ニュースなどで就活の話題を見ると、「大変だなあ」という感想しか出てこない。社会の一部しか知らない20歳そこそこの若者が、膨大な情報に惑わされながら、自分が一体何者なのか、何をやりたいのかもわからずに、とにかくエントリーシートを書き連ねる日々。
もしも、今の自分が新卒時に戻って就職活動をするならば、どういう行動をするだろうか。
今就職活動をしていて、「やりたいことがわからない」「受けたい企業がない」と悩んでいる学生がいたら、この記事が何かの指針になれば幸いである。
有給消化率の高い企業を受ける
「やりたい仕事がある」「行きたい業界がある」という人は、その業界や企業を受ければいいが、そうでない人にとって、一体何を指針にエントリーする企業を受ければ良いのか。そのひとつは、ずばり有給消化率である。
そんな決め方でいいのか?と思うかもしれないが、それで良いのである。
どんな仕事にも、面白い面とつまらない面がある。希望に溢れる若者にこんなことを言うのは酷かもしれないが、基本的に仕事はつまらないものと考えたほうが良い。しかし、どんな仕事でも面白みを見出すことはできる。自分の取り組み方次第で、やりがいというのは必ず見つけられる。不貞腐れた態度で仕事に接しなければ、仕事はきっとあなたの成長を促す。
そこで重要なのが有給休暇である。どんなに楽しくやっていても、リフレッシュというのは絶対に必要だ。働き詰めになると、確実に精神は疲弊し、仕事なんてやっていられないという気持ちになる。だからこそ、付与された有給を確実に消化できる雰囲気というのは、とても重要なのだ。
それでは、どこで有休取得率の高い企業を見つければいいのか。
東洋経済オンラインが、「有給取得日数が多い企業」500社ランキング、というものを発表している。
※197位以下は元記事にて確認してください
この数値が完全に正しい数値と保証することはできないが、ある程度の目安にはなるだろう。
残業が常態化していない会社を受ける
これも前述の話と同じで、毎日の残業が常態化している会社はとても危険である。残業代が出るならまだしも、サービス残業などをさせられた日には、その会社への忠誠心など雲散霧消してしまう。仕事を頑張る気になれなくなるのである。
仕事によっては、忙しい時期や、締め切りの迫っているプロジェクトは当然ある。そういう時は少し残業してでも仕事を片付けなければならないのは社会人の常識だが、意味のない残業というのは、想像するだけでも恐ろしい。そして、そんな定時になっても帰れない雰囲気の企業はザラにある。
残業代がきっちり出る会社、残業が少ない会社、サービス残業がない会社を探すのは、新卒の学生にとって割と難しい話なのだが、この方法については、次の項目で説明する。
とにかく大企業を受ける
とにかく大企業、できれば上場企業を受けよう。なぜならば、大きな企業というのはコンプライアンスがしっかりしているところが多い。コンプライアンスがしっかりしているということは、労働基準法を遵守し、政府の標榜するワークライフバランスについても、寄り添うような制度を設けていることが多い。
先の有給取得についてもそうだが、残業については、サービス残業というのは非上場企業に比べて明らかに少なくなるだろう。なぜなら、今は勤怠管理もすべてデジタル化していて、容易にごまかすことはできない。もし残業をすることがあれば、残業代はしっかり出るし、その残業もあまりに多すぎれば、経営陣からのチェックが入る。残業代というのは人件費が増加するので、会社の利益に直接響いてくる。上場会社というのは決算書を公開する義務があるので、利益については株主からの厳しい目線が向けられているのだ。無駄に利益を減少させる、意味のない残業など、経営陣が許すはずもない。
だからこそ、残業面においても有利な大企業を受けるべきなのだ。
新卒で大企業を受けたほうがいいもうひとつのメリットは、数年後にやりたいことが見つかった時、その時に取りうる選択肢が広がる、ということも大きい。
例えば小さな会社に新卒で入って、あるいは初めからフリーで頑張って、そのうちに大きな会社でやりたいことが見つかった時、そこから大企業に入社するのは至難の業だろう。大企業であれば、可能性を潰さずにやりたいことを探すための、時間的猶予が得られる。
(もっとも、個人的には、入社時にやりたいことが見つからなくても、大きな企業であれば会社の内部で行きたい部署ややりたい仕事が見つかるのでは、と考えている)
大企業を受けるのが学歴的に難しい場合は?
前述の有休取得率上位企業や、上場会社においては、やはり学歴というのがひとつのフィルターになって、そもそも書類審査で落ちてしまう学生もいるだろう。
そういう場合は、とにかく説明会や就活雑誌、あらゆる手段を使って優良中小企業の情報を集めよう。中小企業でも、優良企業はたくさんある。会社の福利厚生制度を調べるのは当然のこととして、例えばOB訪問などで、リアルな話を社員の人から直接聞いたりしてもいい。
また、上場企業であっても、学歴をそこまで重要視しないところもたくさんある。大企業であればどこでもいいということでは断じてないが、これまで挙げた条件に合致した企業の採用実績を見てみよう。採用大学実績が有名大学ばかりでなければ、受ける価値はある。
あなたの人生がかかっている決断なのだ。躊躇している余裕など無い。
まとめ
この記事は、「どうすれば採用されるのか」についての記事ではない。「どの企業にエントリーすれば良いのか」についての記事である。エントリーしたあとは、あなた自身の努力次第だ。正直言って、自己分析やら他己分析をして、あやふやな「自分のやりたいこと」を無理やりあぶり出してその企業を受けるよりも、労働環境を重視する方がきっと幸せな人生が訪れると私は思っている。
仕事は精一杯頑張るし、プライベートも充実したい。そんな当たり前の考えは、「仕事が精一杯頑張れる」環境を見つけることからスタートする。
就活頑張ってください。