趣味どきっ! 開け!世界遺産 第5回「石見銀山・醍醐寺」 2016.01.05


白菜の甘みもた〜ぷり味わえますよ。
人類が後世に語り継ぐべき貴重な宝世界遺産。
日本では現在19か所が世界遺産に登録されています。
豊かな自然や文化そして歴史を物語る貴重な証言者たち。
その建造物や風景を旅してみると日本の歴史を読み解く事ができます。
世界遺産は日本史のタイムカプセル。
世界遺産を巡る旅は日本の歴史の再発見の旅。
さあ出かけましょう!今回は富が世の中を動かした時代の物語です。
訪ねるのは島根県の山あいにある…およそ400年にわたって採掘が続いた日本を代表する銀の鉱山です。
当時世界は大航海時代。
この銀山はヨーロッパの国々も注目していたとか。
もう一つの世界遺産は京都・伏見の醍醐寺。
主人公は…富の力で天下を取った太閤さん。
その一大イベントの舞台をご紹介しましょう。
世界遺産検定マイスターの本村健太郎です。
さあこのシリーズも今日から後半に入りますね。
あっという間です〜。
でトラベラーに今回からダイアモンドユカイさんご登場です。
よろしくお願いします。
Helloサムシング。
よろしくです。
Helloサムシング?よろしくお願いします。
ユカイさん歴史結構好きだと聞きましたが。
裏歴史んとん協会の会長をやってます。
裏歴史んとん協会?そう裏歴史。
今まで教科書とかに載ってる歴史…ほんとはそうじゃないんじゃないかと。
教科書に載ってない…。
ない。
そういうのを探っていくのが好きなんですよ。
じゃあもう会長として今日はまたたっぷり新しい発見を是非得て下さいね。
よろしくお願いします。
さあ!では今日訪れる世界遺産。
時代はですね日本中の武士たちが入り乱れて戦った戦国時代。
そして天下統一と。
その時代に関係のある世界遺産ですね。
まずはこちら!石見銀山です。
きましたね!島根県にありますね。
石見銀山どんなイメージですか?私は島根に行く時に本を買ったんですよ。
出雲大社行くために。
そしたら石見銀山って載ってたんですけれども…あ〜飛ばしちゃった。
結果分かってないので今日しっかり勉強したいと思います。
教科書の中ででもさ「黄金の国」とか書いてあったけどね。
日本は黄金の国ジパング。
だけど実は銀が有名だったと。
この石見銀山日本の歴史上大変重要な場所だったんですね。
へえ〜。
例えばね…ジャン!あっきたな〜!16世紀のヨーロッパで作られた日本地図なんですね。
北海道がない。
ありましたけど地図には載ってなかったんですね。
でも本州それから九州四国が載ってますね。
ここにあるのが琵琶湖ですね。
琵琶湖見えますね。
琵琶湖もちゃんとそうやって地図に記載されてたんですね。
京都なんですが「MEACO」と書いてあります。
フフフッMEACO。
発音のとおりに文字にしてるね。
今度大阪の辺りには「Sacay」。
ええ〜!堺が?もう。
「Sacay」って書いてありますね。
で島根県のとこ見てみましょうかね。
ここなんですけども。
ん?読めないな。
「Hivami」と書いてあります。
「H」ですよ?「H」は発音しないんですね。
で「V」は「W」と同じ。
だからイワミ。
でここにその説明で「Argentifodinae」と書いてある。
これは「銀の鉱山」という意味。
だからまさに「石見の銀山」というのが地図に載っていると。
有名だったんですね。
その当時ね。
ヨーロッパではちゃんと石見銀山は知られていたんですね。
皆さんどうですか?石見銀山もっと知りたくなってきたでしょ?もちろんです。
どれぐらいすごかったのか。
じゃあね石見銀山へ…。
(3人)日本史タイムカプセル!石見銀山は島根県の中央部中国山地が日本海に迫る一角にあります。
