないまま、あと、北朝鮮は実験に成功したということを言い続けながら、何か非常に不安定なかつ不安な時代の幕開けということを意味してるんではないでしょうか。
そういう意味でも、日本と韓国とアメリカ、もっともっと緊密に協力し合いながら、この新しいタイプの爆弾に対処する、そういった外交防衛政策を必要としてるんではないでしょうか。
ありがとうございました。
さあ、その北朝鮮、ここ1年ほどは国民生活の向上を掲げ、経済重視の姿勢を示していました。
キム・ジョンウン第1書記の去年1月の誕生日前に公開された映像です。
飛行中の航空機の操縦かんを握っています。
飛行機嫌いとして知られていた、父親のキム・ジョンイル総書記とは違う新鮮なイメージを、国民に植え付けようとしているという見方が出ました。
国民生活の向上を掲げるキム第1書記。
ナマズの養殖施設など、経済関係の視察を繰り返す様子も、たびたび伝えられています。
去年10月の軍事パレードでは。
演説で、人民ということばを90回にわたって繰り返し、国民思いの指導者だとアピールしていました。
このとき、キム第1書記は、中国共産党序列5位の劉雲山政治局常務委員と笑顔で手をつなぐなど、中朝両国の蜜月ぶりも演出しました。
ところが先月、北京を訪れていた、北朝鮮の女性音楽グループ、モランボン楽団が急きょ帰国。
この直前に、キム第1書記が水爆の保有を示唆したため、その発言を巡る対立が背景にあるのではないかという臆測も出ました。
ただ、元日にキム第1書記が行った演説では、核開発に関する直接の言及はなく、軍事面で抑制的な内容になっていました。
このため、ことし5月初めに、36年ぶりに開かれる朝鮮労働党大会に中国共産党の最高指導部メンバーを招きたい北朝鮮が中国側に配慮したもので、中朝関係の改善の流れに大きな変化はないと見られていました。
ここからは、朝鮮半島情勢に詳しい、静岡県立大学の伊豆見元教授にうかがいます。
よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
今のVTRにもありましたように、比較的、こういった核開発に大きく一歩を踏み出すということは、事前の予想では、あまり考えられなかった状況だったと思うんですけれども、今回、この核実験に踏み切ったねらい、何なんでしょうか?
これはもう、非常に、解明するのは難しいと思いますね。
もちろん、複合的ないろんな理由があると思うんですけれども、その中で1つ、非常にはっきりしてますことは、こうやって核実験に踏み切ると、このあと数か月の間に、北朝鮮は国際的に相当、厳しい状況に置かれる。
国際環境が悪化するということが、もうこれは明白なんですね。
そのことは北朝鮮、十分に踏まえていると思いますが、そうしますと、5月の初旬に第7回朝鮮労働党の大会を控えているわけですから、労働党大会の前に、国際関係をほぼめちゃくちゃというと言い過ぎかもしれませんが、相当厳しい状況に作ってしまうことを前提として、今回、やった実験ですから、これは一体何を彼らは目的としているのかなという話になると思います。
そうしますと、北朝鮮にとってのメリットという部分は非常に分かりにくい気もするんですけど。
極めて分かりにくいんだと思いますけれども、ただ、やっぱり党大会、非常に重要なんですね、北朝鮮にとって。
ことしはまさに党大会の…なんですが、党大会というのは、一つは将来の明確なビジョンを、明るい将来を描いて、それで具体的にある設計図を描くということが、必ず必要になると、国民にある夢を与えるようなことが必要なんですけれども、それがなかなかできない状況に今あるのかもしれないと、簡単ではないですから、明るい未来を描くのは。
そうしますと、今回のような実験を行って、ここから数か月を考えてみますと、まず国連の安全保障理事会に…、厳しい非難を浴びる、中国もロシアもそれに賛成しますし、新しい制裁を…かも知れない。
中国との関係は冷え込む、南北関係、せっかく動きだしましたけれども、当分は中断。
そして3月、4月には米韓の合同軍事演習が控えていますから、これで非常に厳しい状況になる。
そういう国際環境がものすごく悪化したことで、明るい未来を描けないんだという口実は恐らくできるはずなんですね。
ですから、今回の結果として、もし党大会で、北朝鮮が明るい未来を描けないんだとするならば、メリットはあったという話にはなるんだと思います。
そうしますと、北朝鮮の今後の出方というのは、どう考えられますか?
