聞きたいから呼んだみたいな感じでさ。
(カモメの鳴き声)
(香奈)キャア〜〜ッ!!
(足音)
(ガサガサ…)助けて!
(ドアを叩く音)ハッ!!・警察だ開けなさい!・
(コナン)
夏の光は昨日の輝き!涙の後には2時間スペシャル
長い休みの3日間手強い2つの難事件!!
行くぞ探偵甲子園!
たった1つの真実見抜く見た目は子供頭脳は大人
その名は名探偵コナン!
(和葉)わぁ〜!めっちゃきれいな桜やわぁ!!
(毛利蘭)ほんと!桜まつりでにぎやかだしここにして良かったね。
うんありがとお蘭ちゃん!
(毛利小五郎)オッホン!礼を言うなら急に花見に行こうって大阪から出てきた高校生を朝から車飛ばしてここに連れてきたこの毛利小五郎様なんじゃねぇのか?あん!?ハイハイ。
わかってるって。
まあ中には感謝するどころか花より団子な奴もいるみてえだがな…。
《何やねん…花見に誘ったん平次やん》ねぇ和葉ちゃん。
ん?この風車かわいい!ホンマや!!1本買うてこおっちゃんなんぼ?200円だよ。
じゃ私も。
エヘヘ…。
ふぅ〜。
ふぅ〜。
(平次)ふぅ〜!コラ!何ボーッとしとんねん。
お前俺に用があって呼んだんとちゃうんか?あん!?あうん。
確か何とかっちゅうメガネの高校生の事で…。
ああそうそう。
本堂瑛祐。
高校2年生で今蘭と同じクラスらしいんだけどちょっとオメーのつてで調べてほしいんだ。
あん?何で俺に?そいつ大阪と関係あんのか?いや調べてほしいのはその本堂瑛祐と目元が似ている黒ずくめの奴らの仲間水無怜奈の方だよ。
みっ水無怜奈ゆうたら日売テレビのアナウンサーやんか!今休んでるみたいやけどあの姉ちゃん悪い奴やったんか!?あっ服部!オメー!!シーッ!シ〜!!声がでけえよおい!休んでるのはFBIの追跡中にバイクで事故って大ケガしたから。
今はある病院に意識不明で入院してるよ。
ほぉ〜。
んで?それこそなんで俺やねん。
調べてほしいんやったらあのヒョロッとした高木っちゅう刑事にでもやな…。
写真だよ。
あ?10年以上前に偶然撮られた水無怜奈そっくりの女性の写真が一時期どこかのホームページに載ってたらしいんだ。
通天閣をバックにコンビニの袋を抱えた写真がな。
ほんならあの姉ちゃん大阪に住んでたんか?まだ断定はできないけどテレビ局を通して本人に確認すると書き込まれた数日後にそのホームページは閉鎖しちまったそうだ。
何かあるとしか思えねぇだろ?だから早くそっちで調べてほしいんだよ。
彼女の事をこっそり探ってる本堂瑛祐に先を越されねぇようにな!せやったらわざわざこっちで調べんかて本堂っちゅう奴つかまえて吐かせた方が早いんちゃうか?その2人が似てんのやったら血ぃつながっててそいつも悪い奴の仲間やろし。
いや仲間じゃねぇかも…。
ん?なんか妙な感じがするんだ本堂瑛祐の行動…。
(瑛祐)はじめまして毛利探偵!お会いできて光栄ですホラ!最初から傷なんかなかったみたいにね蘭の高校に突然やって来た転校生…。
ほんなら目元が似てるっちゅう水無怜奈は…。
ああ相手は黒ずくめの仲間。
本堂瑛祐の身内を殺害し整形その人になりすます事ぐらい簡単にやりそうだからな。
とにかく大滝警部か誰かに頼んでこっそり慎重に調べてもらってくれよ。
水無か本堂っていう女が大阪にいたかどうかを。
なるほど…そんな女がホンマにおって知らん間に消えたっちゅう事件があったらビンゴっちゅう訳やな。
(傳久)・消えたんですよ本当に!!・
(傳久)まるで神隠しにあったかのように!あなたのような名探偵とここでお会いできたのも何かの御縁。
お願いですからこの謎を解いて下さいませんか?はぁ…。
(平次)何や!?どうしたの?おじさん!!このお坊さんが急に…。
(平次)何〜っ!人が1人消えたやと!?はい。
私はあの寺に奉公させてもらってる傳久という者なんですが…。
先日和尚さんを訪ねて来られたお客様が部屋から急にいなくなってしまいまして…。
急にって…?そのお客様は髪の長い女の方で寺の離れに泊まられたんですが朝食の支度ができたと私が呼びに行きましたら…。
いなかったってか?ごはん食べる前に帰りはったんとちゃうの?いえその時は一応部屋におられました。
腹に刃物を刺し息絶えた無残な姿で。
(一同)ええっ!?し死んでた言うんか?ええ…。
その事警察に知らせたの?ももちろん。
寺でお休みになっていた和尚さんに伝えた後すぐに…。
じゃあまさか消えたってのは…。
はい。
警察の方が来られてその離れに行ったら和尚さんが部屋におられただけで影も形もなくなっていたんです。
その女の方も畳に流れていた血までも…。
ううそ…。
ほんで?和尚さんは何て言うてはったん?きゃ客人は朝早く帰った。
きっと夢でも見たんだろうって。
ホントに寝ぼけていたんじゃね〜のか?そんな事ありません!本当に私はこの目で…。
わかったわかった。
そこまで言うんやったらあの寺に行ってその和尚さんに話聞いてみようやないか。
フッ。
(釈蓮)ほう…あの有名な毛利小五郎さんでしたか。
あなたほどの名探偵がこの小さな山寺に何用ですかな?いやぁあんたんとこのこの傳久さんがね…。
ほほう…もしや私の客人が霧のごとく消え失せたという傳久の夢物語をお知りになりたいのかな?ええまあ…。
まあぶっちゃけ俺らは確かめに来ただけやねん。
この坊さんが見た人は幻やったかそれともホンマに死んどったのにあんたがその遺体警察が来る前にこっそり片付けてしもたんかっちゅう事をなぁ。
へ平次!ほう。
なかなか面白い見方をする少年ですね。
いいでしょう。
その離れに案内するとしましょうか。
傳久の言う人ひとりを飲み込んでしまったというその部屋に…。
あの〜行くのにずいぶんかかるんすなぁその離れ。
うわっさっきのお寺もうあんな遠くに見えるし。
ほんとだ。
(釈蓮)見えました。
あれがそうです。
(平次)かなり年季の入った建物やなぁ。
(釈蓮)ええ。
建ってからかれこれ50年は経つでしょうか。
さ中へどうぞ。
1部屋8畳4部屋あります。
でその女性の遺体があったってのは?この部屋の右上のあのあたりです。
どや?別に…。
両面畳になってる訳じゃなさそうだぜ。
ん…?あ仏像。
仁王様?それは四天王の1人多聞天ですよ。
北に面したこの部屋は多聞天。
西は広目天。
南は増長天。
東は持国天。
仏像がそれぞれ置かれてあります。
あ…触っても構いませんが傷を付けないで下さいよ。
え?この昇岳寺に代々伝わる貴重な仏像ですから。
あそうすか…。
まあ今日はもう遅くなりました。
今夜はこの寺に泊まって調べるのは明日夜が明けてからにされてはいかがですか?もっともまだ調べたりないというのならの話ですが。
はぁ…。
おい本気でこの寺に泊まる気か?きっとあのお坊さんが寝ぼけて勘違いしただけだって。
そやそや。
せやからはよ蘭ちゃんちに帰ろ。
(ドン!)
(一同)うわぁ!?
(ドンドンドン)ななんだあんたか。
ああの…ここっ今度は離れの部屋の真ん中で…。
(一同)えっ!?腹に刃物を刺した女の人が!
(平次)同じ部屋なんか?
(傳久)はいあの時と全く…。
誰もいてへんやないか。
そんなバカな…さっきは確かに!やはり言わねばならないようですね。
和尚!実はあの日この寺に客人すら来てはいなかった事を…。
お前は遠の昔に亡くなったありもしない母の影を追っていただけだという事をな…。
そんな…そんな…!
(傳久)私は確かに見たんです!だからそれは母が恋しいお前の心が生み出した幻だと言っているんですよ。
そんな…。
18年前お前をこの寺に預け海に身を投げた哀れな母親のな…。
預けた?