2007年に鉱山遺跡としてはアジアで初めての世界遺産に登録されました。
その銀山とともに発達した大森町。
古い町並みが今も残ります。
かつてこの鉱山の町はシルバーラッシュに沸き銀の採掘や精錬をする職人たちでにぎわっていました。
町の向こうに見える深い緑で覆われた山が銀の鉱山…銀が生産されていった採掘場の跡は今も発掘が続いています。
調査によりおよそ600か所が見つかっています。
その代表的な一つが龍源寺間歩。
内部を見学する事ができます。
「間歩」とは坑道の事。
坑道の壁や天井の至る所にのみや槌で掘った跡が。
鉱山職人たちが銀鉱石を求めた名残です。
掘り進むのは一日に30センチほど。
全て手作業でした。
狭い間歩は大勢の人であふれ活気に満ちていました。
石見の銀の最も優れているところは品質でした。
それは当時最先端の「灰吹法」と呼ばれる精錬技術でつくられていたからです。
銀鉱石に鉛を入れて溶かしそれを動物の骨などを燃やした灰の上で加熱。
鉛は灰の中に吸収されあとには純度の高い銀が残るのです。
この画期的な灰吹法の技術で石見では品質の高い銀が生産されました。
…と言われる膨大な量でした。
石見はまさに宝の山だったのです。
この銀山を支配し急速に力をつけていった人物が安芸国の領主毛利元就でした。
16世紀長崎ではポルトガルとの南蛮貿易が行われていました。
ポルトガルは中国の絹や陶磁器などの貴重な舶来品を持ち込み銀と交換していました。
元就は長崎に石見の銀を大量に運び大きな富を得ます。
石見の銀は長崎から当時ポルトガル領だったマカオに運ばれその存在が世界に知れ渡っていきました。
時は戦国時代。
身分や伝統がなくても力がある者がのし上がる下剋上の時代でした。
元就は銀を軍資金にも使いました。
火薬の原料を輸入し鉄砲などの軍備を強化。
領土を拡大していきます。
もともと毛利氏は大内氏など中国地方の大勢力の一家臣にすぎませんでした。
元就は石見銀山を手に入れ富を蓄える事で僅か40年ほどで中国地方を治める西国随一の大大名にのし上がったのです。
石見の銀は富の力が天下を動かす時代の象徴でした。
さて!うわっびっくりした。
ここで問題です!え?何?それ。
おお〜難しい問題ですね。
見当もつかないです。
すごかったって事?「何分の1」っていうぐらいだからね。
う〜ん…3分の1ぐらいか?3分の1。
そんな多くないと思いますよ!そうか。
そうだよな。
10分の1ぐらい?それでも多いかと思います。
正解は3分の1!え〜!すご〜いユカイさん!すごいじゃないですか!何となく3分の1っていう気が。
世界全体の3分の1を…日本の銀だったんですね。
でそのほとんど…かなりの部分を石見銀山で採っていたと言われていますね。
で石見銀山ですね。
世界遺産になるにあたってどんなところが評価されたんでしょうかね。
ここで登場!まあ一つは…それによってポルトガルの人が日本に持ち込んだもの。
例えば鉄砲であるとかあと同じタイミングでキリスト教なんかも入ってきた。
そういう…
(本田)あと一つすごく他の鉱山と違うところ。
世界遺産って必ず登録する時にこれまでに登録されたいろんな類似するものと比較をするんですね。
そして…例えば南米のボリビアっていう所にポトシ銀山というものがあるんですけれどもそのポトシ銀山の今の様子と石見銀山を比較して頂くとはっきりと分かる事が…ポトシ銀山ってはげ山なんです。
銀を精錬する時って木炭がすごく必要なんですね。
ああ火をたいてね。
(本田)そうです。
そうするとどんどんどんどん木を伐採しなければいけない。
で多くのヨーロッパとか南米の鉱山というのは木を切り尽くしてしまう。
結果的にはげ山になってしまう。