そこが問題なんですね。
これから国際社会が非常に厳しい試練が続きますから、当然、それに反発をしてくるだろうと。
前ですと、そういう反発が核実験を生んでたんですね。
そうすると今回、4回目のあと、すぐまた5回目がということが、可能性が高いとは思いませんけれども、考えざるをえない。
特に、今回の政府声明見ても、最後のところで、核抑止力を量も質も両面で継続して強化していくということがうたわれていますので、従来ですと核実験、3年ぐらいの間、開いてましたけれども、今後は早いかもしれないということも考えなきゃいけないと思います。
そうしますと、今後は国際社会から湧き上がってくるという、この非難の声に対して、北朝鮮がどういう行動を取るか、このあたりが焦点になるということですね。
伊豆見さんには、また後ほど聞きます。
では、日本政府の対応について、総理大臣官邸から、中継でお伝えします。
北朝鮮の核実験を容認できないという強い姿勢を示すため、独自制裁の強化も視野に入れて、対応を検討する方針です。
安倍総理大臣は、記者団に対し、北朝鮮による核実験の実施は、わが国の安全に対する重大な脅威だ。
断じて容認できないと述べました。
そして、きょう2回目となる、NSCの閣僚会合で、今後の北朝鮮の反応や国際社会の動向などを考慮しながら、断固たる対応を検討するよう関係閣僚に指示しました。
日本政府は、国連に対しても今後、働きかけていく方針だと思いますが、国連では何を目指していくんでしょうか?
政府は今回の事態を受けて、国連安保理の緊急会合の招集を要求しており、アメリカ、韓国と連携して、経済制裁の強化なども含む新たな決議の採択を目指すことにしています。
また北朝鮮に効果的な対応を取るには、中国やロシアなど、北朝鮮に影響力を持つ国の協力が欠かせないことから、両国に対しても強力を働きかけることにしています。
では、日本国内の反応です。
核兵器の廃絶を訴えてきた被爆地では。
62年前に太平洋で行われた水爆実験で被爆した、マグロ漁船、第五福竜丸の元乗組員は。
政府は、全国300か所余りに設置しているモニタリングポストで、空気中の放射線量のデータを測定するなどして、速やかに結果を公表することを決めました。
拉致被害者の家族は。
では再び、総理大臣官邸にいる西井記者に聞きます。
西井さん、拉致問題への影響はどんなものになりそうでしょうか?