(釈蓮)ええこの傳久は住職になりたての私が引き取り18年間育ててきた捨て子です。
どうにも断り切れない性分で他にも2〜3人預かっていたんですがこの寺が性に合わなかったようで出て行ってしまい今は傳久とふたりきり。
母が恋しくなるのも無理はありませんがね…。
じゃあ和尚さんの言う通り先日傳久さんが見たっていう女性の遺体は…。
ええその日はそんな客すら来ていませんでした。
ですが3日前のその朝傳久が血相を変えてそんな事を言うものですから…もしや山に迷った誰かが勝手にこの離れに入ったのではないかと思い一応ここに来てみたんですが今夜と同じく誰も…。
そうそんな幻を見てしまう傳久が不憫でねえ…。
警察の方が来られた時思わず話を合わせてしまったんです。
女性の客人は朝早く帰ったとね。
さあこれで謎は解けましたかな?ええまあ。
いや…おったはずやでその女の人はこの部屋に。
少なくとも3日前傳久さんが見つけた時はな。
ねえ和尚さんか傳久さんに女装の趣味とかあったりする?女装?おいコラ!何トンチンカンな事を!だって僕見つけたんだもんこんな物を。
ほらっ!ん〜?こりゃピアスのキャッチか。
夕方この部屋の畳が両面畳になってるんやないかとめくって調べてる時にこのボウズが見つけたんや。
ピアスのキャッチはよう外れてしまうから多分何かの弾みで外れて畳のすきまに入ってもうたんやろけど…。
問題はこのピアスの主が誰なんかっちゅうこっちゃ!外れてから日ぃが経ってへんこんなピカピカのピアスのキャッチの落とし主がな。
そそう言えば3日前に見た女性も耳にピアスを!ほんなら答えは簡単や。
傳久さんが見たんは幻やのうて…。
いやいやおそらくそれを着けていたのはふた月前までこの寺で奉公をしていた文久か林久のどちらかでしょう。
文久か林久?ほら先ほど言いましたよね傳久の他にも預かっていた子供達がいたと…。
傳久と違ってその2人はいつまでたってもイタズラ坊主でねえ…。
夜な夜な寺を抜け出して街に遊びに出ていたんです。
坊主だとバレぬように変装までして。
変装?
(釈蓮)ええどこで手に入れたんだか知りませんがカツラにピアスにゾロッとした服を着てまるで今風の若者のようでしたよ。
それホンマか?えええ…その2人はよくこの離れで隠れてお酒とかも飲んでいたようです。
それがバレて和尚さんに大目玉くらって…。
この寺が嫌になり2人揃って出て行ってしまったというわけです。
その2人が着替えるのにもこの離れを使っていたようですから何かの拍子に外れてしまったんでしょう。
ってわけだ。
納得したか?ほぅまだ腑に落ちぬという顔ですね。
ではよく調べてみてはいかがかな?傳久の言う通り部屋の真ん中に血まみれの遺体があったのなら畳のどこかにその血が残っているはずですからね。
(和葉)なあ蘭ちゃん平次らちょっと遅ない?うん…向こうで何かあったのかな。
ほんなら蘭ちゃんここで待っといて!様子みてくるから!あじゃあ私も行く!ややっぱり大人しくここで待っといた方がええんちゃう?なあ…蘭ちゃん。
そうかもね…。
(蘭・和葉)アハハ…。
なあその女の人どこら辺に倒れとったんや?あ…はい。
3日前はこの辺りにこんな風に倒れていましたけど。
じゃあさっき見た女の人は?
(傳久)部屋の真ん中のこの辺りにこんな感じだったよ。
血はいっぱい出てた?ああ…3日前も今晩も腹からかなり大量に。
じゃ十中八九ありえねえな。
え?3日前に見た遺体はともかくついさっき見たっていう遺体が本当にその位置に倒れていたんなら脇に血がついている畳がどっかにあるはずだが今見回してもそんな畳どこにもねえじゃねえか!ですよね…やはり私はありもしない母の幻を見ていたということでしょう。
(釈蓮)さてもう気は済みましたかな?はい充分に。
では傳久この方たちを門まで。
(傳久)は…はい。
私はしばしこの部屋に残って四天王を拝んでおきましょう。
部屋を少々騒がせてしまった詫びにな。
(傳久)すみません私の勘違いでこんな時間までお手間を取らせてしまって。
いやいや…しかし何であんな時間にあの離れにいたんだ?いつも夕飯前に戸締りの確認を行ってますので。
本当はあの離れの掃除と戸締りは文久と林久の役目だったんですが飲酒の一件があって以来掃除は和尚さん戸締りは私という分担になっていて。
酒だけやないなぁ…その2人あの離れでタバコも吸ってたんやろ?どどうしてそれを!?2人はバレないように上手くごまかして吸っていたと言っていましたけど。
ごまかすどころかタバコの焦げ跡が畳にくっきり残ってたで。
そういやあビールをこぼした跡もあったなぁ。
ああ…けど分からんのはその跡が何で2つとも…。
今日の夕方調べた時はなかったか?って事だよね平次兄ちゃん。
おおう。
おいおいまさか誰かが畳をすり替えたっていうのか?そういう可能性もある言うてんのや。
んなバカな。
オメーらも調べたんならわかってると思うがあの離れの畳は両面畳じゃなかったしそれにあれは古くてかなり日焼けしていたじゃねえか。
どっかから違う畳を持ってきて当てはめたとしても色が違ってすぐバレちまうよ!入れ替えたっちゅうのは考えられへんか?あの8畳4部屋のどっかの畳と畳を…おっさんの車からあの離れまで走って往復7〜8分…。
入れ替えるには充分時間があんで。
そういえば遺体を見つけた時いつもと何か違う感じが…。
せやろやっぱり畳の置き方が違てたんちゃうか?あでもそんな感じがするだけで…。
フン!畳をどう置き替えたとしても血は隠せねえよ。
部屋の真ん中で血まみれで倒れていたなら2つ以上の畳に血がべっとりと付いているはずだからな!まあ怪しいのは部屋の隅に置いてあった四天王の仏像ぐらいだが…。
入っていたのはガラスの透明なケース。
仏像をどかしたら下の畳が透けて見えていたから隠すのは無理だ。
さあ撤収だ撤収!これ以上こんなバカな話に付き合ってられっか!
(蘭・和葉)え〜っ勘違い!?それやったら遺体なかったって言うん?ああこの坊さんの錯覚だ。
すみません。
でもよかった誰も亡くなってたわけじゃなくって。
ほんならはよ乗って!蘭ちゃんちに帰ろ。
あっ…。
風車?
(和葉)あかんつぶしてしもた。
大丈夫そんなに歪んでないから。
《なぜだ…なぜ夕方にはなかった焦げ跡が夜になって突然出てきたんだ?隠れて見えなかった?一体どこに?》あ…ねえ平次兄ちゃん!あ…。
ふ〜っ。
《…っておいオメエなぁ》あ!あっ!これやこれ!は?わかったで。
血の隠し場所が。
ああその方法も。
ああ…完全にな。
え?あ…。
完全にわかった!じゃあ私が3日前と今晩見た女性はやはり…。
ああ幻じゃなく正真正銘の遺体…巧妙に隠されて消えたように見えただけだ…奇想天外なカラクリによってな。
カ…カラクリ?なあそれどんなカラクリやったの?教えてお父さん!ヒントはこの風車!こいつを見てピンと来たんだ!んっ!?んっ!?なあお前もそう思ったんだろ?大阪のボウズ…。
あ…ああ…。
傳久さんが俺達を連れて戻った時なぜ遺体が消えたのか?この風車をあの離れだとしよう。
あの離れは手スリがなく8畳4部屋の正方形だ。
手スリ…。
正方形?おやおや〜…。
大阪のヘッポコ探偵ボウズはまだわかってないのかにゃ〜?ああ…あんたの推理はな。
そう…180度クルッと回転したんだよ。
あの離れが!はっ!?はっ!?
