北朝鮮が特別重大報道として発表した初の水爆実験成功。
国際社会からの強い非難にさらされることを知りながらも強行した理由とは。
北朝鮮の核の脅威は、今日、新たな段階に入った。
北朝鮮が初めて水爆の実験を行ったと発表しました。
キム・ジョンウン第一書記によるどう喝外交が本格化したと言えます。
今回の実験は北朝鮮の北東部、プンゲリで行われたと見られております。
島根県からの距離で言いますと、680kmしか離れていません。
自衛隊やアメリカ軍が航空機で放射性物質の採取を進めています。
今日午後0時半から北朝鮮の国営朝鮮中央テレビが行った特別重大報道。
この中で北朝鮮側は、日本時間の今日午前10時半、水爆の実験に完全に成功し、水素爆弾まで保有した核保有国の戦列に堂々と立つことになったと主張した。
北朝鮮が核実験を行うのはこれが4回目だが、水爆の実験を行ったことを明らかにしたのは今回が初めて。
北朝鮮による核実験の一報を受けて、総理官邸に小走りで入ってくる中谷防衛大臣。
日本政府は直後にNSC=国家安全保障会議を開催し、対応を協議した。
安倍総理はこのように述べ、北朝鮮の行為を強く非難。
また、岸田外務大臣も日本独自の制裁措置を行う可能性に言及した。
さらに午後には、今回の実験が本当に水爆実験かどうかを検証するため、航空自衛隊の茨城県の百里基地、青森県の三沢基地などから航空機を発進させ、大気中の放射性物質を調べるために必要なちりを収集した。
一方、国際社会も迅速に対応に乗り出した。
アメリカのNSC=国家安全保障会議、プライス報道官は声明を発表し、北朝鮮の水爆実験に関して現段階では確認できないとした上で、北朝鮮を核保有国として認めないということは一貫して明確だとの立場を強調した。
また、国連の安全保障理事会は日本時間の7日未明に緊急会合を開催する方向で調整している。
安保理は北朝鮮が核実験を行うたびに禁輸措置などの制裁決議を採択していて、会合では、制裁強化について議論されるほか、非難声明を発表するものと見られる。
さらに注目されるのは、北朝鮮に対する強い影響力を持つと言われる中国の動き。
中国は両国関係を改善するため、去年10月には最高指導部の一員をピョンヤンに派遣したが、核実験には一貫して反対の姿勢を示してきた。
前回、北朝鮮が核実験を行った際には中国は、かつては見られなかった独自の経済制裁を行ったが、今回も同様か、それ以上の措置がとられるものと見られる。
ただ、北朝鮮に対して強い姿勢で臨むことを示している国際社会だが、今回、北朝鮮の核実験を事前に予想できなかったのも事実。
キム・ジョンウン第一書記は新年に行った演説で、韓国政府を非難しながらも南北関係改善に言及していた。
このため、不意を突く形で行われた核実験に韓国では憤りの声が広がっている。
一方、日本国内でも…突然行われた今回の実験に、驚きや不安の声が広がる中、誰よりも憤っている人たちがいる。
北朝鮮による拉致問題の被害者家族。
本来ならば、去年の夏の終わりら秋の初め頃までに提出するとされていた北朝鮮による再調査の報告は延期。
その後、目立った変化は見えず、時間だけが過ぎていく。
今回の北朝鮮の核実験は、日本が抱える拉致問題にどのような影響を及ぼすのか。
核と拉致の解決に向けた日本政府の対応に注目が集まる。
ここでソウルと総理官邸、2カ所から中継です。
まずはソウルからですが、今回の水爆実験、韓国政府としてはある程度予測していたことなんでしょうか?韓国政府の関係者はサプライズ実験だと明かしていまして、今のタイミングでの核実験は想定外だったと見られます。
別の国防省関係者も今回は北朝鮮が徹底して秘密裏に準備をしたと話していて、アメリカ・中国への事前通告もなかったことから予測できなかったものと見られます。
わかりやすく言うと、やられたといった感じですね。
核実験を受けまして、韓国政府は対応に追われました。
パク・クネ大統領は国家安全保障会議を招集して国連の追加制裁を含むあらゆる措置をとることを強調しました。
また、ユン外相はアメリカ大使、在韓アメリカ軍司令官と会って緊密に協力していくことを確認しました。
一方で、国防省は、自身の揺れの規模などから、水爆実験という発表を疑問視していてさらに分析が必要だとしています。
北朝鮮は去年の秋から韓国との対話路線にかじを切って南北離散家族の再会や政府間の協議も行われました。
しかし、核実験でこの対話ムードは一気に吹き飛んだ。
パク・クネ政権は国際社会と連携して北朝鮮に強硬姿勢で臨むことになりますが、核を放棄しない北朝鮮にどう向き合うのか、難しい課題を抱えました。