影響は避けられないと思います。
安倍総理大臣は、きょう発表した声明で、拉致、核、ミサイルといった諸懸案の包括的な解決に向け、具体的な行動を取るよう強く求めるとして、引き続き、拉致被害者の早期帰国を目指していく考えを強調しました。
ただ、拉致問題を巡っては、北朝鮮がおととし、拉致被害者を含む日本人行方不明者の全面的な調査を始めたものの、調査開始から1年半がたっても、報告がない状況が続いています。
こうした中で、日本がアメリカなどと連携して、制裁を強化すれば、北朝鮮が反発し、拉致被害者らの調査などにも影響が及ぶのは避けられないと見られます。
政府は拉致問題の解決に向けて、粘り強く働きかけを続ける方針ですが、先行きはこれまで以上に不透明さを増すことになりそうです。
では各国の反応です。
韓国のパク・クネ大統領は、午後、大統領府で、国家安全保障会議を開催。
北朝鮮を厳しく非難するとともに、国際社会が強力な制裁措置など、断固たる対応を取らなければならないと強調しました。
中心部にあるソウル駅です。
こちらに設置されたテレビの前には、多くの人々が足を止め、北朝鮮が核実験をしたというニュースに見入っています。
一方、北京では。
中国外務省は、定例の記者会見で、北朝鮮を強く非難しました。
また北朝鮮から事前に、実験を行う通告があったかどうかについて、中国側は前もって全く知らなかったと述べました。
さらに、国連の安全保障理事会で、北朝鮮に対する制裁が協議された場合、中国はしかるべき国際的な義務を履行すると述べて、制裁を強化する決議に賛成する考えも示唆しました。
アメリカでは、ホワイトハウスの国家安全保障会議のプライス報道官がコメントを発表し、アメリカは引き続き、韓国を含む地域の同盟国を守っていくし、北朝鮮のいかなる挑発行為にも適切に対応していくとして、北朝鮮に対し強い態度で臨む考えを示しました。
ここからはソウル、北京、ワシントンの3か所から中継でお伝えします。
まずソウルの矢野記者です。
矢野さん。
韓国政府の今後の対応、どうなるんでしょうか?
仮に今回の実験が水爆実験でなかったとしても、北朝鮮にとって、4回目の核実験であることに変わりはなく、国連安保理決議の明白な違反だというのが韓国の立場です。
同盟国アメリカ、それに日本や中国など、関係国と連携し、北朝鮮に追加制裁を科すことを目指す方針です。
ただ、過去に北朝鮮は国連安保理の制裁措置に反発して、挑発行動をエスカレートさせたこともあります。
このため韓国国防省は、韓国軍の全軍に対して警戒を強化するよう指示し、軍事境界線を挟んで対じする北朝鮮軍の動向を注意深く監視しています。
では続いて、中国・北京の逵記者に聞きます。
逵さん、中国、これまで北朝鮮に自制を促してきたわけですけれども、今回の事態、どのように受け止めているんでしょうか?
中国は、北朝鮮を強く非難しています。
中国外務省は、国際社会の反対を顧みず、また核実験を行ったことに断固反対を表明するという声明を発表しました。
習近平指導部は去年10月、共産党の序列5位の劉雲山政治局常務委員が、ピョンヤンでキム・ジョンウン第1書記と会談しまして、中朝関係の改善に向けた動きを見せていました。
そしてキム第1書記が元日に発表した演説も、核開発に関する直接的な言及がありませんで、抑制的な内容でした。
こうした中での水爆実験の発表ということで、中国外務省の報道官はきょうの記者会見で、中国は事前に何も知らなかったと、北朝鮮から事前通報がなかったことを強調しています。
中国は今後はどう対応していくんでしょうか?
中国外務省は、きょうのうちに、北朝鮮の大使を呼んで、抗議すると見られます。
中国外務省の報道官は、中国はしかるべき国際的義務を引き続き履行すると述べました。
中国国営の通信社も、北朝鮮に対する制裁を、一層厳格に実行すべきだという専門家の声を紹介しています。
中国は北朝鮮の前回の核実験のあと、国連安保理の北朝鮮制裁決議に賛成していまして、今回も同じ対応を取る可能性を示唆したものと見られます。
ただ、北朝鮮に過度に圧力をかけますと、追い詰めて、情勢が一層悪化するという懸念も中国にはありまして、国際社会の反応も見ながら、どの程度の措置を取るか、慎重に検討すると見られます。
そしてアメリカ・ワシントンからは、吉岡記者です。
吉岡さん、アメリカ政府の反応はどうでしょうか?