(傳久)あの〜…離れにそんな仕掛けはないと思いますけど…。
知らないだけだよ。
50年前に建てられたらしいしな。
た…たとえそうだとしても3日前は警察今晩はあなた方が私に呼ばれて駆けつけた後あの離れの4部屋全てくまなく調べたじゃないですか!あの時どの部屋にも遺体も血もありませんでしたよね。
ああ…そうだったな。
(平次)それとや…。
50年前にそないな遊園地みたい建物あったらここら辺のめっちゃ有名な名物になっとるちゅうんじゃ…ボケッ!んじゃあ!まあ遺体はなかった…坊さんの錯覚だったってこった!はぁ…。
(平次)いや遺体も血もあったんや。
えっ!?えっ!?隠れてて見えへんかったんやけどな…。
隠れてたって…それこそどこに?んっ!?イテテ…。
コナン君!あっ痛っ…。
大丈夫?落としたバッチを拾おうとしたら滑っちゃって…。
気つけなアカンよ。
今朝まで雨降っててまだこの辺ぬかるんでるみたいやし…。
それより僕の探偵バッチこの辺に落ちてない?見当たらないわねぇ…とりあえずはいメガネ。
ありがとう。
あっ!あるやんバッチ。
ほんとだ!でもヘンだねぇ…さっき見た時はなかったのに…。
そうね…。
あっもしかして…。
メガネにくっついてるこの葉っぱのせいかも…。
ほら!これだとまだバッチは見えてるけどこうやって葉っぱのついたメガネを置くと見えなくなっちゃうでしょう。
んっ!?んっ!?ホンマや。
地面の落ち葉と混ざって…。
バッチなんて落ちてないみたい…。
(蘭・和葉)あっ!なあ…ひょっとしてこれと同じトリックやったんとちゃうの?かも…。
トリックだと?
(和葉)うん。
このトリック使たら血を隠せるかもしれへんよ。
あの離れの部屋の隅に置いてあった四天王の仏像のケースの下にね。
ケースの下なんて何もなかったぞ。
仏像をどかしても下の畳が透けて見えていたし…。
だから…ガラスケースの裏から畳表を切って張ってで…血の染み込んだ畳の上に置いたとしたら…。
(和葉)血の跡なんかすっぽり隠れてしもて下の畳が透けてるみたいに見えるんとちゃうのん?
(傳久)た…たしかに。
でもそんなトリックケースを持ち上げられたらすぐバレちまうんじゃねぇ〜か?
(平次)そらないな。
仏像が入ったまんま持ち上げたら仏像が倒れてガラスケースが割れてしまうかもしれへんし仏像どかしたら下の畳は透けてるみたいに見えるし…。
わざわざその後ケースどかす必要はあらへん!実際俺らもケースまではどかさへんかったしな。
だがなぁ…一体誰が何のためにそんな仕掛けをしたってんだよ?殺害した奴が血を隠す為だけにそんな小細工をするか?それを仕掛けたんは多分…2ヶ月前にこの寺出てったちゅう2人の坊さんや。
酒の染みとタバコの焦げ跡を隠すためにな。
(平次)どっかから離れの畳と色のよ〜似た畳表を探して来て仏像のケースの裏に貼り付け染みや焦げ跡の上にケースを置いて見えへんようにしたんやろ…。
(平次)あの離れの掃除当番はその2人やったらしいしその2人うまい事ごまかせたってあんたに言うてたんやろ?ええ…。
夕方離れを調べた時にはそないな跡あらへんかったのに夜傳久さんが遺体見つけた言うた後調べた時に急に出てきたんがその証拠や。
んじゃあなにか?出てったその坊主2人がこっそり戻って来てあの離れでどこかの女を殺害したってのかよ?いやその2人はその仕掛けをしただけや。
それを利用したんはその仕掛けを見破って2人に大目玉を喰らわしたっちゅう…釈蓮和尚しかおらへんのとちゃうんか?ええっ!?あの和尚さんが!?その女の人を殺害した言うの?ちゃうちゃう…。
殺害したんやったら3日前に傳久さんが見つけるまで寺に戻って呑気に寝てたりなんかせ〜へんって。
(平次)その女の人は恐らく自殺や。
傳久さんから離れで女の人が亡くなってる事を聞いた和尚さんがとっさに思いついたんやろう。
こら傳久さんの錯覚…遺体なんかあれへんかった事にしたろってな。
そ…そんな。
畳に付いたその女の人の血の位置が丁度例の酒とタバコの跡と似た位置やったからケースの仕掛け使てうまい事隠せる思って畳を移動させてケース置いたんや。
んじゃその遺体はどこに?多分離れの縁の下にでも隠したんやろ。
警察が帰るまでな。
じゃあ今晩私が見た女の方も3日前の…。
いや。
今晩の遺体は多分…和尚さんが女のフリして倒れてたんやと思うで…。
和尚が!?ああ。
例の2人の坊さんが使てたカツラ被って血の代わりにケチャップか何か垂らして刃物が腹に刺さってる様に見せたんや。
2回も同じ事があると俺らも傳久さん自身も女の人の遺体は錯覚やったんやないかと思てくれるて踏んでな。
でも変じゃねぇか?確かあの…離れの仏像が置いてあった位置は4つとも部屋の隅…畳の右上か左下の角。
例の2人の坊主がケースに仕掛けをして隠したのはタバコと酒の跡の2つ…。
3日前の遺体の血がうまい具合にその位置だったとしても今夜傳久さんが見た血まみれの遺体は部屋の真ん中で倒れていたんだぞ。
これで血の跡は計4つになる。
ケース2個じゃ今日ついた血の跡までは隠しきれないと思うがな〜。
いや2個やない。
ケースは4個あるやないか。
(平次)和尚さんが2人の真似をして残りの2つのケースの底にも同じ仕掛けをしたんやろ。
これで4ヶ所隠せる。
(平次)ほんで今日元々血の付いた2枚の畳と真っサラな2枚の畳計4枚の上に血ぃみたいな跡つけて女の遺体のフリして部屋の真ん中に寝転んで戸締りに来た傳久さんを待ち伏せ遺体にビビって俺らを呼びに行ってる間に血ぃ付けた畳を四隅に戻し離れについた俺らの後ろからなにくわぬ顔で現れたちゅう訳や。
だから…和尚が遺体のフリをして部屋の真ん中に倒れていたって事はその血の様なものは畳の角じゃねぇ所に付いたってこったろ!ほんじゃケースが4つあってもよ上手く隠せねぇんじゃねぇのかな。
ホンマに?絶対か?えっ!?あっそうか!血の跡が畳の角に来る様に入れ替えれば良いのか!う〜ん…。
これだと血の位置は右上左下は同じだとして残りの2枚は左上と右下。
あっダメだ…んっ?あっ…こうか?ん〜これでも右上2枚は問題ないとしてやっぱり左上が2枚できてしまう…。
部屋の四隅に仏像を置いただけでは4つの血を隠せねぇんじゃねぇのか?フッ…ホンマに並べ方はそれだけか?あれれ〜これ見てよ!あん!?これってまるで…風車みたいだよね?あっそうか!こういう風に畳を並べれば…。
(和葉)血の跡は全部右上に来る!
(傳久)やっぱり私が今晩遺体を見つけた時畳の配置が変わっていたんですね。
しかし…和尚はなぜそうまでして遺体を隠そうとしたんだ?殺害してもいない女の遺体をどうして…。
まっそら本人に直接聞いてみよやないか?《確かにそうだ…なぜ和尚さんはそんな事を…》
(平次)《自分で遺体のフリまでして何で隠さなアカンかったんや…》《遺体を調べられると身元がバレるから?》《その女がどこの誰か知られたなかった?誰にや?》あっ!!えっ?ほう…戻って来られたと言う事はやはり隠し通せませんでしたか…。
当たり前だ!この小五郎様の目を欺くなんざ百万年早い!申し訳ありませんが訳をお聞きになる前に傳久には席を外して…。
あのお坊さんなら車の所に戻ってもらったよ。
女の子だけじゃ心細いからついててって頼んでね!あの坊さんを気にしてるっちゅう事はやっぱり3日前ここで自殺したんは…。
ええ。
18年前に傳久をダンボール箱に入れ寺の前に置き去りにした傳久の母親です。
えっ!そうなの?はい。
3日前の夕方急にやって来られたんです。
「息子を返して欲しい」と…。
(釈蓮)「実は毎年密かにここへ訪れ成長を見守っていた」とも…。
(釈蓮)ならばと思い…この寺に奉公していた小坊主たちの写真をお見せしたんですが案の定どれが息子なのかわからず終いには泣き崩れてしまいました。
(釈蓮)アルバムを持って来たのが我が子だとも気付かずに…。
(釈蓮)私は傳久を下がらせた後たまらず強い口調で叱りつけたのです。
「今夜は離れで頭を冷し息子が味わった哀しい18年間を骨の髄まで思い知れ!」とね。
(釈蓮)そして…夜が明けたらあの有様だったのです。
これを傳久が知るにはあまりにも酷だと思いあのような一計を案じたという訳です。
では参りましょう。
警察まで送って頂けますかな?あっ…はい。
こんな事をしてしまった私が言うのも筋違いだと思いますがこれから先も人を言葉で追い詰める探偵を続けられるのなら肝に銘じておいて下さい。
言葉は刃物…使い方を誤るとたちの悪い凶器に変化する。
相手の心を察して慎重に使わねばなりません。
たとえそれがどんな相手であろうとね…。
それで?和尚さんが遺体を隠した理由って何だったの?