総理官邸です。
こちらでは、午後5時前に麻生副総理や岸田外務大臣、そして、中谷防衛大臣らが集まりまして、今日2回目のNSC=国家安全保障会議が開かれました。
会議はおよそ5分ほどで終わりまして、中谷防衛大臣は、引き続き情報収集に努めていくとだけ語って官邸を後にしました。
今回の核実験について、政府内では北朝鮮の行動が読めない、それがある意味で一番怖いといった声が上がっています。
政府は、既に国連の安全保障理事会に緊急の会合を開くよう要請した。
安倍政権としてはアメリカや韓国だけでなく、常任理事国であるロシアや中国とも協力を強化して対応に当たりたい考え。
日本と北朝鮮はおととしの5月に北朝鮮が拉致問題に関する特別調査委員会を立ち上げる代わりに、日本が制裁の一部を解除することで合意し、拉致問題の解決を目指してきましたが、結果の通報がないまま、時間ばかりが過ぎていた。
そうした中での今回の核実験、ある政府関係者は、もう北朝鮮はやる気はないということだろうと、深刻に受け止めていました。
菅官房長官はつい先ほどの会見で、安倍総理からは、北朝鮮に対する断固たる対応を検討することについて指示があったと述べまして、北朝鮮の反応や国際社会の状況も考慮して制裁の強化について検討していく方針を明らかにしています。
この北の核実験なんですけれども、どういうやり方をするのかというのをちょっと説明したいと思うんですが、水平坑道方式というやり方がとられます。
山のふもとに高さ3mほどのトンネルをつくって、ずっと一番奥のここで核兵器を爆発させるということなんですね。
ここには中性子とかX線の探知機がついていまして、この入り口から200mほど離れた場所、ここに無人観測所がありまして、ここで放射能などを探知するということなんです。
今回もこれと同じような方式がとられたのではないかと見られています。
そして、日本政府関係者、今回の実験について、このように話しています。
だったら、どういう対応があったのかと1つ、疑問も生まれてくるわけですが、ただ、今議論になっている安全保障関係を語る上で政府としてはやはり北朝鮮の脅威をさらに強調していくという1つの材料になってきたなというのが1つと、それと、もっと気になるのは拉致交渉への影響ですよね、ここをどういうふうに見たらいいのかというところです。
そこが気になるところですよね。
日本政府の北朝鮮担当者は、このように話しています。
観測された揺れの規模から、今回の実験が本当に水爆かと疑問視する声もありますが、事実なら、北朝鮮の核技術が飛躍的に進歩していることになります。
原爆とは比べ物にならないほど大きな威力を持つ水爆とは、どんなものなのでしょうか。
今回、北朝鮮が実験に成功したと主張するのが水素爆弾、水爆。
その威力は、原爆よりはるかに巨大なもの。
日本では1954年にアメリカが太平洋ビキニ環礁で行った水爆実験でその名が知られるようになった。
そのときの水爆実験で、マグロ漁船「第五福竜丸」などが死の灰を浴び、被ばく。
世界的な原水爆禁止運動のきっかけとなった。
水爆の巨大な破壊力の理由と現状について、専門家に聞いた。
水爆の仕組みを簡単に説明すると、こう。
水爆は主に原爆と水素由来の物質、重水素化リチウムの2つの部分からできている。
まず、原爆が核分裂により爆発、そのエネルギーで重水素化リチウムが核融合を起こし、巨大な力を放出する。
水爆は終戦から7年後の1952年に史上初めてアメリカが実験に成功。
現在は、アメリカを含め、ロシア、中国、イギリス、フランスが保有国だと言われている。
今回、北朝鮮による水爆実験成功が事実だとすれば、世界で6番目の水爆保有国誕生となる可能性があると言う。
次に北京の井上支局長に話を聞きます。
北朝鮮の暴走を防ごうとしていた中国としてはメンツをつぶされたようなものだと思うんですけれども、今後、習近平指導部はどう出るんでしょうか?これまで北朝鮮に何度もメンツをつぶされてきた中国にとっては、またかというのが正直なところかもしれません。
中国外務省は先ほど、定例の記者会見で北朝鮮を強く非難しました。
これまで3回の核実験の際にはあった北朝鮮からの事前通告は今回はなかったということです。
北朝鮮を制裁するのかという質問に対しては明言を避け、六カ国協議が問題解決の唯一の手段だという従来の方針を繰り返すだけでした。
同盟国でもある中国は、過去には北朝鮮にとって唯一とも言える味方となってその立場を擁護したこともあった。