ホワイトハウス国家安全保障会議のプライス報道官はコメントを発表し、今のところ、北朝鮮の発表の真偽は確認できていないとする一方で、国連安全保障理事会の決議に違反する行為であれば、どのようなものであれ、非難するとしています。
先月、キム・ジョンウン第1書記が、わが国は水素爆弾の爆音をとどろかせることができると発言したとき、ホワイトハウスは、北朝鮮の水爆の保有は疑わしいという見方を示していました。
それだけにアメリカ政府は、観測された揺れの波形や大気中の放射性物質の詳細な分析を行うなどして、北朝鮮が本当に水爆実験を行ったのか、確認を急ぐものと見られます。
今後、アメリカはどう対応するんでしょうか?
アメリカは日本とともに、国連安保理の緊急の会合を開催するよう要請していて、日本時間のあす未明に開く方向で調整が進められています。
この場で北朝鮮を厳しく非難し、制裁の強化に向けて、各国と協議する見通しです。
一方、アメリカは基本的には、北朝鮮の瀬戸際戦術は相手にせず、非核化に向けた具体的な措置を取らないかぎり、交渉には応じない方針です。
ただ、アメリカ国内からは、オバマ政権が交渉にも応じず、有効な圧力も加えられずにいた間に、結局、北朝鮮に核開発を進めさせる結果になったという批判も出ています。
仮に水爆実験だったことが確認されれば、今後、たいきたーせい…対北朝鮮政策の見直しを求める声が上がることも予想されます。
では再び静岡県立大学の伊豆見元教授です。
伊豆見さん、韓国、中国、そしてアメリカの反応をご覧いただきましたけれども、今後、事態がどう推移するのか、鍵を握るのは、なんだというふうにお考えでしょうか?
国際社会の協調というのは、もちろん一番大事ですけれども、やはり具体的には、中国がどこまで今回、北朝鮮に対して、圧力をかけるかっていうのが鍵だと思います。
中国が経済という点では、確実に北朝鮮を支えている貿易が一番多いですし、投資もしていますし、あるいは援助まであるわけですね。
これを絞れば、当然、相当な制裁的な意味があるわけですけれども、十分にそれを今までやってきたとは、やはり言い難い。
ですが、今回、4回目の核実験を受けて、どこまで中国が厳しい対応を北朝鮮に取るかというのは、やっぱり鍵になるだろうと思います。
今回、水爆を使った実験を行ったと発表しているわけですね。
われわれも大きな衝撃を受けたわけですけれども、今回の核実験で東アジアの安全保障環境、当面はどのような状況になっていくというふうに展望されますか?
大きく変化するということは、私はないと思うんですが、少なくとも、北朝鮮の核実験を受けて、日本、アメリカ、韓国の対北朝鮮に向けた安全保障上の協力というのは、より深くなると、より拡大もできるだろうと思いますし、それは北朝鮮に対応するうえでは、いい部分というのは相当ありますので、結構だと思いますが、安全保障全体をどう変えるかというと、やっぱり中国をどう扱うかというのが大きな問題で、日米韓の強調関係が今回深まるであろうとは考えられますが、中国に向けては必ずしもそういうふうにはならないので、やはり大きな環境の変化、構図の変化が生まれるという可能性は、私は小さいと思います。
ありがとうございました。
ありがとうございました。
ここまで北朝鮮が水爆の実験を行ったと発表したニュースについて、まとめてお伝えしました。
次は、国会です。
与野党の論戦が始まりました。
きょうの衆議院本会議では、安倍総理大臣の外交報告などに対する代表質問が行われ、6党が質問に立ちました。
民主党の岡田代表の批判に、安倍総理大臣が反論するなど、対決色が強まる展開となりました。
民主党の岡田代表は、今年度の補正予算案に盛り込まれた、所得の低い高齢者などに、1人3万円を支給する臨時給付金についてただしました。
年明け初めての論戦となった代表質問では、補正予算案に盛り込まれた、臨時給付金を巡って、安倍総理大臣と民主党の岡田代表が、激しい応酬を繰り広げるなど、与野党の対決色が強まっています。
