NHK短歌 題「旅」 2016.01.05


グラフを使って不等式を考える時は白丸や黒丸をきちんと区別して描く事が大切だぞ。
はぁ〜2次関数が終わっちゃった。
次は三角比ですよ。
「NHK短歌」司会の剣幸です。
今年もご一緒に短歌を楽しみましょう。
それでは早速ご紹介致します。
第1週目の選者は佐佐木幸綱さんです。
先生どうも今年もよろしくお願い致します。
ご一緒に和服を着させて頂きました。
冒頭の一首は?あれはね飛行機で羽田からずっと日本海の方に抜ける時にね上空から多摩川が見えるんですけどね上空から見ると本当に右に左に昔暴れ川だったというのが分かるんですね。
百年単位千年単位で多摩川があっち行ったりこっち行ったりしてる。
そういう自然の大きな力を歌った春の歌なんですけどね。
新しい年にふさわしい歌をありがとうございます。
それでは今年最初のゲストの方ご紹介致します。
俳優の高橋ひとみさんです。
ようこそお越し下さいました。
よろしくお願い致します。
うわ〜あでやかなお着物で。
私袴にすればよかったなんて今思っちゃいましたけれども。
高橋さんは歌人でいらっしゃって有名な寺山修司さんとお目にかかったからこの世界にお入りになったとお聞きしたんですけれども昨年は寺山さんの生誕80年。
何か改めてお感じになる事ありますか?生きてらしたら80歳という47歳という若さでお亡くなりになって私はとうにその年を越えてしまったという事で随分時がたってしまったなってつくづく思いました。
佐佐木さん寺山さんと…。
寺山さんより僕3歳下なんですけどね学生時代から知っています。
寺山さん病院に入っておられてちょっと遅れて早稲田に出て来られた。
その時早稲田短歌会の会に出て来られたんですね。
また後ほどお話伺います。
どうぞよろしく。
今日の題は「旅」という事なんですけど親善大使やってらっしゃるとお聞きしました。
昨年南アフリカの観光親善大使をやらせて頂いて南アフリカをね皆さんが持ってるイメージではなくもっともっとゴージャスですばらしい国であるという事をお伝えしたくて。
私も一度だけ伺った事あるんですけど目から鱗です。
私たちが思ってるアフリカって全然違いますね。
おいしいしもうすばらしい所です。
後ほどたくさんお話伺いたいと思いますのでよろしくお願い致します。
よろしくお願い致します。
それでは今週の入選歌ご紹介致します。
題は「旅」または自由でした。
一首目です。
就職試験かなと思いますけどね残念ながら駄目だった感じを歌っておられるんですね。
こっちがポスト出してまた向こうがポスト出して自分の知らない所で履歴書がずっと旅続けてきたという。
そういう所に焦点を当てて歌うんですけどね「冷気をおびて」という所にちょっと残念な感じが出ててね読める歌ですね。
では次です。
高橋さんどうでしょう?これはですね多分年齢がいったご夫婦がかつて夫婦で訪ねたであろう尾道の坂の道を今は一人になってしまったけどもこの幅の感じが優しさを感じる。
一人になって改めて思って旅してみて思った事だと思ってご夫婦の歴史を感じる歌だなと思いました。
尾道ね階段になったりして細い道が海を背景にしてねそこの感じがとてもよくできていますね。
「幅のやさしき」というところが歌としてはとても上手ですね。
では次です。
僕もポーランドへ行った時にアウシュヴィッツへ行きましたけどね。
何度も見たくない感じをここでも歌っておられるんだと思うんですね。
友人の方はそちらにおられるもんで何度か案内して行かれたんだと思いますけどもう何度も見たくないという。
それで一人でお歩きになった。
その事が逆にアウシュヴィッツのすごさというかなそういうものを暗示しているそういう歌ですね。
とてもうまく暗示の形ができていると思います。
では次です。
これは今生きている時間は寄り道という事で死んでしまったあとに今は修業だっていうふうに聞いた事があってそうするとこの年齢私も50を過ぎまして死ぬ事が怖くないというか未来がまだまだあるんだというまだ途中なんだっていう逆に元気をもらえる感じがしてすてきだなと思いました。
いわゆる輪廻を歌っておられるんだと思いますけどね宗教のにおいが全然しないですよね。
ご自分の手作りの人生観のようなものが反映しててそこがとてもいいと思いました。