(和葉)せやせや。
ケチケチせんとはよ教えて〜な!平次…なあ平次!!平次〜って…。
やかましいわ!!言いたないっちゅうとるんじゃい!ボケェ!!《こいつの場合思いっきり言葉の使い方を誤ってる気もするが…》
(いびき)ううん…ふぁぁ〜…。
《やべっ!10時間も寝ちまった!!》《ま…いっか。
昨夜は色々あって帰って来たのも遅かったし…今日は連休前の日曜…》《さすがに服部たちは帰っちまったみて〜だな…》明日朝早いから先寝るで…《…って言ってたし。
でもあいつちゃんと覚えてるかな水無怜奈の事調べて欲しいって俺の頼み…》まあ…後でメールで念を押しとくか…。
《んっ!?…クソ!空じゃねぇか》
(平次)ホラ俺の貸したるわ。
おっ!悪い…って。
なんでお前がまだここに!?朝早くに帰るって!?ああ。
そのつもりやったんやけどあのオッサンのいびきがなぁ…。
(いびき)キツ〜てよ〜寝られへんかったんや。
おかげで予定はメチャメチャや。
じゃ早くチケット買い直した方がいいんじゃね〜か?ん?…いや〜いいんや。
俺はまだ帰らへんで。
へっ?なんで…?なに!?無人島!?これからそこに行くっつうのか!?
(平次)ああ。
花見はついでやったちゅ〜こっちゃ!事件の依頼か何かなの?ちゃうちゃう。
テレビの番組のしょ〜もない企画やねん!自分うるさいなぁ!でも大丈夫なの?島まで行く船の時間朝早かったんじゃ…。
いや〜今から向こうても充分間に合うし…。
だったらなんで…?早起きしたかったんは先に行って見ときたかったんや。
呼ばれた奴らの顔とか性格を…。
俺と同じ高校生探偵のな。
こ…高校生探偵?そうや。
日売テレビが全国からそんな奴ら集めて日本一決めるらしいで…。
「探偵甲子園」ちゅう看板つけてな。
(小五郎・蘭・コナン)た…探偵甲子園!?せやからアタシはやめときって言うたんよ!そんなん行ってもアホ呼ばわりされるだけやって。
俺かてそう思たんやけどしゃ〜ないやないか!参加依頼の手紙にあったんや。
この服部平次に西の代表として参加してくれへんかってのぉ!え西の…。
そうや。
俺が西っちゅ〜事は東はもちろん…。
《し…新一!?》あ〜蘭ちゃん赤〜なってる〜!えぇあほら…きょ今日って結構あったかいからぁ。
んじゃまさかあの探偵ボウズも。
来るんちゃうのん?《来ねえって。
てゆ〜かんな事コイツもわかってんだろ〜が!》どやオッサンも姉ちゃんも一緒に来えへんか。
付き添い人の宿もあるて言うてたしひょっとしたらホンマにあのキザな高校生探偵工藤新一がノコノコ現れるかもしれへんしな〜ボウズ。
《おいおいおい…》
(槌尾)遅いじゃないか服部君。
時間通りに頼むよこっちは分刻みで動いてるんだから!
(平次)やぁすんませんなぁちょっと道間違えてしもて。
まあとにかく島へ行こう!みんなもう船に乗ってるから。
えっじゃあ新一も来てるんですか?
(槌尾)え?工藤新一東の高校生探偵や!ああその少年なら連絡が取れなくて来れるかどうか分からないと。
え〜っ。
(和葉)ホンマに〜?まそらそうやな。
だから当たり前だっつ〜の。
しかしその無人島に我々付き添いが泊まれる施設があるんスか?
(槌尾)ああいえ島には古いロッジだけなので保護者の皆さんには今晩そのホテルに泊まって頂いて明日の収録が終える頃に迎えに来て頂こうかと。
はあ。
なぁこのボウズも連れてってかまへんか?俺の助手みたいなもんやねん。
いいいけど君の部屋に一緒に泊めるんだったら。
(和葉)けどごっつい船やなあ何人乗りや!?まさか47都道府県から1人ずつ!?いいやぁ呼んだのは東西南北の4人だけでこの船は目立つから待ち合わせの目印にしただけ。
(蘭・和葉)え〜!我々の船はあっち。
この船だよ。
ほぉ〜。
さあ早く乗って時間押してるんだから。
なあ服部。
なんや?あの日売TVのディレクターって知り合いか?
(平次)いや今日初めて会うたんや。
日売TVのスタッフジャンパーが目印や言われてな。
(和葉)平次〜。
関西代表なんやから負けたら許さへんでぇ〜!おう残したるわ。
服部平次「ここに在り」ってのぉ!
(槌尾)と言う訳で島に着いたら夕食までは自分の部屋から出ないように。
で何かが起きるのは夕食の後ってわけだけど油断しちゃダメだよ。
島に入ったらもう勝負は始まってるんだからね。
(越水)ウィ〜ス。
(時津)了解しますた。
《おかしいな〜探偵甲子園やからもっと燃えるもん期待しとったのに》んで…。
なんで俺を連れてきたんだ。
まさかまた俺と組んで勝とうってハラなんじゃ。
ちゃうちゃう。
どうせ東の工藤新一は来られへんねや。
せやからお前にも参加してもらおと思ただけ。
簡単に俺が勝ってしもたらつまらんやろ。
俺とええ勝負できんのはお前だけやねんから。
だから蘭たちまで誘って…。
ハァ〜。
確かにこんなくだらねぇ企画俺1人じゃ来ねえよなぁ。
ハァ…ハァ…ううう。
あれぇもしかして船酔い?あ…いや。
二日酔いだよ。
ハハ…。
昨日の撮りがかかってねぇ。
その後スタッフと飲みすぎちゃって。
ふ〜んじゃあ「てっぺん」越しちゃったんだねぇ。
てっぺん?えそりゃまぁやたら値段の高い店だったけど。
ねえおじさんこれ邪魔わらってくれない?狭いよぉ。
わ笑う?こ心が狭い…。
あさっきの「高い」と「てっぺん」ってシャレだったんだ。
ハハハ…。
(時津・越水)ハハハ…。
ほぅ…あの2人ちょっとはできるみたいやな。
ああ。
(フロント係)た探偵甲子園?日売TVですって。
そのようなご予約は承っておりませんが。
おおいちゃんと調べてくれよ。
夕食と朝食付きのはずだぞ。
ハァ…ししかし…。
何何ぃ〜?どうなってるの?
(甲谷)いらっしゃい。
私がこの度お世話を仰せつかった甲谷廉三です。
どうぞよろしく。
ではさっそくロッジの方へ。
なあディレクターさん。
ん?東の高校生探偵が来えへんのやったらなぁものは相談やねんけど。
おおい。
はて?東の代表の少年なら今朝早くに見えてすでにロッジに。
なっ!なんやとぉホホンマかそれ!?ええ確かお名前が…。
(携帯メールを打つ音)
(白馬)なるほど外界からは隔離されたまさにここは孤島ミステリーの舞台としては絶好のシチュエーションというわけですか。
は白馬探!?…って誰やねん?