安倍総理大臣は、一億総活躍社会の実現などを目指して、補正予算案に続き、新年度予算案を年度内に確実に成立させ、経済最優先の姿勢をアピールしたい考えです。
これに対して民主党は、今後、消費税の軽減税率や、財政再建の取り組み、それに安全保障関連法を、ほかの野党と連携して追及して、安倍政権との対立軸を明確にしたい考えです。
与野党ともに、国会を舞台にした論戦を通じて、夏の参議院選挙を有利な戦いに持ち込みたい考えで、参議院選挙を強く意識した攻防が本格化します。
次はこちらです。
涙をにじませるオバマ大統領。
アメリカ国内で繰り返される銃の乱射事件を受けて、規制強化の対策に、大統領権限を使って乗り出すと発表しました。
アメリカの銃規制は進むんでしょうか。
5日、ホワイトハウスで演説したオバマ大統領。
銃規制強化の必要性を訴えました。
オバマ大統領が発表したのは、インターネットなどを通じて銃を販売する業者にも、免許の取得や購入者の審査を義務づける新たな対策です。
使ったのは、議会の承認を必要としない大統領権限でした。
アメリカ国内で繰り返されてきた銃の乱射事件。
オバマ大統領は、事件が起きるたびに追悼集会に出席するなど、犠牲者に寄り添う姿勢を示してきました。
オバマ大統領が掲げる銃規制の強化に対し、銃を保有する権利を主張する野党・共和党は、消極的な姿勢を取っていて、法整備は進んでいません。
またアメリカで有数のロビー団体、NRA・全米ライフル協会は、感情的な説教はいらないなどと反発しています。
オバマ大統領は、国民との対話集会や、12日の一般教書演説などを通じて、銃規制の必要性を訴えていくことにしています。
イランと外交関係を断絶し、対立を深めているサウジアラビア。
国連の特使が訪れ、外相と会談しました。
シリアの内戦終結に向けた和平協議について、国連の特使は、サウジアラビアが両国の緊張が影響を及ぼすことはないという強い決意を示したことを明らかにしました。
サウジアラビアを急きょ訪問した、国連のデミストラ特使。
サウジアラビアのジュベイル外相と会談しました。
会談の焦点はシリア情勢です。
イランが支援するアサド政権と、サウジアラビアが支援する反政府勢力。
今月下旬にスイスのジュネーブで、和平協議を行う予定ですが、両国の緊張が影響を与えるのではないかと懸念されているのです。
今回の会談でジュベイル外相は、シリアの危機について、国連や国際社会とともに、政治的な解決を目指す姿勢に変わりはないと強調。
デミストラ特使も会談で、サウジアラビアは最近の緊張がジュネーブで始まる政治的なプロセスに影響を及ぼすことはないという強い決意を示したと明らかにしました。
デミストラ特使は、今週中にイランも訪れ、両国の緊張が和平協議に影響を与えないよう要請する予定です。
シリアの内戦終結に向けて、外交関係を断絶した両国が、どこまで協力できるのかが、和平協議を進めるうえで、重要な鍵となっています。
再生医療の実用化に向けた新たな一歩です。
iPS細胞から作った、心臓の筋肉の細胞を患者に移植し、心臓の機能を回復させる再生医療で、大阪大学の研究グループが、臨床試験の実施を国に申請する方向で検討していることが分かりました。
大阪大学心臓血管外科の澤芳樹教授らのグループは、iPS細胞から作った心臓の筋肉の細胞を、心筋シートと呼ばれる直径数センチの薄いシート状に加工し、重い心臓病の患者に移植して治す、再生医療の研究を進めています。
この心筋シートを、iPS細胞を使った、世界初の再生医療製品として実用化するため、研究グループが、治験と呼ばれる臨床試験の実施を、早ければ平成28年度にも国に申請し、翌29年度から移植手術を行う方向で検討していることが分かりました。
iPS細胞は京都大学などが保管している拒絶反応が起きにくい特殊なタイプのものを提供してもらう予定だということです。