では次です。
(笑い声)ご自分で分かっておられるわけだけどお遍路に行ってついつい競争心みたいなのが出てきてしまったというユーモアの歌ですけどね。
下の句「何をしに来たお遍路の旅」というところで十分ユーモアを意識しておられますよね。
あまり意識しているといやらしくなるけどこの辺のチラッと味を出してるユーモアの出し方に工夫があると思いましたね。
では次です。
私もお酒大好きなんですけれども読んだだけで香りまで分かるというおいしそうっていう。
私もイワナを早く食べてみたいと思うような楽しい歌ですね。
旅の気分っていうかな旅そのものというより旅の気分のようなものをね上手に歌っておられますね。
短歌はね前にも気分を歌うって窪田空穂の名前を出した事がありましたけどね気分っていうのがね短歌の中で非常に大事な部分なんですね。
うまく歌ってると思います。
すごく伝わるっていう事を書くのは難しいですよね。
そうですよね。
では次です。
80ですよね。
さっき寺山さんもそろそろ80なんていう話がありましたけれど分かりますよねサッカーなのかラグビーなのか野球かもしれませんけどね僕も高校時代ラグビーやってたもんで独特な感じがあるんですよね。
その辺りとても80になられて母校のグラウンドに立った気分。
言っておられないけど運動部だったって分かりますね。
はい次です。
絵の中に入り込んでしまった感じがして本当に旅の短歌だなって思いますね。
色鮮やかな感じが目に浮かびます。
デルフトという街だろうと思いますけどね僕は何度も…近かったもんですからね。
オランダに住んでる時随分何度も行きましたけど。
300年400年じゃ街が変わらないんですよね。
石で造ってあって地震がないからそういう感じが本当に出てて旅の歌としてとてもよくできていると思いますね。
では九首目です。
日常的な人間関係というかなあるいはその場での自分の立場というかそういうものに縛られて生きているわけですけどね。
インドに行くと人生観が変わるって。
皆さんおっしゃいますね。
僕もそんな長い間半月ぐらいしかいなかったですけどやっぱりちょっと変わりますよね。
ほんとの個人になれる。
日常から離れられる。
そういう感じをとてもうまくつかまれておられると思いました。
ありがとうございました。
以上入選九首でした。
それでは特選の発表です。
佐佐木さん三席お願いします。
三席は丹羽利一さんの作品です。
では二席をお願いします。
伊藤和良真さんです。
では一席をお願い致します。
甲鳥和さんの作品です。
第三句で切れてるんですね。
しばらく空白があって「一人で歩くアウシュヴィッツの庭」。
前の方三句がとてもスッといって後ろの2つね「一人で歩くアウシュヴィッツの庭」ってゆっくり読めるような形になっているんですね。
そこで本当にアウシュヴィッツの怖さのようなものを味わいながら一人で歩いてる感じがとてもよくできていると思いました。
以上入選作品のご紹介でした。
続いて「入選への道」今回惜しかった一首の添削です。
作品はこちらです。
最初「山間」でもいいですけどね「山間を」と読むんだと思います。
「バス旅」というのがちょっとゴタゴタしてる感じなんでここちょっと直したい。
それから下の句ですね。
「富士見え隠る右に左に」慌ただしいところを表現されてるのかもしれませんけど短歌としてはちょっとゴタゴタした感じが表に出てしまうのでもっとゆったりした方がバス旅の楽しさというのも分かると思いますね。
右に左に見えればキョロキョロしてるって出ますのでわざわざおっしゃらなくてもいいと思います。
そこでこういうふうにしてみました。
「バスの旅」で切れますね。
二句切れになります。
下の句「富士を見てゆく右に左に」。
これで十分おっしゃりたい事は表現できるかなと思います。
皆さんどうぞ参考になさって下さい。
それでは投稿のご案内です。
続いて選者佐佐木幸綱さんのお話です。
愛誦性という事で若山牧水を取り上げたいと思います。
今読んで頂いた歌はですね…「旅人のからだもいつか海となり五月の雨が降るよ港に」。
これは神奈川県の三浦岬で作った歌なんですけどね僕はとてもいい歌だと思って見つけて20年ぐらい前にこの歌いい歌だなと言い始めてだんだん今いろんな所で引用されるようになってきました。