(槌尾)それじゃあ東西南北高校生探偵が揃ったところで自己紹介といこうか。
いいけど…。
いいのかい?カメラ回ってなくても。
ちゅ〜かテレビスタッフ誰もいてへんやんか。
ああクルーや進行役のタレントは明日来る予定。
みんなには一足早く来てもらおうと思って。
んじゃま…僕は越水七槻。
高校3年。
生まれは福岡で一応…南の代表になってるけどまだ100件程度しか事件解決してないからまだまだかけだし。
お手柔らかに頼むよ。
小生は時津潤哉。
生まれは東京だけど北海道で育ったから北の代表ということで…。
事件の処理は大体300件。
逮捕起訴された人数は250人あまり。
ま逃げられたり自殺っていうケースもあったからねえ。
俺は服部平次。
関西やったらちい〜っとは名の知れた探偵や。
まあ事件解いた数はひぃふぅみぃ…。
いやまあ〜その〜もう1000件越えたらいちいち覚えとられへんしなぁ。
い1000件って…!すごいねえ〜。
おいいい加減なことふかすなっての。
ホンマのこっちゃ。
ガキの頃の猫さがしも勘定に入れたらやけど。
なるほど。
君が服部平次君ですか。
父からよく聞かされているよ。
とてもカンのいい探偵だとか。
あん?なんや。
なんでお前んとこのオトンが俺の事…。
だから平次兄ちゃんと一緒だよ。
一緒?だよね!白馬の兄ちゃん!ああ僕の父は警視総監。
奇しくも大阪府警本部長の父を持つ君とはよく似た境遇だというわけですよ。
ほお〜。
ちなみに解決した事件の数とかは。
そうですね。
ざっと500件ってところでしょうか。
なんや俺の半分やんけ。
ええもっともこの日本で起きた事件に限定しての数ですけど。
なんやとぉ?イギリスでの留学生活が長くて日本に戻るのはたまになんですがうちのばあやが勝手に事件の依頼を受けてしまうんです。
想定外だな。
海外で有名な白馬氏が東の代表なんて。
うん…僕はてっきりあの工藤新一君だと…。
せやせや!東の高校生探偵ゆ〜たら工藤やろ。
お前やあらへんのじゃい!ふ…うちのばあやがねそこにいるディレクターからの電話を受けたんですよ。
連絡の取れない工藤君の代わりに東の代表として僕に参加して欲しいと。
「代わりに」という言葉にばあやは心を痛めたらしく「東に白馬ありってところを世間に知らしめておくれ」と涙ながらにせがまれてしかたなくイギリスから舞い戻った…というわけですがどうやら僕は東の代表にはふさわしくないようですね。
あったり前や。
じゃあこうしませんか?僕は海外からのゲスト参加ということで…。
東の代表はこの江戸川コナン君という事に。
この少年もなかなかの推理力の持ち主。
かの工藤なにがし君にもひけはとらないと思いますが。
《なにがしだと?》ん〜でも子供じゃねえ。
い〜じゃん。
それもアリって事で。
それより早く部屋に行きたい。
疲れちゃったよ。
小生…夕食をキボンヌ。
ああそそうだね。
じゃあ夕食は今甲谷さんが作ってるから用意が出来たらあとでお呼びしますよ。
あそれと明日の撮りの君たちの服装をチェックしておきたいから夕食の時は電話で話しておいた「探偵甲子園」っぽい格好でよろしく。
え〜!何?そんな企画はない!?ってホントか?ヨーコちゃん!ええ局の人に聞いて回ったんですけど「探偵甲子園」なんて特番誰も知らないって。
本当にその人って日売テレビの人でした?ああ局のスタッフジャンパー着てたし名前は確か槌尾広生…。
何!そんな名のディレクターはいない!?ちょちょっと…じゃああの2人を連れて行ったのって…。
誰なん?なるほどね探偵甲子園っぽい服ってそれかぁ。
ああ学校や葬式以外でこんな格好したぁないねんけどな。
せやけどビックリやで。
お前があのムカつく奴と知り合いやったとは。
ああ白馬探か。
前にちょっと事件でな。
そんなにムカついたのか?ああ…人をなめくさったあのスカした物言いときたらお前そっくりや。
そそうか?まあお前の方がかわい気があるよってナンボかマシやけど。
そそうか…。
とにかく!こっから先は俺たちも敵同士。
何が起きても話しかけんといてや。
(ノック)どうぞ。
失礼。
夕食の支度が出来ましたのでダイニングの方へどうぞ。
せやけどえらい古いロッジやなぁ。
(白馬)ところどころ補修されているようですが…。
誰の持ち物なの?
(甲谷)さあどこかのお金持ちがもう使わなくなったので安く貸し出しているとか。
(平次)ほぅ〜。
そういえば彼女はもうダイニングに行ってるのかい?彼女?いえこれからお呼びするところで。
この島に女も来てたんか。
いたよ。
ずっと一緒に。
(ノック)は〜い!お食事の用意が…。
え〜!もうそんな時間!?やっば!のんびりしすぎちゃったよ。
こいつ…女やったんかい!?僕の学校校則厳しくってスカートはヒザ下3cmスカーフは左右対称にソックスは黒もちパーマは禁止!マユをそったら停学この天然茶髪も何度注意された事か。
でも今夜はまだカメラもないし適当でいいのでは?うん!そうだね。
なんや自分…服変わってへんやん。
ええ君らと違って留学先のイギリスじゃ私服なんでね。
へっ…。
(越水)うわ〜!うっまそうだねぇ!これみんなおじさんが作ったの?
(甲谷)はい。
あれ?ディレクターさんは?はて…先ほど部屋にうかがった時は返事をなさらないのでもうこちらに来られているのかと…。
(平次・越水)え…!?彼の部屋へ案内してください。
(甲谷)槌尾様!お食事の用意が出来ました。
槌尾様!
(ノック)アカン…こらカギかけて熟睡してるで。
あ…。
血や。
ノブに血ぃついてるで。
あ合カギは!?いえカギ自体ありません。
皆さんの部屋と同じく内側からロックだけなので。
同じ…というのならば窓も二つあるはず。
じゃあ窓から中の様子を…!
(ドン!ドン!)ちょっと君ぃ!
(ドン!ドン!)とぉりゃー!!つ槌尾さん!
(平次)槌尾さん!槌尾さん!
(時津)窓の施錠…確認。
ドアの鍵もバッチリかかってたみたい。
ならばこれは密室殺人?ええ。
ですがそれは当然彼が絶命していたらの場合ですけど。
うっ…。
おっ生きとるやん。
おいどないしたんや?よかった何があったの?あ…誰かがドアをノックしたので出てみたら誰もいなくて部屋に戻ろうとした時突然後ろから薬を…。
「探偵甲子園」第一問。
え?あっ!あ!
(甲谷)「この密室の謎を解き明かせ」。
解けた者はその推理を書面にして速やかに私の元へ。
その推理が真実なら2回戦への進出及びこの島からの脱出を認める。
ほぉ〜つまり戦いはもう始まってたっちゅ〜わけか!じゃあどこかに隠しカメラでもあるんでしょうか。
でも意外だなぁボクはてっきりこの人がニセのディレクターだと見破るのが1回戦だとばかり…。
えっ!?な何言ってんだい私は本当に…。
とぼけたらアカンで。
あの時あいつが言うてた「てっぺん越してもうた」っちゅ〜のはなぁ撮影が手間どうて夜中の0時を過ぎてしもて大変やったちゅ〜意味やで。
その後その姉ちゃんが言うてた「わらってくれ」ちゅうんは何かをどかしてくれっちゅ〜意味や。
駆け出しのADやあるまいしこんな業界用語も知らんディレクターなんておらへんって。
それにおじさんのその日売テレビのマーク目玉の渦巻きが変だよ。
本物は逆巻きだもん。
だからお兄ちゃん達はおじさんがニセモノだと分かってカマをかけたのさ。
まその訳は1回戦突破してからじっくりと…。
(時津)悪いけど小生は抜けさせてもらうよ。
え?わかっちゃったんだなこの密室トリック。
何ならやってみせようかい?ほぉ〜。
もう解けたんだ。
ほんならやってもらおうやないか。
それはなりません。
そんな事をすれば他の方にもトリックが判ってしまいます。
ですから先ほど申したように推理は書面にして私の元へ。
これはあくまでも1回戦決勝ではないんですから。
大丈夫まさか目の前でやるわけでは…。
まぁ小生としてはこれが決勝でも多分結果は同じ…。
フッたいした自信ですね。
どうでもいいけどそのトリックって密室の中で縛られてた槌尾さんが鍵をかけた後「自分で縛った」とかじゃないだろうね?まさか。
だとしたらその縄を解いた西の代表の彼が気付くはず。
いくら彼が無能な探偵だとしてもね。
ん…む無能やとぉ!確かにあれはいただけない。
君はドアノブに付いた血を発見しドアを破って突入してしまった。
あの場合窓から中の状況を把握してからドアを破るか窓ガラスを割って入るかを決めるべき。
もし槌尾さんがドアに寄りかかってしかも亡くなっていたならドアを破った時点で遺体も動き周辺の証拠も消し飛んでしまう。
アアホ!あん時はなぁ…。
誰よりも先に現場に入りたかった故の勇み足…そういうの探偵失格って言うんじゃないの?何やとコラァ!失格なんかじゃないよ。
《工藤…》平次兄ちゃんはちょっと血の気が多いだけなの。
フッ…。
《コラ…》とにかくこれから2階の小生の部屋を密室にしてくるからま夕食でもとりながら待っててくれないか。
1時間程度はかかるのでね。
1時間やと!?なるほど甲谷さんが僕達を各部屋に案内しこの密室での出来事が見つかるまでの時間もちょうどそれ位。
それだけ手間がかかるトリックなんだね。
まそういう事かな。
念のために言っておくけどこのトリックは粗暴な探偵君の愚かな行動は想定外なのでよろしく。
まあ同じ過ちは繰り返さないでしょう。
地元の名誉と大阪府警本部長の父上の名にかけて。
そうだろ西の代表くん。
ヘへ…。
でもさボクは好きだな君みたいな熱〜い探偵。
へ…。
ヒィー!どうしたの和葉ちゃん。
ううん何か嫌な予感が…。
携帯はまだダメ?うんずっと「電波の届かない所」の繰り返しや。
そっか…。
なあ蘭ちゃん何か変な感じせえへん?え?何やら得体の知れん不気味なもんが平次らに迫って来てるみたいな。
考えすぎだよ服部君なら大丈夫。
コナン君と一緒にきっと帰ってくるよ。
せやけど引っ掛かんねん。
連れていかれてしまうあの時の平次の顔が何べんも何べんも頭ん中出てきて…。
なあコナン君の携帯どうなん?まだ?うんこっちもダメみたい。
こないやったら東の代表で工藤君が平次と一緒やったら心強かったのに…。
おかけになった電話は電波の届かない場所にあるか…。
《新一の携帯も同じ。
んまさか新一も!?》《やっぱ圏外だ。
まあこんな離れ小島じゃなぁ…》え〜マジ!?ちょっとトイレに行ってただけなのにもうほとんどなくなってるじゃないか!おじさん!ちょっと食べ過ぎだよ!!ああ腹が減ってたもんでね。
んもう。
ほんなら腹も膨れたところで話してもらおやないかニセのディレクターさん。
え!