国から実施が認められれば、数人の患者に移植手術を行い、4年後をメドに、心筋シートの再生医療製品としての実用化を目指すということです。
これまで行った動物実験では、心臓の機能が改善するのが確認されたということで、研究グループは、引き続き安全性や効果についてのデータを集めるなどして、準備を進めることにしています。
では、ニュースを続けます。
ヨーロッパを目指す難民たちが、冬の地中海で命を落とす事故が続いています。
トルコの沿岸警備隊によりますと、トルコ西部の2か所の海岸で、5日、救命胴衣を着たまま打ち上げられた複数の遺体が見つかりました。
隣国ギリシャ東部の島にボートで向かっていた難民と見られ、これまでに子ども7人を含む34人の死亡が確認されたということです。
IOM・国際移住機関によりますと、去年、地中海を渡ろうとして死亡した難民や移民の数は、3771人に達し、おととしより15%増え、過去最悪になったということです。
男性の育児参加を促進しようと、若手衆議院議員らの勉強会が発足しました。
初会合には、衆議院議員の妻の出産に合わせて、今の国会中に育児のための休暇を取る考えを明らかにしている宮崎謙介衆議院議員ら自民党の子育て中の議員ら10人が出席しました。
勉強会は、今後、育児のため、一定期間国会を欠席できるよう、衆議院規則の改正を目指すほか、男性の育児参加を促進する具体策を検討することにしています。
おととし1月、長崎県新上五島町で、中学3年生の松竹影虎さんが首をつって自殺したことについて、町が設置した第三者委員会が報告書をまとめました。
この中では、ほかの生徒から死ねと言われるなど、過酷ないじめを受け続け、生きている価値はないと思うほど追い詰められたことが原因で自殺したとしています。
男子生徒の両親は、今まで分からなかったことが明らかになりました。
私たちに起きた悲劇が二度と起きないように、町、県、教育委員会には、真摯に取り組んでいただきたいというコメントを出しました。
アメリカで去年一年間に販売された新車の台数が、過去最高を更新しました。
おととしよりも5.7%増えて、1747万台となり、これまで過去最高だった、2000年の1740万台を超えました。
景気の緩やかな回復や、ガソリン価格の値下がり、それに低金利の自動車ローンを背景に、SUV・多目的スポーツ車などの販売が好調だったためです。
テニスの錦織圭選手。
今シーズンの男子ツアーの開幕戦、シングルス初戦で快勝しました。
四大大会初制覇を目指す錦織。
今シーズンは、世界ランキング8位でスタートです。
最初のゲーム、世界65位のククシキンに、いきなりブレークされます。
それでも強化してきたサーブで崩し、ポイントを重ねます。
さらにこのドロップショット。
錦織らしさを見せて、第1セットを取りました。
第2セットは、相手を圧倒します。
持ち味のストロークがさえました。
錦織は快勝で、4年連続のベスト8進出。
今月18日に開幕する、全豪オープンの前哨戦で、好スタートを切りました。
プロ野球選手としての生活がスタートです。
楽天にドラフト1位で入団したオコエ瑠偉選手が、仙台市の球団の寮に入りました。
去年、甲子園を沸かせたオコエ選手。
東北での生活は初めてです。
寮には1メートル83センチの身長に合わせたオーダーメードのベッドを持ち込み、弾力などを確かめていました。
こんなものも持ってきました。
オコエ選手がこれから暮らすのは、チームの中心選手の1人、キャッチャーの嶋選手がかつて使っていた部屋です。
オコエ選手は今月11日から、ほかの新人選手と合同で自主トレーニングを行い、来月からのキャンプに備えます。
アメリカンフットボールの日本一を決める、今月3日のライスボウルで、試合終了間際に反則の見落としがあったと、日本アメリカンフットボール協会が発表し、謝罪しました。