是非皆さんも覚えやすいですから牧水の歌はねこの機会に今の歌を覚えて頂きたいと思いますね。
牧水はねとても覚えやすいんです歌がね。
どうして覚えやすいのかというと自分で何度も発音をしながら歌を作った。
作っちゃったあとも自分の歌をいい気持ちそうに言いながら歩いてたという事で僕は画家の中川一政先生という方と対談をさせて頂いた事があってその時にそういう話をしておられました。
先生は若い頃に10代の頃に牧水が好きで牧水のあとをくっついてよく散歩されてたと。
そうすると牧水は大きな声で自分の歌を言うんだそうですね。
朗唱するといいますか。
考えてみるとね20代半ばぐらいの牧水と10代の終わりぐらいの中川一政が歩いてるんですね。
今考えるとおかしいでしょ?てれないでやってたんですね。
歩くリズムで自分の短歌を発音する。
それがとてもいい気持ちでそういう歌を作ったんですね。
そう心がけてたんだと思います。
これがやっぱり近代短歌史の中で大きな事で短歌はやっぱり覚えられるそれから調子がいいリズムがいい調べがいい響きがいいこれ大事な事なんですね。
そういう事で牧水は近代短歌で大きな仕事をしたと思いますね。
調べもね。
ありがとうございました。
今日はゲストに俳優の高橋ひとみさんお迎えしております。
お二人ともご縁の深い寺山修司さんなんですけれども高橋さん今日はとっても大事なものをお持ち頂いたという事でご紹介下さい。
これなんですけれどもスクラップブックなんですね。
私が本当の本当の初めての初舞台の時に寺山修司さんに初日のお祝いで頂いた「青ひげ公の城」という舞台をする時に頂いたものでこれは何があってもこれだけは持って逃げるというぐらい。
もしかしたら命よりも大切に…?大切にしてるものなんですね。
中ちょっとご紹介頂けますか?これはたくさんいろいろ書いて頂いて…。
全部初日に頂いた?そうです。
初日に頂いて写真とかも入ってるんですけど五か条というのがありまして18歳ですから私。
これから女優になるためにこれだけは守っていきなさいと。
一つがこれ一番好きなんですけど「うまくなるな」。
小器用になるなという意味かどうか分からないんですけど存在感のある女優さんになりなさいと。
2つ目は「美は表面だけではだめだから内面を磨きなさい」。
よく勉強しなさいという事だと思う。
いい本を読んだり絵を見たりいい曲を聴きなさいと。
3個目は体を動かす。
常に鍛えていなさいという事。
4つ目が常に想像力を持って。
想像力はいろんな所で言っておられましたよね。
最後はいいライバルをもちなさい。
そのとおりなさってますか?いや「うまくなるな」だけ。
すごくマメな方なんですね。
ほんとにいろんな方にたくさん…「手紙魔」って言われてて海外なんか行った時は毎日手紙が届くんですね。
「返事は?」って言われるんだけどもう追いつかないぐらい。
でもそれは皆さんにしてて。
たくさんだから残ってね…。
まだねメールのない時代ですからね僕なんかの時にも葉書は何通かありますよ。
寺山さんのこういう一面ご存じでしたか?そんなに詳しくは知らないですけどね横浜の文学館で寺山修司展をやったんです。
その時に見ましたけどね本当にいろんなものをコラージュしたり小さなメモをきれいな紙に書いたり非常にマメなのね。
この表紙も寺山さんが全部作ってこれもちゃんと貼っつけてくれてきれいな絵葉書が好きでそれにマメにいっぱい書いてる時もあるしひと言サササっと書く時もあって。
その時の感覚でお書きになる。
どんどんアイデアが出てくるんでしょうね。
お好きな一首ありますか?私はですねとてもかわいらしい短歌なんですけれども…。
かわいい少年と少女が海を知らない少女に僕は知ってるんだよ。
「こんなに大きいんだよこんなに大きいんだよ海は」っていう事を説明しているのがすごくよく分かって。
寺山さんはよく「僕は中学の教科書に載っているんだよ」ってうれしそうに話しててだから少女にも人気があるんだよという事を言いたかったのかなみたいなかわいらしい一面も。
アングラっていう舞台もしててなおかつ少女たちにも人気がある。
小中学校の教科書に載っていると。
小中学校の教科書に載せていたであろうかわいらしい詩学生何歳か分からないですけど。
甘酸っぱい感じがして…。
イメージがちょっと違いますけど。