じゃあなぜ石見銀山がこんなに青々とした状況で残っているのかといったら…
(本田)結果として青々とした緑がいまだに残っている。
つまり「エコな鉱山」と言えると思うんですね。
そこが評価されたという事…。
(本田)そうなんですよ。
日本人と…ふ〜ん。
世界を席巻したこの石見銀山なんですが日本国内でも世の中を大きく動かしたんです!ええ〜?じゃあいってみましょうか?では日本史…。
(ユカイ高橋本村)タイムカプセル!毎年7月に行われる京都祇園祭。
古都の夏の風物詩です。
1,000年以上続くこの祭りは2009年ユネスコの無形文化遺産に登録されました。
祭を彩るのは町内を巡る山と鉾。
豪華な装飾やタペストリーなどの懸装品をまとう姿は絵巻物のようです。
優れた彫刻などが豪華絢爛に飾られ「動く美術館」と称されます。
この祇園祭も歴史の中で富の力と大きな関わりを持ってきました。
古い時代日本では米などの産物を貨幣と見なす物々交換が経済の主流でした。
12世紀ごろから中国より大量の銅銭が輸入され国内で流通するようになりました。
徐々に貨幣経済が浸透し商業が発展していきました。
やがて16世紀ごろ石見を中心に銀が大量に掘り出され精錬技術も発達。
国産の貨幣「丁銀」が造られ流通するようになります。
貨幣の力を使えば世の中を変えるチャンスを得る時代になっていたのです。
織田信長から上杉謙信に贈られたと伝わる屏風です。
16世紀の京の都が描かれ活気に満ちた人々の生活や風俗が読み取れます。
合わせて2,000人以上の人々が登場。
商人たちがさまざまな食料や物品を売り買いしている様子も多く見られます。
この時代貨幣経済の発達を背景に商人や町人が富を蓄え強い力を持ち始めていました。
祇園祭の山鉾も描き込まれています。
平安時代から続いていた…復活させた主役は「町衆」と呼ばれた人たち。
貨幣経済の発展で財を築いてきた商工業者たちでした。
山鉾に飾られるヨーロッパやペルシャなどからもたらされたタペストリー。
銀貿易が盛んだった時代に町衆たちが富の力で手に入れたものも多く見られます。
祇園祭は貨幣経済の恩恵を受け財力をつけた町衆の象徴なのです。
そして16世紀末天下統一を果たした太閤豊臣秀吉。
彼もまた貨幣の力に着目しのし上がった人物です。
身分も権威も持たなかった秀吉は知恵と富の力を使って下剋上の世を勝ち抜きます。
これは毛利氏が秀吉に差し出した…秀吉は毛利氏の中国地方の支配を許しおよそ5,000枚の銀を納めさせたと言われます。
石見の銀を管理下に置き富を蓄えていった豊臣秀吉。
ついには天下平定を果たしたのです。
秀吉は天下を取って早速荒れ果てていた京都の町この再開発に乗り出します。
これに貢献したのが経済力のある町衆だったんですね。
実はこんな記録が残っています。
だから町衆が潤う事によって秀吉も潤ったというわけなんですね。
で秀吉はふんだんにこの富の力を使っていろんなお城とか立派な邸宅を次々に建てていくんですね。
でその一つが京都にある世界遺産の一つ…醍醐寺?なんか聞いた事あるけどピンと来ないです。
うわ〜ゴージャス!ゴージャスといえば…。
ゴージャスといえば?アハハハ!そうなの?じゃあここはユカイさんいってみますか?じゃあ成り上がり的に。
じゃあお願いします。
日本史タイムカプセル!京都駅からバスで30分余り。
京都・伏見区にある醍醐寺です。
応仁の乱で多くの伽藍を焼失しましたがその再建に力を尽くしたのが豊臣秀吉でした。
国宝に指定されている五重塔もその一つ。
秀吉はその修繕費を寄進しました。
そして秀吉が巨万の富を投じ自ら設計して造らせたのがこの…東西およそ100メートル。
池には8つの橋を架け石や木をふんだんに盛り込んでいます。
石の数は1,450。