しかし、2013年に北朝鮮が核実験を強行し、さらに、中国と太いパイプを持っていたチャン・ソンテク国防副委員長を処刑したことで関係は過去最悪と言われるまでに悪化しました。
その後も、キム・ジョンウン氏が耳をかすような強いパイプはできておらず、国際社会が期待するような影響力が行使できる状況ではない。
私は去年10月にピョンヤンでキム・ジョンウン第一書記が中国最高指導部の劉雲山氏の手を取って満面の笑みを浮かべる姿を目の当たりにして、中朝関係が改善に向かうという印象を強く受けました。
それがわずか3カ月でトンネルに逆戻りしてしまった形。
中国のメディアには、核実験は中国に対するものではないという論調も見られます。
そこには、北朝鮮の一番の狙いはアメリカを動かすことで、そこが進まなければ事態の打開はできないという中国のいら立ちのようなものが読み取れます。
続いては、ワシントンから緒方さんです。
オバマ政権は、ここのところ、特に中東にかかりきりで、北朝鮮に手が回っていなかったという印象があるわけですけれども、今回の事態を受けて、今後はどう対応していくんでしょうか?オバマ政権にとっても、不意をつかれたという形となった核実験ですけれども、これが水素爆弾だったのかどうかはともかく、北朝鮮を核保有国として認めないという姿勢を改めて強調しています。
NSC=国家安全保障会議のプライス報道官は声明で、声明で、水爆実験に成功したという北朝鮮の主張について、現時点では確認できないとした上で、北朝鮮による国連安保理決議に対するいかなる違反も非難すると述べた。
また、北朝鮮を核保有国として認めないということは一貫して明確にしてきたと強調し、韓国を含むこの地域の同盟国を守り、北朝鮮によるいかなる挑発行為に対しても相応の対応をとるとしています。
先月、キム・ジョンウン第一書記が水爆の保有に言及した際、ホワイトハウスの報道官は、これまでに得た情報を踏まえると北朝鮮の主張には強い疑問が残るとの見方を示していた。
北朝鮮は去年10月以来、朝鮮戦争の休戦協定に代わる平和協定の締結に応じるようアメリカ側に求めていた経緯がありまして、アメリカとの対話の再開を狙った行動との見方も出ている。
アメリカ政府は北朝鮮による核実験は国連安保理の決議違反だとして追加制裁に向けて、日本や韓国、中国やロシアなどの関係国と連携して対応していく方針です。
次は、こちらをご覧ください。
今月1日のキム・ジョンウン第一書記、新年の言葉を述べたときのものなんですけれども、珍しく四角い黒縁メガネをかけているんです。
これは、おじいさん、つまり祖父のキム・イルソン主席が使っていたメガネと非常によく似たものなんですよね。
就任のときからそうですけど、本当におじいさんをずっと意識しています。
去年12月10日、北京を訪れた北朝鮮のモランボン楽団。
訪問当初は中朝関係の改善を象徴する出来事と見られていたが、モランボン楽団は予定していた公演をすべてキャンセルし突如、帰国した。
今日の北朝鮮側の発表によると、モランボン楽団の帰国から間もない12月15日にキム・ジョンウン第一書記は今回の水爆実験の実施に関する命令を下している。
危惧されるのは、核実験をめぐる北朝鮮の戦略に変化があったのではないかという点。
水爆という技術的な進歩はもちろん、今回は、周辺諸国に事前に察知されることなく実験を成功させるなど過去3回とは明らかに経緯が異なる。
今回の実験で北朝鮮側はアメリカを交渉の場に引きずり出すためにも野党から選挙向けのバラマキ政策と批判され総理は声を荒らげて反論しました。
国会では、衆議院の代表質問で本格的な論戦が始まった。
民主党の岡田代表が所得の低い高齢者に1人3万円を給付する政策を税金を使ったバラマキの選挙対策と批判したが、安倍総理は、バラマキとの指摘は2016/01/06(水) 17:50〜18:15
MBS毎日放送
Nスタ ニューズアイ[字]
取材経験豊富な竹内明を中心に、佐古忠彦も新加入。TBSアナウンサー・加藤シルビアらがお届けする大型報道番組。ニュースを速く、深く伝えます。
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番組内容
きょうのニュースを速く深くわかりやすく。徹底取材したVTRに加え、今さら人に聞けないニュースのポイントもわかりやすく解説。政治・経済・事件はもちろん、身近なニュースや生活情報もお伝えします。「Nトク」では全国各地で起きているホットな出来事を徹底的に掘り下げます。
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