(平次)あんたがニセ者としてなんでこの「探偵甲子園」の企画に参加したんか。
俺らの技量を量るためやなかったらあんたの役目はなんや?ダメダメそれを言ったらギャラをもらえない約束だから。
日売TVにか?ああ。
じゃあこれには
(白馬)答えて頂けますか?このロッジに入った時から気になっていたんですよ。
そこにある「ラベンダー」の花の香りがね。
そう言えば僕たちの部屋にもあったねラベンダー。
せやな。
僕の部屋にもあったよ。
どの部屋にもあるみたいだね。
(平次)それにやその横に置いてあった工具箱。
あれも何か意味があんのやろ?さぁどうだかねえ。
それを探り当てるのも探偵の仕事そう存じあげておりますが?確かに。
でも外界と隔離されたこの状況では調べようが…。
「ラベンダー屋敷の殺人事件」。
ん?え?僕が「ラベンダー」で思いつくのは1年前に四国で起きたその事件ぐらいかなぁ。
それなら僕も聞いた事ある。
確か亡くなったのはその屋敷のお嬢様で…。
(香奈)キャア〜!
(香奈)おお嬢様〜っなのに半年後に他殺だったって変わっちゃったんだ。
ホゥ…。
それで犯人は?捕まる前に自殺僕はそう聞いてるけど。
え?どないしたんや?いやちょっとその…タバコを部屋に忘れて…ハハ。
うわっ本降りになってきよったで。
(槌尾)ハァ…ハァ。
(白馬)どうしたんですかズブ濡れで。
外にタバコの自販機でも探しに行ったんか?あいやぁちょっと外の様子を。
それはそうとちょっと遅すぎじゃない彼。
そうですねぇあれからもう2時間以上…。
私が聞いてまいります。
あとどれくらいかと。
オゥ頼むわ。
(平次)何ぃ〜!?部屋に居てへんやと!はい何度ノックしても返事がなく…ですが鍵はかけられておりましたからひょっとしたら…。
なる程もう密室を完成させてどこかでほくそ笑んでいるんでしょう。
だとしたらあの得意顔で僕たちの前に現れそうだけど。
ほんなら外から確かめてくるし待っといてや。
じゃ僕も行こう!君1人じゃ何かと心配なんでね。
フン!勝手にせいや。
なんやまだいてるやないか。
い今あいつ血まみれやったよな。
ああ早く部屋へ。
おおい!君!?ちっ…。
どうだ服部!アカン!ホンマに死んでるで。
状況は?見ての通り頭を殴られ即死や。
(平次)凶器はきっとその金槌やな。
血もついてるし。
多分あそこのラベンダーの鉢んとこにある工具箱ん中の物やろ。
(白馬)窓の鍵は?
(平次)ああかかってたで俺が開けるまではしっかりとなぁ。
(越水)う〜ん窓枠もネジでしっかり留めてあるみたいだね。
入口の扉とかも特に細工をした跡はないようですし。
他に抜け穴やら隠し扉がないっちゅ〜事は…。
「密室殺人」しかも犯人は越水さんと甲谷さんと槌尾さんの中の誰かなんじゃない?ななんだとこのボウズ。
どうして私らが。
確かにそうだね。
この時津君が2階にある自分の部屋を密室にすると言って部屋を出た後僕たちは1階のダイニングで夕食を食べ始めた。
僕はすぐトイレに立って10分位はその場に居なかったし僕が戻ってしばらくすると槌尾さんがタバコを取りに自分の部屋に行きそして甲谷さんは時津君の様子を見に。
その間白馬君や君たち2人はずっと一緒にダイニングにいたんならそういう事になるわけだね。
ま待て俺は雇われてここに来ただけなんだ。
誰にや!?ホンマに人が死んでしまうこないな企画テレビ局が組むわけないやろ?ほ本当にテレビの企画だと思ったんだ。
実は俺ある劇団の俳優で日売テレビの社員って奴から「局のディレクターの役を引き受けてくれ」って手紙が…。
前金で50万ニセ者だとバレなきゃさらに50万ってな。
誰でも飛びつくおいしい話だろ?でバレたら?
(白馬)バレても最後までしらばっくれてこの「探偵甲子園」の企画をやり通せたら半額の25万円くれるって。
じゃあさおじさんが自分の部屋にタバコを取りに行ったのに外に出て雨に濡れたのはなんで?な…納屋にある無線機で緊急の連絡をしたかったんだ。
でも壊されていたんだよ!3日前に下見に来た時にはなんともなかったんだ。
(平次)ホンマかそれ。
ああ。
しかし妙ですね。
あなたが納屋へ向かったのはこの殺人が起こる前なんで判ったんですかこの緊急事態になることが?そそんな予感がしたんだ。
ほ本当に。
そんなら甲谷さんあんたもこの槌尾さんに呼ばれたんか?ええみなさんのお世話係として2日前からここに。
丁度執事としてお仕えしていた家からおヒマを出されたばかりでしたから。
でも密室のトリックはわかってたんでしょう。
答えを書いて持って来いって。
密室で何か起きたらそう言えといわれて。
答えの紙もトイレマットの下に忍ばせておけという指示でしたし。
うまい言い方やなまるであんた以外に黒幕がおるみたいや。
いいや私は本当に…。
ど〜でもいいけど僕は君たちと同じだよ。
そのニセのディレクターに高校生探偵の南の代表としてここに呼ばれただけ。
わぁ!僕雷は好かんと!やけんはよ窓閉めて頼むけん。
ああぁ。
大丈夫雷も事件も僕がすぐに鎮めますから。
《なんやこいつ…》とにかく後は俺らが調べるよってあんたら容疑者3人は1階のダイニングで待っといてや。
フン願わくば君も一緒に待機していて欲しいね。
あん?君の行動は熱すぎる。
野蛮というべきか。
《なに!?》見たまえ!飛び散ったガラス片を。
(白馬)机に残った君の泥のついた靴跡を!惨たんたる状況じゃないか!!まさかあの鍵も不用意に素手で。
オウ!開けたったわ!!文句あるんかい!《逆ギレしてるし》まったく君には失望したよ。
父の話だともっと出来る探偵と思っていたんだが。
ともかく彼女たちをダイニングに送った後捜査を再開しますけど邪魔だけはしないで下さいよ。
「西の代表」君?ハァ…。
なぁ工藤俺…間違うてるか?いや全然。
全然ってねぇ口ヒゲの男と高校生3人と子供を1人乗せてった船だよ!全然知らないわけないっしょ!?あどうしたの和葉ちゃん。
何やらやっぱり何かひっかかってんねん。
あの平次のあの時の…。
オゥ残したるわ服部平次「ここに在り」ってのぉ!ハッ!平次はここに…ここにって?ねぇ蘭ちゃん平次の言ってた「ここに在り」っていうのはもしかして…。
(平次)まあいっちゃん引っ掛かるいうたらわざわざ窓辺の机の上に亡くなった時津を座らせてる。
(白馬)このポージングですね。
何か意味があるのかな?ただ単にこの密室殺人を外から見えるようにアピールしたかっただけ…とも取れますが。
それになんだろうねあのラベンダーと工具箱。
みんなの部屋にも置いてあるみたいだけど。
外から眺めとっても埒あかんわ。
開けるで。
(白馬)待った…僕が。
あさよけ。
(白馬)針金に釘ペンチにドライバーキリに金尺プライヤーに木工用の接着剤ノコギリカッターナイフ。
(平次)やっぱりや金槌が入ってへんで。
やはり凶器はここから取り出されたようですね。
(平次)あないな金槌やったらオッサンはもちろん女や年寄りでも犯行をおこなえるわなぁ。
時間的にそれは言えてますね。
あの3人が我々のそばからいなくなったのがトイレに立った越水さんが19時26分32秒から同39分15秒まで。
自室にタバコを取りに行った槌尾さんが20時6分47秒から21時28分31秒。
そしてこの部屋に時津君の様子を見に来た甲谷さんが21時30分6秒から同38分52秒。
3人とも犯行は十分に可能です。
《アハハ…秒までかよ》せやけど甲谷さんはほとんどキッチンにおった事になっててず〜っと俺らから隠れて自由に動けたんちゃうか?いやキッチンの窓は全て開け閉めの出来ないはめ殺しで単に明かり取りのため。
キッチンのドアはここ。
つまり外へ出るには僕たちのいたダイニングを通らなければならないのでおそらく甲谷さんはずっとキッチンに…。
ちなみにこれが2階の見取り図で4部屋とも窓のむきが少々違っているだけでほぼ同じ作りです。
自分仕事早いな〜。
フ…僕は君たちより半日も前にここに来てますから。
ねえ〜そういえばなんでここって電気がきてるの?せやな〜無人島やのに。
簡単な発電機が例の納屋にあるそうです。
なんなら行ってみますか?例の無線機もそこにあるようですから。
(平次)うわっ!?ホンマや。
ムチャクチャ壊されとるやん。
これが発電機か…。
ここって鍵はなかったの?