各地の大名から名石を差し出させ石組みの名手に庭を飾らせました。
今も桃山時代の華やかさを伝えています。
庭には見どころが満載。
こちらの枯山水は京都の鴨川に見立てられているとか。
庭の中心に位置するのが秀吉が惚れ込んだという藤戸石。
両脇の小さな石と共に阿弥陀三尊を表していると言われます。
源平の頃から戦に勝つ武運の石として歴代の武将に引き継がれた天下の名石です。
この庭は秀吉が手にした富の大きさと力を感じさせます。
そして…醍醐寺を舞台に秀吉が贅を尽くした一大イベント「醍醐の花見」が催されます。
満開の桜の下で秀吉一行が楽しむ姿。
秀吉62歳の時です。
この花見のために奈良や滋賀から700本もの桜を集めて境内に移植。
更に花見専用の山まで築いていました。
北政所や淀殿をはじめ諸大名の女房衆1,300名も招いての盛大なものでした。
しかも一人3枚ずつ豪華な着物が新調されその費用は現代のお金に換算すると39億円とか。
何ともリッチな大盤振る舞いです。
農民から天下人にのし上がった秀吉。
醍醐の花見は僅か一日で巨万の富を使い尽くした夢のうたげでした。
すごいですね!秀吉が派手好きだっていうのは分かりましたけどあそこまでとは。
すごいですね醍醐の花見。
すごいお金をかけますね。
39億円って!でも女性だったらちょっと羨ましいなって…。
アハハハ!3着もね!すごいですよ!きっといいお着物でしょうし。
秀吉は成り上がりだしね派手好きだっていうところがね。
ロックだねこれもね。
秀吉もロックですね。
ロックの原型は秀吉だ…。
というわけで今日は石見銀山と醍醐寺を訪れました。
石見銀山がまず世界の3分の1の銀を産出していたっていう事には驚きました。
次回島根に行く事があったら是非見てみたいなと思いました。
そうですよ!やっぱり力っていうのはただ強いだけじゃなく経済力も含めて…ここだね。
そして更に時代が進むと貨幣経済はますます発展します。
江戸時代は戦乱がありませんからね。
平和な時代。
そして町人文化が花開くという事になるんですね。
そのお話はまた次回にしたいと思います。
というわけでまた次回お会いしましょう!
(テーマ音楽)2016/01/05(火) 11:30〜11:55
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趣味どきっ! 開け!世界遺産 第5回「石見銀山・醍醐寺」[解][字]

今回は「おカネ」の発達と関わりの深い二つの世界遺産、島根の石見(いわみ)銀山と京都の醍醐寺への旅。太閤・秀吉が巨額の費用を投じた「醍醐の花見」の豪華さとは?

詳細情報
番組内容
世界遺産から日本史の物語を読み解くシリーズ第5回。大航海時代とよばれる16世紀、ヨーロッパで作られた地図に「石見銀山」の表記があるほど、質の高さでも世界に知られた石見の銀。天下をとった豊臣秀吉は、毛利元就が治める石見銀山を管理下におき、貨幣の力を使って富と権力を蓄えていった。そんな秀吉の富の象徴が「醍醐の花見」。秀吉は一日かぎりの花見のために、いったいどれほどの贅(ぜい)を尽くしたのか。
出演者
【出演】本村健太郎,高橋真麻,ダイアモンド☆ユカイ,世界遺産アカデミー研究員…本田陽子,【語り】河野多紀

ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 歴史・紀行
ドキュメンタリー/教養 – カルチャー・伝統文化
趣味/教育 – 生涯教育・資格

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日本語
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