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「水爆実験の意図」

日本のマスコミは、朝鮮初の水爆実験を事実に照らして検証するのではなく、ひたすらセンセーショナルに伝えることに徹した。実験の意図について根拠希薄な推測をめぐらした挙句、「北朝鮮の行動は予測不能」と一方的に否定的なレッテルを張り、悪評を流した。春夏秋冬

∇テレビも、新聞も、朝鮮が事実上の戦争状態に置かれていることに触れなかった。朝鮮が対峙する交戦相手の米国が世界で初めて水爆実験を行った最大の核保有国であること、米軍と南朝鮮軍が朝鮮への核攻撃を想定した合同軍事演習を続けていることに注目する論調は排除された。

∇昨年1月の時点で朝鮮は、合同軍事演習を臨時中止するならば、核実験を臨時中止できるとの立場を米国に伝えていた。しかし、米国は演習を強行し、朝鮮半島に一触即発の戦争危機を作り出した。有名無実化した停戦協定に替えて平和協定を締結するべきとの朝鮮の提案も無視した。

∇朝鮮の水爆実験を引き起こしたのは米国だ。「核なき世界」の空虚なスローガンで世界を騙し、強硬策一辺倒で朝鮮半島の軍事情勢を悪化させたオバマ政権の責任こそ追及されなければならない。

∇朝鮮の意図は6日に発表された政府声明に記されている。「水爆実験は自衛的措置」、「米国の朝鮮敵視が根絶されない限り、核開発中断も、核放棄もあり得ない」-朝鮮の主張は明確だ。その背景となる歴史的事実と軍事的対立を見据えない限り、事態の本質を伝えることはできない。(永)