(白馬)いや南京錠がかかっていたはずですよ。
鍵は確か甲谷さんが…!?《南京錠…こじ開けた跡》
(平次)しっかし泥の靴跡だらけやな。
槌尾さんのだよ。
雨が降り出した後で外に出たのはあの人だから…。
だったよね白馬の兄ちゃん!?あれ?いねえ。
(平次)なんやあいつ消えてしもた。
(白馬)《無い…無い…無いぞ。
やはりこの人の部屋の工具箱から針金が無くなっている》ん?白馬は戻ってへんのか?ええ…あなた方と一緒ではなかったんですか?それより何かわかったの?納屋を調べてたみたいだけど!あああ…まあな。
(槌尾)無理無理ヒック…。
《アハハ…オッサン飲んでるし》へっお前ら探偵なんて気取ってるが所詮中身は寸足らず。
見掛け倒しなんだからよ!あっ!あっ!フン…ほなら見掛け倒しの推理聞いてもらおうやないか。
《なるほど…そういう事ですか》《間違いない犯人は…あの人!》《あの男…》せやろ?時津殺害してまんまと密室にしくさった。
甲谷廉三さん?
(平次)まあちょっと考えたら簡単なこっちゃ。
時津は自分の部屋を密室にすんのに1時間程かかるて言うてたやんか。
ちゅ〜ことはそんくらい手間のかかるトリックやったわけや。
当然その準備が整うた頃に様子を見に行くと会いに行って殺害…そのトリックをまんま使て密室殺人を完成させたと考えたら自然やろ。
せやから時津がそう言うて部屋にこもったすぐ後にトイレに立った越水さんと…そのまた30分後にタバコを取りにと部屋を出て行った槌尾さんにもまず無理。
つまり亡くなった時津が密室で見つかる直前に1人で彼を訪ねた甲谷さん犯人はあんたしかおらんちゅ〜こっちゃ。
(白馬)やれやれ…。
あん?君は僕をどこまで落胆させれば気が済むんだい?残念だが彼ではありませんよ。
なぜならその罪人は針金ひとつで自在に鍵を開閉できる人物。
それは…槌尾さん。
ひ!!あなたですからね。
な何をバカな!あなたがタバコを取りに戻ると偽って向かった納屋にかかっていた南京錠。
こじ開けられた真新しい跡があるうえに濡れて納屋の中に放り込んでありました。
つまりそれをこじ開けたのは雨が降った後に外に出た槌尾さんのみ。
さらにあなたの部屋の工具箱から針金だけが無くなっていましたしね。
じゃあ彼はどうやって密室を?槌尾さんは3日前に下見のためここに来たと言ってましたよね。
おそらくその時にあの部屋の窓ガラスに小さな穴をあけておきそして今夜時津君を殺害し窓から外に出て先程のガラスの穴から針金を通し鍵をかけたんですよ。
あとで服部くんがうかつにも…。
フン。
(白馬)窓ガラスを派手に破って室内に入りガラスにあけた穴をうやむやにしてくれると見越してね。
その後納屋にあった無線機を壊したのは僕たちに不安感を抱かせ精神的に追い込んでもう1人誰かを殺害する気だった!違いますか?ウゲッ…そそんな!!違うと思うよ。
え!?平次兄ちゃんが窓ガラスを破ることを予測できたとしても4枚あるガラスのどの部分を割るかまではわからないよ!それにいくら平次兄ちゃんの血の気が多いと言っても穴があれば気付くと思うけど。
《血の気多いは余計じゃ…》
(白馬)しかし納屋の南京錠をこじ開けたのは間違いなくこの男。
ああこのオッチャンの手クセが悪いっちゅうんは確かやけどそれだけや。
それとも何か?自分の頭ん中には泥棒イコール犯人やっちゅう方程式でもあるっちゅうんか?《フ…僕としたことが》それで結局密室トリックはどうなったの?うん超簡単なトリックだよ。
まず窓枠を固定しているネジを全部抜き窓ごと外し抜いたネジを全部プライヤーで短く切ったら準備OK!後は切ったネジの頭を窓枠にはめ直して窓枠の周りに接着剤を塗ったら外に出て窓全体をはめこむ。
つまり見かけは固定したように見えるけど中身のネジは寸足らず。
ただ接着剤でくっついているだけの窓が出来上がったってわけさ。
んでねそれが出来たのは…。
(平次)待ちい。
せやいっちゃん最後に時津の部屋に行った甲谷さん。
あんたしかおれへんなぁ。
な何言ってんだ平次兄ちゃん!その人は…。
ちんたら時間かけてその細工に没頭しとった時津のスキを見てあんたが殴って殺害したんや。
(白馬)いやぁ言葉を挟んで申し訳ないが甲谷さんにその細工は…。
証拠もちゃんとあるで。
時津の部屋で拾うたこの頭切られたネジがの!《ここいつ!!》《まさか…!?》どうや?これが決定的な証拠っちゅうやっちゃ。
全部回収できへんかったようやなぁ。
そうや。
プライヤーでネジぶち切ったらどこに飛ぶかわからへんしのぅ。
やっぱりな…やっぱりあんたやったんか。
時津を殺害した犯人。
《服部…》時津がトリックの準備に1時間はかかる言うたんは接着剤が乾く時間待ちや。
ネジ外したり切ったりすんのをなんぼ急いだかて接着剤が乾くには速乾性でも30分以上は必要や。
(平次)ちゅう事は時津はそれらの作業を30分もかけんと終わらせあとは部屋の外で待つ算段やったんや。
つまり時津がまだ部屋におる時に殺害する事ができるんは食事が始まってすぐに席を立ったあんたしかおらんちゅう訳や。
恐らくあんたはトイレに行くふりをして時津の部屋に向こうて「自分もトリックがわかったから答え合わせしようやないか」とか言うて中に入り隙を見て撲殺。
それからやりかけのトリックを完成させ密室にしたんや。
あとは玄関から入って知らん顔で俺らのいるダイニングに戻って来たっちゅうこっちゃ。
(平次)そやけどこの話はあんたなら出来たかもしれんちゅう仮定の話や証拠がない。
そやから納屋で拾うた無線機のこのネジ使うたんや。
全部拾うたと思うてもこないに出されるとひょっとしたらと思うて不安になるやろ?
(平次)しかもや疑いは甲谷さんにかかり自分やないと思たら隙ができる。
必ず隠し場所の方を見る思うて気にかけとったんやけどまさか…まさか肌身離さずポケットの中手探りで数かぞえてるとは…思わへんかったわ。
まあ雷怖がるふりして拾てたから1個は持ってるとは思てたけどな。
え?
