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【国際】「水爆」は強化型原爆か 北朝鮮核実験 規模小さく【ソウル=上野実輝彦】北朝鮮は六日、初の水爆実験に成功したと発表した。北朝鮮による核実験は四回目で、金正恩(キムジョンウン)第一書記の体制下では二〇一三年二月に続いて二回目。ただ、爆発の規模が小さいため、水爆の前段階にあたる「ブースト型核分裂弾(強化原爆)」などの可能性が高いとする指摘もある。 韓国の情報機関・国家情報院は六日夜、国会情報委員会に対し「水爆の可能性は低い」と説明。根拠として、インドが一九九八年に水爆実験に失敗した例を挙げ、「当時の爆発の規模は四十三キロトンだったが、今回の規模は北朝鮮の三度目の核実験時と同程度(六〜七キロトン)だった」と述べた。 国情院の説明を受けた同委員会所属議員によると、北朝鮮が二〇一三年二月に行った三度目の核実験の爆発規模は七・九キロトン、地震の推定規模はマグニチュード(M)4・9(気象庁はM5・2)だったが、今回はそれぞれ六・〇キロトン、M4・8(同5・0)にとどまり、これまでの原子爆弾実験時の規模と変わらなかった。通常、水爆実験では、成功時には数百倍、失敗時でも数十倍の規模になるという。 ブースト型核分裂弾は、同量の核物質でより大きな威力を得られ、核弾頭の小型化には不可欠の技術とされる。核弾頭の小型化に成功すれば、米国本土に届く長距離弾道ミサイルに搭載することが可能となる。 国連安全保障理事会は緊急会合を開き対応を協議。日米は、北朝鮮への制裁強化など新たな安保理決議採択に向け協調する方針。 青瓦台(韓国大統領府)は六日、緊急の国家安全保障会議(NSC)を開催。朴槿恵(パククネ)大統領は「国際社会と緊密に協力し、北朝鮮に相応の対価を払わせなければならない」と述べた。 過去三回の核実験では中国に事前通知があったが、中国外務省は同日の会見で今回は事前通知はなかったと説明。二回目と三回目に事前通知があった米国へも今回はなかったという。 北朝鮮は同日昼、国営の朝鮮中央テレビを通じて「特別重大報道」を放送。「水爆実験が成功裏に実施された。小型化された水爆の威力を科学的に証明した」と明らかにし、「核保有国の戦列に上り詰めた」と強調した。同テレビは金第一書記が昨年十二月十五日に水爆実験を命令したとし「米国の対朝鮮敵視ほど根深く執拗(しつよう)なものはない」と米国を名指しで批判した。 韓国気象庁は六日午前十時半ごろ、北朝鮮北東部の咸鏡北道吉州郡豊渓里(ハムギョンプクドキルジュグンプンゲリ)で、マグニチュード(M)4・8の人工地震を観測した。 PR情報
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