今月3日に行われたライスボウルでは、社会人代表、青のパナソニックが、学生代表の立命館大に勝ち、優勝しました。
この試合の終了間際、3点を追う立命館大が、同点を狙ったフィールドゴールを失敗。
しかし、守るパナソニックが、1人多い12人でプレーしていました。
反則が適用されていれば、立命館大は5ヤード前進して攻撃のやり直し。
再びフィールドゴールを狙うこともでき、勝敗を左右しかねない誤審でした。
公式規則により、試合結果は変わりませんが、日本協会の浅田豊久会長は、重要な試合で反則の見落としが発生したことを深くおわび申し上げますと、謝罪しました。
お伝えしていますように、北朝鮮はきょう午前、水爆の実験を行い、成功したと発表しました。
北朝鮮が地下核実験を実施したのは、およそ3年ぶり4回目ですが、水爆の実験を行ったと明らかにしたのは初めてです。
北朝鮮国営の朝鮮中央テレビは、日本時間のきょう午後0時半から、特別重大報道として、臨時ニュースを放送しました。
その上で、水爆の実験は、アメリカをはじめとする敵対勢力から、国の自主権と生存権を守り、朝鮮半島の平和と安全を担保する自衛的措置だと正当化するとともに、核抑止力を質的・量的に絶えず強化していくと主張しました。
また今回の水爆の実験は、キム・ジョンウン第1書記が先月15日に命令を下し、今月3日に最終命令書に署名したとして、署名するキム第1書記と、命令書の写真を公開しました。
北朝鮮が地下核実験を実施したのは、2013年2月以来、およそ3年ぶり4回目ですが、水爆の実験を行ったと明らかにしたのは初めてです。
北朝鮮指導部としては、キム第1書記の誕生日をあさってに控えて、新たな核実験に踏み切ることで、国威発揚を図るねらいがあるのではないかと見られています。
北朝鮮の発表について、安倍総理大臣は、衆議院本会議で次のように述べました。
一方、国連安全保障理事会は、日本時間のあす午前1時から、緊急の会合を開く方向で調整が進められていて、北朝鮮の水爆実験を非難するとともに、制裁の強化などについて、意見が交わされる見通しです。
では気象情報は寺川さんです。
こんばんは。
例年よりも早く、水仙が満開となっています。
愛媛県伊予市です。
およそ20万株の水仙が一面に植えられています。
この冬の暖かさで、例年より1か月ほど早くから咲き始めました。
この暖かさにも、風景にもほっとしますね。
そうですよね。
いい香りがしそうですよね。
このところ、暖冬傾向続いていますけれども、きょうは二十四節気の小寒、寒の入りです。
あすにかけては寒気が徐々に流れ込んでくる予想となっています。
あすの予想最高気温を見てみますと、東京はまだ暖かな空気が残るため、13度と3月並みの陽気となりそうですが、多くの所で、平年並みで、この時期らしい寒さが戻ってきそうです。
またあすは、北風がきょうよりも強まりそうです。
あすは縦じま模様の冬型の気圧配置となります。
このため天気は、日本海側では雪や雨、そして太平洋側では、天気は回復して、晴れる所が多くなりそうです。
ではあすの全国の天気です。
2016/01/06(水) 19:00〜20:00
NHK総合1・神戸
NHKニュース7[二][字]

▼北朝鮮が「水爆実験」と発表・この時期になぜ?・日本政府はどう対応?・国際社会の受け止めは?▼国会論戦スタート・衆院で代表質問▼米オバマ大統領が涙の訴え

詳細情報
番組内容
▽日本と世界のきょう ▽ニュースの背景 【キャスター】武田真一,【サブキャスター】桑子真帆,【気象キャスター】寺川奈津美
出演者
【キャスター】武田真一,【サブキャスター】桑子真帆,【気象キャスター】寺川奈津美

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ニュース/報道 – 定時・総合
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