(平次)俺らが納屋を調べとるの知っとった。
あら雷怖がらんと窓のそばで外を見てた証拠や。
あん時しゃがんだんは拾い損ねたネジを拾う為やったんやろ?ん?ちゃうんか?ああそれはきっと…。
(白馬)フーム…ピアスの穴。
これを隠すためにあの時耳をふさいだんですね。
ええ?ピアス?そやけど…。
だから船でヘッドホンしてたんでしょ?潮風で髪がなびくと見えちゃうから。
まあイギリスじゃあピアスの学生なんてザラにいますから気にも留めませんでしたけど。
そやけど確かあんたんとこの高校えらい規則がきつうてピアスなんか…。
ええでもいいの。
私はもう20歳。
高校は2年前に卒業してるから。
ボロが出ないように懐かしの制服引っ張り出してきたんだけど失敗。
女子高生っぽくしようと校則の事まで口走っちゃうなんて。
しかしなぜこんな事を…僕たち高校生探偵を集めたりして。
つきとめたい事があったの。
え?…というと?ラベンダー屋敷の密室殺人事件。
あれを「解いた」高校生探偵をでしょ。
ええ…。
ほならまさかあの時津が…ちゅう事か?うん。
新聞には名前や事件の詳しい事までは載ってなかったけどね。
そう。
あの男は四国を旅行中にふらりとその屋敷に立ち寄って密室殺人の謎を解き名も名乗らずに立ち去ったの。
おかげで屋敷でハウスキーパーをしていた私の親友が疑われた。
事件当時亡くなったお嬢様と2人きりでいたという理由で…で私もその屋敷に行ってみたのよ。
探偵としてあの男が現れる1ヵ月前に…もしかしたら殺人かもしれないから調べてとその親友に頼まれたの。
(越水)でも何も見つからなかった。
どう見てもお嬢様は自分で部屋を締め切って自殺したとしか思えなかった…。
(平次)ほならなんでや。
あんたの親友がそない疑われるん?
(越水)1ヵ月後に来た高校生探偵が見つけたのよ。
お嬢様の部屋の窓の外に散乱した頭の切られたネジやその窓が接着剤で止められているだけだという事をね。
え…まさか見逃したんですか?見逃すも何もそれはその槌尾という男が清掃業者を装ってやって来て細工をした痕跡だったのよ。
多分窓を簡単に外れるようにして後で空き巣に入ろうとでもしたのね。
せやからあんた「ラベンダー屋敷」の話が出たとたんに血相変えて島から逃げようとしたんやな。
(越水)事件後半年も経ってからその細工に時津は食いつき自分の推理力を誇示するようにこれは殺人だと警察やマスコミに吹き込んだのよ。
(越水)散乱したネジの錆び具合を調べれば事件と関係あるかどうかわかったはずなのに…さすがに時津もその違和感に気付き自分の名前は伏せた。
そのせいでどこの高校生探偵なのかわからなかった。
唯一の手がかりは親友が亡くなる前に私に電話で残したメッセージ。
変なしゃべり方の高校生探偵が私を疑ってるの助けて助けて七槻!…のひと言。
なるほど。
変なしゃべり方といえば確かに僕は海外留学が長いから日本語がおろそかな時もあるし関西弁丸出しの服部君。
そして自分を「小生」という時津君をここへ集めた。
(越水)ええなおかつ警察に顔が利く名探偵の高校生は君たち3人だったから。
ほなら工藤は最初から数に入ってへんかったんやな。
ひひひ…。
《はいはい》ええ彼は有名だから白馬君を呼ぶ時に名前だけ使わせてもらったの。
そして探偵たちを集めたこのロッジの中でまず槌尾さんを眠らせて縛りラベンダー屋敷の事件の真相と同じトリックで密室を作りまんまとターゲットをあぶり出した…。
そうよ。
部屋の中に必要な工具を揃えておきラベンダーの香りでいっぱいにしておけばその高校生探偵ならすぐにあの事件を思い出しトリックを見破るはず。
本当にあの屋敷はラベンダーの花で埋め尽くされていたから…。
そうよね。
その屋敷の執事だった甲谷廉三さん。
ふ〜ん。
はい。
お嬢様はとてもお好きでしたので。
おお嬢様!
(白馬)ではなぜ彼をここに?
(越水)お嬢様の自殺の理由を知っていたのに黙っていたの。
そそれは…。
(甲谷)お嬢様もうお薬は…うるさい!好きにさせて!お嬢様の名誉の為にどうしても言えなかったのでございます。
彼女への疑いなぞ捜査が進めばすぐに晴れると。
まさかあんな事になると…申し訳ございませんでした。
しかし…ちょう待てや。
あんたが恨んでいるこの2人も呼んだっちゅう事は…。
ええ助け船なんて来ないわよ。
あの時の船長にも秘密が守れなければ残りのお金は払わないと口止めしてあるし。
絶対に逃がす訳にはいかない。
相手が私の計画に感づいてしまう場合も考えればね。
(越水)ま時津本人は私に殺害される直前までラベンダー事件の間違った推理をこの私に得意げに話し続け取るに足らない奴だったけど。
じゃああの無線機も…。
壊したのはもちろん私。
死なば諸共ってわけ。
ごめんねボウヤ。
ううん。
謝ることはないさ助けは来るから絶対。
なあお前。
確か俺らより半日前にここに来た言うてたな?自分とこのクルーザーとかで来たんちゃうんか?いやただ予定より早く港に着いてしまっただけでしばらく使っていないロッジ大人数で寝泊りとは聞いていましたからね。
最近どこか無人島に生活用品や燃料を運んだという船を探してここまで乗せてもらったんですよ。
それなりの報酬で。
ちゅうことはお前がここにおるっちゅうことを誰も知らんのか?ええ君こそ誰かに伝えてないんですか。
いやまあ伝えたんは伝えたんやけどあいつトロイしのぅ。
なんやとぉ!
(ドドド…)音?なんだ?この音。
まさかあの発電機まで壊れて…。
発電機の音じゃないよ。
ほほんならこの音は…。
平次〜!平次〜!和葉や!和葉が船連れて来よった!どうして!?平次兄ちゃんがメッセージと目印を残してきたんだよ。
おう!残したるわ。
服部平次「ここに在り」ってのぉあいたよ服部君!コナン君も!ほんま!?平次〜!…ったく素直に吐いてりゃ一本背負いを5本も喰わずにすんだのによぅ!ろ6本です。
なにぃ〜!
(槌尾)お〜い!お〜い!
(越水)いたんだね君みたいな熱血探偵…。
(平次)ああ?ノブに血をつければ扉を壊すしガラスは割って突入おかげで遺体は窓に寄りかかるはめになっちゃった…。
体当たりで窓ごと外されたりしたらアウトだもん。
悪かったのぅ。
血の気が多て。
ううん。
それが正解。
死を確認するまで生を信じぬく事こそ名探偵の名探偵たるゆえんだもの。
だよね?ボウヤ。
ああ…神様が許してくれるのなら君たちとホントに「探偵甲子園」やりたかったな…。
私の事を「僕」と言っていたあの頃に戻って…。
ほんで!ほんで!工藤君いてんの?う〜んよくわかんない。
《いるわけね〜だろ…》2016/01/06(水) 02:09〜04:09
読売テレビ1
火曜ナイトパーク「名探偵コナン傑作選『服部平次との3日間』[字]」
コナンと平次は女性が寺の部屋から消えたという謎の解明に挑む。翌朝、平次は日売テレビが企画した探偵甲子園に出場する事を明かし、コナンも助手として参加する事に…。
詳細情報
声の出演
江戸川コナン:高山みなみ
毛利蘭:山崎和佳奈
毛利小五郎:神谷明
服部平次:堀川りょう
遠山和葉:宮村優子
沖野ヨーコ:長沢美樹
本堂英祐:野田順子ほか
番組内容
コナン、蘭、小五郎、服部平次、遠山和葉は桜の名所にやってくる。ここで、傅久という若い修行僧が謎を解いて欲しいと小五郎に依頼。先日、和尚を訪ねてきた女性が部屋から消えてしまったという。小五郎らと寺を訪ねたコナンと平次はこの謎に挑む…。翌朝、平次は日売テレビが企画した日本一の高校生探偵を決める探偵甲子園に出場する事を明かす。コナンも平次の助手として参加する事になるが…。
おしらせ
名探偵コナン テレビ20周年記念
2週連続 1時間スペシャル
コナンと海老蔵 歌舞伎十八番ミステリー
1月9日(土)夕方5時30分〜 放送!
ジャンル :
アニメ/特撮 – 国内アニメ
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語ステレオ
サンプリングレート : 48kHz
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