佐佐木さんこの歌は?有名な歌ですよね。
随分若い頃作ったんだろうと思いますけどね。
物語を抱き込んでるんですよ。
少年と少女のね。
どんな少年なんだろう?どんな少女なんだろう?海を知らない少女って日本では珍しいですよね。
どんな少女なんだろうという。
もしかしたら病気なのかとかいろんな事を考えるんでしょ。
そういう物語を内包してますよね。
高橋さん短歌をひと言で表すと?書いて頂きましたよね。
やはり先ほどの皆さんの短歌を見せて頂いてもあらゆる想像力が妄想とかいろんなものが浮かんで人によってはいろんな思いがあるんだろうな。
思いが全然違ってねあるかもしれないんですけどあの短い中にものすごい物語がギューッて詰まってるのがよく分かるので「一番短い物語」だなと思いました。
物語…寺山さんはやっぱりこういうものを作ってという感じですか?僕はこういう歌を用意してきたんですけどね…。
全然血縁関係のない4人が集まって穴を掘っている。
花野ですからこれ秋の季語なんですね。
これもものすごい物語がありそうです。
この歌はねこういう歌集が数年前に出ましてこれ僕が解説を書いているんですけど寺山さんのノートに残っている短歌あるいは短歌の断編をまとめて一冊にした本でこの中に入ってる歌なんですけど。
晩年まで実際短歌は発表されませんでしたけどこういう歌を作ってるわけ。
それがやっぱりみんな物語を抱き込んでいるのね。
先ほどのと全然違う感じがしますよね。
私が最後に出させて頂いた「さらば箱舟」という映画でいとこ同士の結婚っていうお話があって最後に大きな大きな深い穴から花びらがぶわ〜って舞い散るんですけれども今それを思い出しました。
「花野の穴を」という所の映像…。
気持ちの悪いもの不思議なものとかね。
確かにそうですね。
とっても恐ろしいものとか怖いものをものすごく美しく表現なさる。
それは衣装だったりセリフだったりそのギャップというのがすばらしいなと思いましたけど最初の短歌高校生の時に作った短歌というのはあまりにも違い…ちょっとびっくりです。
奥には怖いものがあるのかもしれない。
今の高校生時代でもそうだったって事ですか。
高橋さんご自身は短歌はお作りにならないんですか?全然作れないんですけども今聞いた…見たりしたら自由なんだと思いましてこれから旅番組が私も多いので旅に行く度にちょっと書いてみようかと思って。
挑戦したいと思います。
是非お作りになったらまたいらして…。
尾道でまた作って下さい。
はい見せに来ます。
外国とかもやっぱり南アフリカにもいらっしゃるんですよね。
南アフリカの短歌も作ってみようかと…。
是非スクラップブックをお持ちになってそれもお持ちになってっていう感じですね。
そっか〜でも何か寺山さんとの出会いがずっとこうやってご自分の人生が決まっちゃったって事ですもんね。
そのスクラップブックがあったからこそというところも…。
人の物語まで作っちゃうんですよ。
ああそういう事ですか。
物語の一部分になれたらいいなって思います。
作られたそのブックからっていう事ですか。
人との出会いってすごいですね。
17歳ですもんね。
そろそろお時間になりました。
今日はゲストに高橋ひとみさんお越し頂きました。
どうもありがとうございました。
ありがとうございました。
佐佐木さん次回もよろしくお願い致します。
それではまた来週お目にかかります。
2016/01/05(火) 15:00〜15:25
NHKEテレ1大阪
NHK短歌 題「旅」[字]

選者は佐佐木幸綱さん。ゲストは俳優の高橋ひとみさん。歌人・寺山修司に見出された高橋さん。初舞台の初日に「女優としてやってゆくための五か条」を渡されたという。剣幸

詳細情報
番組内容
選者は佐佐木幸綱さん。ゲストは俳優の高橋ひとみさん。歌人・寺山修司に見出された高橋さん。初舞台の初日に「女優としてやってゆくための五か条」を渡されたという。【司会】剣幸
出演者
【ゲスト】高橋ひとみ,【出演】佐佐木幸綱,【司会】剣幸

ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 文学・文芸
趣味/教育 – 生涯教育・資格

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